「筋トレをすると身長が伸びなくなる」こんな噂を聞いたことはありませんか。詳しくいうと、小さいときに筋トレをしすぎると筋肉で固まって身長が伸びにくくなるという噂です。
はたして本当に筋肉が原因で身長が伸びなくなってしまうのでしょうか。そこで今回は、身長と筋トレについて徹底解説していきます。
筋トレをすると身長が伸びなくなる?
成長期の子供は「食事・運動・睡眠」の3つの生活習慣を欠かすことができません。これら3つを改善していくことで子供は成長していきます。
しかし、生活習慣の一つである運動を改善しようにも、どうすればいいのかわからないと悩む方もいるでしょう。
その悩みの多くの原因となっているのが「筋トレをすると身長が伸びなくなる」です。みなさんも一度はこの噂を聞いたことがあるのではないでしょうか。
たしかに、筋肉がたくさんつくことによって、固い筋肉が骨の伸びしろ「骨端線」の成長を止めてしまうようなイメージをしてしまいます。
また、身長が小さく、筋肉がついたスポーツ選手などを見かけることによって余計に噂の印象が強くなってしまったのだと考えられます。
しかし、筋肉は骨端線の成長に影響はありません。筋肉は固いと思ってしまうかもしれませんが、実際は弾力があって伸びやすく、ゴムのように柔らかいのです。
筋トレは身長を伸ばすために必要です!
骨の成長のためには筋トレを欠かすことはできません。筋トレをすることによって筋肉がつくこともそうですが、それ以外にも「成長ホルモンの分泌」などの働きがあります。
成長ホルモンとは名前のとおり成長に関係したホルモンで、分泌されることで骨端線が伸びていくのです。
また、筋トレによって筋肉がつくことで血液の流れを改善することができます。血液の流れがよくなると体の隅々まで栄養が届くようになり、体の中の働きも良くなります。
筋トレは成長に悪影響を及ぼすどころか、「成長ホルモンの分泌」や血流の改善など良い働きばかりです。筋肉をつけていて損はないので、できるかぎり筋肉はつけたほうがいいでしょう。
なぜ、筋トレをすると身長が伸びなくなるという噂が広がった?
外を歩いていたり、テレビを見ていたりすると身長が低めで筋肉がムキムキな人をよく見かけると思います。
それはただ、身長が高くて筋肉がムキムキな人よりも目立つだけなんですが、そのせいか「筋トレをすると身長が伸びなくなる」という噂が広がったんだと思われます。
どのような筋トレを行えば良い?
どのような筋トレを行えばいいのかの前に、成長ホルモンを分泌させるための大事なことを説明します。その後、筋トレを行なう際のポイントを解説していきます。
身長を伸ばすためには何度も説明していますが、骨を伸ばす働きがある成長ホルモンを分泌させないといけません。
ただ、成長ホルモンを分泌させるといっても、雑な筋トレでは意味がありません。正しい筋トレをしないといけません。
高重量のストレスをしっかりと筋肉や骨に加えることで、脳はその刺激に反応して成長ホルモンを分泌します。その後、成長ホルモンは全身のあらゆる細胞に働きかけていき、成長します。
しかし、雑な筋トレをすると高重量のストレスは筋肉や骨に加えることができず、成長ホルモンも分泌されません。丁寧に筋トレをこなしていく必要があります。
筋トレのポイント紹介!
筋トレを行なう際のポイントを紹介していきます。すべてやる必要はありません。できそうなものから始めていきましょう。
- ゆっくりとストレスをかける
- 骨に縦方向の力をかける
- ストレッチを怠らない
ゆっくりとストレスをかける
骨の成長が盛んな子供のときに筋トレをするとき、1回をゆっくりとしたペースでやることで成長ホルモンの分泌を促すことができます。
ペースを速くしても、それはただ勢いを使っているだけなので、すべてでは有りませんがほとんどが無駄になってしまうので注意してください。
そのため、ゆっくりとストレスをかけていくといいでしょう。筋トレの種類によっては関節も一緒に動かすと関節内にも栄養が行きわたって骨の成長をサポートします。
骨に縦方向の力をかける
骨とは常に骨を作っては壊すということがくり返されています。年齢が若いほど骨を作る働きのほうが盛んで、壊すよりも上回るのです。
骨の作る働きが活発なときに骨にそって縦方向に力がかかると骨はカルシウムを取り込もうとします。カルシウムを取り込もうとすることで骨を作る働きも活発化します。
縦方向に力をかける方法としては力強く踏み込んだり、ジャンプをするなどがおすすめです。
ストレッチを怠らない
筋トレをした後のポイントですが、ストレッチがとても大切です。楽しそうに遊んでいる子供達にも学校での人間関係や勉強などで精神的ストレスが溜まっています。
運動のストレスは問題ありませんが、精神的ストレスが溜まると成長ホルモンの分泌は悪くなり、睡眠にも影響を及ぼしてしまうかもしれません。
筋トレをした後はストレッチを軽くすることで、体の疲労だけではなく、心のリラックスとなって良質な睡眠を取ることができます。そのため、筋トレをした後はストレッチを軽くしましょう。
危険な筋トレはある?
筋トレをすることで成長ホルモンが分泌され成長に良いといいましたが、すべての筋トレが成長に良いというわけではありません。もちろん注意すべきこともあります。
注意すべき危険な筋トレは以下の2つです。
1.過度に重い物をかつぐ筋トレ
腕立て伏せや腹筋など通常の筋トレであれば問題ありませんが、体重の倍以上もある極端に重いバーベルを持って筋トレをすると負荷が強くなります。
負荷が強くなりすぎると骨が耐えられなくなり、炎症もしくは骨折を起こす危険性があるのです。そのため、骨に過度な負荷をかけ続けると、かえって骨の成長と身長の伸びに影響を及ぼしてしまいます。
体重よりも重たいバーベルで筋トレをしている子供は珍しいと思いますが、負荷が強すぎると成長の邪魔をしてしまうことは覚えておいてください。
2.衝撃の高い運動を過度に行なう
骨の成長を促進するためにジャンプや力強く踏み込むことをおすすめしましたが、その衝撃が強すぎたり、回数が多くなると骨や関節に炎症を起こしてしまうかもしれません。
ランニングは走っているだけですが、足の着地の衝撃は瞬間体重が3~4倍になっているといわれています。つまり30kgの子供でも最大で120kgの衝撃を受けていることになります。
ダッシュやジャンプをした場合はさらに衝撃が大きくなってしまいます。そのため、体が出来ていない状態のときに、何十キロと走ったり、何百回もジャンプをしないようにしましょう。
おすすめのスポーツはある?
ほとんどのスポーツは身長を伸ばすのに向いています。とくにバスケットボールやバレーボールなどのジャンプをするスポーツがおすすめです。
水泳も身長を伸ばすのに良いといわれていますが、水泳は重力の影響が少ないため衝撃が少なく身長を伸ばすという面ではあまり向いていません。
おすすめのスポーツを紹介しましたが、一番は子供のやりたいスポーツを選ばしてあげることです。やりたいのがサッカーならサッカーをやらしてあげましょう。
サッカーは身長が高いイメージがないかもしれませんが、バスケやバレーも身長が高いほうが有利ということで高い子ばかり残っただけのことです。
なによりもやりたくないスポーツをしてストレスを溜めてしまっては意味がありません。やりたいスポーツをさせてあげたほうが健やかに育つはずです。
筋トレした後に摂るといい栄養素は?
成長のために摂るべき栄養素はたくさんありますが、筋トレをしたあとにとくに摂ってほしいのが「たんぱく質」と「カルシウム」です。
たんぱく質は骨や臓器、筋肉などを構成する大切な材料となります。筋トレをした後にたんぱく質を摂ることで筋肉と骨の材料として吸収されていきます。
カルシウムはご存知のとおり骨の材料として吸収されていきます。運動をすると骨に刺激が加わりカルシウムを取り込むのですが、このときにカルシウムを不足しているとせっかくの運動がもったいないことになります。
筋トレなど運動をした後の筋肉は疲労などから傷ついた状態になります。そこから栄養を取り込むことによって回復し、前よりも少し成長します。それをくり返すことによって大きくなっています。
そのため、筋トレした後はできるだけ早く栄養を補給できるようにしましょう。食欲がなくても修復するのに必要なので少しでも食べるようにしましょう。
まとめ
以上、子供の筋トレについて解説をしました。子供のときに筋トレをすると骨の成長の邪魔をしてしまい、身長が伸びなくなってしまうと思ってしまう方がたくさんいます。
実際は、その反対で子供の成長のためには筋トレを含めた運動はとても大切です。運動をすることによって成長ホルモンが分泌され成長します。
おすすめの運動はバスケやバレーなどのジャンプをする競技ですが、お子さんにやりたい競技があれば、そちらを優先してあげましょう。
子供の体力に見合っていない過度な運動は絶対に避けましょう。過度な運動をすると成長どころか骨折や炎症を起こすかもしれません。
運動をした後は筋肉は傷ついていて、修復をするためには栄養素が必要です。そのときに摂ってほしいのが、たんぱく質とカルシウムです。
たんぱく質は骨や筋肉、臓器など様々な材料になります。カルシウムは骨の材料として吸収されるため、それぞれ成長には欠かすことができません。
子供の筋トレは適度に運動し、栄養補給をしっかりとできるようにすることが大切です。運動不足の子供が増えてきているので、これを機会に筋トレを始めてみてはいかがでしょうか。