子供が小食だとせっかく作った料理がもったいないですし、何よりも健康面で心配ですよね。子供にとって食事は健康だけではなく、成長のためにも必要なことです。
成長のためとはいえ、無理矢理食べさせようとすると子供も親もストレスとなってイライラしてしまいます。
そこで、今回は子供の小食を改善するためにも原因から改善方法、栄養不足の怖さについて解説をしていきます。
子供の食の状況を確認
みなさんが悩んでいる小食は全国でどれくらいいるのか気になる方もいるでしょう。厚生労働省が「現在子どもの食事で困っていること」について調査をすると5歳以上の小食は17.2%と高い数値がでています。
昭和60年の調査では18.8%、平成7年には17.9%、平成17年には14.9%と小食の子供は減ってきていたのですが、近年小食の子供は増加してきているのです。
ただ、小食の子供が増加していると言っても、そもそもどこからが小食なのか分からない方もいると思います。正直あいまいな部分だと思うので分からない方のほうが多いでしょう。
小食かどうか判断するのに大切なのが「エネルギー(kcal)」です。子供の一日の食事が厚生労働省の摂取基準を満たせていない場合は小食だといえます。
しかし、「子供の食事にどれだけのカロリーがあるのか」把握できている方は少ないでしょう。レシピを参考に作っている方は把握しているかもしれませんが、それでも多くはないと思います。
そこで厚生労働省が推奨している摂取量と普段の食事のカロリーがどれだけあるのか書いていきます。摂取量を知ることで子供の食事と比較することができ、小食の対策をより細かくすることができるのです。
子供が必要なカロリー摂取量をチェック!
厚生労働省が定めている推奨摂取量は身体活動レベルによって変化をします。お子さんの生活状況と照らし合わせながら確認してください。
- レベル1:一日の大半を座って過ごす
- レベル2:基本座っているが、通学や家事のお手伝い、軽くスポーツをする
- レベル3:ほとんど立って過ごしている。またはスポーツで活発に運動をする
ほとんどの子供は体育の授業と通学があるため、レベル1になることはありません。多くがレベル2にといわれています。
学校が終わってから地元のスポーツチームで運動をしているお子さんは念のためレベル3として見たほうがいいでしょう。
では必要なカロリーを確認していってみましょう。
男の子の必要カロリー
年齢 | レベル1 | レベル2 | レベル3 |
---|---|---|---|
6歳~7歳 | 1350 | 1550 | 1750 |
8歳~9歳 | 1600 | 1850 | 2100 |
10歳~11歳 | 1950 | 2250 | 2500 |
12歳~14歳 | 2300 | 2600 | 2900 |
15歳~17歳 | 2500 | 2850 | 3150 |
女の子の必要カロリー
年齢 | レベル1 | レベル2 | レベル3 |
---|---|---|---|
6歳~7歳 | 1250 | 1450 | 1650 |
8歳~9歳 | 1500 | 1700 | 1900 |
10歳~11歳 | 1850 | 2100 | 2350 |
12歳~14歳 | 2150 | 2400 | 2700 |
15歳~17歳 | 2050 | 2300 | 2550 |
(参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 」)
普段の料理のカロリーの計算におすすめ!
食事でどれだけのカロリーが摂れているのか完璧に把握している方は多くはないでしょう。そこで利用してほしいのが「カロリー計算」です。
「カロリー 計算」と調べると料理のカロリーを知ることができるサイトがたくさんでてきます。例えばパナソニックがやっているサイト「ダイエットカロリー計算」だと料理のジャンル別から飲み物やお菓子まで知ることができます。
料理の作り方や材料、量によってカロリーは細かく違ってきますが、ある程度参考になるはずです。食材ごとにカロリーを知りたい方は文部科学省がやっている「食品成分データベース」がおすすめです。
小食の原因はなに?改善方法も一緒に解説!
子供の食の状況を確認したところで、次に原因です。小食とは理由があって小食になるものです。原因不明の小食はほとんどありません。
小食になるには以下の原因が考えられます。一つ一つ改善方法も解説していきます。
- 運動不足または運動のしすぎ
- 夕飯を食べているとき眠そうにしている
- お菓子やデザートなどのおやつを食べすぎている
- 牛乳の飲みすぎ
- 子供の好き嫌いに気を使いすぎている
- 食事中にテレビなどで気が散っている
- 親や兄弟が早食い
- 便秘または排便の時間が不規則
- お腹が空いているときに、ご飯がでない
- 虫歯などの病気になっている
運動不足または運動のしすぎ
運動不足になるとエネルギーを消費できないため食欲が低下していきます。反対に運動をしすぎると疲れが食欲を上回り、食べられなくなってしまいます。
運動不足も運動のしすぎも適度な運動に切り替えるといいでしょう。運動が苦手な子供は部屋でストレッチや筋トレをしましょう。
適度な運動を行うことによって食欲を改善することができます。
夕飯を食べているとき眠そうにしている
夕飯のときに眠くなるのは低年齢の子供によく見られます。夕飯の時間が遅いと睡眠が勝って食欲が失せてしまいます。
夜の7時にご飯を食べているなら6時から食べるようにするなど、食事の時間の見直しましょう。仕事でどうしようもない場合は軽くおにぎりなどを食べるといいでしょう。
お菓子やデザートなどのおやつを食べすぎている
お菓子やデザートなどのおやつを食べすぎると消化しないまま夕飯を迎えてしまい、ご飯が全く食べられなくなることがあります。
お菓子やデザートは1日200kcal以内で済ませるようにしましょう。ポテトチップスだと半分で200kcalになります。
お子さんの成長を考えるなら果物やおにぎりなどの軽食がおすすめです。桃一個でおよそ50kcalなので満足感もあります。
牛乳の飲みすぎ
牛乳は成長のために必要なカルシウムをたくさん含んでいますが、飲みすぎると満腹感をもたらします。
牛乳を飲むタイミングは寝る前にするなど夕飯に近いときに飲むのはやめましょう。夕飯は麦茶を飲みましょう。
子供の好き嫌いに気を使いすぎている
子供の好き嫌いを治したいがために、嫌いなものをたくさん出すと、食欲がなくなってしまい、小食になってしまいます。
ある程度の好き嫌いは改善されていくので、無理に嫌いなものを食べさせるのはやめましょう。他の食品で栄養を補うといいでしょう。
少しずつ嫌いなものを克服するように練習していくといいでしょう。
食事中にテレビなどで気が散っている
食事中にテレビやゲームなどに気をとられて食事が全く進まず、そのままごちそうさまをすることもあります。
食事中はテレビを消して集中して食べるようにしましょう。「テレビはご飯をすべて食べてから」といった約束をするといいでしょう。このとき早食いには注意してください。
親や兄弟が早食い
親や兄弟が早食いだと、自分もペースに合わせようとして食べ切れないことがあります。
家族みんなでゆっくりと食べることを心がけましょう。お子さん以外食べ終わっても待っててあげることも大事です。
ゆっくりと食べることでコミュニケーションをとることもできるのでおすすめです。
便秘または排便の時間が不規則
便秘などによって便通が悪くなると腸の働きが弱くなります。規則正しい便通でないと食欲にムラがでてきます。
決まった時間に排便ができるように、声をかけるなどの工夫をしましょう。
お腹が空いているときに、ご飯がでない
もっともお腹が空いたときにご飯がでないと、後になると食欲が少し収まることがあります。
おにぎりやサンドウィッチなど、簡単に食べることができるものを用意しておくといいでしょう。特に学校の後に塾やスポーツに通っているお子さんは終わってすぐに補給できるのでおすすめです。
虫歯や病気になっている
虫歯や病気が原因で小食になっているかもしれません。とくに虫歯だと歯医者が怖くて言い出せないこともあります。
虫歯になっていないか定期的に確認をしたり、体調は悪くないか確認をして、何かあれば病院で診てもらいましょう。
小食による子供への成長の影響は?
子供が小食で栄養不良になると男女で共通して成長に悪影響を及ぼし、病気に対して免疫力が低下します。そのため、風邪やインフルエンザなどの感染症に感染しやすくなります。
身体面でも栄養を不足することによって筋肉がつかないため、運動や肉体労働が困難になります。また、脳にまで栄養が行き届かなくなるため、学習能力も低下します。
年齢が低ければ低いほど栄養不良は身体と精神の成長を止めてしまいます。この栄養不良は学校の成績にも影響を及ぼしてしまうので、将来大人になってから収入が低下することが多いと言われています。
女の子が栄養不良で大人になると、妊娠したときに赤ちゃんに栄養が取られてしまうため危険な状態に陥ります。また、出産できたとしても母乳で育児をすることも難しくなってしまいます。
(参照:国連WFP「栄養不良とは」)
おやつで栄養補給をしてみる
おやつというとお菓子を食べるイメージだと思いますが、実は子供の時は足りない栄養を補給するためのものなんです。
また、上手に摂ることができれば夜遅くにお腹が空くということも防ぐことができます。「おやつは体に悪いからダメ」と考える方がいますが、うまくおやつを使えば、子供の成長をサポートすることができます。
おやつを食べるときはおにぎりやサンドウィッチ、バナナなどの果物、身長サプリなど簡単に食べることができるものがおすすめです。
まとめ
以上、子供の小食について解説をしました。小食の原因は色々なことが考えられるので、お子さんの食欲を下げている原因を見つけないといけません。
小食のままでいると成長に悪影響を及ぼす可能性があります。また、そのまま大人になると運動能力や学習能力にも影響を及ぼします。
女の子だと妊娠にも関わってきます。今後のことを考えると小食は絶対に直しておくべきです。普段のカロリーを計算して足りない分をおやつで補ってみてはいかがでしょうか。