子供にサプリメントを買おうと思っている時に気になるのがその安全性です。製品ごとの安全性も気になりますし、そもそもサプリメント自体が子供にとってどのような影響を及ぼすものかも知りたいところです。
万が一サプリメントが子供にとって安全ではなかった場合、大切な成長過程で健康に害を与えてしまいます。それは保護者の方としてはなんとしても避けたいことでしょう。
安全性を知るには、サプリメントの基礎知識や国内の規制事情などを参考にするとわかりやすいです。またいざという時に頼れる相談先も確保しておくと、比較的安心してサプリメントを利用することができます。
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そもそも子供にサプリメントは必要なのか？
サプリメントは子供が成長するために必要な栄養素を補うのに役立ちます。子供は身体を大きくしようとしているぶん、大人以上の栄養素が必要になります。そのため、食事だけでは十分な栄養素が摂取できないことがあるのです。
特に普段の食事で栄養素がしっかり摂れていない子供の場合は、ますますサプリメントを飲む必要性が高くなります。現代の日本の子供は生活習慣が乱れがちなため、十分な量の食事やバランスの良い食事がとれていないことが多いです。
ただし、サプリメントばかりに頼るのもよくありません。普段の食事がおろそかになっている場合はまずそちらの改善の方を意識し、サプリメントはあくまでも補助程度に利用すべきです。
子どもの将来を考えると安易に健康食品を使うべきではありません。高齢者などもできるだけ錠剤やカプセル状の健康食品に頼らないようにしましょう。
子供が成長するために必要な栄養素はたんぱく質、ビタミンD、それから各種ミネラルです。ミネラルはカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などがあげられます。
特に厚生労働省の調べではカルシウム、マグネシウム、鉄の3つの栄養素が現代の子供に多く不足していることがわかっています。たとえば、カルシウムですが、12～14歳の男子の1日の平均摂取量は推奨量と比べてなんと322mgも足りません。
子供のサプリメント利用に関する基礎知識
子供がサプリメントを飲む場合は「子供用」に製造されたサプリメントを利用するのが基本です。配合されている成分は大人が飲むサプリメントとほとんど変わりませんが、記載されている摂取目安量が違います。
摂取目安量はそのサプリメントを毎日どれくらいの量飲めばいいかを示したものです。子供用のサプリメントは子供の年齢や体重に合わせた摂取目安量を指定しているので、それにならうだけで適切な量の栄養素を摂れるようになっています。
また子供は味に敏感なため、子供用サプリメントは飲みやすい工夫を施しているものが多いです。
基本的に摂取目安量を守っていれば、子供に問題が起こることはありません。なにしろサプリメントは食品に分類されるものであり、何か特別な成分が入っているわけではないからです。
日本とアメリカのサプリ事情！日本は法規制が甘くメーカー有利な状態
日本の製品は全体的に品質が高いため、国産のものが消費者に選ばれがちです。しかしサプリメントの場合、必ずしも国産が良いとは限りません。というのも、日本はサプリの有効性・安全性に関する規制がアメリカよりもゆるいからです。
規制がゆるいということは、サプリメーカーが危険性のあるサプリを製造・販売する恐れがあるということです。実際に日本のサプリでは表示していた成分と別の成分が配合されていたり、異物混入があったりといった事例も報告されています。
日本の法規制が甘いのは健康保険制度が整備されているからです。病気になったら病院に行って格安で治療できるので、サプリに頼る人が少ないです。
それに対し、アメリカは高額な治療費がかかるので、病気にならないように普段からサプリを利用している人が多く、規制の重要性が高いのです。そのため、国産のサプリを買う時は、消費者側が意識して信頼性の高いメーカーを選ぶ必要があります。
サプリメントって誰に相談すればいい？サプリメントアドバイザーがおすすめ
サプリメントの相談をする場合はやはりその道の専門家に頼るのが一番です。サプリメントの専門家には、日本ニュートリション協会が認定しているサプリメントアドバイザーがあげられます。
サプリメントアドバイザーはサプリに関する正しい情報を提供するための民間資格であり、サプリの機能や必要性、用途、飲み方などへの消費者の理解を促す役目があります。
サプリやサプリの情報を載せたサイトによってはサプリメントアドバイザーが監修していることもあります。
子供用サプリメントの安全性や信頼性でチェックすべき11のポイント
子供用サプリメントの安全性や信頼性を確かめるにはいくつかのポイントがあります。
これらのポイントを参考にすれば、サプリが原因で子供の健康に悪影響が及ぶ可能性を低くすることができるので、なるべくすべてのポイントを押さえるようにしてください(ポイントは全部で11あります)。
1.添加物が悪いわけではない！危険な原材料や添加物の使用の確認
サプリメントは原材料や添加物を使用することで製造されています。そのため、それらの原材料や添加物に問題がないかをチェックすることは大切です。
一般的には添加物は悪いものだと見なされがちですが、添加物が入っているからといってすべてが悪いとは限りません。添加物はあくまでも総称であり、実際には様々な種類があります。
たとえば、食品の品質の劣化を抑えるための保存料や、風味を良くするための調味料・甘味料・香料などがあげられます。このように添加物は食品に良い影響を与える目的があるものなので、非常に役立つ側面もあるということを忘れないでください。
また食品添加物は指定添加物と既存添加物、天然香料、そして一般飲食物添加物の4種類に分けることもできます。日本でも食品添加物における規制はありますが、使用を認められているものの中には安全性に不安のあるものもあります。
2.天然・自然のものなら安心？
サプリの中には天然・自然の原材料や添加物を使っていることをアピールしているものもあります。しかし、実際は天然・自然のものだからといって絶対に安心というわけではありません。
たとえば、アレルギーリスクがあること、作物を育てる条件によって品質が変わること、成分が豊富に含まれており、それらすべてが特定されていないこと、有害物質や不純物が残留している恐れがあることなどの問題が天然・自然のものにはあります。
健康食品の宣伝・広告で「天然＝安全・安心」のようなイメージを強調するものがありますが、天然だからといって安全・安心とは限りません。
アレルギーの問題は薬なら医師や薬剤師の指示に従うことから、回避しやすいです。しかし、サプリは当然医師や薬剤師を通すことはなく、直接自分の判断で買うことになります。
そのため、子供がどのような成分にアレルギーを起こすかを知り、アレルギーリスクのある成分の入っていないサプリを選ぶ必要があります。
アレルギーはすべての人に起こったりはしませんが、いつ誰に起こるか予想することはできないので、常に注意を払うべきです。
3.子供用サプリはいつ飲む？時間は？正しい飲み方
大抵の子供用サプリでは「いつ飲んでもいい」と公式で説明しています。なぜかというと、食品であるサプリに、飲む時間が指定されているのはおかしいからです。しかし、サプリを飲むのに適した時間はあります。
それは昼～夜の時間帯です。朝は起きたばかりで、消化吸収機能が弱いので、サプリの栄養をスムーズに吸収できない可能性があります。消化のしやすい粉末タイプならまだいいですが、錠剤タイプのような固形サプリは朝飲むのは避けた方がいいでしょう。
正しい飲み方は水またはお湯で飲むことです。お茶はカフェインが栄養の吸収を阻害してしまうので、あまりよくありません。またお湯はぬるめのものにしましょう。
栄養の豊富な牛乳で飲むのも1つの手段です。子供用サプリの中には牛乳と混ぜることを想定しているものもあります。
4.品質を保つ製造工程は「GMP」
GMPは適正製造規範という意味を持つ言葉です。サプリに限らず、食品は製造過程で品質が損なわれる恐れがありますが、GMPではそういった問題を防ぐための基準として役立てられています。
この基準をクリアした工場で作っているサプリにはGMPマークがついています。GMPではヒューマンエラーの防止、ヒューマンエラー以外の原因による製品の品質低下の防止、全製造工程での一定品質確保という3つのガイドラインを掲げています。
GMPマークを取得するには申請後、第三者機関による査察・審査を受けて合格する必要があります(第三者機関は日本健康食品規格協会または日本健康・栄養食品協会)。
このような手続きを経てはじめてGMPマークを表示できるので、GMPマークのあるサプリは信頼性が高く、選ぶ価値があります。
5.放射能チェックの有無
物質が放射線を出す性質を「放射能」といいます。また放射能を持つ物質のことは「放射性物質」といいます。放射線は人間が一定量被曝すると、その量に応じて様々な健康被害が出ることがわかっています。
被爆の仕方は複数ありますが、そのうちの一つが食事で放射線をとりこんでしまう内部被曝です。内部被曝は体の内側から放射線を受けることであり、食事以外にも呼吸で放射線を吸入するケースがあります。
他にも宇宙や大地から飛んでくる放射線を肌から受ける外部被曝というものがあります。
食事での被曝も避けた方が子供には良いので、食品であるサプリに放射線が含まれていないかどうかにも気をつける必要があります。
サプリによっては原料の放射能をチェックしているものもあります。この場合、放射線量が基準値以下のものしか販売されないので、安全性が高いです。
6.サプリメントに副作用はないのか？過剰摂取はNG
サプリメントは健康食品なので、薬のような強い副作用はありません。ただし、まったくないというわけでもなく、食品でもとりすぎれば人体に有害です。そのため、過剰摂取は絶対にやめましょう。
たとえば、ビタミンEは一般的に健康に良いものとして扱われますが、摂りすぎると脳卒中のリスクが高くなるという研究報告もあります。
また喫煙者がβカロテン(ビタミンAとして作用する野菜に多く含まれる色素成分)を摂りすぎると、肺がんのリスクが高まるという研究報告があります。
野菜などに含まれているβ- カロテンについても、喫煙者の場合は、過剰に摂取すると肺がんの発症率が高くなることが分かってきました。通常の食生活において、このような栄養素を過剰摂取することはありませんが、錠剤・カプセル状の健康食品を使用する場合には注意が必要です。
サプリメントは特定の栄養が多く配合されている特徴があります。そのため、普通の食事では栄養の過剰摂取は起こりにくいです。
しかし、サプリメントだとたとえ大食いというわけではなくても簡単に多量の栄養を摂取できるので、過剰摂取になりやすいのです。
サプリは飲めば飲むほど効果が高くなるものではないので、用法・用量はきっちり守ってください。
7.サプリメントと薬の相互作用
サプリメントと薬を同時に使えば、より健康を増進できると考えている人は多くいます。しかし、サプリの成分によっては薬の成分の作用を阻害したり、副作用をひどくしたりすることもあるので、なるべく避けた方がいいです。
もしどうしてもサプリを飲みたいのであれば、主治医や薬剤師に相談するのがいいでしょう。主治医や薬剤師はどんな成分を一緒に摂るとだめなのかを把握しているので、飲んでいいサプリとよくないサプリを教えてくれます。
たとえば、子供用サプリによく含まれているカルシウムですが、骨粗鬆症や心不全の治療薬、および抗生物質と同時に摂取してはならないと定められています。
また同じく子供用サプリの成分で代表的なマグネシウムや鉄についても、同時に摂取してはならない医薬品成分が複数あります。このようにサプリの成分1つ1つに薬との相互作用の問題があるので、自己判断は危険です。
8.販売会社の信頼性や実績も重要
サプリを購入する時はサプリ自体の良し悪しだけでなく、販売会社の信頼性や実績も参考にすることが大切です。
消費者にサプリに関する正しい情報を提供することを目的とする一般社団法人のNPO日本サプリメント協会でも、販売会社の信頼性をチェックすることで、サプリの信頼度を測れるとしています。
サプリの製造は工場に委託すれば簡単にできるので、どのような企業でも参入しやすいです。つまり、中には悪質な企業がサプリを販売しているケースも考えられるわけです。
販売会社の信頼性や実績のチェック方法ですが、サプリや企業の公式サイトを見ることがあげられます。それらの公式サイトには企業理念や社歴、代表メッセージなどが載っているので、どんな企業なのかをある程度知ることができます。
9.モンドセレクション受賞のサプリの信用性はウソ？信頼性は低い
モンドセレクションはベルギーの機関が製品を審査し、その品質によって賞を与えるものです。賞は銅賞、銀賞、金賞、最高金賞があり、右に行くほど評価が高くなります。
品質を審査しているので、まったく信用できないわけではありませんが、審査を受けている製品の9割近くが何らかの賞をとっているのが実情です。
つまり、モンドセレクションを受賞しているからといって特に他の製品よりも優れているかといえば、なかなかそうとは言いづらいです。
これはなぜかというと、絶対評価で基準さえ満たせば何個の製品でも賞を受賞できること、応募に必要な手続きが簡単なこと、1度受賞したら3年表示が有効なことがその理由です。
そのため、モンドセレクションは受賞ハードルが低く、どんな企業や製品でも気軽に受賞できるのです。
10.食物アレルギーの表示対象品目(27品目)に注意
食品表示法では食物アレルギーのリスクが明らかになっている食材が含まれている食品を販売する時は、その食材を表示しなければならないと定めています。サプリは食品であり、普通の食材も使っているので、この表示に注意する必要があります。
食物アレルギーの表示対象品目は全部で27品目で、そのうちの7品目が「特定原材料」、20品目がその特定原材料に準じるものとして扱われています。
特定原材料は小麦や卵、乳、甲殻類など、特に食物アレルギーが起こりやすく、症状もひどくなりやすい食材を指します。
そのため、これらを使った食品はアレルギー品目の表示が義務となっていますが、特定原材料に準じる20品目については表示が推奨されているだけで義務ではありません。
特定原材料に準じる20品目には、たとえば魚介類や肉、フルーツ、ナッツ類(落花生は特定原材料に該当)などがあげられます。
11.離乳食を終えていない乳幼児にサプリメントは基本的にNG
サプリメントの安全性を明らかにしようとするアプローチは専門家が日々行っていますが、大抵の場合、その研究は健康な大人を対象にしています。そのため、成長途中の子供にサプリメントを与えた時の影響はわかっていないことが多いです。
特に人生で最も急激に成長する時期にいる乳幼児はなおさらです。良い影響が及ぶ可能性があるのと同時に、悪い影響が及ぶ可能性もあるので、与えない方が無難とはいえます。
また乳幼児の時からサプリを与えていると、サプリで栄養を摂るのが当たり前になってしまい、正常な食事の習慣が身につかない可能性があることも問題です。
そもそも離乳食を終えていない時なら母乳と離乳食だけで成長に必要な栄養を摂れるので、サプリメントを利用する必要性が薄いという側面もあります(離乳食を終えた後の3歳頃になると、だんだん栄養が不足しがちになります)。
子供には安全性の高い身長サプリを選んで！
安全性の高い身長サプリを選べば、子供の体に害が及ぶこともなく身長アップをサポートできるので、いいことばかりです。
最初はチェックすることが多くて大変ですが、慣れてくればどんなサプリが安全で信頼性が高いのかがすぐわかるようになってきます。たとえば、具体的にどんな身長サプリが安全かというと、「アスミール」があげられます。
アスミールはココア味や苺ミルク味のある粉末状の身長サプリです。苺ミルク味に着色料が入っている点が少しだけ気になりますが、あとは問題ありません。
それから「プラステンアップ」も安全な身長サプリといえます。こちらはレモン風味の粉末サプリです。アスミールと同様、人体への悪影響が示唆されている原材料、成分はほとんど使われていません。
ただし、プラステンアップは販売会社の情報が少ない点が少し気になります。会社の住所や電話番号は商品に書いてあるので、怪しいというほどではありませんが、透明性は低めです。
まとめ
サプリメントは子供の栄養の成長をサポートする際に必要になることがあります。ただし、子供へのサプリの影響は解明されていない部分も多いので、なるべく安全なものを選ぶべきです。日本ではアメリカほどサプリへの規制が厳しくありません。
そのため、自分で知識を身につけてサプリを選ぶ重要性が高いです。サプリについて相談したい場合はサプリメントアドバイザーに頼りましょう。
安全なサプリの選び方ですが、原材料や成分、添加物をチェックするのが基本です。これらに人体への危険性が示唆されているものや、アレルギーリスクがあるものがなければ、サプリ自体は安全といえるでしょう。
それから販売会社の情報もチェックするべきです。公式サイトなどで信頼性や実績を見て安全性が高い企業かどうかを判断しましょう。
薬との相互作用で害が及ぶこともあるので、気をつけてください。乳幼児にサプリを与えるのは基本NGです。離乳食を終えるまでは食事で栄養をとらせましょう。
