近年、サプリメントは大人向けだけではなく子供向けの商品としても販売されるアイテムが増えてきています。これは、おそらく子供の偏食などによる栄養不足を補助する事が目的となっているものが多いからです。
しかし、子供が口にするものですから注意をしなくてはなりません。サプリメントは栄養補助食品ですが、すべての商品が一切体に害がない、危険性が全くないと判断する事はできません。
なぜなら、子供用サプリメントには添加物が使用されていることがあるからです。そこで、子供用サプリメントに使われている添加物とその危険性について、また子供用サプリメントの安全性などについて詳しく解説していきます。
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そもそも子供に添加物って安全なの？
食品に使われている添加物は、本来必要のないものなので健康の事を考えたら摂取しない方がよい、添加物は悪いものだという風に考えている方が大半ではないでしょうか。
そして、そんな添加物は特に子供には悪影響が大きいので、できるだけ子供には添加物の少ない食べ物を与えるべきという風潮があります。最近よく使われている添加物と言えば甘味料です。
カロリーゼロなどとうたわれている商品には、スクラロースにアステルパームなどと言った添加物が使用されているのです。これらの添加物は発がん性などがあると言われており、危険なものという事で避けるべき添加物と認識されています。
ですが、こうした添加物は食品にだけではなく、子供向けのサプリメントにも使用されている事があります。
添加物の安全性と危険性
添加物は全般的に危険性があり、安全な食を考える際には悪とされる事が多いです。その為、子供用の食品やサプリメントでも添加物不使用のものを選ぶ方が増えています。ですが、この認識は完全なものではありません。
なぜなら、添加物はすべてが悪という訳ではないからです。もちろん添加物は使用していないに越したことはありません。
しかし、添加物によっては使用していない状態の方が食の安全を考えた場合にリスクが増す場合や、その製品を製造する上でどうしても使用しなくてはならない添加物も存在しています。
ですから重要なのはその添加物が必要なものなのかどうか、そして人体にどのような影響があるかという点です。
サプリメントの形成に添加物は必須！医薬品にも使用するほど安全
危険な存在として認識されている添加物ですが、実は危険性がなく安全に使用する事ができる添加物も存在しています。それはサプリメントに使用されている添加物です。
サプリメントに使用している添加物の中には、サプリメントそのものを作るのに必要な添加物があるのです。その為、この添加物を使用しなければ、そもそもサプリメントを作る事ができなくなってしまいます。
また、サプリメントを作る為に使用されている添加物ですが、医薬品を作る際にも使用されています。薬にも使用されている成分という事はつまり、厳しい安全基準の元で使用されており、人体に害がないという事は明らかです。
食品添加物の安全性評価は、リスク評価機関である食品安全委員会が行います（食品健康影響評価）。具体的には、動物を用いた毒性試験結果等の科学的なデータに基づき、各食品添加物ごとに、健康への悪影響がないとされる「一日摂取許容量」（ADI）が設定されます。
この結果を受けて、厚生労働省では、薬事・食品衛生審議会において審議・評価し、食品ごとの使用量、使用の基準などを設定します。
サプリメントを作るのに必要な添加物は医薬品でも使用されており、危険性がないものと判断されていますので、添加物だからといって避ける必要はなく、子供用サプリメントなどにも使われていますが健康上問題はないのです。
サプリによく使用される添加物一覧
甘味料(人工・天然)
子供用サプリメントに使用されている添加物の一つに甘味料があります。添加物の甘味料と言えば、アスパルテームやキシリトール、ステビアなどが有名ではないでしょうか。
なぜサプリメントに人工の甘味料を使うのかというと、本来は砂糖を使っても構わないのですが、砂糖だとサプリメントが劣化しやすく保存がきかない為、人工甘味料を代わりに使用します。
アスパルテームは少量でものすごい甘みがありますが、カロリーがない事から近年ダイエット食品などに多く利用されています。
ガムなどに利用される事の多いキシリトールは、樹木からそのエキスを抽出して、さらにそれを加工して作られます。キシリトールは虫歯にならないという特徴から健康保健用食品にも多く用いられます。
そしてステビアですが、これはステビアという葉っぱから抽出できる成分です。多くの甘味料は砂糖の数百倍という甘さを持っていますが、ステビアも同様で砂糖と比べると300倍近い甘さがあります。
あとは、砂糖の6割程度しか甘さの無いソルビトールという甘味料もあります。ソルビトールは元の原材料がブドウ糖で、比較的天然に近い為、危険性が少なく安全とも言われています。和食などによく使用されます。
賦形剤
医薬品でもよく使用される添加物で、子供用サプリメントにも使われているのが賦形剤です。賦形剤はサプリメントにほぼ100%使用されているといっても間違いのない添加物になります。
なぜ賦形剤がすべてのサプリメントで使用されているかというと、賦形剤は錠剤タイプのサプリメントを形作る為に必要であったり、増量する為に用いられるからです。
また、賦形剤は味がないので、多く使用したとしてもサプリメントの味や成分になんら影響がないからです。
賦形剤の中身は何かというと、デンプンであったり乳糖などが主に使用されています。ただし、賦形剤はアレルギー反応を起こす可能性があるという話もあります。
とはいえ、賦形剤はサプリメントだけではなく医薬品にも使用されていますので、賦形剤がアレルギーを起こす可能性のある危険な添加物という事はあまり考えにくい状況です。
よってサプリメントに使用されている添加物の賦形剤も、安全性が高いものという認識でよいのではないでしょうか。
すべての添加物が悪いものという風に定義してしまうと、賦形剤が使われているサプリがほとんどなので、サプリ自体がダメという事になってしまいますが、医薬品にも使われているくらいなのでそういった風にはとらえなくて良いでしょう。
増粘剤
子供用に限らず、多くのサプリに使用されている添加物の一つに増粘剤があります。
添加物と聞くとやはり多くの方が抵抗感を示すと思いますが、すべての添加物が危険性があるという事ではなく、中には安全性が確認された上で使用されている添加物もありますので、まずはその添加物がどういったものなのかを知る必要があります。
まず増粘剤ですが、この添加物は賦形剤と同様にすべてのサプリで使用されている添加物となります。増粘剤がサプリメントに使用される際、どのような役割を果たすかというと、水に溶かして粘度を付けたりしてサプリの形を作るのに使用されます。
増粘剤はサプリの他にゼリー状のものを作るのに使用されたりします。一般的に使われている増粘剤は多くが天然由来のものとなりますので、人体への影響は少なく安全性が高いと言えます。
子供用サプリメントから増粘剤を必要以上に摂取してしまうという事は、サプリメントに一日の摂取目安量がある事から考えにくいです。
ですが、例えばおやつのゼリーや清涼飲料水にも増粘剤が使われていることがあるので、摂りすぎには注意が必要です。
光沢剤(コーティング剤)
子供用サプリメントに使われることがある添加物の光沢剤(コーティング剤)は、どんな時に利用されるのでしょうか。光沢剤の役割としては、食品が乾燥してしまうのを防止する働きや、反対に食品が湿気によって劣化してしまうのを保護してくれます。
光沢剤という名前の通り、食品をコーティングして光沢を持たせて、食品そのものを保護する形になります。光沢剤がよくつかわれる食品としては飴玉やチョコレート、果物などがあります。
そしてこの光沢剤の中には、樹脂やワックスが使用されているものや、植物性のものや動物性のものなどいくつかの種類があります。こうしてみると光沢剤はあまり体に良いとは思えないイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか。
よく天然由来の成分であれば害はないという話がありますが、添加物については天然由来であっても完全に危険性がない、安全だとは言い切れません。
一部のサプリに使用される添加物一覧
着色料
添加物の代表格ともいえる着色料は、非常に多くの食品に使用されています。子供用サプリメントなど様々なものに使用されていますが、やはりこの添加物も本来は必要のないものなので、危険なのではないかと言われていたりします。
そもそもなぜ着色料を食品に使用するかというと、料理は見た目も重要だからです。そこで、できるだけ見た目でおいしく見えるようにということで、着色料を使って見た目から食欲を増進させるのです。
しかし、見方を変えてみると、食品に人工的に色を付けくわえる事で本来の見た目をごまかしているとも取れますので、着色料は使う必要のない添加物とも言えます。
ちなみに着色料の使用については、日本では鮮魚や野菜や肉に使うことは禁止されています。
なぜ魚や野菜や肉に着色料を使えないのかというと、これらの生鮮食品に着色料を使ってしまうと、その品物が新鮮なのかそうでないのかを見分ける事ができなくなってしまうからです。
生鮮食品に着色料を使って鮮度の悪いものでも新鮮なものと誤解させるのは、消費者をだますことにつながります。
香料
子供用サプリメントや食品によく使われている香料という添加物は、文字通り食品などににおいを付ける添加物です。この香料という添加物には、人工的に作った合成香料というもの、そして天然由来の成分で作った天然香料の二種類があります。
基本的に添加物はできるだけ使わない方が良いといわれていますが、そんな添加物の中でも香料は比較的人体への危険性などが少なく安全なものだとも言われています。
ただし、香料でも何を元に作られているのか、細かいところまでは表示義務がないのでわかりにくく、ものによってはあまり望ましくない成分を使っているものもあるかもしれません。
現在、合成香料の為に使用が認められているのは2500品目あり、この中から必要な物質を多数組み合わせて目的の香りを作り出しています。
一方天然香料ですが、こちらは植物であったり動物から抽出した成分を元に作り出されます。こちらも合成香料と同じようにいくつかの成分を組み合わせて作られます。
ちなみに、天然香料に使用できる元となる物質ですが、天然香料基原物資リストというものがあって、そこにのっている合計612品目から選ばれることとなっています。
保存料
私たちが口にする食品に使われている添加物は、たびたび悪とされてきていますが、そんな多くの添加物の中でも最も人体に良くないのではないかと言われるのが保存料です。
保存料の入った食品ばかり食べていると、健康リスクが高まるので危険ではないかとも言われています。この保存料は、子供用サプリメントなどにも使用されることがありますので、安全なのか危険なのかはとても気になるところです。
まずそもそも保存料が使われる理由ですが、食品が腐ってしまうのを防ぐ為に使用されます。食品が本来鮮度を保っていられる期間は短いですが、保存料を使うことでその期間を伸ばすことが可能となります。
保存料が体に良くないといわれる理由はいろいろありますが、発がん性やその他人体に悪影響を及ぼす可能性があるからと言われています。では保存料は一切使わない方が良いかというと、そうでもありません。
保存料がなければ多くの食品が腐りやすい状態となってしまうので、今度は食中毒を引き起こすリスクが高まるのです。ですから、すべての保存料が悪いということではないのです。
子供用サプリの添加物に関する注意点
子供用サプリメントは、子供の成長をサポートしたり、足りなくなってしまっている栄養を補助する事が目的です。しかし、そうした子供用サプリメントの中に、もし体に危険といわれる添加物が使用されていたとしたらどうでしょう。
本来子供の健康の為に飲んでいるはずのサプリメントが健康を害してしまう恐れが出てきます。
ですから、子供用サプリメントを使用する場合には、そのサプリメントにどのような添加物が使用されていて、その添加物は子供の体に悪影響がないかどうか、安全に使用する事ができるのかを見極めなくてはなりません。
サプリに使用されている添加物は商品ごとに違いますので、大人がしっかりと注意をしなくてはならないのです。
複数のサプリを摂取する安全性は確保されていない
現在日本国内で販売されている子供用サプリメントには、各商品ごとにいろいろな添加物が使用されています。
商品ごとに使われている添加物は異なりますが、基本的には販売前にきちんとした基準を満たしている事が確認されてからの販売になりますので、安全な添加物しか使用されていません。
しかし、実は添加物というのは、ひとつの成分単体であれば問題がなく安全であっても、複数の添加物を一緒に摂取した場合には、問題が起きることがあるのです。
「あの成分も良い、この成分も良い、そっちの成分も」と、多種類
の成分を同時摂取することは一見体に良さそうに思いますが、「人へ
の作用が明らかにされていない物質を、複数の種類、自己判断で使用
する」ことになるので、注意が必要です。
ですから、サプリメントを複数同時に飲むという場合には、事前に添加物同士の組み合わせによって体に害がないか、危険な副作用が現れないかなどは確認しておく必要があります。
なぜこうしたことが起きるかというと、サプリメント単体での検査などは行われていて安全性が確認されていますが、複数のサプリメントを摂取した場合の安全性というものはチェックされていないからなのです。
海外では有害の可能性が示唆されている
いくつかのサプリメントを同時に摂取したとしたら、その安全性は確保されていないということを認識しておきましょう。
なぜなら、実際にいくつかのサプリメントを同時に摂取した場合に、それらに使われている添加物同士が体内で一緒になった際に、より大きな影響が人体に及ぼされることがわかっているからです。
例えばアメリカでは、ある二種類の添加物が混ざるとベンゼンという名前の、とても危険な発がん性物質に変わってしまうということが発見されています。
他には、イギリスでも同じように二種類の添加物によってベンゼンが発見されて大きな話題になりました。イギリスの場合はサプリメントではなく清涼飲料水に使われている添加物からでした。
添加物に関するQ＆A
食品であったり、子供用サプリメントに使われている添加物はすべてが人体に良くないという訳でもありません。
中にはサプリメントを作る為に必要な添加物があったり、品質を保つ為に必要となる添加物もあり、それらのおかげで安全が維持されている場合もあるのです。
しかし、中にはやはり危険な添加物もありますので、自分で見分けて自己防衛するしかありません。では、添加物を見分ける為にはどんなことに気を付ければよいのでしょうか。
天然だから安全なのか？人工だから危険？
食品に使われている添加物は、できれば使わない方が良い、健康リスクを伴う危険な成分であるという認識が強いと思います。確かに、不要な添加物は使用するべきではありませんし、中には安全性の確認できない危険な添加物があるのも事実です。
しかし、添加物すべてが悪いという事ではありません。添加物を見分ける際の方法として、天然添加物だから安全、人工添加物だから危険という判断は少し違います。
なぜかというと、天然の成分を使用した添加物すべてが安全とは言い切れないからです。天然の成分を利用した添加物の中には、例えば食品アレルギーを発症するものがあります。一方で合成の添加物でも健康に害はなく安全なものもあるのです。
こうしたことから、例えば子供用サプリメントを購入する場合は、「天然」か「合成」といった点だけで商品を選別するのではなく、その添加物がどんな影響を与えるのかをしっかりと確認する必要があります。
子供は避けるべき添加物はないの？
たくさんの添加物があるなかで、子供にはできるだけ与えないようにした方が良い添加物とはどのようなものがあるのでしょうか。
まず子供がよく口にするものとしては合成甘味料があります。子供は甘いものが好きなので、おやつや清涼飲料水を口にする事が多いかと思います。そうしたものには、合成甘味料が多く使われている場合があります。
合成甘味料は発がん性を高めたり肥満のリスクを伴います。また、保存料や酸化防止剤もよくつかわれていて、子供用サプリメントにも使用されていますが、これらも必要以上に摂取してしまわないようにした方が良いでしょう。
なぜなら、これらは発がん性があったり、保存料の毒性はとても強いので、体の小さな子供には少量でも与える影響が大きくなってしまうからです。
余計な添加物が含まれた身長サプリは避けよう
子供用サプリメントは、子供の栄養を補助する為に利用しますので決して悪いものではありません。むしろ、食事では摂取しきれず栄養不足になってしまう事を防ぐことができる便利なアイテムです。
しかし、だからといって何でもよい訳ではなく、特に添加物については子供への影響を考えて、危険がなく安全なものを選ぶ必要があります。
ただ、世の中的に添加物はすべて悪のような風潮がありますが、あまり気にしすぎてしまうのもよくありません。私達が口にするもので添加物が使われていないものは少ないですし、サプリメントに関しては添加物なしでは作れないからです。
重要なのは、不要な添加物が使われていないかという点と、摂取量に問題がないかという点です。必要最低限の添加物が使われているだけなら安全と言えますし、摂取する量が少なければ健康への影響も大きくなることはありません。
まとめ
子供に与えるサプリメントには、様々な添加物が使用されていることが成分表示などからわかります。添加物というと、体に良くないものというイメージが強いと思いますが、すべての添加物が健康に悪影響で使うべきではない、という事はありません。
そもそもサプリメントを作る為には必要な添加物があり、添加物なしでサプリメントを作るという事はできないからです。
ですから、そのサプリメントにどのような添加物が使われているのか、どんな効果や影響があるのかという事をしっかりと理解しておくことが重要となります。
いくつかのサプリメントを同時に飲んでいると、思わぬ影響が出る事がありますので、そのような点については事前に確認をしておいた方が良いでしょう。
子供は大人よりも体が小さい為、大人と同じ量の添加物を摂取した場合でも、体に与える影響は大きくなります。
知らず知らずのうちに大量の添加物を摂取してしまっているという事になれば、いずれ健康への悪影響が出てくる恐れもありますので、必要最低限の添加物に抑え、不要な添加物を使っているサプリメントなどは選ばないようにしましょう。
