「シトルリン」という成分の名前を聞いたことはあるでしょうか。実はこの成分、子供の成長に必要だといわれているものの1つなのです。しかし、まったく耳にしたことがない、という方も少なくありません。
まったく耳にしたことがなかったとしても、親としては「子供の成長に必要」と聞けば、気になるものでしょう。どんな成分なのか、またどんな食品に使われているのか、どれくらい摂取させれば良いのか、知っておきたいところです。
子供のからだは大人のからだよりも小さいですが、成長している段階なので、その分消費するエネルギーも多いのです。子供の健やかな成長のためにも、シトルリンが含まれた料理をするためには、その正体をよく知った方が効率的な摂取もできます。
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どのような食品にシトルリンは多く含まれる？
「シトルリン」と聞いて、どのような食品に多く含まれているのかイメージのわく方はどれほどいるでしょうか。例えば、ビタミンCであれば、「レモン」とぱっと思いつく方は多いでしょうが、シトルリンはそうではないのが一般的です。
しかし、シトルリンは非常に身近な食品に豊富に含まれているので、知らず知らずのうちに摂取している栄養でもあります。シトルリンを豊富に含んでいる食品といえば、ウリ科の野菜です。
夏になるとスイカを必ず食べるご家庭も多いでしょうが、そのときにしっかり摂取できています。さらに、ウリ科の食品でいうときゅうりやにがうりも当てはまります。
きゅうりを毎日のように食卓に出しているご家庭も多いでしょうから、日々の料理の中で、子供の成長に役立つ成分を摂取しているのです。
シトルリンは体内で子供の必須アミノ酸のアルギニンに変化する
「シトルリンってそもそも何に分類されるの？」と疑問を持っている方もいるでしょうが、シトルリンはアミノ酸の1つです。アミノ酸は2つの種類に分けられます。それが、必須アミノ酸と非必須アミノ酸です。
人間のからだの中では、自分で生成できるアミノ酸と自分で生成できないアミノ酸があります。
自分のからだの中で生成できないことから、必ず食品や料理から摂取する必要のあるものを必須アミノ酸、自分のからだの中で一定量は生成できるものを非必須アミノ酸といいます。
食品や料理からも摂取することによって、シトルリンの体内量を維持できます。さらに、シトルリンのすごい働きとして、アルギニンに変化できることがあります。アルギニンもシトルリンと同じように非必須アミノ酸です。
しかし、成長している子供については、アルギニンは非必須アミノ酸に分類されます。成長途中の子供のからだは、アルギニンを多く必要とすることから、からだの中で生成する量だけでは、圧倒的に足りないのです。
アルギニンは、子供の成長ホルモンを分泌するのに、大きな役割を果たします。つまり、人間のからだの中でアルギニンに変化できるシトルリンは、子供の成長に寄与することが分かっているのです。
シトルリン・オルニチン・アルギニンの関係性
子供の成長に必要なシトルリンを語るうえで、絶対に欠かせないのが「オルニチン」と「アルギニン」との関係性です。これらの3つは、切っても切り離せない関係にあるといっても過言ではありません。
なぜ、この3つが切っても切り離せない関係にあるのかというと、この3つはからだの中で、お互いがお互いに変化し合うからです。
どういうことかというと、シトルリンはアルギニンに変わりますが、アルギニンはオルニチンに変わりますし、オルニチンはシトルリンやアルギニンに変わります。
オルニチンはからだの中で、シトルリンに変化します。そんなシトルリンは前述した通り、尿素回路でアルギニンに変化します。
また、オルニチンはシトルリンにも変化しますが、シトルリンと同じように尿素回路でアルギニンに変化するのも可能です。つまり、シトルリンとオルニチンを摂取すると、その一部がアルギニンに変化可能なので、アルギニンの働きを助けるのです。
さらにいうと、アルギニンはアルギナーゼの働きによって、その一部がオルニチンに変化することが分かっています。オルニチンに変化すると、またその一部はシトルリンやアルギニンに変化します。
疲労回復や運動時の効果・成長ホルモン分泌促進に繋がる
シトルリンを多く含んでいる食品を日々の料理に取り入れることは、子供の成長につながることは分かりましたが、それが具体的にどのような子供の成長につながるのか気になるところでしょう。
シトルリンの主な効果は、血管を拡張することです。シトルリンを摂取して、からだの中に吸収されると、一酸化窒素がつくられます。この一酸化窒素には、血管を拡張する働きがあります。
血管の拡張が疲労回復や運動時のパフォーマンス向上に良い影響を与えるのかというと、血管が広がって血液が流れやすくなることによって、からだの隅々に栄養が行き渡りやすくなります。
栄養が隅々に行き渡るようになると、疲れている部分にも栄養が行きやすくなるので、疲労回復に良いのです。さらに、運動時にも体中が栄養で満タンになるので、とくに、持久力についてのパフォーマンスが向上します。
さらに、シトルリンはアルギニンに変化するので、アルギニンの効果である成長ホルモンの分泌を促すのにもつながります。つまり、シトルリンを摂取することは、子供の健康なからだづくりに欠かせないのです。
シトルリンを多く含んだ食品一覧
シトルリンが子供の成長に欠かせないアミノ酸であることが分かっても、実際に料理に入れて子供に摂取させるためには、具体的にどんな食品に含まれているのか、知っておかないと難しいところです。
それさえ分かっていれば、献立を考える時に、あと一品プラスのときに、その食品を使いやすいです。また、献立もバランスよく立てられますし、シトルリン以外の栄養もできるだけ多く摂取させられます。
シトルリンを多く含んでいる食品の中でも、その代表格であるものとして、5つのものがあります。この5つの食品を日々の料理の中で意識的に使えば、子供にシトルリンをしっかりと摂取させられるので、チェックしてください。
スイカ
1つ目は、「スイカ」です。シトルリンを多く含んでいる食品の中でも、最も多く含有しているのが、「スイカ」ではないでしょうか。スイカは料理せずとも食卓に並べられるので、夏になったらよく食べているご家庭も多いことでしょう。
スイカのシトルリンの含有量は、100ｇあたり180mgです。これは、シトルリンを多く含んでいる食品の中では断トツの含有量なので、夏になったら子供に食べさせたいフルーツです。
スイカにはシトルリンの他に、ビタミンAやビタミンCを豊富に含んでいます。ビタミンCは、美容効果があることで知られており、紫外線を浴びたお肌の回復に有効です。子供の成長にも健康保持にも役立つので、夏は大人も子供も食べたい食品と言えます。
メロン
2つ目は、「メロン」です。メロンというと、「野菜？」と疑問に思う方もいるでしょう。スイカもそうですが、果物なのか野菜なのかは国や生産地などによって異なります。そのため、果実的野菜と称されることもあるのです。
メロンのシトルリン含有量は、100ｇあたり50mgです。メロンは高級なものもあって、中々普段から食卓に並ぶことはないでしょうが、シトルリンが豊富なので、子供の成長のために食べさせたい食品です。
メロンの他の栄養素といえば、ビタミンCやモリブデンでしょう。スイカと同じようにビタミンCが豊富なんです。料理に使うこともあまりないメロンですが、できれば積極的に子供に食べさせたい食品の1つです。
きゅうり
3つ目は、「きゅうり」です。ウリ科の代表的な野菜といっても、過言はないでしょう。きゅうりは料理に取り入れやすい食品なので、普段からサラダなどに入れている、というお母さんも多いのではないでしょうか。
メロンやスイカを食卓に並べるのは難しいときでも、きゅうりなら手軽です。きゅうりのシトルリンの含有量は、100ｇあたり9.6mgです。
きゅうりに含まれている他の栄養素といえば、ビタミンKや葉酸、ビタミンCなどです。美容効果が高い野菜でも知られているので、きゅうりパックする方もいますが、子供の成長に役立つ栄養もたっぷり含まれています。
にがうり(ゴーヤ)
4つ目は、「にがうり」です。にがうりは味が独特なので、嫌いな子供もいるでしょうが、子供の成長のためには、料理に入れて食べさせたい食品です。栄養満点なことは分かっているけれど、というお母さんも多いことでしょう。
にがうりのシトルリンの含有量は、16mgです。きゅうりのおよそ倍の量が含有されているので、きゅうりを毎日料理に入れつつ、にがうりをたまに食卓に出したいところです。そうすれば、効率的に様々な栄養が摂取できるでしょう。
シトルリン以外に含まれているにがうりの栄養素は、ビタミン群のほとんどは豊富に含まれているので、子供の成長に役立ってくれるでしょう。さらに、カルシウムも含まれているので、丈夫なからだをつくるのにも優れています。
にんにく
5つ目は、「にんにく」です。にんにくといえば、からだを元気にする効果があることで、有名な食品です。また、にんにくを料理に使うと味が引き締まるので、育ち盛りの男の子の料理に入れると、喜ばれることも多いでしょう。
そんなにんにくにもシトルリンが含まれているので、子供の成長に役立ちます。にんにくに含まれているシトルリンの量は、100ｇあたり3.9mgです。
にんにくに含まれている他の栄養素といえば、ビタミンB6やアルギニンです。にんにくはアルギニンを豊富に含んでいる食品としても有名なので、にんにくを摂取すれば、シトルリンもアルギニンもしっかりと摂取できるのです。
シトルリンを多く含んだおすすめ料理一覧
「シトルリンを多く含んだ食品が分かっても料理の仕方が分からない」というお母さんもいるのではないでしょうか。どんなに料理上手なお母さんでも、日々の食卓は毎日のことなので、レパートリー切れになることもあります。
しかし、シトルリンを多く含んだ食品は、子供の成長に良い影響を与えるので、できれば毎日の食卓の中で積極的に取り入れたいところです。さらに、シトルリンを多く含む食品の中には、子供の嫌いな食品もあることでしょう。
子供の好き嫌いをなくすためにも、子供でも食べられそうな料理に挑戦することは、お母さんのテーマともいえます。だからといって、料理にそんなに時間をかけられないでしょうから、簡単でおすすめできるレシピをいくつかご紹介します。
冬瓜(トウガン)
まず、「冬瓜」を使った料理です。冬瓜もウリ科の野菜で、夏によく出る食品です。シトルリンを豊富に含んでいる食品の1つなので、子供の成長によいでしょう。味は特に気になるクセがないので、子供でも平気で食べられる場合が多いです。
冬瓜でおすすめのレシピは、「豚と冬瓜のコンソメ煮」です。冬瓜は基本、煮物にすることが多いですが、コンソメなら子供も好きな味なので、喜んで食べてもらえるでしょう。
調理方法
まず、300gの冬瓜の皮と種を取り、一口サイズにカットします。それを一口サイズにカットした豚小間300gと一緒に深めのフライパンで炒めます。
全体に油がなじんだら、水400ccを入れ、コンソメ顆粒小さじ2・醤油小さじ2・おろししょうが小さじ1/2・塩少々を入れて、弱火で15分煮てください。
15分たって冬瓜が透明で柔らかくなっていたら、水溶き片栗粉で少しとろみをつけて完成です。冬瓜は煮物にすると大根のように味がよく染み込むので、子供も食べられます。豚肉をウインナーに変えても美味しいですよ。
きゅうり
きゅうりは、毎日のように食卓に出しているご家庭も多いですし、そのままでも食べられるので、工夫をしなくても子供に食べてもらえるのではないでしょうか。しかし、きゅうりのレパートリーは意外と少ないところです。
そのため、きゅうりが嫌いな子供だと、サラダでは食べてくれません。せっかくシトルリンを含んでいて子供の成長に良い食品なのに、それでは勿体ないです。
いわゆる漬物風にするのが、きゅうりを美味しく食べてもらうポイントです。そんな中でもおすすめなのが、めんつゆで味付けするレシピです。
まず、梅干し2粒の種をとって果肉を叩き、めんつゆ大さじ2・ごま油大さじ1・酢大さじ1・酒大さじ1と混ぜ合わせます。
太目のきゅうり2本を綿棒などでたたき、それを5センチ幅にカットしましょう。そのきゅうりの上から、さきほど作ったたれをかければ完成です。きゅうりを叩くことによって味が染み込みやすくなり、子供でも食べられる料理になります。
にがうり
シトルリンを豊富に含んでいて子供の成長に良いのに、子供にあまり食べてもらえない食品が、にがうりです。チャンプルーにすると、大人であれば美味しいのに、子供には不人気の料理になります。
そんなにがうりでも、子供に美味しく食べてもらえるレシピがあります。それが、「にがうりのごまみそだれ」です。大人っぽい料理ですが、子供でも食べられるほど苦くないです。
調理方法
まず、にがうりを洗って縦半分に切り、綿と種を取って2mmの薄切りにします。
にがうりをボウルに入れて、塩もみをして5分おき、その後に熱湯をかけて、塩を洗い落とします。次に、味噌大さじ1・醤油大さじ1・ごま油大さじ1・おろししょうが小さじ1/2・砂糖小さじ2・すりごま大さじ4を混ぜ合わせます。
たれをよく混ぜ合わせたら、下処理したにがうりと2/3のたれを混ぜ合わせます。ここで味見をして、調節しながら残りの1/3のたれを加えていきましょう。ほどよい味になったら、完成です。
ヘチマ
小学生の頃、ヘチマを学校の花壇で育てたことのある方も多いのではないでしょうか。ヘチマもウリ科の野菜であり、シトルリンを豊富に含んでいる食品なので、子供の成長に良いといわれています。
しかし、ヘチマを食べるイメージはあまりないことから、料理の方法を知らない方も多いことでしょう。ヘチマは熱を通すと少しとろっとするので、意外と好きな方もいる食品です。学校の花壇でヘチマを子供が育てていれば、食育にもなります。
調理方法
ヘチマは、シンプルに炒めるのが無難で、豚肉と一緒に炒めるのが定番です。まず、ヘチマ1本を緑の部分がなくなるまで皮をむきます。それを食べやすい大きさにカットします。豚肉120gも食べやすい大きさにカットしましょう。
先に豚肉をフライパンで炒めます。豚肉に火が通ったら、ヘチマも入れて一緒に炒め合わせます。ヘチマが透明になってきたら、焼肉のたれ大さじ2.5で味付けをして完成です。
栄養満点な料理・料理が苦手な方は子供用サプリの活用
子供に栄養満点な料理を提供した方が良いことは分かっていても、実はそれは中々難しいところです。なぜなら、世の中のご家庭は千差万別ですし、子供の性格も十人十色です。そのため、それぞれの家庭に合ったやり方を考えるべきでしょう。
しかし、シトルリンを多く含んだ食品は、子供の成長に良いので、なるべくなら多く料理に取り入れてしっかり摂取させたいところです。そうするためには、毎日の料理を頑張らなければならないわけではありません。
さらにいうと、子供が十人十色であるように、同じ量のシトルリンが含まれた料理を食べたとしても、それで足りる子供もいれば、足りない子供もいます。したがって、子供にしっかりと摂取させるために活用して欲しいのが子供用サプリなのです。
シトルリンはサプリで摂取した方が良いのか？
シトルリンはきゅうりといった身近な食品から摂取できるアミノ酸です。しかも、からだの中でも生成されるアミノ酸なので、そこまで意識的に摂取しなくても良いような気もします。しかし、シトルリンはアルギニンに変化する大事なアミノ酸です。
子供のうちは、アルギニンは必須アミノ酸に指定されているほどなので、アルギニンを生成するためにも、シトルリンは積極的に摂取したいところなのです。
身近な食品から摂取できるといっても、せいぜいきゅうりくらいなので、日々の料理で積極的にシトルリンを摂取できているかというと、そうでもありません。しかも、きゅうり嫌いの子供はシトルリンの摂取が難しくなってしまいます。
さらにいうと、ご家庭によっては、お母さんやお父さんの都合で、バランスのとれた食事が数日できないこともあるでしょう。そんなときでも子供の成長のために安心できるのが、子供用のサプリを活用することです。
子供用サプリは安全？
子供用のサプリを活用するとなると、子供のからだにとって良いのかどうか、また手抜きをしているのでは、と考える方も少なくありません。
しかし、現在販売されている子供用のサプリは、子供のからだへの安全性が確保されているのはもちろん、必要な栄養がしっかりと詰まっています。
それこそ、シトルリンだけではなく、アルギニンやビタミン群など、子供が成長するにあたって1日に必要とする栄養を補ってくれる分が含まれています。そのため、手抜きをしないご家庭こそ活用していることが多いです。
まとめ
子供の成長に必要な栄養というのは、カルシウムやビタミン群など有名どころから、今回のシトルリンまで様々なものがあります。そのため、毎日の食卓の中で、それらをすべて兼ね備えた包括的な料理を子供に食べさせるのは、至難の業です。
なので、どんな食品にどんな栄養が含まれているのかをしっかりと知識として知っていて、毎日の料理をすれば、これまでよりも、より子供の成長に良いバランスのとれた食事をつくりやすくなるでしょう。
シトルリンは、アルギニンにも変わりますし、オルニチンにも変わるアミノ酸なので、積極的に摂取したいところです。さらに言うと、シトルリン単体で摂取するよりも、アルギナーゼを分解するので、アルギニンが豊富な食品と一緒に摂取するのが理想です。
シトルリン含有食品が苦手な子供には子供用のサプリがおすすめ
しかし、シトルリンが含まれている食品が苦手な子供も大勢いますし、お母さんも料理を毎日つくれないこともあることでしょう。
それでも子供のからだは成長しますから、子供用のサプリを活用すると、子供にもお母さんにも負担なく栄養をたっぷりと摂取できます。
子供用のサプリは、子供が好きな味付けであるのはもちろんのこと、シトルリンだけではなく、子供の成長に欠かせない栄養が豊富に含まれています。日々の献立とサプリの二段構えで、健やかな子供の成長のバックアップをしましょう。
