子供が心身ともに十分に成長するには実に多くの栄養素をバランスよく摂取しなければいけませんが、その内の一つがビタミンB6です。
ビタミンB6の体内での働きは多岐にわたっており、成長期において最も重要といえるのはタンパク質の摂取に関与していることといってよいでしょう。
ビタミンB6の摂取量が長期にわたって不足してしまうと、せっかくの成長期に身長を十分に伸ばすことができなくなってしまう可能性があります。ここでは、ビタミンB6を豊富に含む食品とその食材を使ったレシピをご紹介します。
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どのような食品にビタミンB6は多く含まれるのか？
ビタミンB6は水溶性ビタミンのひとつで、さまざまな食品に天然に含まれています。食品の中で特に豊富に含まれているものというと、とりのささみや肝臓(レバー)に代表される肉類、まぐろやかつおなどの魚類などがあります。
その他には、にんにくやバナナといった食品が挙げられるでしょう。また、ビタミンB6は腸内細菌の働きによって体内でも生成することができます。
脳の発達や免疫機能にも深く関わっているので、成長期には特に不足することのないようしっかりと摂取しておきたい栄養素といえます。
さらには、タンパク質からエネルギーを生み出すのに欠かすことのできない栄養素でもあり、筋肉や血液を作るという働きもあります。
このことから、ビタミンB6は多くの食品に含まれるのですが、体づくりのためにサプリメントなどでタンパク質を多く摂取している人などは合わせてビタミンB6も摂取すると効果的です。
身長を伸ばすタンパク質に関与するビタミンB6
前述したように、ビタミンB6はタンパク質からエネルギーを生み出す働きがあります。また、タンパク質は骨の材料となるコラーゲンを作り出すことができるので、身長を伸ばしたいと考えるなら、ビタミンB6は十分に摂っておく必要があります。
何故なら、ビタミンB6は体内に取り込まれたタンパク質を分解して吸収できるアミノ酸に変える働きがあるので、ビタミンB6が不足すればせっかく摂ったタンパク質が有効に活用されなくなってしまうからです。
身長を伸ばすというとカルシウムが重要だといわれることがありますが、カルシウムは骨を伸ばすというより骨を丈夫にするのがメインです。
骨の半分以上はカルシウムでできてはいるものの、骨の材料となって骨を伸ばすのはコラーゲンなのです。
しかし、コラーゲンそのものを食べても体内に入れば分解されてしまうため、その材料であるタンパク質を摂る方が効果的というわけです。
また、身長を伸ばすだけではなく、丈夫な体を作るという意味でも、タンパク質とビタミンB6はセットで摂取するようにすると良いでしょう。タンパク質をたっぷりと含む肉類などが好きな子供であれば、ビタミンB6もその分たくさん必要となります。
成長期の子供は積極的に摂取したい
このように、ビタミンB6は身長を伸ばすことはもちろん、体の成長には必要不可欠といって良い栄養素です。1日の摂取量としては、小児9～13歳であれば1.0mg、14～18歳の男子であれば1.3mg、女子であれば1.2mgを目安に摂るようにしましょう。
また、ビタミンB6は水溶性ビタミンであるため、体内に溜めておくことができません。とはいえ、前述のようにさまざまな食品に含まれていることから摂取しづらいということはないので、1日3回の食事でしっかりと摂取するようにしたいものです。
しかしながら、十数種類あるビタミンB群はまとまって働くという性質を持っており、1つが欠けても働きが十分ではなくなるため、すべてのビタミンBをまんべんなく摂ることも必要です。
ビタミンB6を多く含んだ食品一覧
動物は植物を食べる草食動物と動物を食べる肉食動物とに分けられますが、人間はそのいずれも食する動物です。そして、ビタミンB6は前述のように天然のものに幅広く存在している栄養であり、植物性食品と動物性食品との両方に含まれています。
ビタミンB6が含まれる植物性食品は、にんにくやピスタチオ、ヒマワリの種子、バナナなど柑橘系以外のフルーツの他、デンプン質を含むジャガイモなどが挙げられます。
また、ビタミンB6が含まれる動物性食品には、とりのささみや肝臓(レバー)、まぐろやかつおなどの魚類が挙げられます。十分な成長に欠かせないビタミンB6が不足することのないよう、さまざまな食品を食べるようにしましょう。
ビタミンB6は動物性食品の方が生体利用率が高い
このように、ビタミンB6は植物性食品にも動物性食品にも含まれているのですが、両者には大きな違いがあります。それは、体内に取り込まれたあとどのくらい利用されるかを示した生体利用率です。
ビタミンB6は，動物性食品にも植物性食品にも広く存在しますが，植物性食品の多くに含まれるピリドキシンの糖誘導体は，生体利用率が低いことが判明しているので動物性食品からの供給が効果的です。
生体利用率という点からいえば動物性食品の方が勝っているので、植物性食品よりも動物性食品を摂取した方が効率的に身長を伸ばすことができます。
とはいえ、前述したようにビタミンB群はまんべんなく摂らなければ体内で十分に働いてくれないので、いろいろな食べものを食べるようにすることも大切になってきます。
とり(ささみ)
とり肉は栄養も豊富な上に、他の肉よりも値段が安いとあって食べ盛りの子供には最適な食材といえます。部位によって栄養素は異なりますがビタミンB6が含まれているのはささみで、100g中0.66mgという含有率です。
ささみにはアミノ酸バランスも良く消化吸収にも優れた良質のタンパク質も含まれているので、成長期には是非取り入れたい食材といってよいでしょう。
とり肉の脂肪分はつい取り除きたくなるものですが、ささみにはほとんど脂肪分が含まれないため、高たんぱく・低脂肪という理想的な肉類ということができます。
とり(肝臓)
レバー(肝臓)といえば、レバニラ炒めなどパワーを補給したい時の食べものとして人気があるのではないでしょうか。とりの場合、豚や牛と比べて栄養価は高いのにカロリーが低いという特徴があります。
ビタミンB6も100g中0.65mg含まれていますが、特に豊富な栄養素というと鉄とビタミンAです。鉄分は吸収しづらい特徴がありますが、とり(肝臓)に含まれているのは吸収率の高いヘム鉄です。
大豆などに含まれているのは非ヘム鉄で、その吸収率は10％足らずというかなり低いものもありますが、とり(肝臓)のヘム鉄は90％の吸収率を誇っています。
まぐろ
まぐろの最高級品といわれるくろまぐろにも、100g中0.85mgのビタミンB6が含まれています。しかし、成長期の子供にとってうれしいのはそれだけではありません。
まぐろには、脳の働きに重要なオメガ3も豊富に含まれているので、受験勉強を頑張る子供には是非摂らせたい食材の一つです。
まぐろには、サプリメントでも人気のDHA（ドコサヘキサエン酸）やEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれています。この2つの成分がオメガ3と呼ばれる不飽和脂肪酸で、特にDHAは速やかな情報の伝達に重要な働きをしています。
にんにく
滋養強壮の代表ともいえるにんにくには、100g中1.53mgものビタミンB6が含まれています。部活を頑張っている子供に食べさせれば、速やかな疲労回復が望めるでしょう。
にんにくには特有の強いニオイがあることが特徴ですが、このニオイの正体は硫化アリルの一種でアリシンと呼ばれる物質です。
このニオイこそが疲労回復や滋養強壮に効果を発揮するもとであり、免疫力を高めたり冷え性を改善したりと、とても多くの健康効果が期待できます。
バナナ
バナナは果物の中でも甘い方なので太るイメージがありますが、その他の栄養も豊富で成長期に摂りたい食べものの一つです。
いろいろな糖質が含まれていることから体内での吸収時間が異なるため、長時間エネルギーの元となって活躍してくれるでしょう。ビタミンB6も、中くらいのバナナ1本（100g）に0.38mg含まれています。
ビタミンB6の他には、塩分を排せつする働きのあるカリウムや疲労回復に効果的なビタミンCなどが含まれています。また、精神のバランスを保つのに必要不可欠なマグネシウムやリラックス効果が高いセロトニンも含まれています。
ビタミンB6を多く含んだおすすめ料理一覧
このようにさまざまな食材にビタミンB6が含まれているので、子供の健やかな成長のために毎日の食卓に上手に取り入れるようにするとよいでしょう。子供の多くが好き嫌いがあるものですが、そのような場合は食材は限られてしまうものです。
しかし、調理法を少し工夫することで子供は意外とすんなり食べてくれることもよくあります。
バナナなどはおやつ代わりに食べるのも良いですし、子供が喜んで食べられるようなレシピをうまく組み込むことがビタミンB6を摂取するコツです。
とり(ささみ)を使った料理
子供は肉団子などが大好きなので、ささみを使った鶏だんご鍋などもおすすめです。スープには、やさしい味わいのささみを引き立てるようなまろやかな豆乳などはいかがでしょうか。
材料は、冷蔵庫の残りものを処分するのに鍋は最適なので、足りないものを追加で購入するようにすると経済的です。白菜やネギ、人参、きのこ類、豆腐、しらたきなど、定番の材料を揃えましょう。
調理方法
とり団子には、1人分ささみ2本を目安とし、ネギ5センチ分としょうが1/3かけをみじん切り、卵白1/3個分、豆腐30gを用意します。すべてをフードプロセッサーにいれ、酒・味噌・しょうゆ・ごま油・片栗粉を各小さじ1/2も入れて混ぜ合わせます。
鍋に、鶏ガラスープ200mlと味噌大さじ3/4、酒・みりん・すりごま各大さじ1/2を入れて火にかけ、用意した材料を固いものから順に入れて最後にとり団子を一口大にスプーンで入れ、豆乳100mlを加えてひと煮立ちさせれば出来上がりです。
とり(肝臓)を使った料理
とり(肝臓)は独特の臭みがあることから子供には不人気ですが、その栄養価の高さから、成長期の子供には是非とも食べさせたい食材といえます。
きちんと下処理をすることで臭いは解決できますし、味付けは子供の大好きな甘い焼肉のタレを使うと良いでしょう。
調理方法
下処理で、肝臓を一口大に切りながら白い塊の心臓と黄色い脂、血管をきれいに取り除きます。心臓は包丁で削ぎ落とすようにすると上手くいきます。その後、流水か塩水でも良いのですが、できれば氷水で良く洗うと効果的です。
ボールに氷水と肝臓を入れて、流水をかけながら血管などが残っていないかチェックしましょう。その後さらに牛乳に30分～1時間程度漬けておくと臭みが気にならなくなるはずです。
終わったらキッチンペーパーで水気を拭き取り、片栗粉を全体にまぶしておきます。フライパンを熱してにごま油を入れ、こんがりと肝臓の両面を焼いて中まで火が通ったら焼肉のタレを入れて強火で絡ませましょう。
まぐろを使った料理
まぐろは何といっても新鮮なところをお寿司やお刺身でいただきたいものです。脳の働きを良くするオメガ3などは、加熱すると効果が半減してしまうので、生でいただくのが一番です。
同じ魚からとれるトロに比べるとカロリーも低い赤身の部分であれば、体重が気になる女の子でも食べさせやすいといえます。また、子供好みに少し甘めなカルパッチョにしてみるのもおすすめです。
調理方法
まぐろの頭の部分はカマと呼ばれますが、この部分は塩コショウをして焼いたり大根と煮たりするのも美味しい調理法です。煮物にした時には、煮汁に栄養素が流れ出ているので一緒に食べるようにします。
もしもたっぷりとまぐろが手に入ったら、出来るだけ新鮮なうちに生でいただき、残った分はしょうゆに漬けておいて翌日には食べきってしまいましょう。
市場に出回っているまぐろのほとんどは瞬間冷凍されたものなので、ぬるま湯に塩とともに数分浸して洗い流した後に、キッチンペーパーで水分をふき取ってから冷蔵庫で解凍します。
にんにくを使った料理
にんにくは隠し味としてさまざまな料理に気軽に使うことができる食材です。同じメニューでも、にんにくをほんの一かけ使うだけで驚くほど風味が増すことがあります。
生のにんにくを買ってきたら、みじん切りやスライスなどにし、油と一緒にフライパンで加熱することで、油に香ばしい香りをつけることができます。また、子供の好きなラーメンにはすりおろしたものを少量加えると良いでしょう。
調理方法
にんにくは豚肉との相性が良いので、餃子の具材として一緒に使うのも定番です。豚肉と組み合わせれば、夏バテした体の回復にも効果を発揮してくれるはずです。
また、ご飯が残った時には、ありあわせの野菜や豚肉などと一緒ににんにくを使ってフライパンで炒めれば、子供にも人気のガーリックライスが簡単にできます。
他にも、しょうゆに漬けこんで漬物にしたり、丸ごと揚げたりとさまざまな美味しい食べ方があります。
バナナキャロット豆乳スムージー
バナナはそのまま食べても美味しいのですが、いろいろな栄養素をより効果的に吸収ためにおすすめなのがバナナキャロット豆乳スムージーです。
身長が十分に伸びるにはタンパク質の摂取が不可欠ですが、バナナに含まれるビタミンB6はその吸収率を高める働きがあります。
そのため、タンパク質が豊富に含まれている豆乳との組み合わせは理想的なレシピといえます。運動した後に飲めばより効果を高めることができるでしょう。
調理方法
材料は、中くらいのバナナ1本とニンジン70g、豆乳70cc、レモン汁小さじ１杯です。
バナナを2センチ程度の輪切りにし、ニンジンは2センチ程度の半月切りにしたら、すべての材料をブレンダーにかければ出来上がりです。仕上げにミントをトッピングしてもよいでしょう。
砂糖は一切使っていませんが、バナナの自然な甘みによって驚くほど美味しいスムージーが出来上がります。甘さはしっかりあるのにカロリーは１杯141kcalと低カロリーなこともポイントです。
栄養満点の料理が作れない方は子供用サプリの活用を
人生で唯一身長が伸びるのが成長期です。この時期に、バランスの取れた栄養をしっかり摂らせてあげたいと親であれば誰しもが考えるところでしょう。
とはいえ、毎日一つ一つの栄養素が十分であるかどうかをチェックするのはとても大変なことです。まして、お母さんだからといって料理が得意な方ばかりではないのもまた当然のことでしょう。
そんな時に役立てたいのが子供用のサプリメントです。
足りない栄養素や身長を伸ばすために補充したい栄養素があるのなら、サプリメントを活用しないという手はないのではないでしょうか。
また、女の子などは体重が気になるあまり無理なダイエットをしてしまうことがよくあります。そのような場合に十分に気を付けなければならないのがビタミン欠乏症です。
大人でもその心配があるのですが、成長期という重要な時期にビタミンが欠乏してしまうのは何としても避けたいところです。
ビタミンB群が含まれたマルチビタミンの子供用サプリがおすすめ
サプリメントといっても最近では実にさまざまなタイプのものが出回っているので、どれが良いか選べないという方もいることでしょう。そこでおすすめなのは、マルチビタミンの子供用サプリメントです。
前述したビタミン欠乏症を防ぐためにも、ビタミン類が網羅されているマルチビタミンサプリを摂るのはとても良いことです。
また、バランスの良い食事を摂っていてビタミンB群に不足はないと思っても、さまざまな事情から結果的に不足してしまうことは珍しくありません。
現代に生きる私たちはストレスと無縁でいることは不可能ともいえますが、それは子供も同じです。そして、過度なストレスを受ければ、ビタミンB群はどんどん消費されていってしまいます。
他にも、持病で抗生物質を服用している場合には、体内で生成されるビタミンの量が少なくなってしまうこともあります。
しかし、それ以前に、医薬品を飲んでいる場合にはお医者さまに相談してからサプリメントを飲むようにしましょう。医薬品の種類によっては、サプリメントと併用することで効果が変わってしまうことがあるからです。
まとめ
人の身長は、その人の人生において想像以上に重要なウェイトを占めることがよくあります。例えば、身長が高い人ほど高い収入を得られる職に就くことができるという結果が出た調査はひとつだけではありません。
アメリカの研究では、身長が1センチ高くなるごとに年収は9万5000円程度も高くなるという結果が出ているほどです。
成長期に身長を伸ばしてあげるのが大切
非常に重要な意味を持つこともある身長ですが、残念ながら大人になってから身長を伸ばすことはできません。長い人生の中でも、成長期といわれる時期にしか身長は伸びることがないのです。
そして、子供の身長を十分に伸ばしてあげられるかどうかは、成長期といわれる時期に必要な栄養素をどれだけ摂取できるかにかかっているといっても過言ではありません。
このようなことから、さまざまな事情で十分な栄養が摂れない場合には、子供用サプリメントでサポートしてあげるのがおすすめなのです。3度の食事をできるだけバランスの良いものに整えてサプリメントを利用しましょう。
