成長期の子供にとって、栄養のバランスのとれた食事をすることは欠かせません。そのため、毎日の料理に頭を悩ませているお母様も多いのではないでしょうか。
様々な栄養素のなかでも、ビタミンCは子供の成長に必要です。学校の給食でも、ビタミンCがしっかりと含まれた食品が使われています。しかし、食卓でビタミンCとなると、どんな食品にしっかりと含まれているのか分かりにくいでしょう。
しかも、料理の方法によっては、ビタミンCが含まれている食品を使ったとしても、効率的に摂取できないこともあります。子供のためを思って食事を準備しても、しっかりと摂取ができません。そこで、ビタミンCを多く含む食品料理をご紹介します。
どのような食品にビタミンCは多く含まれる?
「ビタミンCってよく聞くけど、具体的にどんな食品に含まれているのか知らない」という方もいるのではないでしょうか。
ビタミンCがレモンにたくさん含まれているのは有名ですが、だからといってレモンばかり毎日食べられません。
レモン以外にもビタミンCを含んだ食品はたくさんあるので、日々の料理の中で上手に取り入れていきましょう。
まず、ビタミンCを多く含んでいる食品といえば、果物類です。レモン以外の果物も、ビタミンCをたくさん含んでいます。中でも、レモンをはじめとするみかんやグレープフルーツなどの柑橘類やイチゴは特に多く含んでいます。
それから、野菜やイモもビタミンCを多く含んでいます。野菜嫌いの子供だと野菜を食べさせるのは難しいかもしれませんが、野菜の中でも好きになれる食品もあるかもしれないので、それを見つけてあげるといいかもしれません。
厚労省の推奨摂取量と平均摂取量からわかる子供の過不足量
厚生労働省では、各栄養素に関する推奨摂取量を設定しています。推奨摂取量とは、「成長・健康維持のためにこの年齢の方はこれくらいの摂取がのぞましい」という意味です。
もちろん、ビタミンCに関する推奨摂取量も設定されており、各年齢における値で公開されています。
成長期の子供のビタミンCの推奨摂取量は、5段階に分かれています。
6歳・7歳 | 55mg |
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8歳・9歳 | 60mg |
10歳・11歳 | 75mg |
12歳~14歳 | 95mg |
15歳~ | 100mg |
一口に子供といっても、成長の段階によってビタミンCの推奨摂取量が異なるのです。そのため、その年齢に合わせた摂取量が望ましいでしょう。上記は1日の推奨摂取量なので、1日分の料理の中で、摂取をするのが望ましい量です。
ところが、この推奨摂取量を満たしている子供は、非常に少ないといわれています。実際の平均摂取量は、1歳から6歳が52mg、7歳から14歳が67mg、15歳から19歳が70mgです。
年齢で細かく分けた結果ではないので、判断が難しいところですし、あくまでも平均摂取量なので、満たしている子供もいるところですが、15歳以上に関しては完全に足りていないことが分かるのではないでしょうか。
10歳以降の子供がビタミン不足に陥る
なかでも、ビタミンCの摂取量を不足しがちになりやすい年齢といえば、10歳以降の子供です。10歳以前の子供のビタミンCの推奨摂取量は60mg以下なので、普段の料理の中で不足するというのはあまりありません。
ましてや、小さな子供だとお母様たちは、より栄養のバランスに気を付ける傾向にあるので、特に心配するような不足の傾向はありません。ところが、10歳以降になると、ビタミンC不足の子供が増えてきます。
そのため、10歳以降の子供のビタミンCの推奨摂取量は75mgから100mgと、6歳頃に比べると1.5倍から2倍の摂取が必要になります。これを毎日の料理の中で摂取させるとなると、選ぶ食品にも気を遣わなければならないでしょう。
ビタミンCは骨になるコラーゲンの生成に必須
ではなぜ、成長期の子供のからだにビタミンCが必要なのか、ご存知でしょうか。「ビタミンCって美肌にしてくれる以外にどんな働きがあるの?」と疑問を持っている方もいることでしょう。
「ビタミンCが骨の成長に関わっているってどういうこと?」と思われるかもしれませんが、ビタミンCをしっかりと摂取することで身長が伸びるのにも働きかけてくれるといわれています。
そもそも、身長が伸びる理由は、骨自体が伸びるからではなく、骨と骨を結合する部分である軟骨が伸びるからです。成長の止まった大人になると、この軟骨部分は固まり、身長はほぼ伸びなくなります。
ところが、成長をしている子供のからだというのは、軟骨部分は柔らかく伸びやすい状態になるのです。この軟骨部分を形成しているのが、コラーゲンです。
身体は傷の治癒に必要なタンパク質であるコラーゲンを生成するためにもビタミンCを必要とします。さらに、ビタミンCは、植物性食品からの鉄の吸収を促し、病気から身体を守るために免疫系が適切な働きをするのを助けます。
からだの中でコラーゲンを生成するためには、ビタミンCの存在が必要不可欠です。コラーゲンはビタミンCを材料として生成されるので、それが不足するとコラーゲンの生成も少なくなり、軟骨も伸びにくくなります。
したがって、現在では身長を伸ばすのにビタミンCが必要であると、少しずつ認知されるようになってきました。日々の料理の中でビタミンCを多く含んでいる食品を積極的に取り入れることは、子供の成長にダイレクトにつながるのです。
ビタミンCを多く含んだ食品一覧
ビタミンCを効率的に意識して成長している子供に摂取させるためには、具体的にビタミンCを多く含んだ食品は何なのか知ることが大切です。果物や野菜などに多く含まれていると前述しましたが、一口に野菜といっても種類によって含有量は異なります。
一度の料理でたくさんの種類の野菜を入れるのは非常に難しいので、ビタミンCが豊富に含まれている野菜を中心に献立を考えた方が効率的です。
ビタミンCが豊富に含まれている食品といっても、そんな大層なものではありません。スーパーに行けば普通に購入できるものばかりなので、入手するのも手間はかからないでしょう。
子供の成長のためにも、何にどれくらいのビタミンCが含まれているのかを知り、できるだけ推奨摂取量を超えるような食事にできるとベストです。ビタミンCがたくさん含まれている食品として、5つのものがあります。
ピーマン
1つ目は、ピーマンです。ピーマン嫌いの子供も多いのではないでしょうか。しかしピーマンには、たくさんのビタミンCが含まれています。青ピーマンは75mgで黄ピーマンは150mg、赤ピーマンにいたっては170mgです。
これだけ豊富なビタミンCが含まれていることが分かれば、なぜ成長している子供の料理に、ピーマンを食品として入れた方が良いのか分かるのではないでしょうか。ピーマンにはビタミンCの他、ビタミンKなど豊富な栄養が含まれています。
ビタミン群が豊富に含まれているピーマンなので、からだの免疫力が高まり、風邪などを起こしにくいからだづくりにも役立ちます。なので、嫌いな子供でも食べて欲しい食品の1つです。
いちご
2つ目は、いちごです。いちごが嫌い、という子供はあまりいないのではないでしょうか。なので、料理というよりもデザートとしていちごをよく食卓に並べるようにすると、ビタミンCを効率的にとれ、子供の成長に一役買います。
いちごのビタミンCの含有量は、62mgです。ピーマンと比べるとやや少ないような気もするかもしれませんが、野菜や果物類の中では十分にビタミンCを含んでいる食品であるといえます。
いちごはその他、モリブデンや葉酸を豊富に含んでいます。特に、葉酸を豊富に含んでいる食品はそこまで多くないので、いちごでビタミンCを摂取する傍ら、葉酸も摂取できるのがいちごの良いところではないでしょうか。
ブロッコリー
3つ目は、ブロッコリーです。ブロッコリーにビタミンCが豊富に含まれているのは、有名ではないでしょうか。そのため、ビタミンCを子供に摂取させるために、料理に取り入れている方も少なくないでしょう。
ブロッコリーのビタミンC含有量は、120mgです。非常にしっかりとビタミンCが含まれているので、「ちょっとビタミンCが足りていないかも」というときには、ブロッコリーを食品として取り入れるのがおすすめです。
ブロッコリーの他栄養素としては、ビタミン群が総合的にたくさん含まれています。さらに、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分も豊富に含まれているので、子供の成長に一役買ってくれるでしょう。
ほうれん草
4つ目は、ほうれん草です。ほうれん草も栄養が豊富なことで有名ですが、ビタミンCもしっかりと含まれています。ほうれん草のビタミンC含有量は、35mgです。「ちょっと少ない?」と思われるかもしれませんが、ちょっと足りないときに良いでしょう。
ほうれん草の良いところは、ブロッコリーと同じで子供の成長に必要な栄養が満遍なく豊富に含まれているところです。しかも、調理もしやすいので日々の料理の中で取り入れやすい食品です。
ほうれん草には鉄分が豊富に含まれているので、思春期の女の子の貧血防止にも役立ちます。カルシウムもほうれん草の豊富な栄養素の1つなので、身長を伸ばしたいと思っている子供にぴったりです。
菜の花
5つ目は、菜の花です。「菜の花って食べられるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、菜の花はすごく美味しい野菜の1つです。菜の花といっても、花が咲く前の菜の花が食品として出回っています。
菜の花のビタミンC含有量は、110mgです。したがって、春先になってスーパーに菜の花が出回り始めた頃に一度は料理に取り入れたい食品です。ただし、子供にとっては少し食べにくい食品かもしれません。
菜の花にはビタミンCの他に、ビタミン群が豊富に含まれています。葉酸もしっかりと含まれているので、成長している子供には嬉しい食品です。菜の花もほうれん草と同様、鉄分がしっかりと含まれています。
子供が喜ぶビタミンCを多く含んだおすすめ料理一覧
ビタミンCをたくさん含んだ食品が分かっても、子供の中にはそのまま食べられない子もいます。そのため、お母様たちは毎日の料理の中で工夫を凝らしているところでしょう。しかし、自分1人では中々バリエーションが増えないところです。
1つの食品でもいくつかのバリエーションを持っていれば、子供に飽きさせずに食事をさせられます。それだけではなく、食品そのものは苦手な子供でも、料理次第で食べられるようにもなるでしょう。
そこで、ビタミンCを多く含んだ食品を使った子供が喜ぶ料理を知りたいと思っているお母様も多いのではないでしょうか。ビタミンCを多く含んだ食材のレパートリーは、成長している子供にとっても非常に重要です。
ピーマンを使った料理
ビタミンC豊富なピーマンといえば、今も昔も「ザ・子供が嫌いな野菜」の代表格です。お母様の中にも、成長している時にはピーマンが食べられなかったという方は少なくないのではないでしょうか。
そんな食品でも、子供が喜んで食べられる料理があります。
ピーマンの独特の苦みを緩和するために、子供の好きな味付けをするのがポイントです。それを解消してくれるのが、スーパーでどこにでも売っている「焼肉のたれ」です。
中でもピーマンの肉炒めがおすすめです。お肉は子供の好きなお肉を使うと良いでしょう。鶏肉を使うとジューシーな味わいになるのでおすすめです。
まず、お肉をフライパンでよく炒めます。お肉の色が変わってきて火が通ったら、縦細切りにしたピーマンを入れて炒め合わせましょう。
ピーマンにも火が通ったら、そこに焼肉のたれを入れて味付けします。これで完成です。青ピーマンの苦味が苦手であれば、黄ピーマンや赤ピーマンを使うと味がマイルドになります。
ブロッコリーを使った料理
ブロッコリーは茹でて食べる料理の方が一般的でしょうが、実は茹でると含まれているビタミンCは溶け出してしまいます。これでは子供の成長に効率的な食べ方とは言えません。なので、ブロッコリーを調理するときには、レンジでチンがおすすめです。
子供でも喜んで食べられるおすすめのブロッコリー料理は、チーズ焼きです。チーズ好きの子供であれば、ブロッコリーが苦手でも喜んで食べてくれます。
作り方は簡単で、ブロッコリーとじゃがいもを食べやすい大きさに切り、レンジで加熱します。
加熱後のブロッコリーとジャガイモを耐熱皿に入れ、混ぜ合わせたツナマヨネーズと和えます。
その上からスライスチーズもしくはピザ用チーズをたっぷりとかけて、180℃のオーブンで10分焼きます。焼き色がついたらできあがりです。すごく簡単にできるので、お弁当のレシピにもピッタリですね。
ほうれん草を使った料理
いくらほうれん草がビタミンC豊富な食品といっても、簡単なレシピで思いつくものといえば、和食の料理ばかりではないでしょうか。
成長している子供の中には、薄味の和食だと食べてくれない場合もあります。そんなほうれん草でも、子供が喜んで食べてくれるおすすめのレシピがあります。それが、ほうれん草のケークサレです。
作り方は簡単で、まず150gのほうれん草をさっと茹でて水を切り、みじん切りにします。ボウルに牛乳1カップとオリーブオイル大さじ2、ホットケーキミックス300gを入れて、ダマがなくなるまで混ぜ合わせましょう。
この混ぜ合わせたものを、パウンドケーキの型に入れます。それを、170℃に余熱したオーブンで30分焼き、串を刺して何もついてこなかったらできあがりです。混ぜ合わせて焼くだけなので簡単ですよ。
菜の花を使った料理
春になったら子供に食べさせたいビタミンC豊富な食品である菜の花ですが、おひたしや酢味噌和えくらいしか思いつかないのがネックなのではないでしょうか。
成長している子供にとっては栄養豊富でも、料理のレパートリーが少ないと食べてもらえないこともあります。
そんな菜の花のおすすめの料理が、菜の花のオムレツです。オムレツが嫌いな子供は少ないので、食べてもらいやすいのではないでしょうか。
シンプルな味付けにしたい場合には、塩コショウ少々とマヨネーズ大さじ1でOKです。生クリームや牛乳、めんつゆを入れても美味しいですよ。
混ぜ合わせた卵液をフライパンで焼き、オムレツの形に整えたら完成です。仕上げにケチャップをつければ、さらに子供が大好きな味になります。卵と一緒なことで、さらに栄養価が高まる一品です。
にがうりを使った料理
夏バテを防止してくれる食品として有名なにがうりですが、嫌いな子供は本当に多いです。名前の通り、すごく苦いので仕方のないことではありますが、にがうりもビタミンCが豊富なので、成長している子供に食べてもらいたいところです。
にがうりを苦いままにしないためには、下処理をするのがポイントです。これさえすれば、チャンプルーや肉炒めなどの料理に入れても、にがうりの苦味が気にならず、子供でも美味しくいただけます。
塩もみしておいたにがうりを熱湯で塩を洗い流せば、使いやすいにがうりになるのです。
どうしてもにがうりの味が嫌いという子供であれば、にがうりの下処理をしてから、細かく切ってスープや炒め物に入れてOKです。にがうりのお味噌汁も食べやすくなるのでおすすめです。
栄養バランスを考えるのは難しい
子供の成長にとって、栄養バランスが整った食事をとることは、何よりも大切なことです。特にビタミンCの摂取は、身長が伸びることに直結していくので、豊富に含まれている食品を選んで日頃の料理の中で取り入れたいところでしょう。
ところが、栄養満点な食事を毎日料理するのは、お母様たちにとって難しいものです。なぜなら、子供が摂取しなければならない栄養素はビタミンCだけではなく、多岐にわたるからです。これは、大人でも同じことが言えます。
しかしこれは、専業主婦のお母様でも難しいですし、子供を何人も抱えたお母様だと簡単にはいかないでしょう。
さらに言うと、夫婦ともに共働きしているご家庭だと、どうしても簡単に早く料理できるものになります。でも、これはどこのご家庭でも同じことなので、「我が家はちゃんとできていない」と落ち込む必要はありません。
また、たくさんの品数の料理をできる時間があったとしても、すべてのお母様方が料理上手なわけではないので、どうしても自分ができる料理に偏ることも少なくありません。
子供用のマルチビタミンサプリがおすすめ
そこでおすすめなのが、子供用のマルチビタミンサプリを活用することです。「子供でもサプリを飲んで大丈夫なの?」と思われる方もいるかもしれませんが、子供用のサプリであれば、子供の成長を助けてくれるものなので大丈夫です。
子供用のサプリは、ドラッグストアなどでも豊富に販売されています。それから、ネットでもおすすめのサプリなどが紹介されているので、よく下調べをすると良いですね。
子供用サプリは子供が飲みやすいよう工夫されているので、手軽に栄養摂取させられます。
まとめ
ご自身の美容ケアでビタミンCを意識して摂取しているお母様もいるでしょうが、子供の成長にも必要な栄養です。そのため、毎日の料理の中で、ビタミンCが豊富な食品を1品でも入れて欲しいところです。
ビタミンCが不足すると、子供のからだの中でコラーゲンの生成量が減少するので、身長が伸び悩むこともあるかもしれません。
もちろん、ビタミンCをたくさん摂取したからといって、必ず身長が高くなるわけではありませんが、全く関係がないともいえないのです。
サプリメントの利用も一つの手
ビタミンCを豊富に含んでいる食品が苦手な子供に関しては、料理を工夫したりサプリメントを利用したりするのがベストです。サプリメントの利用に抵抗のあるお母様もいますが、子供用を活用すればOKです。
ビタミンCは成長だけではなく、抗酸化作用があるので、免疫力も高まりますし、お肌も綺麗になります。ビタミンCは、摂取しすぎたとしてもよほどのことがない限り、摂取上限量を超えることはないので、安心して使えるでしょう。