生まれてまもない生後0ヶ月~3ヶ月は色々な不安や心配があると思います。しかし、赤ちゃんはすごいスピードで成長していく時期です。そして生後3ヶ月頃になると首がすわってきます。
そんな目まぐるしく動くこの時期は不安や心配、育児に体が追いつかず、心身ともに疲れやすい時期ですが、やはり赤ちゃんがきちんと成長しているか不安ですよね。
そこで今回は生後0ヶ月~3ヶ月の気になる平均身長や体重など、きちんと成長しているのかわかるように解説していきます。
0歳児(0ヶ月~3ヶ月)の平均身長
0ヶ月~3ヶ月の平均身長を男女別で確認してみましょう。厚生労働省の「平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」を参考に書いていきます。
男子 | 女子 | |
---|---|---|
0ヶ月(出生時) | 48.7cm | 48.3cm |
1ヶ月~2ヶ月 | 55.5cm | 54.5cm |
2ヶ月~3ヶ月 | 59.0cm | 57.8cm |
3ヶ月~4ヶ月 | 61.9cm | 60.6cm |
この時期は男女ともに見てもらえばわかるとおり、かなりのスピードで成長していきます。3ヶ月~4ヶ月の時期に入ると成長は緩やかになり一度落ち着きます。
あくまで上記の身長は平均です。この時期を含めた乳幼児期は身長が大きく変化する時期なので、今は低くても、どこかで急激に大きくなる可能性もあります。
そのため、平均よりも低くてもそこまで心配する必要はありません。ただ、平均よりも大きく下回り、その期間が長く続くのであれば低身長症の可能性も疑われますので一度病院で診てもらうといいでしょう。
0歳児(0ヶ月~3ヶ月)の平均体重
平均身長の次に0ヶ月~3ヶ月の平均体重を男女別で確認してみましょう。
男子 | 女子 | |
---|---|---|
0ヶ月(出生時) | 2.98kg | 2.91kg |
1ヶ月~2ヶ月 | 4.78kg | 4.46kg |
2ヶ月~3ヶ月 | 5.83kg | 5.42kg |
3ヶ月~4ヶ月 | 6.63kg | 6.16kg |
平均よりも体重が重くても、その分身長が伸びていれば肥満にはなりません。この時期に肥満になることは考えにくいのであまり気にしないで良いと思います。
どちらかというと痩せているかどうかを気にしたほうがいいでしょう。平均身長よりも低く、体重が軽い場合は栄養が足りていないのかもしれません。
これも平均身長と同じことが言えるのですが、大きく平均よりも下回っていなければ問題ありません。しかし、下回っているのであれば注意したほうが良いでしょう。
身体発育曲線を使って赤ちゃんの成長を確認
0ヶ月~3ヶ月の平均身長と平均体重がわかってもらえたと思いますが、本当に自分の子供は健康的に育っているのか分かりませんよね。
そこで利用して欲しいのが厚生労働省の「身体発育曲線」です。これを使って、毎月1回測定してメモすれば子供が健康的に育っているか知ることができます。
身体発育曲線は男女別であるのでお子さんの性別に合わせて確認してください。
男の子の身体発育曲線
身体発育曲線(身長)
(出典:厚生労働省「身体発育曲線」より)
身体発育曲線(体重)
(出典:厚生労働省「身体発育曲線」より)
女の子の身体発育曲線
身体発育曲線(身長)
(出典:厚生労働省「身体発育曲線」より)
身体発育曲線(体重)
(出典:厚生労働省「身体発育曲線」より)
身体発育曲線の見方
身体発育曲線には2種類あって「SDスコア」と「パーセンタイル」があります。ここではパーセンタイルを解説します。
縦軸が赤ちゃんの身長もしくは体重で、横軸が赤ちゃんの年齢になります。右上にあるパーセンタイルは、何%の人がいるかが分かるようになっています。
上から順に「97・90・75・50・25・3」とあります。
97だと下に97%の人がいることになり、お子さんは残りの3%に当てはまるということになります。
反対に表の3に当てはまると上に97%の人達がいるということになります。平均値は50です。これよりも上に行き過ぎてもダメですし、低すぎてもダメです。
もう一つの「SDスコア」は日本小児内分泌学会からダウンロードすることができますので、ダウンロードしてみてはいかがでしょうか。
日本小児内分泌学会はこちら⇒「成長評価用チャート・体格指数計算ファイル・ダウンロードサイト」
0歳(0~3ヶ月)に行う任意健診と定期健診の時期と内容
任意検診は以下の時期に定められています。
- 生後1ヶ月健診
- 生後3~4ヶ月健診
- 生後6~10ヶ月健診
法律で義務化されていないため、自治体で任意で行っています。一方、母子健康法(第12条・13条)で定められている定期健診の時期は以下になります。
- 生後3~4ヶ月健診
- 1歳6ヵ月~2歳に達しない幼児
- 3歳~4歳に達しない幼児
医療機関で受診するケース、自治体にある保健センターなどで集団で受けるケースとお住まいの地域によって異なってきますので確認をしてみましょう。
任意健診でも定期健診同様に、身体測定に医師による診察、栄養の相談や育児の相談をすることができます。
「1ヶ月任意健診」内容と注意点
一ヶ月検診については、お産をした医療機関で行うのが一般的です。生まれてから一ヶ月でどのくらい大きくなっているのか、健康状態やお母さんの体の回復が順調に進んでいるかどうかをみていきます。
このときの検診で医師に母体は健康で問題がないと診断されれば、入浴もできるようになりますし、今までと同じように行動をすることができるようになってきます。
赤ちゃんは体重と身長、頭囲などの測定を行って、モロー反射と言われる原始的反射があるかどうかを確認していきます。
一ヶ月くらいたつと先天性の病気があるかどうかも判断できるようになってくるため、その有無についてもチェックしていきます。
股関節に脱臼がないかどうか、黄疸や視覚についても見れるところについては見ていくのが一ヶ月検診です。
乳児ビタミンK欠乏症出血症を予防するためビタミンK2シロップを飲み、母乳やミルクの飲み具合や睡眠など、普段の生活で気になるところを相談していきます。
医師による診断になりますので、医師が問題ない、様子をみましょうとなれば、多少身長や体重の増え方が緩やかでも大きな心配はいらないでしょう。
「3~4ヶ月定期健診」内容と注意点
赤ちゃんが生後3ヶ月頃になると健康診査を受けることができます。住んでいる場所によっては4ヶ月頃に受けることもあります。これは母子健康法に定められている定期健診なので、必ず受けなくてはいけません。
乳幼児健康診査は市が行っていることで、地元の保健センターや医療機関で実施します。この健診で赤ちゃんが健康に育っているか、首はすわっているのかなどを診てくれます。
また、それ以外にも育児に関して悩みがあれば相談をして解決してもらいましょう。些細なことでも気になる場合は、そのままにせずに相談しましょう。
0歳児(0ヶ月~3ヶ月)に離乳食は早い?
離乳食に替えるタイミングっていつなのか気になる人はたくさんいると思います。成長スピードは個人差があるので明確なタイミングがなく、難しいですよね。
厚生労働省の「2乳児・小児」では「生後0日目から5ヶ月までの乳児の栄養は100%乳汁に依存する」と書いています。
そのため、およそ5ヶ月を目安に離乳食に切り替えていくといいでしょう。
実際に厚生労働省の「Ⅱ離乳編」によると平成17年に調査した離乳食の開始時期で5ヶ月以降と答えたのは84.4%でした。
離乳食の開始目安として2722人に調査をしたデータで最も多かった理由が「月齢」で75.8%でした。その次に多かったのが「食べ物を欲しがるようになった」で47.5%でした。※%が合わないのは複数回答ありになっているからです。
結果、0ヶ月~3ヶ月に離乳食に替えたのは早いといえます。ただ、上記の調査によると3ヶ月未満で替えた人は0.4%、3ヶ月で替えた人は4.2%と少ないながらも替えている人はいます。
0歳児(0ヶ月~3ヶ月)は就寝時の窒息に要注意!
首がまだすわっていないこの時期は就寝時に窒息が起きて死亡事故が起きる可能性があります。実際に0歳児の不慮の事故死のうち、就寝時の窒息は割合を大きく占めています。
消費者庁もこの事故に注意を呼びかけており、厚生労働省の情報をもとに分析したデータでは平成22年から平成26年の5年間の間で、就寝時の窒息死事故が160件起きており、不慮の事故死の32%も占めています。(参照:消費者庁「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!」)
0歳児の不慮の事故死は就寝時を含め、ミルクが詰まる、食物が詰まる、その他のものがのどに詰まるなどの窒息死が8割を占めています。その内の3割が就寝時の事故死圧倒的に多くなっています。
事故の状況と対策
事故の状況と対策について書いていきます。
顔がマットレスなどに埋まる
事故の状況で最も多いのが「顔がマットレスなどに埋まる」で160件のうち33件がこの事故です。
この事故は柔らかいマットレスや布団で寝返りなどからうつ伏せになり、顔を上げることができず、窒息する事故です。
対策としては掛け布団は子供でも払いのけるものを使用し、マットレスや枕は少し固めのものにしましょう。できるだけ顔に被らないようにしましょう。
ベッドからの転落
「ベッドからの転落」によって壁との隙間に挟まれる、転落が原因での窒息も起きています。
ベッドの隙間を無くしてできるだけ柵を高くするか、ベビーベッドで寝かせるようにしましょう。ベビーベッドは国が定めた基準をクリアしたPMCマークがついたものを選ぶようにしましょう。
家族の体で圧迫
一緒に寝ている方に注意してもらいたいのが「家族の体の一部が赤ちゃんの体を圧迫し窒息する事故」が5年間で5件起きています。
めったに起きなさそうな事故ですが1年間に1回もの頻度で起きているのです。赤ちゃんを寝かしつけてそのまま添い寝して起きることがあります。
そのため、赤ちゃんを寝かしつけたらベビーベッドに移して、寝るようにするなどの対策を施しましょう。
0歳児(0ヶ月~3ヶ月)はどんな時期?
生後2ヶ月を過ぎてくると相手の顔を見て笑いかけたり、声を出して笑ったりしてコミュニケーションが取れるようになってきます。
生まれて間もない新生児の頃は情緒が漠然とした安心感と不安感しかないため、泣いて興奮するしか表現することができません。
生後3ヶ月になると泣いて興奮する以外にも「快い」と「不快」の2つの感情が出てきます。この時期になるとオムツが気持ち悪いなど不快なことも泣いて知らせるようになります。
赤ちゃんにとって「泣く」という行動はお母さんとの最も有効なコミュニケーション手段です。泣いていると他の人に迷惑だと思ったり、何かあったのかと焦るかもしれませんが、焦らずゆっくりと抱いていてあげましょう。
生後3ヶ月頃までは顔を見つめたり、声や音のする方向に反応をするなど周囲に興味を持ち始めます。
3ヶ月頃には相手を見分けられるようになってきますが、表現することができないため誰にでも同じような反応をしたり、笑ったりします。3ヶ月を過ぎて4ヶ月、5ヶ月になってくると、お母さんの顔がしっかりと分かるようになってきます。
生後2ヶ月を過ぎてくると、赤ちゃんは「アー」や「ウー」と言ったり、笑い返すなど、言葉は使えませんが、手足を使ったり笑ったり、泣いたりしてコミュニケーションを取るようになります。お母さんもその反応に対して返してあげるといいでしょう。
首がすわる時期だから注意して!
生後3ヶ月を過ぎると首がすわリ始めます。厚生労働省の調査「平成22年乳幼児体発育調査報告書」によると生後3ヶ月~4ヶ月頃は63.0%の赤ちゃんの首がすわっていました。
そこから4ヶ月から5ヶ月になる頃には93.8%の赤ちゃんの首がすわっていました。6ヶ月を超える頃には99.5%とほとんどがすわっています。
生後6ヶ月~7ヶ月を過ぎても首がすわっていない場合は病気か何かが原因かもしれません。一度医師に診てもらうことを考えたほうがいいでしょう。
反対に生後2ヶ月~3ヶ月ごろには首がすわる子もいます。このように一般的には生後3ヶ月が首のすわり始める時期ですが、それよりも早い子や遅い子はたくさんいます。
首がすわっていると両手で抱っこしなくて済むので、家事などが非常に楽になります。そのため、早く首がすわって欲しいと思う方はたくさんいると思いますが焦らないことが大切です。
首がすわっているかチェックする方法
首がすわっているかチェックする方法は上記の厚生労働省が行った調査で行った方法を紹介します。
まず、赤ちゃんを仰向けに寝かせます。それから両手を持って引き起こします。首が遅れないでついてきたら「すわっている」と判断します。
遅れた場合は引き起こし加減を少し戻して、もう一度確認します。もう一度確認して遅れた場合は「すわっていない」ということになります。チェックするとき力加減が大切なので、ゆっくり確認しましょう。
他にもうつ伏せにして頭が持ち上がるか確認する方法もありますが、うつ伏せにしている間は絶対に目を離さないようにしてください。口が塞がって呼吸ができなくなるかもしれません。
まとめ
以上、0歳児の0ヶ月~3ヶ月について解説しました。成長スピードに個人差はありますが、2ヶ月を過ぎた頃になると泣く以外にも笑ったり、手足を使ったりしてコミュニケーションが取れるようになってきます。
生後3ヶ月頃になると半分以上の赤ちゃんが首がすわります。この時期になっても首がすわらない子は居ますので焦らずに待つようにしましょう。
首がすわっていないことによる窒息事故がたくさん起きているので、寝る場所には十分に注意してください。
0ヶ月~3ヶ月が最も成長する時期で身長と体重がどんどん伸びていきます。ちゃんと成長しているのか心配な方は身体発育曲線でメモすることをおすすめします。
もし、育児で大変などでメモすることができないのであれば、生後3・4ヶ月の赤ちゃんを対象にした健診があるので、そちらに参加しましょう。
そのときに離乳食や普段の育児、赤ちゃんについて心配事、悩み事があるなら相談するといいでしょう。安心することはとても大事ですよ。