魚に含まれることで知られているDHAですが、この栄養は脳や神経の発達に大きな影響を及ぼします。成長段階の子供においては非常に重要な栄養で、記憶力などいわゆる頭の良さにも大きな影響がありますから、積極的に摂らせていきたいものでしょう。
この栄養は人間の身体の中ではほとんど作ることができないので、意識して食品から摂取していかなければなりません。魚の油に多く含まれ、特にイワシやサバといった青魚には豊富ですから、積極的に摂っていけるようにしましょう。
しかし青魚という食品は、実際には成長期の子供にはあまり好まれるものではありません。味付けや料理の仕方によっては子供も喜んで食べてくれるようになるため、食品そのままでは無く、焼いたり丼ものにするなど工夫してみてください。
どのような食品にDHAは多く含まれるのか?
DHAを多く含む食品は、魚と理解しておくと良いでしょう。主に魚の油に多く含まれる栄養ですが、特に青魚に豊富です。
具体的にはマグロの脂身やサバ、ぶり、はまち、サンマなどが挙げられ、こういったものを積極的に摂っていくことで成長に必要な充分な量のDHAを補っていくことができます。
しかし成長期の子供というのはどちらかと言えばやはり魚よりも肉を好みますし、魚を好かないといった子も少なくありません。
また同じ魚であってもそれぞれの種類によって味や食感、料理のしやすさなどは変わってきますから、子供の口にはどの魚が合うかといったことを考えて食品を選んであげることも大切です。
好みで無いもの、苦手なものを無理に食べさせようとすると一生の好き嫌いに影響を及ぼすことにもなりかねませんから、気をつけていきましょう。
体内で合成できない栄養であるぶん、食品からしっかり摂っていくことが非常に重要ですから、上手に摂っていけるようにしてください。
よく似たEPAとDHAを摂取できる食品は異なるのか?
同じ青魚に多く含まれるEPAは、DHAとセットにされることが多いです。しかしこれらの2つの栄養は同じ食品でも摂れる量に違いがあります。
例えばブリ100gであればDHAは1700mg、EPAは899mg、マイワシであればDHAは870mg、EPA1381mgと摂れる栄養には大きな差が出てきます。
両者とも青魚の油に多く含まれる脂肪酸ではありますが、DHAが多い場合にはEPAが少なくまたその逆にもなりがちです。
成長期の子供は青魚の好みも大きく分かれ、どちらかといえば好んでは食べてくれないことが多いです。
両者の栄養をバランス良くしっかり摂ると考えるよりは、子供の成長に必要とされるDHAを優先して摂っていくべきと言えますから、これを多く含む食品を優先して選び料理に取り入れていった方が良いでしょう。
より好んで食べてくれる形を模索し、日々の食事に取り入れていってください。
DHAを多く含んだ食品一覧
DHAは魚の油に多く含まれている脂肪酸ですが、なかでもクロマグロ、ハマチ、ブリ、さんまに特に豊富です。
これらの食品を積極的に料理のローテーションに組み込んでいけば、成長期の子供に必要な量の栄養をしっかり摂っていくことができるでしょう。
より多くのDHAを含む食品はどれなのか、どういったものが子供に好まれやすいかといったことを把握し、食卓に並べていけるようにしましょう。少しでも健やかな成長を応援できるよう、努めてあげてください。
クロマグロ
クロマグロには脂身100gあたり1400mgのDHAが含まれています。クロマグロはいわゆる本マグロのことで、いくつか種類のあるマグロの中でも最高級品です。DHAの他には鉄分、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
生食でも食べやすく、成長期の子供においてもクロマグロは食べられるといった子は少なくありません。そのため、クロマグロは特に手をかけて料理をせずとも、食卓に容易に取り入れていくことができると言えるでしょう。
お刺身はもちろん手巻きずしなどの具としても良いですし、少しアレンジするのであれば、ヅケにして丼にするのも良い方法でしょう。簡単に手に入る食品なので、積極的に利用していくことをおすすめします。
ハマチ
ハマチには、100gあたり980mgのDHAが含まれています。この他には、ビタミンDやビタミンB1,B2などが豊富です。良質なたんぱく質であり、身体に必要な栄養がたくさん含まれている食品なので、成長期の子供の健やかな発育をサポートしてくれます。
比較的さっぱりした味であるため、子供の口に合うかというと、少し食べ応えに物足りなさを感じ、すすんで箸を付けない子も多いかもしれません。そのためお刺身などよりは、火を加えて料理をしてあげた方がより好んで食べて貰えるでしょう。
カロリーが低くヘルシーな食品なので、肥満気味の子には、マグロなどよりもこちらの方がおすすめです。
ブリ
ブリには、100gあたり970mgのDHAが含まれています。この他には、カルシウム、鉄分、ビタミンEなどが豊富です。味が良く食べやすい食品であるため、あまり魚が好きでは無いといった子供の場合でも、口にしてくれやすいことが多いです。
様々な料理方法がありますが、最もメジャーなのは煮漬けです。甘しょっぱく煮漬けると子供も喜んで食べてくれるため、こういった調理方法で食卓に並べていくと良いでしょう。
成長期の子供はなかなか魚をおかずにごはんを食べるのが難しいといったこともありますが、ブリの煮つけなどはぱくぱく食べてくれることが多いです。嫌いという子があまりいない食品なので、上手く料理してあげてください。
さんま
さんまには、100gあたり890mgのDHAが含まれています。この他にはビタミンA、D、E、B2、カルシウム、鉄分などが豊富です。
秋の魚として知られるさんまは季節が限られた食品ではありますが、栄養価が高くDHAも豊富なため、成長期の子供の健康な身体を育んでいくために、ぜひ利用していきたいものです。
子供の魚が苦手な理由の1つとして骨が多いという問題がありますが、まさにさんまはそういった理由で敬遠されがちな食品と言えるでしょう。
魚以外からDHAが摂れる食品一覧と含有量
DHAが豊富に摂れる食品といえば魚ですが、成長期の子供となると好き嫌いが多い子も多く、特に魚というのは肉とは違って、なかなか好んで食べて貰うことが難しいです。
また魚は毎日の食卓に並べる食品としては少し扱いにくいものでもあるため、こればかりでは無く、他の食品からも上手くDHAを摂っていけるようにしていくことが必要でしょう。
魚以外でDHAを多く含む食品とその含有量ですが、いずれも100gあたり、卵黄38mg、脂身付き豚肉12mg、皮つき鶏肉7mgといった風に、卵や肉などからもこの栄養を摂取することが可能です。
魚料理は苦手という人にとっては卵や肉などを利用した方がより都合が良いため、こういったものを賢く代用していくことも大切です。
またDHAはナッツ類にも多く含まれるので、これらの食品をおやつ代わりに子供に与えるというのも良い方法です。食事とは別に与えることでより必要量を補うことができますから、不足を防いでいくことができるでしょう。
やはり魚と比較すると100gあたりの含有量は減りますが、魚が嫌い、食べてくれないといったのではDHA不足が心配になるので、子供の好みに合わせて臨機応変に食品を用いていくようにしましょう。
DHAを多く含んだおすすめ料理一覧
魚を積極的に食べて貰うためには、より子供の口に合う料理で食卓に並べてあげるということがとても大切です。
魚は生臭い、骨が多いといった問題もあり、肉などのようにすすんで箸をつけてもらうといったことが難しくなりがちですから、この点についてはよく心得ておきましょう。
生臭さや骨の問題をクリアし上手に料理をすれば、子供もぱくぱくと喜んで魚を食べてくれます。成長期であるからこそより多くの栄養を含んだ食品を積極的に食べてもらう必要がありますので、手をかけて食卓に並べてあげてください。
ハマチを使った料理
ハマチはお刺身で食べることが多い魚ですが、子供の食事のおかずとして考えていく場合には、刺身はあまり現実的ではないでしょう。
そのため、より子供の口に合うメニューにするためには、照り焼きやソテーなどがおすすめです。脂のりの良い食品なので、こういった調理をするとより食べ応えが出て、子供も喜んで口にしてくれるようになります。
お刺身などよりもより子供好みの味になり、箸をつけてくれやすくなります。また和食であれば、たたきなどにするのも美味しくいただく1つの方法です。
成長期の子供がDHAをしっかり摂っていく上で、ハマチは使い勝手の良い食品です。価格も手頃で日々の食事のローテーションにも組み込みやすいですから、子供の口に合うかどうか、どんな料理だと喜んで食べてくれるかをぜひ試行錯誤してみてください。
ブリを使った料理
DHAを摂るためにブリを食卓に並べるのであれば、おすすめの料理方法はやはり照り焼きです。ブリの照り焼きは味が良く、またほくほくとした食感が子供にも受けますから、定番メニューとして活躍してくれることは間違いありません。
またブリは竜田揚げにしても美味しいため、こちらもおすすめです。鶏肉の竜田揚げと同じように、材料をブリに変えるだけでできますから、飽きがこないよう照り焼きと交互に活躍させてみてください。
食感もよく、火を通して調理すればこれが嫌いという子はほとんどいませんから、大変重宝に利用していけます。季節の魚なので通年を通してというわけにはいきませんが、旬の時期には安価に手に入り、お財布面でも経済的に助かる食品です。
さんまを使った料理
さんまを成長期の子供に食べてもらうためには、料理に工夫をしてあげる必要があります。さんまは基本的に焼いてそのまま食卓に並べるのが定番ですが、この場合小骨が非常に多く、子供自身では上手に食べられないといった問題が出てきます。
小骨を喉にひっかけてしまうとそれがトラウマになり手を付けなくなるといったこともあるので、そういったことを考えて料理してあげる必要があるでしょう。
酒、みりん、しょうゆ、砂糖、生姜1片と一緒に圧力鍋で煮てしまえば、小骨までしっかり火が通るので、骨取りなどの手間をかけずそのままガブリと食べることができます。
サンマはDHAを多く含む食品の中でもとても庶民的な食材であり、味も良いですから、旬の時期には積極的に食卓に並べてあげるようにしてください。
カツオを使った料理
DHAを含む食品の中でも、カツオはよりこの栄養の含有量が多く、また味もよく、利用しやすい食品と言えます。
成長期の子供はあまり魚を好まない傾向にありますが、カツオについては味付けによって大好物にもなりうる食品なので、上手く料理し食卓に並べていきましょう。
また竜田揚げにしても美味しく食べられるので、こちらの調理方法もおすすめです。フライにすることで子供の食への興味は一気に高まりますから、あまり口をつけてくれないという場合には竜田揚げで食卓に並べてみてください。
カツオは通年を通して手に入れやすい食品なので、ぜひ積極的に利用していくことをおすすめします。
魚嫌いの子ども向けのメニュー
魚の脂に多く含まれるDHAですが、やはり独特の食感や生臭さから、魚が嫌いという子供は意外と少なくありません。
たんぱく質はもちろんビタミンやミネラルも豊富に摂れる食品であるため、何とか食べて欲しいものですが、そういった時におすすめなのが、丼、さんが焼き、ジョンです。
これらの調理方法は子供の口に合いやすく、魚嫌いの子でも喜んで食べて貰えることが多いです。ちょっとした料理の工夫で劇的に子供好みのメニューに変身しますから、ぜひ手をかけてあげてください。
マグロの中落ちの三色丼
マグロの中落ち三色丼は、マグロの中落ちと細かく切ったシイタケ、ごぼう、にんじんを炒ったもの、炒り卵、さやいんげんのすり白ごま和えを盛ったごはんの上にそれぞれ乗せてトッピングする、丼物です。
マグロはもちろん中落ちでもDHAがたっぷり含まれていますから、これを野菜と一緒に火にかけて炒ることで、独特の生臭さをかき消すことができます。
魚料理が苦手な人でも簡単にできますし、スーパーで比較的手軽に手に入れることが食品でもあるため、食卓に並べるのにもさほど手間はかかりません。
成長期の子供の食事はより食べやすい形で提供するということもとても大切なので、その点においても丼物というのは優れた選択肢になってくれるでしょう。
スプーンなどで食べるようにすれば、ある程度の量もパクパクと食べてくれるようになります。
アジのさんが焼き
さんが焼きはいわば魚でつくるつくねのようなもので、味が良く、魚嫌いの子供にとっても非常に良いおかずになってくれます。
作り方は簡単で、刺身用に皮を引いたアジを細かく叩き、そこにねぎの小口切り、おろししょうが、みそを適量混ぜ合わせます。
よく練ったらそれを小さな小判型に整えて、焼くだけです。混ぜて練って焼くという非常に簡単な調理方法なので、魚料理が苦手という人でも簡単に作ることができるでしょう。
DHAもしっかり摂れてさらに美味しいというとても優れた魚料理なので、ぜひ試してみてください。
アジは比較的いつでも手に入れやすい食品であり、価格も安価なため、日常の食卓にも取り入れていきやすいといったメリットがあります。上手くローテーションに組み込んで食べさせてあげるようにしてください。
エビのジョン
ジョンとは韓国料理の一種で、切った野菜と肉や魚に小麦粉と溶き卵をつけて油で焼いたものです。魚嫌いの子供の場合はこれをエビで作ってあげると、喜んで食べてくれるようになります。
青魚ほどとはいきませんが、エビにもDHAは含まれているため、魚が本当に食べられないという子の場合にはこちらのメニューを作ってみてください。
調理の手間がほとんどかからず、シンプルなのに美味しいというとても手軽なメニューなので、おかずを一品増やしたいという時にもとても良い選択肢になってくれるでしょう。
メインのおかずというよりも、食を進めるためのもう一品といった感じで利用できますから、成長期の子供の健やかな発育を応援するためにぜひ役立ててみてください。喜んで箸を伸ばしてくれることは間違いありません。
エビはスーパーで手に入りやすい食品なので、定番メニューとしても組み込んでいけるでしょう。
栄養満点料理が苦手な方は子供用サプリの活用を
子供の脳や神経の発達にとても重要な働きをするDHAは、積極的に摂らせてあげたいものです。
しかしこのDHAを多く含む魚というのは成長期の子供はあまり好まない傾向にあり、また料理をする側としても手がかかり、なかなか日常的に提供をしていくのが難しいものです。
やはり成長期の子供に食べさせるには少しでも新鮮な食材を与えてあげたいものですが、魚はアシが早く日持ちしない、旬の魚は通年を通して手に入れるというわけにいかないといった問題が出てきます。
こういったことから考えていくと、DHAというのは日々の食事と併せて、サプリメントなどを活用して補っていくべきと言えます。
サプリメントであれば何の手間も工夫もいらず、簡単にDHAを摂取することができるので、食事を作る側も、食べる側もとても助かります。
DHAは成長期の子供の場合、専用のサプリメントを飲むというよりも、これを配合した身長サプリメントを利用していくのがおすすめです。
まとめ
DHAは成長期の子供の脳や神経の発達に重要な役割を担う栄養です。脳の場合には記憶や学習を司る海馬という部分に存在しますから、頭が良くなりたいという場合にも、この栄養は積極的に摂っていくべきと言えるでしょう。
DHAは青魚の脂の中に多く含まれる栄養で、マグロ、カツオ、ハマチ、ブリ、サンマなどが特に豊富にこれを含んでいます。
新鮮な食品を購入し子供好みに、また食べやすく料理して食卓に並べてあげることで成長を後押ししてあげることができますから、可能な限り手をかけてあげてみてください。
ただ魚というのは成長期の子供では好き嫌いをする子も多く、また料理にも手間がかかります。
栄養を考えて完璧な料理を作ったり、毎回の食事のメニューに取り入れていくということは現実的ではありませんので、こういった問題を補っていくためには、サプリメントを利用するのも1つの方法として提案できます。
子供用の身長サプリメントにはDHAを配合したものが多々あり、また成長に必要とされる他の栄養も豊富に含んでいますから、効率の面も考えて、こういったものを賢く活用していきましょう。