子供の成長豆知識

子供の成長に必要な『リン』を多く含む食品&料理一覧

チーズ

体づくりの元となる栄養素はタンパク質とミネラル・ビタミンが重要になってきますが、この中でもリン(ミネラル)については正しい知識を持っておくようにおすすめします。

リンは、糖を体内燃焼させるエネルギー代謝に不可欠な成分です。大人の体内にはおよそ850gのリンが存在していて、そのほとんどはリン酸カルシウムとして骨の組織になっています。

ですから、成長期のお子さんの骨格形成にはカルシウム・マグネシウムと同じように欠かせないミネラルなのです。今回はリンについて食品や料理の面からチェックしておきましょう。

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どのような食品にリンは多く含まれるのか?

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リンの含有量が高いのは、肉や魚や卵、それから乳製品や豆類といったタンパク質系の食品です。一般的にはタンパク質1gあたりに、およそ15mgのリンが含まれているとされています。

ちなみに幼稚園児や小学生に必要とされているリンの摂取量は男女ともの700~900mg程/日ですから、毎日タンパク質を50gも食べれば十分となります。

肉の他にも豆や卵や乳製品からもリンを摂取しますので、健康的な食習慣なら不足する心配はありません。

リンを多く含む食材をざっと挙げるならば、海苔やチーズに豆腐、それにハムにソーセージにベーコン、白身魚の練り物やインスタントラーメンにも多く含まれています。つまり、基本的に加工食品には含有量が非常に高い傾向にあると言えるでしょう。

このように見ますと、確かにリンの摂取量に関して大きな心配はしなくてもよさそうですが、実はタンパク質系の食材をあまり食べていない子供が非常に増えています。

ファーストフードやお菓子・スナック類は、そのほとんどが小麦やトウモロコシなどの穀物系炭水化物から作られています。もちろん加工食品にはリン酸塩の添加が頻繁になされているので、結果的には足りていることになります。

しかし、そういった食習慣は子供の健全な成長には有害で、骨や筋肉、脳や神経細胞も十分に育ちません。それは原材料となるアミノ酸や他のミネラル・ビタミンが不足してしまうからです。

そこで食習慣を正しく見直した時に、改めてリンの摂取量を気にする必要が出てきます。含有量の多い食材は、そのためにも覚えておくようおすすめします。

リンはカルシウムとともに骨格を形成する栄養素

レントゲン

改めてリン(有機リン)の必要性を確認しておきましょう。リンは体内に蓄積されているミネラルの中では、カルシウムの次に多く利用されています。体組織のあらゆる部分で活躍している成分です。

まず歯と骨ですが、主な構成分子はリン酸カルシウムとリン酸マグネシウムで、カルシウム単体では骨にはなりません。細胞膜にもリンはリン脂質となって利用されています。

それから糖を燃焼して作りだされたエネルギーの生成・貯蔵・放出などの働きをするのはアデノシン三リン酸といって、リンの合成成分です。

他にもDNAなど遺伝系物質のコピーにも関係していますし、細胞膜を構成する成分でもあります。また筋肉の収縮にも利用されています。このように人体には無くてはならないミネラルだと分かるでしょう。

これだけの役割を任せられていることから、リンの体内濃度はカルシウムに次いで大きいということなのです。

リンの推奨摂取量について

びっくりマークと医者

リンは肉や魚、豆類、卵に乳製品といったタンパク質に含まれているミネラルです。また加工食品でもリン酸塩を大量に添加していて、注意しておかないと過剰摂取になる危険性があります。

特に現代の子供は、日ごろから清涼飲料水やスナック菓子やファーストフード、インスタントやレトルト食品など加工食品を常食しているので、かなりの確率で摂取過多になっていると考えて良いでしょう。

国立健康・栄養研究所「リン」によると、加工食品の食べ過ぎでリンの過剰摂取が生じ、逆にカルシウムを体外へ排出させてしまう働きがあって、現代っ子の問題である骨粗しょう症の原因にもなっています。

このリスクを回避する方法は、やはり食習慣の見直しで、家庭の食卓のメニューの改善に掛かっています。添加物の多い食品は基本的に子供には食べさせないぐらいの強い意思が必要かもしれません。

添加物はアトピーやアレルギーから始まり、やがて生活習慣病を次々に発症させます。リンによる健康被害もその一つです。

ですから、できるだけ安全な家庭料理を作って、それをお子さんと一緒に食べる習慣をつける事がベストです。

リンを多く含んだ食品一覧

チェックリスト

家庭料理でお子さんの健康と成長を促進させるためには、充分なアミノ酸(タンパク質)とカルシウム・マグネシウム・リン、そして代謝をサポートするビタミン群が必要です。

添加物の多い加工食品を控える事を前提に、リンを効果的に摂取する方法は、天然のタンパク質をしっかりと食べる事に尽きます。

では、どういった食材にリンが豊富に含まれているか、ざっと並べてみましょう。

  • するめ
  • 焼きのり
  • チーズ
  • 大豆
  • いんげん豆

タンパク質といえば牛肉や豚肉、それからイクラやたらこなどの魚卵に鶏の卵、牛乳を始めとする乳製品を思い浮かべたでしょう。もちろん、それらのタンパク質系食品にもリンは豊富に含まれています。

するめ

するめ

するめイカを干した、いわゆる「するめ」にはリンが凝縮されていて、生のするめイカで100g中200mgの含有量に比べ、するめには1100mgも含まれています。

するめ100gとは、ほぼ半身程度ですから、これだけ食べれば1日の必要量を超える計算です。

するめは栄養に優れた食材で、良質なアミノ酸がたっぷりですし、マグネシウムや亜鉛も多く含まれています。この2つのミネラルは成長に欠かせませので、お子さんにも定期的に食べさせると良いでしょう。

もちろん日干しということでビタミンE・B群・ナイアシンもたっぷりです。ただし、子供に食べさせるときには2~30gぐらいにしておきましょう。リンの摂り過ぎになりかねません。

焼きのり

海苔

海藻にもリンの含有量が高い食材がいろいろとあります。その代表が海苔です。特に焼きのりは、100g中に700mgものリンを含んでいます。小学生ぐらいの子供に必要な量が600~800mg/日ですから、のり100gで1日分が賄えてしまいます。

もちろん海苔だけを100gも食べる事はありません。おにぎりやお弁当などに入れて、定期的に子供に食べさせるのは非常に良いことです。

焼き海苔の優れた栄養素としては、まず良質なタンパク質があります。つまり細胞分裂に欠かせないアミノ酸がたっぷり含まれているということです。

また食物繊維も健康にはおすすめで、注目の成分・ポルフィランが海苔の質量の3分の1以上も含まれています。つまり海苔は食物繊維の塊なのです。

それから優れた抗酸化物質のビタミンA、元気のもとのビタミンB12、もちろんカルシウムやマグネシウムも含まれていて、お子さんの成長に適した食材です。

チーズ

チーズ

タンパク質系の食材として牛乳は人気があります。そしてチーズはより高タンパクな食材で、リンの含有量も非常に高いとされています。

ちなみにチュラルチーズやパルメザンの100g中の含有量は850mg。これは成人女性の1日の必要摂取量を超える数値です。

チーズは比較的に子供に人気のある食材ですし、メニューにも使いやすいため、ご家庭の食卓へ上る機会も多いことでしょう。またチーズはカルシウム摂取にも優れているので、成長期のお子さんに適しています。

それからもうひとつ、最近は味噌や醤油・酢といった日本の発酵食品を食べる機会が減っているので、チーズは酵素補給の良い食材となります。胃腸を整えて、消化吸収率を高めてくれますので、お腹の弱い子には特におすすめです。

大豆

豆乳

大豆は『畑のお肉』と言われるほど栄養価に富んだ食品です。良質でヘルシーなタンパク質には、しっかりとリンが含まれています。その含有量は茹で大豆100g中に190mgです。

これ自体なら、それ程高い含有量ではありませんが、大豆を発酵させて納豆にすれば250mgにアップしますし、高野豆腐に加工すると一気に880mgと高い数値になります。リンが不足がちな方には適した食材です。

また、大豆にはホルモンの乱れをサポートするイソフララボンがありますし、不飽和脂肪酸やカリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛と子供の成長におすすめの成分がぎっしりと詰まっていて、毎日でも食べさせたい食材です。

いんげん豆

いんどう

いんげん豆と一口に言っても、その種類は様々で、白いモノから赤いものまで複数の豆が含まれます。そこで一般的な白いんげん豆を茹でた場合、リンの含有量は100g中に150mg前後とされています。

リン含有量だけを見れば特別な事はありませんが、その他の栄養素は注目に値します。

まずミネラルですが、血圧を調整するカリウムや骨の成分であるカルシウム・マグネシウム、それに酵素を活性化させる亜鉛や鉄の含有に優れています。

もちろん高タンパクなので、アミノ酸もたっぷりです。特にリジンが豊富に含まれています。その他にも腸内環境を整える不溶性食物繊維が多く、抗酸化物質のサポニンにも富んでいて、体の中から健康をサポートしてくれます。

リンを多く含んだおすすめ料理一覧

チェックをしている医者

ここまでリンを豊富に含んでいる食材について説明してきましたが、お子さんと一緒にご家庭で食べるための料理法についても少し紹介しておきましょう。

するめ・焼き海苔・チーズ・大豆・いんげん豆の5種類をテーマに、子供が好む味付けで調理するレシピを選んでみました。

この5つの食材は、一般家庭ではよく食卓に上がるものばかりですが、やはり洋食系のメニューや加工食品が主流の食習慣では、なかなか食べなくなってきているかもしれません。

ここでは簡単で、しかも美味しく子供の嗜好に合ったメニューを紹介しますので、今晩からでも是非お試しください。

するめを使った料理

お菓子を食べる男の子

するめ・あたりめは軽く火で炙って、細く裂いてからマヨネーズ醤油で食べるのが定番。飲み会の肴にはもってこいのメニューですが、これだけでは子供受けがしないかもしれません。

噛めば噛むほど味の出るスルメですから、おやつにはもってこいなのですが、頻繁に食卓に登場させるにはもう一手間かけたいところです。そこで『スルメ入りきんぴら』はいかがでしょうか?

スルメ入りきんぴらの作り方

材料はごぼう1/2本、人参1/2本、スルメを30g程、鷹の爪少々、砂糖大さじ1.5杯、酒と酢は大さじ2杯、ダシ醤油 小さじ1杯、めんつゆ 小さじ1杯にごま油も小さじ1杯です。甘い方がよいなら砂糖をもう1杯入れてください。

作り方は、ごぼうはよく洗って皮はそのまま、5cmの長さで千切りにします。これを1分程水に晒してアクを取りましょう。人参も皮のままで同じように千切りします。スルメもごぼうに合わせてハサミでカットしておきます。

フライパンにごま油を熱して、スルメと人参を軽く炒め、すぐにごぼうと鷹の爪も炒めます。その後に砂糖・酒・酢を入れてふたをして、弱めの中火で蒸し焼きにし、最後にダシ醤油とめんつゆを加えて水分を飛ばせば完成です。

焼きのりを使った料理

ご飯を食べる男の子

焼き海苔の料理はいくらでもあって、特にお子さんが嫌いだということもありません。刻み海苔にしておけば、ご飯やうどん・そば・ラーメンに振りかけて食べられますし、おにぎりや海苔巻もお子さんは大好きでしょう。

ここではひと手間かけた美味しいおかず「餃子の皮で海苔チーズ揚げ」を紹介します。材料は市販の餃子の皮と焼き海苔とチーズだけです。

海苔チーズ揚げ

作り方は、まずチーズを5cmぐらいの短冊に切ります。そして餃子の皮に、同じ大きさの焼き海苔のカットを載せ、チーズをクルクル巻きます。巻き終わりは水で接着させてください。

次にフライパンに油を2cm程敷いて、180度に熱します。菜箸を入れて細かな泡が噴き出せばOKです。そこに餃子の皮を入れて揚げます。すぐにきつね色になるので、そのタイミングで取り上げてください。

チーズを使った料理

外国の家族の食事

チーズはどのご家庭でも使える食材ではありませんか?ハンバーグやパスタ、カレーやラーメンに入れることもできます。

ここでは、おやつにもなるチーズ料理を紹介しておきます。『カリじゃがとトローリチーズ』はじゃがバターのように相性抜群のメニューです。

材料はじゃがいも中3個に対してチーズ20g、小麦粉10gと塩と胡椒です。

カリじゃがとトローリチーズの作り方

作り方は、まずじゃがいもを千切りにして小麦粉をまんべんなくまぶします。あまり小麦粉が多いとジャガイモのホクホク感が無くなってしまうので注意してください。チーズはおろし器でフレーク状にしておきましょう。

そしてフライパンに油を敷いてよく熱し、じゃがいもだけを炒めます。ジャガイモが透き通ってきたら、フライパン全体を使って丸く成形し、塩・こしょうを振ってからチーズを全体に散らします。

あとはフタをして弱火で5~7分ほど蒸し焼きにしたら出来上がりです。お好みでベーコンの千切りを加えると美味しさが倍増します。

大豆を使った料理

飲み物を飲む子供

大豆の形がそのまま残っていると、お子さんの中には食感が嫌だとか、味が嫌いだといって食べないことがあります。そこで大豆を裏ごしした「大豆のポタージュスープ」がおすすめです。

1人前の材料は茹で大豆20gと生クリーム10ml、ベーコン5gにスライスオニオン3切れ、コンソメの素と牛乳50mlと水も50ml、それにバター少々、塩こしょうでOKです。

大豆のポタージュスープの作り方

作り方は、まず茹で大豆を網で裏ごししておきます。そして鍋にバターを溶かして、ベーコンとスライスオニオンをサッと炒め、すかさず水と牛乳を注いで強火で煮ましょう。

温まってきたら、そこに裏ごしの大豆とコンソメの素を入れて中火で10~15分煮込みます。最後に塩こしょうで味を調え、生クリームを少し回したら完成です。

スープはアツアツでも、冷蔵庫で冷やしても、お好みで美味しく頂けます。

いんげん豆を使った料理

兄弟でご飯

いんげん豆の場合、さやいんげんが好きな子は問題がないでしょう。ですが、嫌いな子の場合は和えても炒めても食べないかもしれません。

そこでマヨネーズ風のサラダにしてみるのはいかがでしょうか?子供の好きなささみも一緒にすれば喜んで食べてくれるはずです。

いんげんのささみ卵サラダの材料は、いんげん豆を250g(6~7本)、ささみ2本、ベーコン4枚、塩・こしょう少々、マヨネーズ40gです。

調理方法

作り方は、まずいんげん豆を茹でます。またささみも沸騰した湯に浸して中まで火を通します。それから卵は炒り卵にして、ベーコンも軽く炒めておきましょう。これら具材は全て粗熱を取ったら準備OKです。

いんげん豆は3cmぐらいに切り分け、ささみは手で細く裂きます。ベーコンも1cm幅に切り、これら全てをマヨネーズと塩こしょうで和えれば完成です。

子供の成長のためにリンをサプリから摂取すべきか?

カルテを見ながら説明する医師

リンを効果的に摂取するために、お子さんの好きな味のメニューをいくつか考えてきました。ただし、リンは加工食品の代表的な添加物・リン酸塩からの摂取が目立つため、神経質にならなくても良いのが実情です。

現代の食習慣は炭水化物と糖質、それに脂分に偏り過ぎていて、成長に欠かせないタンパク源、ミネラル・ビタミンが慢性的に不足しているとされています。

ですから本来、子供の成長をサポートするために乱れた食習慣を改善し、かつ同時にサプリメントで補うのが効果的だとされています。

実際にカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛といった、食事からの摂取が不十分な栄養分をサプリメントでカバーしている方が非常に多く見られます。

ただしリンに関しては、サプリメントでの摂取は考えなくても良いというのが栄養学上の判断です。

過剰摂取を考えるとサプリは必要ない

ストップする医者

リンに関しては、サプリメントが不要ということを分かっていただけた事でしょう。

またリンの過剰摂取を避けるために、清涼飲料水やファーストフードやジャンクフード、コンビニの惣菜や弁当、インスタント・レトルト食品など、添加物が多い食習慣を改善することも大事です。

健康にプラスになる食習慣を整えながら、同時に成長に必要な他の栄養素を積極的に摂取しましょう。

カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミン群、そして体を造る材料となるアミノ酸をたっぷりと含んだタンパク質です。

これらは現代の食習慣で慢性的に不足しがちな栄養素で、成長期のお子さんにはサプリメントからの補充が頼りになります。もちろんサプリメントによる摂取をする場合は、厚生労働省などが発表している摂取推奨量に見合った量を取る必要があります。

つまりサプリメントの選び方も重要で、この点をしっかりと比較検討して選ぶようにおすすめします。

まとめ

笑顔の男の子

子供の成長期には、毎日の食事がとても大事で、現代の食習慣は成長を阻害する要因に満ち溢れているといっても過言ではないでしょう。

どの加工食品にも防腐剤や化学調味料、香料に着色料など大量の添加物が使われていて、それらはいったん体に入ると分解が難しく、かつなかなか排除できません。

中でもリン酸塩は要注意で、添加物ではよく利用される成分です。リンはここでも説明した通り、命を維持するために必要な栄養素ですが、過剰摂取によってカルシウムを体から排除させてしまうなどの健康被害をもたらします。

多すぎるリンは体を壊しますので本当に注意が必要

また、リンはタンパク質には十分な含有量があり、普段から肉や魚、豆類に海藻類を食べるだけで十分に摂取ができます。こういった食品は他の栄養素にも富んでいて、健康を促進する素となってくれます。

現代人は特に海産物を食べなくなってしまって、体を作り上げる点で不十分な状態です。

まずは家庭での食習慣を徐々に健全化して、同時に子供の成長に欠かせない栄養素をサプリメントで補充するのが今現在の最善策だと言えるでしょう。