オルニチンは肝臓で作用し二日酔いなどに効く栄養として知られていますが、成長ホルモンの分泌を促進させる作用もあるため、成長期の子供に摂らせる栄養としてとてもおすすめです。
オルニチンはシジミをはじめとした魚介類や乳製品、菌類などに含まれています。こういったものを積極的に取り入れていくことで、身体を作る栄養と共にそれを活かす栄養もしっかり補っていくことができます。
オルニチンをメインの栄養として考えるのでは無く、これを含む食品をメニューの中にちょっと加えるだけでもOKですから、スープや炒め物などで工夫していくことをおすすめします。
どのような食品にオルニチンは多く含まれるのか?
オルニチンはシジミ、ヒラメ、キハダマグロ、エノキタケ、チーズなどの食品に多く含まれています。特に含有量が多いのはシジミなので、基本的にオルニチンを摂ることを考える際には、シジミを利用していくのが一番良いでしょう。
また貝類がダメという場合には、エノキタケを利用するのがおすすめです。シジミと並んで、数ある食品の中でも突出してオルニチンを含む量が多い食材なので、貝類がダメでもこちらでしっかり栄養を補っていくことができます。
チーズなどは比較的毎日でも食卓に取り入れていくことができるので、メニューの具材に取り入れたり、またプロセスチーズなどをそのまま食べさせるなどすると良いでしょう。
魚介、きのこ、チーズとそれぞれ違う種類の食品から摂ることができる栄養なので、その都度調達、利用しやすい食品を使って料理を考えてみてください。毎日のちょっとした心がけが、子供の健やかな成長を後押しします。
オルニチンは体内で子供の必須アミノ酸のアルギニンに変化する
オルニチンはアミノ酸の一種なのですが、体内に取り入れられると必須アミノ酸であるアルギニンに変化します。このアルギニンはたんぱく質の合成に欠かせないアミノ酸なので、成長期の子供においては欠かすことができない栄養とも言えます。
またアルギニンは酵素の働きによってオルニチンにも変化するため、これを摂っていればオルニチンを摂る必要性はそれほど高く無いとも言えます。
ではアルギニンさえあればオルニチンが必要無いかというと、そういうことではありません。オルニチンはアミノ酸の中でも少し特殊な存在で、血液に溶け込んだ状態で身体を巡り、遊軍的存在で健康をサポートしてくれます。
またオルニチンは肝臓で作用し働きをサポートしてくれますが、この肝臓はエネルギーを作り上げる役割も担っている臓器です。
アルギニンは他のアミノ酸のあらゆる働きをカバーしてくれるものの、やはりポイントを絞り働いてくれる栄養の存在というのも必要ですから、オルニチンはオルニチンで摂っていくべき栄養といえるでしょう。
シトルリン・オルニチン・アルギニンの関係性
アミノ酸の中でも、オルニチン・シトルチン・アルギニンの3つは密接な関係を持っています。オルニチンとシトルリンは体内でアルギニンとなり、さらにオルニチンはシトルリンにも変化します。
またアルギニンはオルニチンにも変化をするため、基本的にアルギニンを摂っていれば、オルニチン、シトルリンを体内で作っていくことができるということになります。
成長期の子供の身体において、アルギニンはあらゆる重要な働きをしてくれる栄養です。そのためこれをしっかり摂っていかなければ、健やかな成長を望むことは難しいでしょう。
全てをアルギニンの摂取で賄おうとすれば、摂らなければいけない量というのは非常に膨大になり、そうなると食事の栄養なども大幅に偏ってくることになるからです。
アルギニンがカバーしてくれるからという理由でオルニチン、シトルリンを摂らなくて良いということにはなりませんから、こういった点についてはよく理解をし、正しく栄養を摂取していけるよう心がけていきましょう。
栄養というのは、特に成長期においてはあらゆるものを満遍なくしっかり摂っていくことが大切ですから、様々な食品を料理に用いて、健やかな身体作りをサポートしてあげられるようにしてください。
オルニチンは勉強や運動の効果・成長ホルモン分泌促進に繋がる
オルニチンは肝臓をサポートする栄養として知られています。そのため二日酔いに効く栄養として認知されていることが多いですが、肝臓はアルコールの分解だけでは無く、アンモニアの解毒作用も担っており、これが子供の成長においてとても重要です。
アンモニアが体内に蓄積すると、人の身体というのは疲れやすくなります。アンモニアは有害物質であるため、これを身体に溜めておいて良いことというのは無いのです。
アンモニアが体内に充満すると脳内に入り意識障害を起こすこともありますから、肝臓の担う解毒作用がどれだけ重要なことか解るでしょう。
運動や勉強のやる気も違ってきますし、また解毒作用によって疲れにくい身体を維持していけば、より集中力を持って積極的に打ち込んでいくことができるでしょう。
成長期の子供においては活発に身体を動かすこと、疲れに悩まされない健やかな状態を維持することが、成長ホルモンの分泌の促進にも繋がってきます。
オルニチンが肝臓の働きを助けることでアンモニアをスムーズに解毒してくれ、それによってエネルギーの生産性が高まり、結果として筋肉や脳へのエネルギー供給がスムーズになる。
それによってスポーツや勉強のパフォーマンス、成長ホルモンの分泌向上が期待できるという風に理解をしておきましょう。
オルニチンを多く含んだ食品一覧
オルニチンは、シジミ、ヒラメ、キハダマグロ、チーズ、エノキタケといった食品に多く含まれます。
貝、魚、乳製品、きのこと様々な分類の食べ物から摂ることができるため、それぞれの食品をローテーションさせて上手く料理に取り入れていけば、コンスタントに摂取していくことができるでしょう。
最も含有量が多いシジミについては、好き嫌いがほとんどありません。成長期の子供もシジミが嫌いということはあまりないので、基本的にはこれを利用していくことをおすすめします。
それぞれの食品ごとに効率良く栄養を摂れる料理の仕方などを学んでおくと、子供の成長により一層貢献していくことができるので、ぜひ手間をかけてあげてください。
シジミ
シジミには、100gあたりで10.7~15.3mgのオルニチンが含まれます。この他にはカルシウムや鉄が豊富で、ミネラルやビタミンがギュッと詰め込まれた食品です。
子供の成長、特に強く健康な骨を作り上げるためにはカルシウムは欠かすことができないため、その点において成長期の子供に積極的に与えていきたい栄養とも言えるでしょう。
シジミ100gというと35個分に相当するため、それだけのシジミを料理するのはなかなかに大変なことと言えます。
ヒラメ
ヒラメには、100gあたり0.6~4.2mgのオルニチンが含まれています。この他にはビタミンDやE、B2などの栄養が含まれています。
ビタミンB2は細胞の新生と成長に大きな作用をもたらす栄養なので、成長期の子供には積極的に摂らせていきたいものです。
しかし高級魚であり、なかなか気安く食卓に並べられる食品では無いため、これをオルニチンの補給に利用するというのはあまり現実的では無いでしょう。
スーパーなら比較的どこででも手に入れることができる食品であるため調達はそれほど難しくありません。たまの贅沢に煮つけなどの料理で食卓に並べてあげると、子供も喜んで食べてくれます。
キハダマグロ
キハダマグロには、100gあたり1.9~7.2mgのオルニチンが含まれています。その他には、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルビタミンB6などの栄養が豊富です。
100gあたりの量は7~10切れなので、食べる量としてはそれほど多く食べなくとも充分な栄養を摂れる食品です。しかし成長期の子供においては刺身というのはあまり食欲をそそるおかずでは無いため、好き嫌いは別れてくるかもしれません。
1年を通してスーパーで比較的手に入れやすい食品であり、価格も安価ですので、子供の口に合う場合には料理の手間もかからず非常に良いオルニチンの補給源になってくれるでしょう。
チーズ
チーズには、100gあたり0.8~8.5mgのオルニチンが含まれています。この他にはビタミンやカルシウムなどの栄養が豊富です。
100gはスライスチーズだと約5枚ほどの量になります。これをそのまま食べるとなると少し大変ですが、プロセスチーズなどであれば3切れ程で済むため、どういった形の食品で利用するかで食べやすさは違ってくるでしょう。
また料理の中に隠し味で利用すれば、ある程度の量でも消費しやすいです。成長期の子供にも好まれやすい食品なので、とろけるタイプのチーズなども利用して料理に取り入れていってください。アレンジ次第でいくらでも活用していける食品です。
エノキタケ
エノキタケには、100gあたり14.0mgのオルニチンが含まれています。この他にはビタミンB1、B2、D、ナイアシン、食物繊維などの栄養が豊富です。
100gはエノキタケ約1.4袋分なので、成長期の子供にこの食材だけでオルニチンを摂らせようとするのはなかなか難しいでしょう。ただエノキタケは量を食べやすく子供の口にも合いやすい食品で、消費をしやすいといったメリットがあります。
スープや炒め物などの具材として用いることでたっぷり食べることができますから、上手に料理して食卓に並べてあげてください。食材として使いやすいため、オルニチンの補給源としてとても役に立つでしょう。
オルニチンを多く含んだおすすめ料理一覧
成長期の子供というのはやはり好き嫌いが多く、口に合わないものの場合、どんなに栄養があっても食べてくれないといったことになりますから、その点は工夫をして食卓に並べてあげる必要があるでしょう。
オルニチンを多く含む食品はそれほどクセのあるものはありませんが、それをそのままおかずとして食べられるかというと、そういうわけにもいかないでしょう。
どのように料理するかで子供の食いつきがわかれてきますから、少しでも口に合う味付けで料理してあげてください。積極的に箸をつけてくれる献立を考えていきましょう。
シジミの料理
シジミを使った料理で一番おすすめなのは、やはりシジミ汁です。これを具材に出汁と味噌を加えるだけでとても美味しい汁物になりますから、ぜひともおすすめです。
シジミは基本的に味噌汁以外の料理は難しく、手をかけておかずにしようとすれば大変な手間がかかるでしょう。素材の味を活かしたシンプルな味が一番なので、ぜひ味噌汁のローテーションに加えてください。
シジミ汁は比較的、成長期の子供でも喜んで口をつけてくれることが多いです。またその際ですが、貝の身にたくさん栄養が含まれているので、これをきちんと食べさせるようにしましょう。
味噌汁の他にはむき身などを味噌漬けにするといった方法もありますが、これは非常に手間がかかるため、利用するならば市販の食品を利用した方が手っ取り早いでしょう。
ヒラメの料理
ヒラメは生はもちろん、焼いても煮ても美味しく食べることができる魚です。
オルニチンを多く含む食品の中でも、使い方によってより多くのバリエーションで食卓に並べることができますから、料理の方法を知っておくと様々な形でローテーションに組み込んでいくことができるでしょう。
バジルやレモン汁、岩塩、こしょうなどで味付けるとヒラメの美味しさを最大限に引き出すことができ、子供でも喜んで箸をつけてくれる一品になります。
シンプルに煮たり焼いたりしてももちろん美味しいですから、その日の献立のテイストに合わせて取り入れ方を変えてみるのもおすすめです。
素材の味が非常に良いため、あまり濃い味付けでは無く風味をプラスするような感じで調理していきましょう。
キハダマグロの料理
キハダマグロを食卓に並べる場合は、基本的にこれをこのまま生で利用するのがおすすめです。脂ののった味の良い魚なので、切身などのお刺身で食べるのが最も美味しいでしょう。
お醤油につければ充分子供のごはんのおかずにもなるため、料理の手間もかかりません。
少し厚めの切り身にしたキハダマグロに塩コショウをし、ニンニクとバターで炒めるだけですから、調理は簡単です。子供の場合は生よりもこちらの方が圧倒的に美味しく食べられますし、また食も進むので、ぜひ試してみてください。
オルニチンを含む食品の中でもメインのおかずとして活躍してくれる貴重な食品ですし、また通年を通して手に入れやすいといったメリットもあるため、上手に献立に取り入れていってください。
チーズの料理
オルニチンを含む食品の中でも最も成長期の子供の口に合うのが、チーズです。濃厚で味が良いため、料理をせずこのまま与えても喜んで食べてくれるでしょう。朝食がパン派というのであれば、チーズをのせて焼いてあげるとより喜んで食べてくれます。
洋食のトッピングとしては非常に幅広く活躍させることができますから、少し濃厚な味に仕上げたいといった場合にチーズを利用すると、味も良くなり、さらにオルニチンをしっかり摂ることができます。
量を食べるのであればやはりプロセスチーズを利用するのが一番なので、1日の食事のどこかでこれを摂らせるといった風にすると、上手に栄養補給をしていけるでしょう。
カルシウムも摂れるとても優秀な食材なので、できる限り毎日食べる習慣をつけることをおすすめします。
エノキタケの料理
エノキタケは様々な料理の具材として取り入れていきやすいので、オルニチンを多く含む食品の中でも最も食卓で活躍してくれる品となるでしょう。
野菜炒め、味噌汁など定番の献立の具材として簡単に取り入れられるので、エノキタケはメニューというよりももう1つ具材をプラスといった形で利用していくのがおすすめです。
シンプルな味で柔らかく食感も良いことから、どんな食品と一緒に料理しても邪魔をすることがありません。また醤油、味噌、中華などどんな味付けとも相性が良いため、料理に苦労をすることは無いでしょう。
成長期の子供の好き嫌いにあまり関係ない食品であり、またオルニチンの含有量も非常に多いので、積極的に利用していってください。特に味噌汁などでは、量を消費しやすいです。
栄養満点な料理・料理が苦手な方は子供用サプリの活用を
オルニチンを多く含む食品は比較的扱いやすい食材が多いですが、だからといって毎日オルニチンにばかり特化して献立を考えていくわけにはいきません。
栄養バランスを考えることも大変ですし、料理が苦手な人の場合は一層頭を悩ませてしまうことでしょう。
成長期の子供に少しでも必要な栄養を摂らせてあげたいという気持ちは、親なら誰でも同じものです。しかしだからといって毎日完璧な栄養の食事を用意するというのは現実的には不可能ですから、これを無理して行うことはありません。
オルニチンは意識して摂るべき?食事摂取は難しいからサプリで
成長ホルモンの分泌を促進し、また肝臓に働きかけアンモニアの解毒作用を向上、身体のパフォーマンスを上げてくれるオルニチンは、成長期の子供に積極的に摂らせていきたい食品と言えるでしょう。
しかしオルニチンはおなじアミノ酸であるアルギニンを摂取していれば、体内でこれがオルニチンへと変化しますから、必ずしもわざわざ摂る必要が無いように思えてきます。
もちろんすべての働きをアルギニンに任せるわけにはいきませんから、オルニチンはオルニチンできちんと心がけて摂っていく必要があります。そのためにはこれを含む食品を料理し食卓に並べていく必要があるでしょう。
好き嫌いが多い子供はサプリを利用するのがおすすめ
成長期の子供というのは好き嫌いが激しく、作ったものを素直に食べてくれるとも限りませんから、食べさせる手間といった点でも苦労が出てくるでしょう。
もし食品からオルニチンを摂ることが難しいというのであれば、無理をして食べさせるのでは無く、サプリメントなどを代用して栄養補給に努めていくことも必要です。
成長期の子供に好きでは無いものを無理に食べさせようとすると、一生の好き嫌いや偏食を起こすことにもなりかねませんから、気をつけてください。
まとめ
肝臓に働きかけることで活動のパフォーマンスの向上、エネルギー生産のアップ、成長ホルモンの分泌を促進してくれるなど、オルニチンには成長期の子供に摂らせていきたい要素が非常に多い栄養です。
積極的に摂っていくことでたんぱく質やカルシウムなど、身体を作り上げる栄養をサポートし健やかな成長を育んでいくことができますから、意識して摂取を心がけたいものです。
しかしその反面、肉などから摂取できるアルギニンを摂っていれば、体内でこれがオルニチンに変わり役目を果たしてくれるといった点もあります。
サプリを活用して栄養補給
これらのことをふまえると、他の栄養のように神経質になって摂取をしなければならないということはありませんので、無理にオルニチンを摂ることを考えていく必要は無くなってくるでしょう。
毎日栄養満点の料理を作るのは大変ですし、食品を買いに行くのももちろん大変なことです。最初の内は努力できても果たしてそれが継続できるかというとやはり疑問ですから、栄養の摂り方については効率についても考えていかなければなりません。
オルニチンについては1日に必要とされる量もそれほど多くは無いため、サプリメントを活用して補っていくということも選択肢としてはおすすめです。こういったものを賢く活用して、成長期に必要な栄養をしっかり補給していきましょう。