子供の成長豆知識

亜鉛不足による怖い症状!子供の成長障害の原因になる?

子供用のサプリメント(身長サプリ)に使われている栄養素に「亜鉛」があります。亜鉛と聞くと「髪がキレイになる」「肌がキレイになる」などのイメージが強いと思います。

しかし、実は成長にも大きく関係しているのです。亜鉛を摂ることによって子供の成長を促進することに期待できます。

反対に亜鉛を不足してしまうと成長障害を引き起こす可能性があるのです。今回は子供の成長において大切な亜鉛について解説しました。

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亜鉛とは?

亜鉛とは一部の食品の中に含まれている、人が健康維持していくうえで欠かすことのできない必須ミネラルです。

ミネラルには亜鉛以外にもカルシウムや鉄などがあります。亜鉛を含むミネラルは必要とする量は他の栄養素よりも少ないのですが、人の体内で作ることができないため食事から摂る必要があります。

亜鉛は食事から摂る必要があるため他の食品に添加されたり、サプリメントとしても販売されています。

それ以外にも風邪のときに舐めるトローチや一部の市販薬にも含まれているなど、幅広く亜鉛は使われている大切な栄養素です。

人の体には亜鉛を摂取しても溜め込んでおく場所がないため、貯蔵することができません。貯蔵することができればたまに不足したとしても補うことができるのですが、それが亜鉛はできないので毎日摂取して1日に必要な量を満たしていく必要があります。

亜鉛の働き

亜鉛は体内に1.5mg~2.5mg存在し、骨や歯、筋肉、腎臓など全身の細胞内に含まれ、色々な働きをしてくれます。

亜鉛の主な働きは以下になります。

  • 味覚を正常にする
  • 成長と発育の促進
  • ホルモンの合成
  • 怪我の治癒
  • 免疫力の向上
  • 核酸の合成

味覚を正常にする

人間の舌には味蕾(みらい)という味を感じる器官があります。人種や年齢、栄養状態によって味蕾の総数は変化していくのですが、成人だとおよそ1万個ほどだといわれています。

味蕾の数が減れば減るほど味を感じにくくなっていきます。そのため、高齢になると味付けが濃くなってきたりするのです。

味蕾は「味を感じる味細胞」と「細胞をサポートする支持細胞」の2つからなる花の蕾の形をしています。

味蕾を構成する味細胞は約10日間ほどの短い周期で新しい細胞へと生まれ変わっていくのですが、この生まれ変わりに必要なのが亜鉛です。亜鉛を摂取することで生まれ変わりをサポートしてくれます。

成長と発育の促進

子供の成長と発育には亜鉛は欠かすことのできない栄養素です。人間は新しい細胞を作り出すときにDNAという設計図の情報からたんぱく質を合成します。

このたんぱく質を合成するまでの過程を、亜鉛は手助けをして潤滑に進めてくれるのです。

亜鉛を摂ることによってたんぱく質の合成が進みます。たんぱく質が合成されることによって人間は骨や筋肉、細胞の骨格などの新しい細胞を生み出します。それによって子供の成長と発育が促進されていきます。

ホルモンの合成

亜鉛はホルモンの合成や分泌させる量にも大きく関わっています。ホルモンには様々な種類があり、男性ホルモンや女性ホルモン、成長ホルモンなどがあります。

成長ホルモンが分泌されることによって骨が成長し、身長が伸びていきます。

怪我の治癒

亜鉛を摂ることによって細胞や組織の新陳代謝が活性化していき、怪我した場所の治りが早くなります。

ちなみに、血糖値を下げるホルモン、インスリンも分泌されます。血糖値に悩んでいる方も一緒に亜鉛を摂るといいでしょう。

免疫力の向上

亜鉛を摂取することによって免疫細胞を保護します。また、たんぱく質を合成することで免疫細胞を活性化させます。

免疫力が向上すると風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなります。また、感染症にかかっても悪化しにくくなります。

核酸の合成

核酸とはDNAとRNAの総称です。DNAとは遺伝情報が入った、人の設計図みたいなものです。RNAはDNAの情報を基にたんぱく質の合成などの働きをします。

DNAとRNAの合成には酵素を活発化させる必要があります。亜鉛はこの酵素を活発化させる働きがあります。

亜鉛不足が子供に与える悪影響

亜鉛は成長やホルモンの分泌、味覚を正常にするなど、とても大切な働きをしています。その亜鉛を不足してしまうとどうなるのでしょうか。

亜鉛を不足すると現れる症状は以下になります。

  • 皮膚炎
  • 味覚障害
  • 慢性下痢
  • 低アルブミン血症
  • 汎血球減少
  • 成長障害
  • 性腺発育障害

皮膚炎

亜鉛は怪我や傷を治し、皮膚の健康を保つ働きがあります。その亜鉛を不足すると、怪我や傷の治りが遅くなるだけではなく、皮膚が炎症を起こします。

炎症によって皮膚は分厚くなって乾燥し、肌の色も悪くなってきます。

味覚障害

味覚を正常に保つ亜鉛を不足すると、味覚障害になってしまいます。味覚障害は人によって症状が違い、「特定の味を感じない」「本来の味とは異なった味がする」「味が薄く感じる」などがあります。

味覚障害になると味を感じないだけではなく、将来的に栄養不足も心配になってくるので十分に注意しましょう。

慢性下痢

亜鉛を不足することで腸に亜鉛が届かず、腸内環境が悪化していくことがあります。その結果、腸内は荒れて慢性的な下痢になってしまいます。

下痢が何日も続くと食欲の低下にもなります。下痢で栄養素が消えているのに、食欲低下でさらに栄養素を補えなくなることだけは避けましょう、

低アルブミン血症

アルブミンとは、血液を正常に循環させていくための維持と、体内の様々なものと結合をして目的の場所に運ぶ役割があります。

アルブミンはカルシウムや亜鉛などと結合することで安定して働きます。しかし、亜鉛を不足して低アルブミン血症になってしまうとお腹や胸に水が溜まったり、浮腫(むくみ)ができたりします。

汎血球減少

汎血球減少とは血液の中にある赤血球や白血球、血小板の3つの血球が減少した状態のことをいいます。

亜鉛を不足して、汎血球減少になると疲れやすくなったり、息切れ、発熱、発疹などの症状がでてきます。

成長障害

亜鉛を不足すると成長障害となり、身長の伸びが悪くなってしまいます。亜鉛を不足することによって成長ホルモンの分泌量が減少します。

また、肝臓で成長ホルモンを受け入れれる量が減少し、成長ホルモンを変化させたIGF-1の量が減少します。

亜鉛を不足することによって成長に必要なものが減少していき、成長障害となってしまいます。

性腺発育障害

亜鉛を不足することで性腺発育障害を引き起こす恐れがあります。性腺発育障害を子供のときに引き起こすと性ホルモンの不足から思春期に二次性徴が見られなくなるか、現れるのが遅くなります。

例えば男の子だと声変わりや陰毛の発育、女の子だと胸の発育、無月経などの変化が起きます。しかし、性腺発育障害になるとこれらの変化は現れない、もしくは現れが遅くなるかもしれません。

思春期以降に発症した場合は性欲が減少したり、骨がもろく骨折しやすくなるなどの症状がでてきます。

亜鉛の平均摂取量はどれくらい?必要摂取量は?

必要摂取量に対して、亜鉛をどれだけ摂取できているのか厚生労働省のデータを参考に見てみたいと思います。

まずはどれだけ摂れているのか確認し、亜鉛の必要摂取量を見ていきましょう。

亜鉛の平均摂取量はどれくらい?

厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」を参考にしています。

年齢 平均摂取量
1歳~6歳 5.4mg
7歳~14歳 8.6mg
15歳~19歳 9.3mg

この数字は男女計、年齢別のデータとなっています。次に厚生労働省が推奨している摂取量を解説していきます。

亜鉛の必要摂取量は?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」を参考にしています。

男性の必要摂取量

男性の必要摂取量は以下になります。

年齢 必要摂取量
6歳~7歳 5mg
8歳~9歳 6mg
10歳~11歳 7mg
12歳~14歳 9mg
15歳以降 10mg

女性の必要摂取量

女性の必要摂取量は以下になります。

年齢 必要摂取量
6歳~7歳 5mg
8歳~9歳 5mg
10歳~11歳 7mg
12歳以降 8mg

亜鉛の平均摂取量と比較すると、男女ともに足りていません。この量であれば不足した症状は出ないと思いますが、働きに影響はあるかもしれません。

普段の食事にもう少し亜鉛のことを意識してみてはいかがでしょうか。亜鉛のことを考えすぎて、過剰摂取には気をつけましょう。

亜鉛を過剰摂取するとどうなる?

亜鉛は摂取量によって吸収率は変わってくるのですが、腸からの吸収率は20%~40%ほどだといわれています。そのため、亜鉛自体の毒性の低さもあって過剰摂取になることはほとんどありません。

ただ、頻繁に大量の亜鉛を摂取すると銅の吸収を邪魔し始めて、銅を欠乏することがあります。銅を欠乏すると貧血や汎血球減少、胃の不快感などが現れることがあります。

亜鉛は成長のためには必須の栄養素ですが、大量に亜鉛を摂取すると体の調子を悪くしてしまいます。たくさん摂ることを意識しすぎて過剰摂取にならないようにしましょう。

過剰摂取量は現在厚生労働省は設定していません。具体的な量は決まっていませんので、たくさん摂るという意識よりも、少し多めに摂るという意識のほうがいいでしょう。

亜鉛をたくさん摂ることができる食べ物

亜鉛をたくさん摂ることができる食べ物を5個紹介します。普段の食事に少し加えてみたりしてはいかがでしょうか。

食品名 摂取量(100gあたり)
かき 25.4mg
小麦 15.9mg
パプリカ 10.3mg
ビーフジャーキー 8.8mg
スモークレバー 8.7mg

かきなど必要摂取量を大幅に超えていますが、100gあたりの数字なので摂取するのは難しいと思います。

また、亜鉛は腸で吸収できるのは20%~40%と半分以下になるので、亜鉛を多く含む食品をずっと食べ続けないかぎり、過剰摂取になる心配はないでしょう。

亜鉛を摂るなら亜鉛サプリ?それとも子供用(身長)サプリ?

亜鉛を摂るなら亜鉛サプリも良いと思いますが、私は身長サプリのほうをおすすめします。

身長を伸ばすために亜鉛だけを摂っても働きは少ないでしょう。それなら他に必要なものも全て入っている身長サプリのほうが良いといえます。

平均摂取量と必要摂取量から判断しても、亜鉛サプリでわざわざ摂る必要があるほど不足しているわけではありませんし、十分に身長サプリで補うことができます。

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また、何よりも身長を伸ばすために一番大事なことは「栄養バランス」です。栄養バランスを整えることで成長していくものです。

亜鉛単体を重点的に摂るのではなく、全ての栄養素をバランスよく摂れるようにしましょう。

まとめ

以上、栄養成分の亜鉛について解説をしました。

亜鉛は成長において重要な栄養素です。不足をすると成長障害、味覚障害など一生関わる障害が発生するかもしれません。

平均摂取量を見る限り大きく不足してはいないので今すぐに出るわけではありませんが、足りていないことには変わりません。

このままではいつ大きく不足するか分かりません。亜鉛の摂取量を満たすためにも、普段の食事の栄養バランスを考え直してみてはいかがでしょうか。

もし、忙しくて見直せないのであれば、身長サプリに頼ってみてもいいと思いますよ。