子供が健やかに成長するには、バランスよく栄養を摂らなければなりません。子供の成長に必要な栄養素は、タンパク質が挙げられます。
人間が必要とする三大栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物と言われており、どれかが欠けると体調に支障が出てきます。成長期の子供には特にしっかり摂ってもらわないと身長の伸びにも影響してきます。
ここでは、子供の成長、身長を伸ばすために必要なタンパク質を多く含む食品と料理をご紹介していきます。どんな食品にタンパク質が含まれているのか、親御さんも勉強して、毎日の食事メニューを考えてあげてください。
どのような食品にタンパク質は多く含まれるのか?
タンパク質は育ち盛りの子供にとって必要不可欠な栄養素です。筋肉や骨、髪、肌など体の組織はタンパク質から作られていると言っても良いでしょう。
タンパク質が不足してしまうと、免疫機能が低下して抵抗力が弱くなります。抵抗力が弱くなるといろんな病気にかかりやすくなってしまいます。また、筋力も低下するので転びやすくなったりすることがあります。
成長期の子供の中には、太るのを嫌がってダイエットをする子もいます。子供がするダイエットは、何も食べないで過ごすとか、野菜サラダしか食べないといった誤った方法ですることがほとんどです。
タンパク質が多く含まれる食品は、肉や魚介類、卵、乳製品といった動物性食品、豆類や穀類といった植物性食品があります。
肉が好きだから肉ばかり食べるとか、卵ばかり食べるといった食べ方ではなく、動物性、植物性それぞれのタンパク質をバランスよく食べるようにしないといけません。
子供が肉が好きだからと毎日肉だけにすると他の栄養素が不足してしまうのでこのような食べ方は避けないといけません。
タンパク質は成長や身長促進に欠かせない栄養
戦後に日本人の身長が伸びたのは、タンパク質のおかげだと言われています。食事ではそれぞれの栄養素をバランスよく食べないといけませんが、特に大切なのがタンパク質なのです。
タンパク質は骨や筋肉を作るために必要なものです。骨にはカルシウムが必要なのではと思いますが、タンパク質とカルシウムの両方が骨と筋肉の成長に必要なのです。
カルシウムをたくさん摂ることで、骨が成長して身長が伸びると思っている人が多いようですが、実は違います。カルシウムは骨を丈夫にする働きがあるもので骨を伸ばすものとは違います。
タンパク質は血液や筋肉を作るだけでなく、骨を直接伸ばす働きがあるのです。骨はカルシウムとタンパク質(コラーゲン)でできており、どちらが欠けてもだめなのです。
成長期に身長を伸ばすためには、カルシウムとタンパク質をしっかり摂って骨を成長させることが大切です。十分な栄養が摂れていれば、骨も順調に成長します。特に身長が伸びる時期にタンパク質が足りていれば、すくすく伸びてくれることでしょう。
タンパク質は他の栄養素を運ぶ働きもある
タンパク質は成長期に無くてはならない栄養素です。筋肉や皮膚、毛髪、臓器、骨、血液など体を構成する成分として一番大切な栄養素なのです。また、タンパク質は免疫機能にも関わっており、健康な体を維持するために必要なものと言えます。
たんぱく質とはアミノ酸が多数結合した高分子化合物で、筋肉や臓器など体を構成する要素として非常に重要なものです。また、それだけでなく、たんぱく質は、アミノ酸の組み合わせや種類、量などの違いによって形状や働きが異なり、酵素やホルモン、免疫物質としてさまざまな機能を担っています。
タンパク質は体に入ってきたビタミンAや鉄を運んだり、鉄や銅を貯める働きをします。ビタミンやミネラルをたくさん摂ると良いのですが、いくらたくさん摂っても体にタンパク質がないとそれを運ぶことや貯めこむことができなくなるのです。
ビタミンやミネラルをしっかり働かせるためにも、タンパク質が不足しないように毎日きちんと摂らないといけないのです。
タンパク質を多く含んだ食品一覧
タンパク質は体を維持していくために必要な栄養素であることがわかりました。成長期の子供にもタンパク質はしっかり摂らせないといけません。
毎日タンパク質をしっかり摂ると言っても、タンパク質を多く含む食品を理解していないと摂ることができません。
ここでは、タンパク質を含んだ食品をご紹介しますので、どんな食品を食べれば良いのかを理解し、毎日の食事に取り入れるようにしましょう。
たんぱく質を多く含む食品はいろいろあります。これらの食品を毎日まんべんなくバランスを考えて摂るようにしないといけません。
過不足なく、バランスよく摂取することで子供なら成長を促進しますし、大人なら健康を維持していけるのです。具体的に食品を挙げておきますので、食事メニューに取り入れてみてください。
牛もも肉
肉類にはタンパク質が豊富なのですが、その中でも牛もも肉はタンパク質が多く含まれています。可食部100g中、タンパク質は20.7gとなっており、含有量は多いです。
「赤身肉」と言われるものがタンパク質を多く含むとされており、牛もも肉はこれにぴったり当てはまります。タンパク質以外にも牛もも肉には亜鉛、鉄、ナイアシン、ビタミンB2が含まれています。
脂肪分が少ないのでヘルシーですが、少しパサつきが気になるところです。しかしこれは調理法を工夫すれば解決できます。
豚もも肉
牛もも肉にはタンパク質が多く含まれることがわかりましたが、豚もも肉にもタンパク質が多く含まれています。含有量は豚もも肉可食部100g中、22.1gです。牛もも肉よりも含有量が多いです。
豚肉でタンパク質が多い部位は、ももとヒレです。脂質量も牛もも肉よりも少ないのでよりヘルシーです。タンパク質以外に含まれている栄養素は、ビタミンB1、ナイアシンです。
ビタミンB1は、体内で糖質をエネルギーに変える時に必要となるものです。ごはんやパンをたくさん食べてもビタミンB1が不足しているとエネルギーに変える効率が悪くなるのです。
鶏むね肉
鶏肉の中でもむね肉にタンパク質が多く含まれています。鶏むね肉(皮つき)は100g中19.5g、鶏むね肉(皮なし)は100g中、24.4gの含有量です。皮がついていると、脂質量が増えてしまうので、皮なしの方を選ぶ方が良いでしょう。
鶏むね肉に含まれている栄養素は、タンパク質以外にはナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、イミダゾールジペプチドが含まれています。
鶏むね肉でタンパク質以外に注目されるのはイミダゾールジペプチドという成分です。これには優れた疲労回復効果があると言われており、これを摂るのと摂らないのとでは2倍の疲労感の違いがあるとされています。
さけ
魚の「さけ」にはタンパク質が100g中22.3g含まれており、豚もも肉と同じくらいのタンパク質の量です。さけはスーパーフードと言われており、タンパク質以外にも多くの栄養素が含まれています。
ビタミンならA、B群、C、D、E、鉄分、亜鉛、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、アスタキサンチン、DHA、EPAなどが含まれており、さけを食べるだけでタンパク質からビタミン、鉄分といった多くの栄養素が摂れます。
また、さけに含まれるDHCやEPAはオメガ3脂肪酸に分類されるもので、これは免疫力を上げる効果やコレステロール値を下げる効果があります。
かつお
魚の「かつお」もタンパク質を多く含む食品です。かつおには可食部100g中25.0g含まれています。牛もも肉や豚もも肉、鶏むね肉、さけよりも多く含まれており、これらの食品の中ではたんぱく質の量は一番多いです。
肉の赤身にタンパク質が多いと言われていますが、魚も赤身魚にタンパク質が多く含まれています。魚ではまぐろやかつお、いわし、ぶりといった回遊魚が赤身に分類されています。
タンパク質以外だとビタミン類や脂肪酸が多く含まれており、ビタミンではBやDが多いです。DHCやEPAといった脂肪酸も豊富に含まれています。
かつおは海を大回遊する魚です。かつおの筋肉はエネルギーのもとになります。その筋肉を支えるのが血合いの部分ですが、ここにはビタミン類やミネラル類がたっぷり含まれていて、栄養の宝庫なのです。
子供の成長にもかつおは効果的で、タンパク質はもちろんのこと、ビタミンや鉄分がとても多いので、いくつもの食べ物を用意する必要がなく、かつおだけでも十分な栄養素が摂れます。
いろんな調理方法で味を変えると飽きもこないので、子供の食事メニューに取り入れてみてはいかがでしょう。
上記以外のタンパク質の供給源になる食品一覧
タンパク質は子供の成長のためにも、身長を伸ばすためにも必要な栄養素であることはわかりました。牛もも肉、豚もも肉、鶏むね肉、さけ、かつお以外にタンパク質が多い食品は何でしょう。
まぐろの赤身は100g中26.4g、卵は(Mサイズ1個)12.3g、牛乳は3.3g、豆乳は3.6g、木綿豆腐(一丁)は6.6g、乳製品(パルメザンチーズ)(大さじ1.5杯)は6.1gとなっています。
これらの中ではまぐろの赤身にタンパク質が多いので、これを中心に食べようと考える人もいるようですが、同じものばかりを食べていては、栄養が偏ってしまいます。特に子供にはタンパク質を多く含むものをまんべんなく食べさせることをおすすめします。
牛もも肉をメインで食べたら次の日は魚をメインに食べるとか、毎日牛乳を飲むようにする、卵も1日1個程度におさめるようにすると食べ過ぎたりする心配はありません。
タンパク質を多く含んだおすすめ料理一覧
タンパク質は子供の成長には欠かせない栄養素ですから、毎日の食事でしっかり摂ることが大切です。そのためにはタンパク質が豊富な食品を使った料理を知っておかないと子供に食べさせることができません。
ここでは、タンパク質を多く含んだ食品を使った料理をいくつかご紹介します。牛もも肉、豚もも肉、鶏むね肉、さけ、かつおを使った料理で、子供が喜んで食べてくれるものをご紹介します。
ちょっと工夫をすれば子供が喜ぶ味、食感になりますので、その方法を覚え、毎日の料理に役立ててください。親御さんたちも忙しいでしょうから、できるだけ手間のかからない、簡単なものをご紹介します。
牛もも肉を使った料理
タンパク質が豊富な牛もも肉を使って、簡単にできるローストビーフをご紹介しましょう。材料は、牛もも肉かたまりが300g、塩、こしょう、にんにくは適量です。
調理方法
牛もも肉の表面に塩こしょうとにんにく(チューブのものでOK)を塗ります。塩こしょうをした後少し置くとドリップが出てきますが、その場合はペーパータオルなどで拭きとってください。
焦げ目がついた肉をラップで二重に包み、ジップロックに入れます。ジップロックも二重にしてください。そしてお湯を沸かし、熱湯の中に肉を入れます。浮いてこないように重しをしておくようにしましょう。
3分後、火を止めてこのまま20分ほどそのままにしておきます。そうすればローストビーフが出来上がります。オーブンで長い間焼く必要がないので簡単にローストビーフを味わえます。脂身もないので、食が進むでしょう。
豚もも肉を使った料理
豚もも肉は脂身が少ないため、焼くと肉がぱさついて、おいしく感じません。豚もも肉をおいしく食べるには、ちょっと工夫をすれば良いです。
調理方法
豚ももスライスを使ってミルフィーユ風のカツを作ってみましょう。豚ももスライスに塩コショウで下味をつけます。とろけるチーズを半分に切り、豚もも肉を縦長に置きます。
手前にチーズを置いて手前から巻いて行き、小麦粉、卵液、パン粉の順につけ、油で揚げます。
全体がキツネ色になったら出来上がりです。豚もも肉には脂身が少ないため、このように揚げ物にしてもおいしく食べられます。ぱさつきがちな肉ですが、油で揚げるので肉がしっとりしておいしいです。
油で揚げるのですが、フライパンで少量の油で揚げ焼きにすると後始末も楽にできるのでおすすめです。揚げたてがおいしいので、ぜひ揚げたてを食べさせてあげてください。
鶏むね肉を使った料理
タンパク質を多く含む食品の中でも、鶏むね肉はとても人気です。いろんな食べ方がありますが、どうしても鶏むね肉はパサつくのが難点でした。確かに、火を通し過ぎると硬くなり、水分も無くなるので子供も進んで食べてくれないものです。
子供も喜んで食べてくれる鶏むね肉の料理でご紹介するのが、鶏むね肉のバターポン酢焼きです。材料は鶏むね肉、ホウレンソウ、しめじ、片栗粉、バター、ポン酢です。
調理方法
ホウレンソウは適当な長さに切り、しめじは小房に分けておきます。鶏むね肉は一口大のそぎ切りにし、片栗粉をまぶします。フライパンにバターを入れ、肉を並べたら3分間は焼いてください。この時、肉はあまり触らないようにしましょう。
肉に火が通ったらしめじ、ホウレンソウの順に入れ、炒めます。そしてポン酢を回しかけたら出来上がりです。すぐに出来上がるので、目を離さずにしましょう。
さけを使った料理
魚をたくさん食べて欲しいのだけれど、子供はあまり食べたがらないのでどうしたら良いかなと悩んでいる親御さんは多いです。子供が食べやすい味にしてあげると、すんなり食べてくれることがあります。
さけを使った料理をご紹介しますが、味つけにマヨネーズを使います。子供はマヨネーズの味が大好きです。これなら食べてくれると思いますので、ぜひ試してみてください。
調理方法
材料はさけ、しめじ、玉ねぎ、牛乳、マヨネーズ、チーズ、パン粉、塩コショウです。フライパンを熱して油を少し入れ、スライスした玉ねぎ、しめじを炒めます。塩コショウをしてオーブンを200℃に予熱しておきます。
牛乳とマヨネーズをよく混ぜ、耐熱容器に半分入れます。そこへ炒めた野菜とさけを乗せ、残った半分のソースをかけます。チーズとパン粉を乗せ、オーブンで焼きます。
だいたい20分前後で出来上がりますが、途中で様子を見て焦げているようなら少し早めに切り上げましょう。グラタン風なので、子供も喜んで食べてくれます。
かつおを使った料理
魚は体に良いとわかっていても、子供が喜んで食べてくれないからと食卓に出る機会が少ないです。かつおはタンパク質やその他の栄養素もたくさん含んでいるので、子供には食べさせたいのだけれど、どんな調理法にすれば良いか悩みます。
かつおは、少し魚臭さがあることから、余計に子供は避けてしまいます。ここでご紹介するかつおの竜田揚げなら魚臭さもなく、まるでチキンナゲットを食べているような感覚になります。
調理方法
材料はかつお(刺身用)、ショウガのすりおろし、しょうゆ、酒、みりん、片栗粉です。かつおは好みの大きさにそぎ切りします。ショウガ、しょうゆ、酒、みりんの中でかつおを漬け込みます。
30分くらい漬け込んだら、片栗粉をまぶし、フライパンで揚げ焼きにします。おいしそうな揚げ色になったらOKです。揚げたてよりも少し置いた方がおいしいと評判なので、ぜひ子どもさんと一緒に作り、食べてみてください。
栄養満点な料理・料理が苦手な方は子供用サプリの活用
タンパク質を子供に摂らせるために、子供向けの料理レシピを見て勉強している人もいれば、難しくて何も勉強していない、料理が苦手なのでさっぱりわからないという人もいます。
子供に栄養満点な料理を食べさせてやりたいと思っていても、忙しくてなかなか家で料理が作れないと気にしている主婦のみなさんもいるはずです。
忙しくて作れない人は、子供にぴったりの子供用サプリがありますのでうまく活用しましょう。子供用サプリを使う時の注意事項として、決められた量以上与えない、サプリに頼らず食事をしっかり摂るようにすることが大切です。
成長に必要なマルチサプリを選んで
食事だけでは十分な栄養素が摂れないかも、と思った時に子供用のサプリの活用をすることがありますが、子供には子供用のサプリを選ばないと体調を崩す可能性があります。
子供の成長に必要な栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどがそうです。サプリを選ぶ時には、まず子供用なのかどうかを見ることです。そしていくつかの栄養素がうまく混ざっているマルチサプリかどうか確認しましょう。
子供用に作られたサプリだと、食事で栄養素を摂ることが基本と考えて作られているので、食事だけでは不足しがちな栄養素をうまく補給することができます。栄養素の過剰摂取になることはありませんので、安心して使用できます。
まとめ
子供の成長、身長の伸びにはいろんな栄養素が必要となるのですが、その中の一つのタンパク質も、子供の成長に大いに関係しています。骨や筋肉、髪、皮膚などの組織はタンパク質がないと作られないのです。
タンパク質は毎日の食事でもしっかり摂取することが大切です。子供でもおいしく食べられるメニューをいくつか紹介していますので、ぜひ一度試してみましょう。食事は楽しいものでないと進みません。特に子供はそうです。
ここで紹介している料理は、いずれも思わずおいしいと言ってしまうようなものです。簡単にできるものばかりなので、面倒がらずに作ってみましょう。
タンパク質をたくさん摂るためには
タンパク質は、肉や魚、乳製品、卵などにたくさん含まれています。いろんな食品に含まれているため、比較的簡単に摂れるのですが、肉ばかり、魚ばかりを食べてタンパク質を摂っているというのは少し違います。
肉や魚、卵、乳製品などをまんべんなく、少しずつ摂るのが子供の成長に良い効果をあらわしています。肉ばかりをたくさん食べ、タンパク質は十分足りている!というのは認められません。
毎日の食事からタンパク質を摂り、さらに不足しがちな栄養素を補うために子供用サプリを使うようにすると良いでしょう。