子供の成長豆知識

要注意!成長期の『おすすめダイエット法』と『危険なダイエット法』

近年、子供の肥満が問題視されてきていることをご存知でしょうか。とくに女の子は美容に対して意識が高く、ダイエットを考える年齢が低年齢化してきています。

ただダイエットをすれば良いだけではなく、なかには子供の成長に必要な栄養素の不足を招き、健康に大きな影響を及ぼしてしまうものもあるのです。

そこで、今回は危険なダイエットと安全なダイエットについて解説していきます。

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子供の肥満度を確認しましょう!

ダイエットについて解説する前にお子さんは肥満かどうか、まずは確認してみましょう。子供は丸々としているので肥満だと思っていても意外と太っていないこともあります。

農林水産省の「肥満・やせの程度をチェック(6~14歳)」を参考に肥満度(%)を計算してみましょう。計算式は以下になります。

肥満度(%) = (実測体重-標準体重) ÷ 標準体重 × 100

±10%であれば標準的な肥満度となります。生後1年~6歳の幼児期は「+15%以上」になると肥満になります。

6歳~12歳の学童期以降は「+20~+30%で軽度の肥満」、「+30~50%で中等度の肥満」、「+50%以上で高度の肥満」になります。

子供の肥満とは大人の肥満と違って、その時の体重で判断してはいけません。

子供は成長をしていくものなので少し太っている、または痩せていても身長の伸び率に問題がなければダイエットをする必要はありません。

子供が肥満になってしまう原因とは?

なぜ、子供は簡単に太ってしまうのでしょうか。それはネットやゲームの普及、塾通いなどによって体を動かす子供が減ってきているからです。

また、コンビニの増加や食生活の変化を受けて偏った食事をとってしまうことも原因の一つだと考えられます。

実際に文部科学省が学校保健統計調査を行ったところ、肥満発生頻度が小学校入学時までは4%だったのに卒業間近の学童後期になると10%台にまで増加していることが分かりました。

つまり、小学校を卒業する頃には10人に1人が肥満になっているといえます。この数字は増加傾向にあるので、もしかしたらまだまだ割合が高くなるかもしれません。

6~12歳の学童期に肥満児の発生頻度は3~4倍にまで増加してきています。さらに、学童期の肥満の4割、思春期の肥満の7割が成人後も肥満状態が続いています。

肥満は成長に悪影響!

子供の肥満は成長に悪影響を及ぼしてしまいます。軽度の肥満であれば、成長とともに標準体型となっていくので問題ありませんが中等度、高度の肥満になると成長を止めてしまうのです。

成長するには成長ホルモンの分泌が大切ですが、肥満になってしまうと分泌量が低下してしまいます。

さらに肥満になると成長期を通常よりも早めに迎えてしまうため、予定よりも伸び率が小さくなってしまいます。最初は他の子に比べて体が大きくなりますが、将来的には他の子に抜かされてしまう可能性は十分にあります。

子供のときに肥満になると将来が大変なことに!

子供のときに肥満になってしまうと大人になったときに肥満になりやすくなります。肥満になると高血圧や糖尿病、動脈硬化など、生活習慣病のリスクを高めます。

高血圧や糖尿病、動脈硬化は大人しかならないイメージだと思いますが、子供も十分に発症する可能性はあるのです。

動脈硬化に関しては子供のときにすぐには現れませんが、子供の頃からゆっくりと進行していき、大人になった頃に動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中が現れます。

心筋梗塞や脳卒中は命にも関わることなので、できるかぎり肥満にはならないようにしましょう。

子供の成長にダイエットは悪影響?

現在、肥満の子供は増加してきています。そのせいかダイエットをする子供も増加してきています。特に体重などを意識する女の子に多く見られます。

美容のことを意識している女の子だと標準体型であっても「やせ願望」が強くなり、ダイエットをしようとします。

しかし、子供が無理なダイエットをすると栄養素が足りず、成長障害を引き起こすかもしれません。また、栄養素によってはカルシウムが不足するとなる骨が弱くなる骨粗鬆症などの病気もありえます。

特に女の子が無理なダイエットをすると、将来の出産や妊娠に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

無理なダイエットをするとホルモンバランスを崩してしまい、不妊症や生理不順の原因にもなるので十分に注意してください。

ダイエットで最も避けたいのが摂食障害になることです。摂食障害は治療がとても難しい病気のため、気をつけなければいけません。

無理なダイエットによる「摂食障害」とは?

無理なダイエットによって引き起こる摂食障害には「拒食症」と「過食症」の2つがあります。どちらも文字通り、食べなくなる病気と食べ過ぎてしまう病気です。

拒食症になると食事量が極端に減ってしまい、体重が軽くなる、生理がこなくなるといった症状が現れます。

反対の過食症になると、食べ始めると止まらなくなるなり、嘔吐をくり返したりします。人によってたくさん食べるものは違うのですが、甘いものや脂肪分など太りそうなもの以外をたくさん食べたりすることもあるとのこと。

この病気は「やせたい願望」からきているものなので、本人はなかなか治療をしようとしません。そのまま治療しないでいると栄養不足から死に至ることもあります。

やってはいけない危険なダイエットとは?

世の中にはたくさんのダイエット方法があります。糖分を抜いたダイエットや朝にバナナ一本だけ食べるダイエットなど様々です。

様々な方法があるダイエットには、やってはいけないこともあります。そのやってはいけないことは以下になります。(参考サイト:農林水産省「正しいダイエットとは?」)

  • 特定の栄養素・食品をとらない
  • 〇〇を食べると痩せられる
  • 運動量を増やさないで、食事量を減らす
  • 薬を使う

特定の栄養素・食品をとらない

特定の栄養素・食品をとらないで有名なのが「低炭水化物ダイエット」です。みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

このダイエットはそのまま炭水化物の摂取量を減らすダイエットになります。確かに炭水化物は摂りすぎると肥満につながりますが、健康のためには大切な栄養素です。

炭水化物は脳や体のエネルギーとなるので、成長のためには欠かすことができません。不足すると健康を害してしまうかもしれません。

これは炭水化物以外の栄養素にもいえます。そのため、特定の栄養素・食品を食べないというダイエットをやってはいけません。

〇〇を食べると痩せられる

ネットやテレビを見ていると、ダイエット法の紹介で「〇〇を食べると脂肪燃焼効果がある」というような話を見かけたことがあると思います。

特定の食品を食べることによって痩せられるということは、ほとんどありません。また、ダイエットのために、いつもと違う調理方法で作って食べると思わぬことが起きる可能性があります。

例えば、本来なら加熱して食べなくてはいけないものを、ダイエットのために生のまま食べたりすると嘔吐や下痢を起こす原因になります。

そのため、特定の食品でのダイエットはやめておきましょう。

運動量を増やさないで、食事量を減らす

運動量を増やさないで食事量を減らしていくと筋肉も一緒に落ちていきます。そうすると一度体重が落ちても、リバウンドしたときに脂肪が増えて、前回よりも体重が増えてしまいます。

また、筋肉が減ると基礎代謝も落ちていきます。代謝は脂肪燃焼などに大きく関わり、余計に脂肪が燃えにくく、体重が落ちなくなります。

ただ、無理な運動はやめましょう。成長期に無理な運動をすると骨に余計な負担がかかって成長の邪魔をしてしまいます。

そのため、無理のない適度な運動をすることを心がけてください。

薬を使う

子供のダイエットに薬を使う親はほとんどいないと思うのですが、注意点があります。

下剤などの薬を用途と違った使い方をすると健康に悪影響を与えてしまうかもしれません。また、薬の副作用のこともあるのでダイエットに薬は使わないようにしましょう。

成長期におすすめのダイエット法とは?

子供のダイエットによる危険性について説明をしてきましたが、一切ダイエットをしてはいけないわけではありません。

軽度の肥満であればダイエットをする必要はありませんが、中等度、高度になると成長だけではなく、将来的にも健康に悪いのでダイエットはするべきです。

できるかぎり負担のないおすすめのダイエットは以下になります

  • 食べ過ぎ・飲みすぎに注意
  • 脂肪分・甘いものは控える
  • 1日3食、夕食は軽めにする
  • 適度な運動を行う

食べ過ぎ・飲みすぎに注意

まずは、ダイエットを始める前に確認すべきなのが「食べ過ぎていないか」「飲みすぎていないか」です。

お子さんが1日に必要としているエネルギーの必要量と普段食べている食事のエネルギー量を比べてみましょう。食べ過ぎているのであれば減らしてあげましょう。

もし、お昼に食べ過ぎたなと思えば、夕飯の量を調節するなど必要エネルギー量をあわせてあげるといいでしょう。

脂肪分・甘いものは控える

自販機やコンビニなどの増加によってお菓子やジュースなどが簡単に手に入りますが、ダイエットのためにも脂肪分と甘いものは控えないといけません。

脂肪分・甘いものを控えて、代わりに色々な食品を食べることによって必要な栄養素を満たしつつ、エネルギーのとりすぎも抑えます。

1日3食夕食は軽めにする

ダイエットの中には1日3食の内1食を抜くダイエットがありますが、それは反対に体重を増加させてしまいます。

1食抜くと体は食べたときに不足した分を補うために、いつもより吸収しようとします。その結果、体重が増加することがあります。

1日3食はきっちりと食べますが、夕食をたくさん食べてしまうのであれば少し減らしましょう。減らしすぎると栄養不足になるかもしれないので、減らしすぎないようにしましょう。

適度な運動を行う

ダイエットをするときはできるかぎり運動を行うようにしましょう。子供は家の距離にもよるのですが通学路と授業の体育で運動をしています。

しかし、それでも運動が足りていないように思えるなら、負担の少ない散歩やウォーキングをするようにしましょう。

散歩に行くのが不安であれば、腕立て伏せや腹筋などの筋力トレーニングを行うことをおすすめします。

ダイエットをすると身長が伸びた?

「ダイエットをしたら身長が伸びた!」という噂を聞いたことがあると思います。ダイエットをして身長が伸びたという研究結果は出ていないので、ダイエットをしても身長は伸びません。

なぜ、伸びたのかというと色々なことが考えられますが、一番は「姿勢が改善」されたからだと思います。

太っている方を想像してもらうと分かりやすいのですが、脂肪によって体が曲がり猫背のようになります。

ダイエットをすることによって、この姿勢が改善され身長が伸びたように感じるのです。そのため、身長が伸びたというよりも本来の身長になったといえるのです。

それ以外に考えられるのが子供だとダイエットをしたときにちょうど成長期が重なったことも考えられます。

痩せたと同時に成長することでダイエットをしたら身長が伸びたと勘違いをしたのかもしれません。

ダイエットをしたからといって身長が伸びるわけではありませんが、肥満から標準にすることで伸びやすい体にはなります。

また、標準の体型になることで体の表情といわれる姿勢も改善できます。そのため、ダイエットは無駄ではありません。なによりも肥満のときより健康に近づきます。

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お子さんのダイエットには親も協力しよう!

ダイエット方法でやってはいけない注意点など解説してきましたが、何よりも大事なのが「親の協力」です。

親の協力があるかないかで、子供のダイエットは大きく変わってきます。まず、ダイエットで子供は無茶をしていないか監視しましょう。

子供によっては痩せるために給食を全く食べないなど食事を一切摂らない極端なことをしてしまう可能性があります。

また、食事だけではなく運動も体に大きく負担がかかる運動をしてしまうかもしれません。そのため、ダイエットをするときは親がコントロールする必要があります。

ダイエットを始めたときに親も一緒に始めると子供も長続きします。お子さんが長続きしないタイプなら一緒に始めてみるといいですよ。

まとめ

子供のダイエットはとても難しいものです。特にお子さんが女の子だと標準体型であっても痩せ願望があると思います。

その場合はきちんと痩せてしまうとどうなるのかきちんと説明をして納得させてあげてください。

軽度の肥満であれば成長とともに標準になるかもしれないので、無理にダイエットをする必要はありませんが、中等度、高度の肥満になると健康のためにもダイエッ
トをする必要があります。

ダイエットをするときは短期で痩せようとはしてはいけません。無理に痩せようとすると「摂食障害」になる危険性もあります。

子供の成長は限られた時間なので焦るかもしれませんが、急ぐと危険性も出てくるので長期的にダイエットをしましょう。