生後4ヶ月~6ヶ月は首がすわり、身体の筋肉が発達するなど大きく成長する時期です。この時期に体重が増えていないと病気の可能性もあります。
そこで今回は、4ヶ月~6ヶ月の平均身長と体重、離乳食が始まるこの時期の注意点などもまとめて解説していきます。
0歳児(4ヶ月~6ヶ月)の平均身長
厚生労働省の「平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」を参考にして4ヶ月~6ヶ月の平均身長を男女別で確認してみましょう。
男子 | 女子 | |
---|---|---|
4ヶ月~5ヶ月 | 64.3cm | 62.9cm |
5ヶ月~6ヶ月 | 66.2cm | 64.8cm |
6ヶ月~7ヶ月 | 67.9cm | 66.4cm |
0歳児(4ヶ月~6ヶ月)の成長を成長曲線を使ってメモ
上記の平均身長を見てもらえばわかるとおり1ヶ月で1cm以上伸びていきます。これは0歳~1歳まで続きます。
成長によるスピードは個人差があるので上記の表どおりに今は成長していなくても、後から追いつくこともあります。反対に今大きくても追いつかれることもあります。
しかし、あからさまに母乳を飲む回数、量が少ない、何ヶ月たっても身長が伸びていないという場合は成長障害の可能性もあります。
赤ちゃんが健康的に成長しているか、どうすれば分かるのかというと「成長曲線」を使うのです。
成長曲線は日本小児内分泌学会のこちら「成長評価用チャート・体格指数計算ファイル ダウンロードサイト」からダウンロードすることができます。
月に一度身長を測定してもらうか、自分で測定してメモをしていくだけです。成長曲線には平均とSDスコアが書かれています。
身長は平均よりも上になっていれば問題ありません。平均よりも下回り続けていた場合は一度医師に相談をしたほうがいいかもしれません。
0歳児(4ヶ月~6ヶ月)の平均体重
平均身長と同様に平均体重も確認してみましょう。
男子 | 女子 | |
---|---|---|
4ヶ月 | 7.22kg | 6.73kg |
5ヶ月 | 7.67kg | 7.17kg |
6ヶ月 | 8.01kg | 7.52kg |
5ヶ月~6ヶ月頃になると離乳食を開始する人が多いです。厚生労働省の「Ⅱ離乳編」によると平成17年に調査した離乳食の開始時期で5ヶ月以降と答えたのは84.4%でした。
この時期に離乳食を始める方が多いため、体重が1ヵ月で400gほど一気に増えているのがわかります。
母乳栄養児は人工栄養児と比べて体重の増加が緩やかになると言われているので、離乳食ではなく母乳を飲んでいる赤ちゃんは平均よりも下回っていることもあります。
体重が増えない原因とは?
赤ちゃんの体重が突然増えなくなって悩んでいるお母さんはたくさんいます。赤ちゃんの体重が増えなくなった原因はいくつか考えられます。(参照:乳幼児身体発育評価マニュアル)
まず、赤ちゃんの体重の増え方には3つのタイプがあります。一つが「立ち上がり型」といって、早い段階で体重が大きく増え、後半に増えなくなる型です。
二つ目が「一般型」です。これは文字通り普通の体重の増え方をするので、これは今回の増えない原因とは考えにくいです。
三つ目が「追いつき型」です。生後間もない頃は平均よりも軽かった体重が、1歳に近づくにつれて平均に追いつく型です。
1歳に近い月齢で体重が増えないなら「立ち上がり型」の可能性があります。まだ1歳よりも遠い月齢なら「追いつき型」の可能性があります。
体重増加不良が原因の可能性もあります
成長曲線をつけたときに平均よりも大きく下回っている場合は体重増加不良の可能性があります。その場合は病院で診てもらったほうがいいでしょう。
体重増加不良の主な原因は栄養摂取不良です。また、その他にも低出生体重児、何か別の病気、不適切な授乳、ネグレクト(育児放棄・育児怠慢)などが原因の可能性もあります。
適切な栄養摂取を行えば体重は増加し、改善されることがほとんどなので安心してください。そのため、適切な授乳方法や離乳食などの確認は大切です。
まれに体重増加不良などの異常が出ていないにも関わらず、ゆっくりと体重が増える赤ちゃんがいます。
体重増加不良かどうか見極めるためには複数回体重測定を行って、以下の状況を確認して、総合的な判断を下します。
- 赤ちゃんは元気かどうか
- 筋緊張
- 皮膚の張り(ツルゴール)
- 排尿排便の状況
- 授乳状況
離乳食の開始時期はいつぐらい?始め方とは?
離乳食を開始する時期は5ヶ月~6ヶ月頃がほとんどです。厚生労働省の「Ⅱ離乳編」の調査によると84.4%の人が「5ヶ月以降に開始した」と答えています。
離乳食の開始の目安については「月齢」が75.8%と多く回答していたのですが、首がすわり、支えなくても自分で座れる、食べ物に興味を持ち出したら始めるといいでしょう。
そのため、生後5ヶ月を超えたからといって無理に離乳食に替える必要はありません。赤ちゃんの首がすわって、食べ物に興味を持ったらはじめましょう。
離乳食の始め方について解説
生後5ヶ月、6ヶ月の離乳食の始めたては1日1回、子供の様子を見ながら1さじずつはじめましょう。(参照:兵庫県尼崎市「あまっ子元気ブック」)
母乳やミルクが長く続くことで、なかなか離乳食を開始できなくて悩む方もいるみたいですが、飲みたいだけ飲ませるようにしましょう。この時期はまだ母乳やミルクが大切な栄養源です。
離乳食として最初に食べさせるものはアレルギーの危険性が低い米をヨーグルトくらいにまで潰したおかゆがおすすめです。
人間は赤ちゃんの時が最もアレルギーを発症しやすく、大人になるにつれて発症率が低くなります。
そのため、離乳食はできるかぎりアレルギーの危険性が低いものにしましょう。最低でもアレルギー表示対象食品は避けるようにするといいでしょう。
慣れてきたら野菜や果物を試してみましょう。さらに野菜や果物が慣れてきたらつぶした豆腐や白身魚を試してみましょう。白身魚は塩分や骨などに注意してください。
離乳食開始するにあたっての注意点
離乳食を開始するにあたって「はちみつ」と「離乳食を作るとき」の2つに注意点があります。それぞれ解説していきます。
はちみつ
1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると「ボツリヌス菌」による乳児ボツリヌス症が発生する可能性があるため、厚生労働省が注意喚起しています。(参照:厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」)
乳児ボツリヌス症を発症すると便秘、乳の吸い方が弱くなる、泣き声が小さくなる、無表情、首と手足から力がなくなるなどの症状があらわれます。
大人だと腸内でボツリヌス菌は他の細菌との競争に負けてしまうので、何も起こらないのがほとんどですが、赤ちゃんだと腸内環境が整っていないのでボツリヌス菌が暴れてしまいます。
ボツリヌス菌は通常の加熱や調理で死ぬことはほとんどないので、1歳未満の赤ちゃんにははちみつ、はちみつ入りのお菓子は与えないようにしてください。
離乳食を作るとき
離乳食を作るときの注意点をいくつか解説していきます。まず、離乳食を作るための、まな板や包丁、鍋などの器具は常に清潔を保つようにしましょう。
ボツリヌス菌などの可能性があるので、離乳食を作るときは井戸水や湧き水を使わないで作るようにしましょう。
離乳食を作る量は基本的に1回で食べきれる量にしましょう。もし余って冷凍保存したら、次に食べさせるときは十分に加熱してからにしてください。
赤ちゃんが使うスプーンは大人とは別のものにして清潔にしておきましょう。刺身などの生ものを食べさせるのは控えましょう。
WHO(世界保健機関)も推奨する栄養満点の「離乳食」厳選5つ
(出典:wikipedia)
世界保健機関でも推奨している栄養が高いと言われている離乳食には何があるか知っていますか?
もちろんいろいろなものをバランスよく与えることが栄養のバランスをとる大前提とはなってきますが、WHOでも推奨している栄養満点の離乳食には何があるのかを知っておくだけも、損になるということはまずありません。
離乳食はいずれ通らなくてはいけない道、ぜひ参考にしてみるといいでしょう。
「お粥」水で薄めすぎない
まず離乳食は10倍がゆから始めるのがいいと言われています。
母乳は1ミリリットル当たり0.7キロカロリーほどあると言われていますが、10倍がゆは1グラムあたり0.3キロカロリーほどしかありません。
ということは、栄養価は10倍がゆだと少ないということになってしまうわけです。
離乳食で10倍がゆを与えていても母乳よりも栄養価が低くなってしまえば摂取できるエネルギーの量は必然的に減ってしまうのです。
5倍がゆでやっと1グラム0.7キロカロリーほどになるとされていますから、10倍がゆを与えているときでも母乳やミルクからの栄養は欠かすことが出来ません。
食べやすいように水で薄めてあたえますが、あまりにも薄めすぎるのは栄養面ではちょっと不安が残ります。
「豆類と種実類」高脂肪と低脂肪をバランス良く
主食となる食品のほかに一緒に食べることが大事になってくるのが豆類や種実類。
豆類はその名の通りえんどうまめだったりソラマメ、枝豆、大豆などがありますが、種実類というのはごまなどのことを指します。
タンパク質源としてとてもおススメで、脂肪分もほどよくあるためエネルギーが高いという特徴を持っています。
日本の場合、お味噌汁や豆腐など豆類は自然に取り入れていますので、栄養面ではほかの国よりも豆類や種実類から摂取できる部分は多いのではないでしょうか。
納豆なども離乳食期にはよく使われるものなので、バランスよく食事に取り入れていくことをおススメします。
「動物性食品」レバー、卵、牛乳が特にオススメ
現代っ子は鉄分や亜鉛などが不足しやすいと言われています。
動物性食品であるレバーや卵、牛乳というのは鉄や亜鉛が非常に多く含まれているので離乳食期にはとてもおススメ。
鉄をはじめビタミンや葉酸を多く含むレバー、ビタミンAが豊富に含まれているたまごの黄身の部分、牛乳はWHOでもおススメの食品としています。
レバーは少し特徴のある味なので子供も好き嫌いが分かれるところかもしれないですし、卵についてはアレルギーが出やすいため与える時期、与える量は気を付けていかなくてはいけない食材です。
牛乳についても与える量は徐々に、お腹の様子を見ながら与えていくことが大切ですが、栄養価はかなり高いので牛乳が好きになってくれるようになるといいですね。
「緑黄色野菜と果物」オレンジ色の野菜とフルーツが特にオススメ
野菜や果物の中でも色の濃いものは、ビタミンAが豊富に含まれているため、離乳食期にとてもおススメです。
WHOによるとビタミンAは数ヶ月の間、子供の体にためておくことができるとされていますし、また旬の時期に旬の野菜や果物を食べることは栄養価がさらに高いと言われているためおススメされているのです。
離乳食期に扱いやすいかぼちゃ、ホウレンソウ、オレンジやいちごなどは積極的に離乳食に取り入れていくといいでしょう。
子供も食べやすく好きな子供も多いので、活用できるレシピなどもたくさん紹介されています。ぜひ参考にしながら、WHOでも推奨している緑黄色野菜や果物を離乳食に取り入れていきましょう。
「油脂類と糖類」避けがちだけれども大切な栄養群!摂り過ぎはNG
甘いものは子供もおいしいと感じるため糖類の与えすぎには注意、油脂類も子供にはあまり与える必要はないと言われていますが、与えなさすぎも実はよくありません。
摂りすぎも良くはないですが、糖類や油脂類というのはとても大切なエネルギーになるもとだからです。
糖類も油脂類も少ない量でエネルギーを得ることができるため、少量であれば大切な栄養素となってくれます。
バターにはビタミンAが、油の種類にもよりますがコレステロールをおさえた油なども登場しています。
バランスよくいろいろな栄養を与えるのであれば、油脂類や糖類も適度な量を料理に使っていくということが大切になります。
おすすめの食べ合わせ
大人と違って離乳食期は食べる量も限られているので、大人以上にバランスよくいろいろな食材を使って離乳食から栄養を摂れるように工夫をしてあげなくてはいけません。
ですので、どれとどれの組み合わせが栄養価がさらに高まるのか、より吸収率がアップしてくれるのかを覚えておくと摂取できる栄養を余すことなく体内に取り入れることがさらにできるようになるわけです。
WHOおススメの食べ合わせについてご紹介していきます。
食後のデザートに「フルーツ」
卵や牛乳、植物性の食品には鉄分が含まれています。鉄分というのはなかなか体内に吸収されにくいと言われているのですが、実はビタミンCを含んでいる食品を摂取することで、卵や牛乳などに含まれている鉄分を効率よく吸収することができるようになります。
一番おススメな食べ合わせは、おやつや食後のデザートは「フルーツ」をあげること。
適度な間食、つまりおやつはエネルギーと栄養その高いものを取り入れるというのが基本で、バナナをはじめとしてヨーグルトやビスケット、クラッカーなどは離乳食期の間食におススメです。
ヨーグルトにフルーツをつぶしたものを混ぜる、お豆を使ったケーキ、ふかしたじゃがいもにマーガリンを少量付けるなどのおやつはWHOでも推奨しています。
栄養が摂れる「おやつ」
大人からみたおやつのイメージというのは、お菓子だったりケーキだったり、アイスなどをイメージされる方も多いのではないかと思いますが、離乳食期だったり子供の場合、おやつの定義は栄養が摂れるものが基本です。
栄養が摂れるものといっても悩んでしまうところではありますが、果物はおやつの王道ですし、さつまいもだったりかぼちゃを使ったデザートだったり「栄養が豊富」な食材を使ったものとなります。
幼児期のおやつは栄養が摂れるものが基本で、アイスやお菓子を与えてはいけないというわけではありませんが、同じおやつを与えるのであれば栄養が摂れるものにしたほうが子供のためでもあるのです。
0歳児(4ヶ月~6ヶ月)はどんな時期?
生後4ヶ月~6ヶ月頃になると首がすわり、身体の筋肉も発達してきます。自分で床に座ることはできませんが、座らせれば支えなしでも安定します。
4ヶ月ごろには周囲への興味が強くなり、目で人や物を追いかけたり、手でつかもうとします。
力がついてきているので、小さいものなら自分のほうへと引き寄せることができます。そのため、小さいぬいぐるみやおもちゃで遊んであげるといいでしょう。
ぬいぐるみやおもちゃで遊んであげたときによだれがつくかもしれません。遊び終わった後はしっかりと除菌をして清潔にしましょう。
身体の発達だけでなく、生後6ヶ月になるころには精神面も大きく成長します。例えば、今まで目で追いかけていただけが、いないいないばあをすると喜ぶなどリアクションをとるようにもなります。
生後3ヶ月頃は「快い・興奮・不快」の3つの感情だけだったのが、生後6ヶ月頃になるとそれらに加えて「怒り・嫌がる・恐れ」の3つの感情も出てきます。
抱き癖が出てくる時期
赤ちゃんが抱いていないと、泣き止まないもしくは眠らないことを抱き癖といいます。抱き癖が出てくるのは生後2ヶ月~7ヶ月頃です。
抱き癖はお母さんを悩ませることの一つとしてよく挙げられます。実際にヤフー知恵袋にも以下のような悩みがたくさん書かれていました。
<新生児>抱き癖がついてしまいました
常に抱いていないと泣いています。
出来るだけ抱っこしてあげたいとは思いますが、これでは何も出来ません。
仕方なくベッドに寝かせても、きりなくずっと泣いたまま眠ってもくれません。
何か良い方法はありませんか?
このように抱くことの大切さは分かっていても、疲労感や負担感、時間がかかることのイライラ、眠らせることのできない自信喪失などに繋がっています。
抱き癖が苦痛になっているのであれば、お父さんが抱っこしてあげるとか他の家事を手伝ってあげるなどの協力をしてもらいましょう。
人によっては相談しづらいと思う方もいると思います。その場合はアマゾンや楽天などで販売されているベビーケープや抱っこひもを使って負担を軽減しましょう。
赤ちゃんが寝たと思っても、すぐにベッドに寝かせるのはやめましょう。寝てすぐは眠りが浅いので目覚めやすくなっています。
寝たと思ってから数分もしくは数十分は抱っこを続けましょう。眠りが深くなったと思ったら、ベッドに寝かせてあげてみてください。
まとめ
以上、生後4ヶ月~6ヶ月の赤ちゃんの成長について解説しました。
4ヶ月~6ヶ月頃になると首がすわり、支えなしでも座ることができます。また、いないいないばあにも反応するようになるなど大きく成長する時期です。
大きく成長するこの時期にあまり成長しなかった場合、体重増加不良などの病気の可能性があります。そのため、成長曲線で平均よりも大きく下回っている場合は一度病院で診てもらうといいでしょう。
生後5ヶ月になるとたくさんの人が離乳食を開始します。しかし、離乳食にも気をつけなければいけないことがあります。
はちみつによるボツリヌス菌や、アレルギー、調理をするときの清潔さなど、赤ちゃんの健康のためにはこれらは必須です。
離乳食の食べ始めは慣れないことばかりだと思うので、時間はかかって当たり前です。焦らず、ゆっくりと離乳食を食べる練習をしていきましょう。