子供の頃、身長を伸ばしたくて色々な方法を試した経験が多いかと思います。身長を伸ばす方法の一つとして「ぶら下がり健康器具」にぶら下がるという方法を耳にしたことがありますが、実際にぶら下がり健康器具で身長は伸びるのでしょうか。
結論から言うと、ぶら下がり健康器具にぶら下がったからといって身長が伸びることはありません。ぶら下がり健康器具に似たようなもので鉄棒にぶら下がるという方法もあるようですが、これも身長を伸ばす効果はありません。
しかし、ぶら下がり健康器具や鉄棒にぶら下がった後、身長が伸びたと感じる子供も少なくありません。どうしてぶら下がることで身長が伸びたと感じるのか解説していきます。
ぶら下がり健康法とは?どんな効果がある?
ぶら下がり健康器具や鉄棒などにぶら下がる事で健康になる「ぶら下がり健康法」とは、どのような効果があるのでしょうか。
棒にただぶら下がるだけのぶら下がり健康法ですが、実は様々な効果があります。ぶら下がり健康法で主に体感できる効果としては、腰痛予防や肩こり、猫背の解消、生活習慣病の予防、リラックス効果などがあります。
ぶら下がり健康法を実践したからと言って、必ずしも今ご紹介したような効果が100%得られるということではありませんし、個人差があるものの一定の効果は得られる可能性はあります。
しかし、ぶら下がり健康法が全く効果がないということではありません。様々な問題の解消やトレーニングにぶら下がり健康法は活用されています。
腰痛予防
ぶら下がり健康法の効果の一つ目は腰痛予防です。ぶら下がることと腰痛には一見なんの関係もないように見えるかもしれませんがそんなことはありません。
なぜぶら下がり健康法で腰痛の予防ができるかというと、普段私達人間は立ったり座ったりしている際、上半身を腰で支える為に常に腰に対して上からの体重がかかっている状態になります。
常に腰に圧力がかかったままになると、腰の骨と骨を支えている椎間板がその圧力に耐えられずにつぶれたり飛び出してしまって椎間板ヘルニアを引き起こす場合があります。
ですから、椎間板ヘルニアなどになってしまう前にぶら下がり健康法を実践する事で腰への負荷を少なくして、腰痛の原因を解消できる可能性があるのです。さらに、背筋をピンと伸ばすことができるので姿勢の改善にもつながります。
肩こりや猫背の解消
ぶら下がり健康器具を使うと、肩こりや猫背も解消できます。ぶら下がり健康器具にぶら下がるという行為は、普段なかなかない動きをします。
まず、腕を伸ばしてぶら下がることで腕や背中が非常によく伸びます。すると、普段猫背で肩や首が曲がっている人でも自然と猫背がまっすぐに伸びる状態になるのです。こうした動きによって猫背が改善されます。
肩こりの原因となりやすい広背筋の部分は、普段あまり広がる事がありませんが、ぶら下がり健康器具にぶら下がることで広背筋は広がって伸びるので、同時に肩甲骨周辺の筋肉も伸びて、肩や首回りのストレッチ効果を果たします。
こうしたいろいろな箇所へのアプローチによって、肩こりや猫背が解消されるのです。
生活習慣の予防
ぶら下がり健康器具は生活習慣病の予防にも役立ちます。生活習慣病といえば、肥満やメタボリックシンドロームなどを思い浮かべると思いますが、これらの生活習慣病の原因は運動不足などが原因です。
こうした生活習慣病をぶら下がり健康器具で改善するにはどうすればよいかというと、まずはじめはぶら下がることです。
さらに、ぶら下がり健康器具にぶら下がったまま上半身や下半身にねじりを加えたりするとストレッチをすることができますので、体全体の柔軟性を高めて血行を促進することも可能です。
また、ぶら下がり健康器具にぶら下がった状態から懸垂をしてみたりすれば、筋トレ効果も得られます。筋トレをすると筋肉量が増えますので有酸素運動をしていなくても代謝が良くなり、肥満防止にもつながるのです。
リラックス効果
ぶら下がり健康器具というと、ぶら下がることで背筋が伸びたり姿勢が良くなって肩こりを解消できたり、猫背や姿勢を良くしたりというイメージがあると思います。
確かにそうした効果もあるのですが、ぶら下がり健康器具にはそれ以外にもリラックス効果も期待できるのです。
これは実際にぶら下がり健康器具や鉄棒などにぶら下がってみるとわかりますが、普段なかなかないぶら下がるという行為は、上半身だけではなく体全体が伸びる感覚があります。
ストレッチというのは、伸ばした箇所の筋肉をほぐしたり体を柔らかくするという効果はもちろんですが、セロトニンの分泌を促すことができますから、それによってリラックス効果が高まるのです。
つまり、ぶら下がり健康器具にぶら下がるとセロトニンによる精神的なリラックスと同時に、肩こりや猫背を解消して身体的なリラックスも得られるのです。
身長が一時的に伸びる
ぶら下がり健康器具にぶら下がると、一時的にではありますが身長が伸びます。よく、ぶら下がり健康器具で子供の身長が伸びるといった話がありました。
それはどういうことなのかというと、実際には身長が伸びているわけではありません。しかし、稀にぶら下がり健康器具にぶら下がる前とぶら下がった後で身長を計測してみると、身長が伸びているということがあります。
なぜこのようにぶら下がり健康器具にぶら下がると身長が伸びることがあるのかというと、ぶら下がり健康器具にぶら下がったことによって、普段猫背や姿勢が悪い方はそれが矯正されて正しい姿勢になったからです。
また、ぶら下がるという行為によって背中や背骨周辺にストレッチがかかり、体の組織が伸びます。これによって一時的にではありますが身長が伸びるのです。
ぶら下がり健康器具を使うと身長が伸びる?
ぶら下がり健康器具にぶら下がったら、身長が伸びたような感覚を覚えることがあります。中には子供のころ、ぶら下がり健康器具にぶら下がると身長が伸びるといわれて一生懸命ぶら下がった経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
実は、ぶら下がり健康器具にぶら下がっても本当に身長が伸びることはありません。しかし、実際にぶら下がってみると身長が伸びたような感覚になるのも事実です。
ぶら下がり健康器具にぶら下がっても本当は身長は伸びていないのに、なぜだか身長が伸びた気になってしまうのはなぜなのでしょうか。これにはきちんとした理由がありますのでそれらを見ていきましょう。
骨の間の軟部組織が膨張して一時的に1cm伸びる
ぶら下がり健康器具にぶら下がっても身長が伸びることはありませんが、実際にぶら下がり健康器具にぶら下がる前と後で身長を測ってみると、本当に1~2cm身長が伸びていることがあります。
これは本来の身長に戻ったという方が正確かもしれません。普段姿勢が悪くなっていたり猫背になっている人がぶら下がり健康器具にぶら下がることで姿勢がまっすぐになるので、その分いつもよりも身長が伸びたと感じるのです。
ぶら下がり健康器具にぶら下がると背骨の骨の間の軟部組織が通常時よりも広がります。軟部組織は普段は上半身の体重を支えているのでやや圧縮されていますが、ぶら下がることでこの圧力がなくなって一時的に大きくなる為です。
一時的に身長が伸びても軟部組織が元に戻る
ぶら下がり健康器具にぶら下がることで、軟部組織が伸びて一時的に数センチ身長が伸びることがありますが、あくまでこれは一時的なものです。
ぶら下がり健康器具にぶら下がった後はいつも軟部組織にかかっている体重の圧力がなくなっているので伸びた状態になってしますが、また普通に立ったり座ったりしていると、上半身の体重が軟部組織にかかってその圧力で軟部組織はまた縮んでしまいます。
これと似た状態が寝起きにも起きることがあります。寝ている時は軟部組織に対して立ったり座ったりしている時のように圧力がかかっていないので、寝起きは軟部組織が少し伸びていることがあるのです。
背を伸ばす器具の効果は一時的
ぶら下がり健康器具にぶら下がって伸びた身長はあくまで一時的なもので、ずっとそのままの状態が続くというわけではありません。
先ほどご紹介したように、ぶら下がり健康器具にぶら下がると軟部組織が伸びているので身長も伸びたように感じられますが、ぶら下がりをやめるとまたもとに戻ります。
本当に身長が伸びるというのは、骨が成長して大きくなることを指します。ぶら下がり健康器具にいくらぶら下がっても骨が成長することはありませんので、ぶら下がり健康器具で伸びた身長は本当に身長が伸びたということではありません。
ですから、もし猫背や姿勢が悪い子供はぶら下がり健康器具にぶら下がることで姿勢を矯正する事は悪くありません。
身長を伸ばしたいのであれば、正しい姿勢を保つ事はもちろんですが、バランスの取れた食生活であったり、きちんと睡眠時間を確保するなどの基本的な部分を押さえることが必ず必要となりますのでそれらも合わせて取り組むようにしましょう。
国民生活センターが健康器具の使用に注意喚起
ぶら下がり健康器具は、自宅でも手軽に運動を行うことができたり、姿勢を矯正する事ができるとても便利なアイテムです。
ぶら下がり健康器具はインターネット通販サイトなどで手軽に購入できますので、スポーツジムに通うのと比べると運動へのハードルも低くなります。
しかし、ぶら下がり健康器具のような自宅で利用できる健康器具については、国民生活センターから以下のような注意喚起も行われていますので、実際に使用する場合には注意も必要となります。
PIO-NETには2007年度以降の約5年間で290件の危害・危険情報が寄せられており、「ゴム製のエクササイズ器具で目を強打し、視力が低下した」「ばねの反動を利用して腹筋を鍛える器具を使用中、反動によりバランスを崩して顔面を強打し、けがをした」といった深刻な事例もある。
どういう点に注意しなければならないかというと、例えばぶら下がり健康器具で腰痛や猫背、肩こりの予防ができるのですが、これはあくまで健康な体の方が利用した場合に期待できる効果です。
首や肩に何らかの病気を持っていたり、すでに腰痛や椎間板ヘルニアになっている方がぶら下がり健康器具にぶら下がると、場合によっては症状を改善するどころかかえって悪化させてしまう可能性もあります。
ですから健康器具を利用する際には自分の体ときちんと相談し、無理なく行うことが重要です。
ぶら下がり健康器具の効果ある使い方
ぶら下がり健康器具はその名の通りぶら下がることで健康を目指すことができる健康器具です。しかし、ぶら下がり健康器具の使い方はただぶら下がるだけではありません。使い方次第で得られる効果も変わってくるのです。
よって、期待する目的に合わせてもっとも効果的な使用方法を実践することが、ぶら下がり健康器具の効果を最大限に発揮できるということになります。
では、実際にどのようにぶら下がり健康器具を使うと、どのような効果を得ることができるのか、最大限に効果を発揮する為の使い方やその効果について利用方法別にみていきたいと思います。
ぶら下がり健康器で懸垂をする
ぶら下がり健康器は懸垂をするのにも利用することができます。ぶら下がり健康器で懸垂をするには、ぶら下がってそのまま体を上に持ち上げておろしての繰り返しをするだけです。
ぶら下がり健康器を使って懸垂をすることで、ただぶら下がっているのとは違い筋トレ効果を得ることができるようになります。
あくまで背中の筋肉を意識しながら体を持ち上げるようにします。
また、ぶら下がり健康器で懸垂を行う際には、ぶら下がり健康器がきちんと安定しているかどうかも確認してから行います。
懸垂を行う場合には、ぶら下がり健康器に全体重をかけることになりますので、不安定な状態で行うと転倒したりして怪我をしてしまう可能性があります。周りにぶつかるものがないかどうかも確認して行いましょう。
ぶら下がって両脇・脇から大腿部のストレッチ
ぶら下がり健康器はぶら下がった状態で少しの動きを加えることで、体のいろいろな部分にストレッチをかけることもできます。まずひとつは両脇のストレッチです。
ぶら下がり健康器にぶら下がったまま、体を左右に動かしてひねると、両脇と腕の周辺筋肉が伸びますので、程よいストレッチ効果を得ることができるのです。
次に、今度はぶら下がり健康器にぶら下がった状態で地面に足を付けます。そして、脚を交差させるような形にして後ろ側になった足を伸ばします。すると、脚の筋肉が伸びますので太ももを中心としたストレッチが可能になります。
身体全面のストレッチ
ぶら下がり健康器を使って、今度は身体の全面のストレッチを行いましょう。身体の全面のストレッチを行うには、まずぶら下がり健康器にぶら下がった状態で、両方の足を地面についた状態にします。
そして、そのまま両方の足を後ろに下げていきましょう。すると、上はぶら下がり健康器につかまったままの状態になりますので、身体が前に向かって反っているような体制になります。
このように、脚を後ろにしていくとぶら下がり健康器につかまっている腕はもちろんですが、脇から胸の筋肉、腹筋など身体の全面が一度に伸びますので、身体全面のストレッチを行うことができます。
ただし、腰痛を持っている方はあまり無理に腰を反らせてしまうと返って症状を悪化させてしまうことがありますので、徐々に行うようにします。
お腹の引き締めトレーニング
ぶら下がり健康器を使ったお腹の引き締めトレーニングは、まず普通にぶら下がり健康器にぶら下がった状態でも感じることができます。これは、ぶら下がり健康器にぶら下がる事で全身が伸びるからで、腹筋に対しても効果があります。
次に、ぶら下がり健康器にぶら下がったまま膝を上げ下げする動作をしてみます。すると、腹直筋を刺激することができます。
このほか、ぶら下がり健康器にぶら下がって体を左右に絞るような動きでひねってみます。すると、腹筋全体に対して刺激を与えることができますので、一つの動きで腹筋全体を鍛えることができます。
このように、ぶら下がり健康器だけでもいろいろな腹筋の鍛え方ができますので、お腹の引き締め効果も期待できるのです。
ぶら下がり健康器具で身長は伸びない
ぶら下がり健康器具は、使い方次第で身体を健康に導いてくれるアイテムです。もっともシンプルな使い方であるぶら下がりは、肩こりや猫背を改善したり腰痛を予防したりすることができます。
また、ぶら下がり健康器具にぶら下がると猫背の改善と合わせて軟部組織が伸びますので、ぶら下がった後に身長を測ってみるとほんの数センチではありますが身長が伸びていることがあります。
しかし、ぶら下がり健康器具にぶら下がったことで伸びた身長は、一時的に軟部組織が伸びたり猫背がまっすぐになったことで現れる効果なので、ずっと続くものではありません。
子供の身長促進に効果的な運動
子供の身長を伸ばす為に効果的な運動はいくつかあります。その前にまずはそもそも子供の運動時間が減少してきている現状がありますので、どんな運動でもいいので適度な運動をするという習慣をつける事が必要になります。
その上で、身長を伸ばす為に効果のある運動としてはバスケットボールやバレーボールが定番です。
昔からバスケットボールやバレーボールをやると身長が伸びるといわれる理由は、これらの運動がほかの運動に比べるとジャンプをする動きが多いので、身体の骨に対して身長が伸びる方向への圧力がかかるからという理由があります。
運動だけでなく食事と睡眠にも良い影響がでる
また、バスケットボールやバレーボールなどの種目にあまりこだわりすぎる必要はなく、なんでもいいので運動をするということは、たくさんのカロリーを消費しますから子供はしっかりとご飯を食べるようになります。
そして、たくさん運動をすると身体が疲れるので睡眠時間もしっかりとるようになる事から、身長が伸びやすい環境が整うのです。
子供の体は成長段階なので、過剰に運動をさせすぎることはかえって健康にもよくないので注意が必要です。
そして、身長を伸ばす為には姿勢も重要です。身長が高くなってくるとどうしても猫背になりやすくなってしまいますから、姿勢が悪くならないようにする為には腹筋や背筋など、身体の筋肉もバランスよく鍛えておく方が良いです。
そして、鍛えた筋肉が凝り固まってしまわないように、ストレッチをすることも忘れてはいけません。
まとめ
ぶら下がり健康器は、ぶら下がる事で猫背や肩こり、腰痛を予防する効果を期待することができます。
ぶら下がり健康器にぶら下がると背筋が伸びて姿勢が良くなったり、身体のいろいろな部分にストレッチ効果があったり、リラックス効果があるので健康的にもおすすめです。
ただし、ぶら下がり健康器は身長を伸ばす効果はありません。ぶら下がり健康器にぶら下がった後は身長が伸びたような錯覚に陥る事がありますが、これは、ぶら下がる事で一時的に身長が伸びたように感じるだけなのです。
子供の身長を伸ばすなら運動・食事・睡眠が重要
子供の身長を伸ばしたい場合には、ぶら下がり健康器は決して効果があるわけではありません。
子供の身長を本当に伸ばしたいのであれば、まずは適度な運動をして、しっかりとご飯を食べ、睡眠をとる事が重要になります。
過剰な運動は食欲を減退させてしまうなどデメリットもありますので、運動のし過ぎにはならないように気を付けつつ行いましょう。