子供の成長にはたんぱく質やカルシウムなどの主要な栄養の他にも様々なミネラル成分が必要になりますが、その中の1つがマンガンです。
マンガンには骨の形成を促す働きがあるため、主に強い骨を作るという点において欠かすことができません。また骨の再石灰化を促す働きもあるので、特に成長期の女の子においては将来の骨粗しょう症予防にも大きな影響を及ぼします。
食品をそのまま食べるのはもちろん、レシピを学んでメニューのローテーションに加えていくことも大切ですから、この栄養を含む食品をどのように料理していったらいいのかといった点についても学んでいきましょう。
どのような食品にマンガン(Mn)は多く含まれるのか?
マンガンは、全粒穀類、豆類、くるみをはじめとしたナッツ、茶葉、まつの実、しょうが、モロヘイヤなどに多く含まれています。主に植物性食品に豊富に含まれており、成長期の子供でも口にしてくれやすい食品が多いのが嬉しい点です。
基本的にはナッツや全粒穀類、しょうがなどを利用していくと、効率良く摂取することができるでしょう。全粒穀類やナッツはパンなどとの相性も良いため、全粒粉パンやくるみパンなどの食品を利用すると成長期の子供も喜んで食べてくれやすいです。
ただマンガンの含有量から言えば、モロヘイヤやしょうがの方が圧倒的に効率良く摂取できるため、効率を考えるのであればこれらの食品を料理し食卓に並べた方が間違いありません。
含まれている食品が限られてくるミネラル成分なので、上手に食品を選んでいきましょう。
マンガン(Mn)は骨の形成に欠かせない栄養素
成長に欠かせないミネラル成分の1つであるマンガンは、骨の形成に大きく関与します。
骨そのものの形成に携わることはもちろん再石灰化を促す働きを持つことから骨粗しょう症予防にも繋がり、将来に向けて強い骨を育んでいくために欠かすことができない栄養です。
必要摂取量自体は少ない微量ミネラルですが、そのぶん簡単に不足しやすいといった問題があるため、意識して摂っていくことが重要になってきます。
マンガンは含まれている食品が限られている栄養ですが、その反面比較的摂りやすい食品が多いため、きちんと意識をして食事をしていれば不足するような心配も無いでしょう。
また料理に関してもモロヘイヤやしょうがなど調理をしやすいものが栄養を多く含有しているといった傾向にありますから、比較的食卓に取り入れやすいといった利点があります。
メインのおかずとは別にササッと一品足してあげたり、トッピングに利用するといっただけでも栄養を補っていくことができるので、メニューの中に上手く取り入れていってください。
マンガン(Mn)の摂取量目安と過剰摂取について
マンガンの摂取量は、6~7歳であれば男女ともに1日当たり2.0mg、15~17歳でも男の子が4.5mg、女の子が3.5mgです。18歳以上においては耐用上限量が男女ともに11mgと設定されているため、この数値についても覚えておくと良いでしょう。
どのような栄養においても摂りすぎというのは良くないもので、栄養によっては過剰摂取で身体に甚大な影響を及ぼす恐れもあります。
人体において必要とされる量が微量なミネラル成分であること、日常の生活において摂りすぎてしまう心配がほとんど無いということから、ナトリウムなどのように過剰摂取を心配することはありません。
マンガンを含んでいる食品を意識して料理に取り入れてさえいれば基本的に過不足を心配することはありませんので、上手く成長期の子供に栄養を与えられるようにしてください。
マンガン(Mn)を多く含んだ食品一覧
マンガンは植物性食品に多く含まれており、含有量の多いものとしてはまつの実、しょうが、焼きのり、くるみ、モロヘイヤなどが特に知られています。癖の無い食べやすい食品が多いため、成長期の子供にも与えやすいと言えるでしょう。
普通の食生活であれば不足すること自体も滅多にありませんが、極端に少食であったり偏食が激しいと言った場合にはその限りでは無いため、気をつけなければなりません。
強い骨を形成していくためには欠かすことができない栄養なので、食に偏りがある子供の場合には料理の中に含有量の多い食品を取り入れ、カバーしてあげられるようにしてください。
食べやすい食品が多いため偏食の子供でも口にしてくれやすいですから、努力次第でいくらでも栄養を摂らせていくことができます。
まつの実
まつの実には、100gあたり9.78mgのマンガンが含まれています。数ある食品の中でもダントツの含有量を誇る食品なので、効率良くマンガンを摂るのであれば、この食品を利用するのが一番と言えるでしょう。
多くのミネラル成分を含んでいる食品であり、また非常に栄養価が高いことでも知られていますから、成長はもちろん健康を考えた上でもとてもおすすめの食品と言えるでしょう。
様々な料理のトッピングに活用できるので、キッチンに常備しておくと何かと役に立つでしょう。
しょうが
しょうがには100gあたり4.73mgのマンガンが含まれています。その他にはナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウムなどのミネラル成分、ビタミンCやビタミンB6などの栄養も豊富です。
特に独特の味や匂いがあるというわけでは無く、また料理の際には刻んだりすったりして利用することになるので、隠し味や薬味として利用すれば子供でも難なく口にしてくれます。
年間を通して手に入れやすい食材であり、料理にも取り入れていきやすいのがしょうがの魅力です。
焼きのり
焼きのりには、100gあたり3.72mgのマンガンが含まれています。その他にはビタミンB1、B2、鉄、カルシウムなど、多くのビタミン、ミネラル成分が含まれています。食物繊維も豊富でタウリンやEPAも含んでいるなど、意外と栄養価の高い食品です。
食卓において非常に利用しやすい食材であり、また成長期の子供においても好き嫌いせず食べてもらえるといった利点があることから、マンガンの摂取を目的とする上ではとても重宝する栄養と言えるでしょう。
ただし非常に薄く軽い食材であるため量を食べるのは困難ですから、焼きのりでマンガンの必要摂取量を補おうとするのはかなり厳しいものがあるでしょう。料理において上手く取り入れ、子供に食べさせていくことが大切になります。
くるみ
くるみには100gあたり3.44mgのマンガンが含まれています。その他にはビタミンE、ビタミンB1、マグネシウム、銅、亜鉛などが含まれており、ビタミン、ミネラル成分共に非常に多くの栄養が含まれています。
単体はもちろん様々な食品に用いられているものなので、くるみパンやクッキーなどを利用すると成長期の子供もとても喜んで食べてくれるでしょう。
これらの食品を自分で料理するというのも良い方法なので、どういったものがより子供の口に合うのかを考えて上手に食べさせてあげてください。
モロヘイヤ
モロヘイヤには、100gあたり1.32mgのマンガンが含まれています。その他にはカルシウムやビタミンK、葉酸などのミネラル成分やビタミンが含まれています。
葉物野菜の中でも特に栄養満点の食品で、夏バテ予防など様々な効能があることでも知られています。
つるつるとした食感で食べやすいといった特徴がありますが、成長期の子供の中には苦手とする子もいますから、その際には口に合うように料理してあげなければなりません。
また夏期の食材ということもあり、限られた期間でしか手に入りにくいといった欠点もあります。
マンガン(Mn)を多く含んだおすすめ料理一覧
マンガンを多く含んだ食品は、そのまま直接食べるというのがなかなか難しいです。もちろん単体で食べることもできますが、やはりそれでは味気がありませんし、成長期の子供においては食育の面からもためにはならないでしょう。
ミネラル成分を摂ることが目的とはいえ、習慣づけて日常の食事に取り入れていくためには、やはり料理をするということが大切です。
きちんと料理をして食卓に出すことで子供の関心も高まりますし、新しく食べられるようになる食品も増えていきますから、できる限りの努力をしてあげてください。
まつの実を使った料理
まつの実は基本的にトッピングとして利用するものなので、メインの献立に上手にプラスしていくことを考えて料理をしてみてください。
特に強い味、臭いがするものでは無いため、成長期の子供に食べさせるのにも苦労をすることはありません。効率良くマンガン(Mn)を摂ることができるとても優れた食品なので、料理の際に一掴みプラスしてみてください。
またミネラル成分ばかりでは無く非常に多くの栄養を含んだスーパーフードでもあるため、偏食や少食気味の子供に少しでも多くの栄養を摂らせるためにも活用することができます。
マンガンを摂取するという目的を抜いても優れた食品なので、積極的に利用していくことをおすすめします。
しょうがを使った料理
しょうがを使って料理をする場合、スパイスとして活用をしていきましょう。これ自体を食べるといった食品ではありませんから、献立の隠し味として上手く取り入れていくことが大切です。
すってスープや炒め物にプラスしたり、魚などを煮る時に薄くスライスしたものを加えるといった方法をとると良いでしょう。
特にすって献立にプラスしていくと量を消費しやすくマンガン(Mn)も大量に摂ることができますが、一方で入れすぎてしまうと辛くなりすぎてしまうので気をつけてください。
生のままだと刺激が強すぎますから、基本的には料理で火を通して口にすることが前提になってきます。ミネラル成分をたっぷり摂るためには食べやすく調理するということが大切なので、子供の口に合うように工夫をしてあげてください。
焼きのりを使った料理
焼きのりでマンガン(Mn)を摂る場合には、基本的に素材を活かして食べるのが一番です。お餅やごはんなどに巻いて食べる方法が最も手軽で成長期の子供も好みますから、スタンダードに利用していくことをおすすめします。
加熱をすると食感が悪くなり、水分に浸すとドロッとしてもったりとした食感になってしまいますので、焼きのりはパリパリの状態で食べるのが基本です。
マンガンをはじめとした様々なミネラル成分を含む栄養価の高い食品ですから、朝食のお供などとして添えるのがベターでしょう。
1食分が個包装になった味付き焼きのりなどは子供も喜んで食べてくれるので、こういった食品を利用するのもおすすめです。下手に料理するよりそのまま食べた方が便利といったことを心得て食卓に利用していってください。
くるみを使った料理
マンガン(Mn)を多く含む食材の中でも直接そのまま食べられる貴重な存在なのが、くるみです。焼きのりにおいても同じことが言えますが、くるみの方が美味しく量を食べられるため、これをそのままおやつなどにするのも良い方法でしょう。
そういった場合にはそのままでは無く、パンやブラウニーなどの具材として利用し、料理をして与えてあげると良いでしょう。ベイク系に料理をしてあげると子供好みの口当たりになり喜んで食べてくれるようになります。
生のまま売っている食品よりも素焼きしてあるものの方が利用しやすいですから、そのままおやつとして、もしくはパンや焼き菓子の具材として活用してみてください。
モロヘイヤを使った料理
モロヘイヤを料理する場合は、茹でてきざむというのが基本になってきます。細かく刻んでかつお節と醤油をかけて食べるというのがスタンダードかつ美味しい方法なので、覚えておきましょう。
料理の手間も簡単でミネラル成分たっぷりの一品ができますから、マンガン(Mn)を成長期の子供に上手に摂らせてあげられるようにしてください。
溶き卵とだし汁と一緒に刻んだモロヘイヤを混ぜて焼くとふわふわでしっとりとした卵焼きになるので、これならモロヘイヤが苦手という子でも無理なくチャレンジしやすくなります。
葉物野菜でありながらごはんの良いお供となってくれる食品なので、少しでも美味しく食べられるよう工夫をしてあげてください。
栄養満点な料理は難しい
マンガン(Mn)は、普通の食生活を送っていれば基本的に不足する心配は無い栄養です。
しかし成長期の子供においては強い骨を作るために非常に重要な栄養であり、またこの時期の子供というのは偏食や少食といった問題がおきやすいことから、甘く考えることなくきちんと意識して摂取していくことが大切になります。
しかしだからといって毎日マンガンについてばかり気を遣って献立を考えることはできませんし、それを続けていくことというのもやはり簡単ではありません。
必ずどこかで断念してしまうことになりますが、そういった場合にはやはり無理をするのでは無く、上手にサプリメントを利用していくことも考えていきましょう。
子供用サプリメントの利用も一つ
マルチミネラルのサプリメントを使えば、マンガンに限らずあらゆるミネラル成分を必要量きちんと摂っていくことができます。
わざわざ栄養ごとに食品を調達したり栄養バランスを考えたりする必要がありませんから、この点においては非常に助かるでしょう。
子供にサプリメントは早いのでは、と思う人もいるかもしれませんが、今は子供向けのこういったサプリメントが販売されていますから、成長と健康を考えた上でもより安心して利用することができます。
まとめ
子供の成長を応援していく上では、骨を伸ばすということもとても重要ですが、同時に強い骨を作っていくために必要な栄養についても気を遣っていかなければなりません。
特に成長期はすくすくと骨が伸びるぶん強度についても考えていかないと骨折などの心配も出てきますから、そういった点において、骨を強くするという働きを持つマンガン(Mn)はとても重要な栄養と言えるのです。
マンガンは、ミネラル成分の中でも摂取目安量は微量で間に合うものですが、だからといって偏食、少食といった問題を抱えやすい成長期においては軽んじることはできず、できる限り積極的に摂っていくようにしなければなりません。
基本的に栄養の摂取は食事が基本になりますが、サプリメントを併用することには何の問題も無く、むしろ効率良く必要な栄養を摂取していくことができるようになりますので、賢く活用していってください。
サプリメントは食事の用意と子供の食べる負担を減らすことができる便利なアイテムなので、上手く役立てていきましょう。