リコリス『ゼンヤク』小児用は風邪などで熱があるときに飲むものとして利用されることが多いのですが、効果・効能には「幼小児の発育期」と書いてあります。
そこで、今回はリコリス「ゼンヤク」小児用は幼小児の発育期に向いている商品かどうか調査したいと思います。
【総合評価】リコリス『ゼンヤク(小児用)』の採点結果
先にリコリス『ゼンヤク』小児用の総合評価を発表したいと思います。総合評価は以下になります。
基準 | 点数(5点満点中) |
---|---|
安全性 | 【★★★・・】3点 |
飲みやすさ | 【★★★・・】3点 |
価格 | 【★★・・・】2点 |
口コミ | 【★★★★・】4点 |
総合評価 | 【★★★・・】3点 |
リコリス「ゼンヤク」小児用は効果・効能に「発育期の幼小児」とあったので、身長サプリとして評価してみると、カルシウムが少し含まれているだけでその他に成長に必要な栄養素は含まれていませんでした。
そのため発育期の幼小児に関しての効果にはあまり期待できません。身長サプリとしての評価は低いのですが、風邪薬として効果に期待できる原料は使われていました。
飲みやすさは量が少ないので一気に流し込むことができますが、味はお薬に近いのでお子さんの好き嫌いがはっきり出そうです。
リコリス『ゼンヤク』小児用をおすすめしたいお子さん
リコリス「ゼンヤク」小児用をおすすめするとしたら「風邪などで熱がある方」に風邪薬としておすすめします。
いくつか効果に期待できる成分が含まれていたので、お子さんが風邪をひいたとき一度飲んでみてもいいと思います。
リコリス『ゼンヤク』小児用が向いていないお子さん
- 不足しがちな栄養を補いたい方
- 牛乳を飲まない方
リコリス「ゼンヤク」小児用は成長に必要な栄養素が含まれていないので、亜鉛やマグネシウムなどの不足しがちな栄養を補うことができません。
カルシウムは配合されているのですが成分量が少ないため、普段、牛乳を飲まないお子さんだと厚生労働省が推奨している量を満たすことは難しくなります。
これらのことから不足しがちな栄養を補いたい方と牛乳を飲まない方には、あまりおすすめすることはできません。
【体験レビュー】リコリス「ゼンヤク(小児用)」を購入してみた
ドラッグストア「ココカラファイン」というお店でリコリス『ゼンヤク』小児用を購入してきました。
リコリス『ゼンヤク』小児用は第2類医薬品として商品分類がされているため、販売できる専門家は薬剤師か登録販売者となっています。
ドラッグストアでは必ず薬剤師さんがいるので購入することができますが、スーパーやホームセンターなどでの購入は難しいかもしれません。
まれに医薬品登録販売者がいるコンビニがありますが、探すほうが時間がかかると思うので確実に購入したいのであればドラッグストアがいいでしょう。
リコリス『ゼンヤク』小児用を実際に飲んでみた感想
リコリス『ゼンヤク』小児用は1日3回服用するのが用法用量となっているので、箱にまとめて入っている3本で1日分となります
箱を一度開けると上の蓋がしまらなくなります。商品に影響はないのであまり気にすることではないかもしれませんが、保存する際に少し邪魔だと思いました。
瓶のほうにも箱と同じ内容のことが書かれているのですが、瓶が小児用で小さいため読みづらくなっています。そのため、飲み終わるまで箱は置いておいたほうがいいでしょう。
ニオイ・味
ニオイは病院でもらうお薬のような匂いで、子供の好き嫌いがはっきりと分かれそうです。
病院で貰うお薬が苦手なお子さんだと飲むのがつらいかもしれません。
味もお薬みたいな味がして正直大人でも飲みづらさを感じます。好き嫌いが激しいお子さんだと飲めない可能性が大いにあります。
後味も残るので、飲んだ後はお水か何かを少しだけ飲ませてあげるといいでしょう。
飲みやすさ(総評)
20mlで簡単に飲みきることはできますが、味と匂いがお薬みたいだったので飲みやすいとは言えません。
また、用法用量が1日1本ではなく3本となっているので、子供のストレスもなかなか大きいのではないかと思います。
お薬が平気なお子さんなら問題ありませんが、苦手なお子さんは飲むのが難しいかもしれません。
販売会社「全薬工業株式会社」とは?
(画像引用:全薬工業株式会社HP「リコリスシリーズ スペシャルページ」)
リコリス『ゼンヤク』小児用を販売している会社は東京都に本社を置く「全薬工業株式会社」です。
一般医薬用品ではリコリス以外にも風邪薬の「ジキニン」などがあります。基礎化粧品だと「ジュレリッチ」は聞いたことがあるのではないでしょうか。
全薬工業株式会社は1950年に設立されてから60年以上の歴史がありますが、会社による問題などは起きたことがありません。
専門家が「ゼンヤク(小児用)」を徹底検証
- 飲みやすさ
- 安全性
- 口コミ
- 価格
リコリス『ゼンヤク』小児用は効果・効能に「幼小児の発育期の栄養補給」とありますが、きちんと栄養補給はできるのか、また安心安全なのか上記4つの基準を使って判断していきます。
『原材料・栄養成分・添加物』の安全性
カンゾウ(甘草)エキス 100mg(原生薬換算量 500mg)、グルコン酸カルシウム水和物 100mg、リボフラビン(ビタミンB2) 0.67mg、オロチン酸コリン 25mg、タウリン 100mg、パンテノール 3.33mg
添加物としてアルコール、安息香酸Na、パラベン、カラメル、チンピチンキ、白糖、水アメ、dl-リンゴ酸Naを含有します。
効果・効能の一つ「幼小児の発育期」に向いているかどうか、上記の栄養成分から判断していきます。
原材料や栄養成分の働きについては、以下のナチュラルメディシンデータベースの情報を中心に評価します。
カンゾウ(甘草)エキス
甘草は別名「リコリス」と呼ばれ、商品の名前に使われています。甘草は食品や飲料水、タバコなどの香料として使われることが多い植物です。
体内での働きは甘草に含まれる化合物が炎症や腫瘍の緩和し、粘液の分泌を弱め、咳の回数を減らし、潰瘍(かいよう)を治す体内の化合物を増加させると考えられています。(※1)
また、その他にも効果があるとは断言できませんが、消化不良(むねやけ)の改善に効果があると科学的に示唆されています。(※1)
基本的には安全性は高いのですが、高用量の甘草を4週間を超える期間、もしくは少量を長期間に渡って摂取し続けると、高血圧や脱力、麻痺などの副作用を起こす可能性があります。(※1)
甘草と「グレープフルーツジュース」を一生に摂るとカリウムを減少させる作用が高くなる可能性があります。
これらのことから甘草は基本的には安全ですが、長期間摂取し続けるのはやめておきましょう。
パンテノール
パンテノールとは体内でパントテン酸(ビタミンB5)に変化する前の物質です。パントテン酸は肉や野菜、卵など動植物に幅広く含まれています。
パントテン酸は体内においては炭水化物、タンパク質、脂質が代謝され、皮膚の健康を維持するために大切な働きをします。(※2)
パントテン酸を子供が経口摂取する場合は、適量であればおそらく安全です。子供の推奨量は以下になります。(※2)
- 4~8歳:3mg
- 9~13歳:4mg
- 14歳以上:5mg
厚生労働省の情報によると男女計で平均摂取量は1歳~6歳「3.90mg」、7歳~14歳「6.03mg」となっています。(※3)
これらのことから子供は食事から十分に摂取できているでしょう。ここからさらにリコリスの「3.33mg」を加えると大きく推奨量を超えてしまいます。
パントテン酸による過剰摂取や副作用は認められていないので、それらの心配はありません。(※4)
しかし、経口摂取での大量摂取は下痢を引き起こす可能性があると言われているので、注意しなければいけません。(※4)
安息香酸Na
安息香酸Naは安定剤や防腐剤、保存剤などとして使われる添加物です。基本的には厚生労働省が生涯摂取し続けても安全な量を設定しているので問題ありません。
大量に摂取すると人における知見では5.7gで消化管障害を起こすと報告されています。しかし、一方で25~40g摂取しても耐えたとの報告もあるので、個人差があるようです。(※5)
過剰摂取による急性毒性を起こしたとしても容易に回復すると言われているのですが、それでも摂りすぎには注意しましょう。(※5)
成長に必要な栄養成分を徹底調査
商品の配合量 | 厚生省の推奨摂取量 | 平均摂取量 | 耐容上限量 | 評価 | |
---|---|---|---|---|---|
カルシウム(mg) | 100 | 1000(男) | 678(男) | なし | △ |
800(女) | 610(女) | ||||
タンパク質(mg) | 0 | 65(男) | 75.4(男) | なし | × |
55(女) | 64.8(女) | ||||
亜鉛(mg) | 0 | 10(男) | 9.2(男) | なし | × |
8(女) | 7.9(女) | ||||
マグネシウム(mg) | 0 | 360(男) | 232(男) | なし | × |
310(女) | 209(女) | ||||
ビタミンD(μg) | 0 | 5.5(男) | 7.1(男) | 80 | × |
5.5(女) | 5.9(女) |
子供の成長に必要な栄養成分がほとんど含まれていませんでした。発育期の栄養補給ができるとのことでしたが、これでは効果に期待できません。
栄養成分が表示されていないので、もしかしたら成長に必要な栄養成分が含まれているかもしれませんが、不確定なのでここでは配合されていないと判断しています。
唯一配合されているカルシウムですが、100mgと少なめです。
100mgだと厚生労働省の推奨量と、平均摂取量の調査から考えると、10歳~11歳男の子のカルシウムしか満たすことができません。
残念ながら、それ以外の時期では満たすことができず不足したままです。
さらに、これはあくまで推奨量と平均摂取量から考えているだけで、10歳~11歳の男の子であっても牛乳などを普段飲んでいないのであれば、満たすことができない可能性があります。
販売会社が取り組む安全性【危険性対策】
リコリス「ゼンヤク」小児用の製造工程は安全かどうか調べてみると、栃木県に自社工場を持っており、敷地面積は東京ドーム約3個分もの大きさでした。
自社工場を持っていることや、薬事衛生優良事業場認定など評価できます。また、環境への取り組みを行っていることも評価できます。
医薬品を取り扱っている工場で製造されているので、かなり安全と言いたいところでしたが、平成25年の9月にリコリス「ゼンヤク」小児用の瓶口の外側が欠けて、回収することがありました。(※6)
充填後の製造工程における不具合で、ガラス片の混入などはありませんでしたが、このようなことがあったので、少し評価は下がります。今はこのようなことがないように対策されていると思うので、そこまで心配はする必要はないでしょう。
リコリス「ゼンヤク」小児用の口コミ&評判
@ysm_die お大事になさってくださいね……前薬剤師さんに教えてもらったんですが寝る前に小児用リコリスってお薬を同量のお湯で割って飲むと風邪の治り早くなるそうです。県が違うので売ってるかわかりませんが……早く治ると良いですね
— したまつげサーチャーワタル (@healandkiss) 2015年10月13日
リコリス(小児用)ちょー効くわ
— TSUYOSHI (@tsuyoshi318) 2014年2月9日
リコリスっつーと小児用の風邪ドリンク?ってなるからな!
— よつ (@4286_) 2018年3月2日
アマゾンや楽天での口コミはありませんでした。そのため、ツイッターでの口コミだけとなっています。
リコリス「ゼンヤク(小児用)」の価格チェック
通常購入 | 1,058円(税込) |
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定期購入 | なし |
送料 | なし |
定期購入の回数縛りの有無 | なし |
返金保証の有無 | なし |
お試しの有無 | なし |
リコリス「ゼンヤク」小児用を販売する全薬工業株式会社には公式通販サイト「全薬ヘルスビューティショップ」がありますが、そこでは取り扱っていないので上記には市販の価格を載せています。
この商品は毎日飲むタイプのものではありませんが、1回の価格がかなり高めになっています。週に1回だとしても4,000円以上かかります。
Amazonや楽天・市販でも購入できる?
リコリス「ゼンヤク」小児用は通販サイトでも購入することができるのか調べてみました。
- Amazon:880円(関東への送料無料)
- 楽天:530円(490円)
- 市販:1058円
Amazonや楽天などの大手通販サイトで購入することができます。ただ、リコリス「ゼンヤク」小児用などの医薬品はネットで購入するよりも市販で購入することをおすすめします。
【おすすめ】最安値でお得に購入する方法
最安値でお得に購入する方法は関東にお住まいの方であればAmazonの「880円」になります。それ以外の地域にお住まいの方は楽天が最安値になります。
先述したとおり最安値で購入するのはネット通販ですが、私は医薬品の購入はお店をおすすめします。
まとめ
リコリス「ゼンヤク」小児用は発育期の幼小児に効果・効能があるとのことで、原材料や栄養成分を調べてみると、ビタミンB群などが入っていました。
しかし、ビタミンB群は基本的には食事で十分に摂取することができており、特に成長に必要なマグネシウムやビタミンDなどの不足しがちな栄養成分は入っていませんでした。
カルシウムは含まれていましたが、厚生労働省の推奨料を満たせるほどの量ではありませんでした。そのため、子供の成長をサポートするのであれば、別の身長サプリがおすすめです。
風邪薬としては、炎症による腫れや咳の軽減などに期待できるカンゾウ(甘草)エキスが配合されているので飲んでみてもいいと思います。
カンゾウ(甘草)エキスは長期的に摂取したり、大量に摂取すると副作用を起こす可能性のあるものなので、飲みすぎには注意してください。
必ず用法用量を守って飲むようにしましょう。また、飲んでいて異常が起きた場合はすぐに服用をやめて、医師または薬剤師に相談してください。
参考文献
- ※1 一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター「健康食品・サプリメント[成分]のすべて(ナチュラルメディシン・データベース) p,261~264」
- ※2 一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター「健康食品・サプリメント[成分]のすべて(ナチュラルメディシン・データベース) p,737、738」
- ※3 厚生労働省「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」
- ※4 国立健康・栄養研究所「パントテン酸」
- ※5 日本医薬品添加剤協会「安息香酸ナトリウム」
- ※6 厚生労働省「リコリス『ゼンヤク』小児用 – 回収概要」