子供の成長を応援する商品として販売されている「身長サプリ」。親として子供の成長は出来るかぎり応援してあげたいものですよね。
しかし、子供の成長のために飲ませる身長サプリに副作用があるなら、とても心配で飲ますことなんてできませんよね。ましてや病気や障害が発生すると一生後悔するでしょう。
そこで、今回は身長サプリを飲むと副作用は起きるのか、気をつけるべき注意点について解説していこうと思います。ぜひ、身長サプリ選びの参考にしてください。
そもそも副作用ってなに?
副作用とは「何かを目的とした主作用に対して、望んでいない作用」のことをいいます。医薬品だと「望ましくない薬の作用」として使われます。
「望ましくない薬の作用」でしょうか。教科書的には広義の副作用は「主作用でない作用(すなわち主作用には関連のない薬理作用)」であり,これは必ずしも望ましくない作用ではありません。
望んでいない作用とは、たとえば風邪薬だと「熱を下げる・咳を止める・鼻水を止める」などが主作用で、「眠くなる・お腹の調子が悪くなる」などが望んでいない作用。つまり、副作用になります。
ただ、主作用以外の作用が出たとしても、人によって問題がなければ副作用とは呼ばれないこともあります。
副作用は薬理学的にもとづくと一般的に飲む量に依存した反応で、飲むのやめるか量を減らすことで副作用を回避するか軽減できるのがほとんどです。
特定のものに耐性がない「不耐症」や、特定のものに対して異常な反応を示す「特異体質」、弱い刺激に対して過敏に反応を示す「過敏症」といった体質に影響する可能性があるのです。
副作用と過剰摂取は似ているようですが少し違います。過剰摂取は文字通り、特定の栄養素を過剰に摂ることです。副作用は望んでいない作用なので混合しないようにしましょう。
サプリメントと医薬品の違い
「サプリメント」というと医薬品と似たようなイメージをしてしまいませんか。とくに錠剤タイプはとても似ているのでお薬という感じがするでしょう。しかし。実はサプリメントは医薬品として分類されず、あくまで食品の1種類として扱われています。
サプリメントは医薬品ではないのですが、この言葉に行政的な定義はなく「特定の成分を濃縮した錠剤またはカプセルの製品」だと考えられているのです。
しかし、実際には錠剤、カプセルだけではなくスナック菓子やドリンクタイプのものまで、サプリメントと呼ばれることがあります。
身長サプリに副作用はあるのか?
身長サプリでもっとも気になるのが副作用があるかどうかですが、先に結論からいうと副作用はでるかもしれません。
ただ、サプリメントは食品なので医薬品と比べると、副作用がでる可能性は圧倒的に低いといえます。
最近では添加物のことなどで食品の安全性に注目されているので、多くの身長サプリはしっかりと検査し、安全性も確保しているので安全です。
副作用のでる可能性は医薬品よりも低いのですが「絶対にでない」と言い切れるわけではないことを覚えておいてください。これは他の食品でも同じことがいえます。
国が表示を許可している特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品でも副作用がでる可能性はあります。
もし、お子さんに副作用らしき反応が出たら病院に連れて行くことは当然ですが、そのときに医師にきちんとサプリのことを説明しましょう。
副作用以外にも注意してほしい2つのポイント
身長サプリには副作用以外にも注意してほしい点が2つあります。それは以下の2つになります。
- 海外の身長サプリメントに注意
- 副作用が出なくとも過剰摂取には要注意
1.海外のサプリメントには注意
海外のサプリの中には日本の身長サプリよりも安く、栄養がたくさん入ったものも販売されています。
安くて栄養価が高いなら海外のほうがいいようにも思えますが、海外の身長サプリには以下の5つの危険があるので、注意しなければなりません。
- 品質・安全性が確認されていない
- 効果や栄養を嘘または誇大にしている可能性
- 管理されていない工場で作られている
- 正規品に見せかけたニセモノ
- 対処法が不明
1.品質・安全性が確認されていない
個人で海外から取り寄せた身長サプリの中には品質や安全性を確認することができないものもあります。
国によっては品質・安全性など確認せず販売していることもあるので、十分に気をつけてください。
2.効果や栄養を嘘または誇大にしている可能性
日本では嘘の効果や誇大な効果を表示するのは取締りの対象となっているので、めったにありませんが、海外だとそれらの取締りがなく販売されている可能性があります。
海外だとそれらの確認もできませんので確かめようがありません。
3.管理されていない工場で作られている
国によっては不衛生な工場で作られていることも考えられます。どのような衛生管理が行われているのか、製造から発送まできちんと管理されているのか不明です。
身長サプリの中に不純物が入っている可能性も考えられます。
「厚生労働省(医薬品成分を含有するいわゆる健康食品の発見について)」によると、実際に身長サプリではありませんが、ダイエットサプリに医薬品成分が入っていたという事例もあるため気をつけないといけません。
4.正規品に見せかけたニセモノ
よくあるのがブランド物のバッグのニセモノですが、身長サプリのニセモノも存在するかもしれません。公式サイトで注意を呼びかけている身長サプリもあります。
正規品よりも安くて似たような商品が販売していたとしても、購入するのはやめておきましょう。
5.対処法が不明
海外のサプリを購入すると用法用量や注意点が正確に把握できない可能性があります。把握できないまま副作用がでると、医師も把握するのに時間がかかる恐れがあります。
正確に原材料や成分、用法用量、注意点などが把握できない場合はやめておきましょう。
2.副作用が出なくても過剰摂取には要注意
身長サプリは食品に分類されるので副作用はでにくいと説明をしましたが、気をつけるべきことがあります。それは「過剰摂取」です。
普段、私たちが食べている食事とは違い、サプリは簡単に摂取することができます。その簡単がゆえに食べ過ぎるとすぐに過剰摂取になってしまう危険性もあるのです。
下記は「日本人の食事摂取基準2015」から算出した特に成長期に不足が問題になるカルシウム、鉄、マグネシウムの耐容上限量です。
カルシウムの耐容上限量
年齢 | 耐容上限量(mg) |
---|---|
0~5(月) | なし |
6~11(月) | なし |
1~2歳 | なし |
3~5歳 | なし |
6~7歳 | なし |
8~9歳 | なし |
10~11歳 | なし |
12~14歳 | なし |
15~17歳 | なし |
18~29歳 | 2,500 |
鉄の耐容上限量
年齢 | 耐容上限量(mg) |
---|---|
0~5(月) | なし |
6~11(月) | なし |
1~2歳 | 25 |
3~5歳 | 25 |
6~7歳 | 30 |
8~9歳 | 35 |
10~11歳 | 35 |
12~14歳 | 50 |
15~17歳 | 50 |
18~29歳 | 50 |
マグネシウムの耐容上限量
年齢 | 耐容上限量 |
---|---|
0~5(月) | なし |
6~11(月) | なし |
1~2歳 | なし |
3~5歳 | なし |
6~7歳 | なし |
8~9歳 | なし |
10~11歳 | なし |
12~14歳 | なし |
15~17歳 | なし |
18~29歳 | なし |
マグネシウムに関しては耐容上限量が設定されていません。一方、鉄は1歳以降に耐容上限量が設定されていて、これを超える摂取量は過剰症の原因になります。
サプリメントを多量に摂取しない限りは超える可能性は少ないと考えられます。
カルシウムは18歳まで耐容上限量が設定されていません。これは厚生労働省が設定しているので憶測でしかないですが、おそらく以下2つの可能性が推測できます。
- カルシウム不足を防ぐため
- 耐容上限量を設定しなくても上限に到達しない
あくまで憶測でしかありませんが、とにかくカルシウムは過剰摂取に気にせずに摂取しても問題ないのでしょう。ただ、サプリメントから摂取の場合は以下に注意が必要です。
吸収率は500mg以下で最も高くなる[1]。例えば、カルシウム1,000mg/日をサプリメントから摂取している場合、投与回数を分割して、1日2回500mgずつ摂取しても構わない。
つまり、500mg以上摂取しても吸収が悪くなるだけです。多量に摂取しても意味がないことがわかります。
身長サプリは成長過程に不足する栄養素を補うのが目的です。最大で不足する成長期真っ只中の12歳~14歳のカルシウム推奨量は1000mgで、平均摂取量が678mgなので過不足「322mg」を補えればOKです。
過剰摂取はそれだけ副作用の可能性も高く、吸収率も悪くなります。目安をしっかり守って飲むことが大切です。
副作用のリスクを下げるためには?
副作用のリスクを下げるためには「安全な身長サプリ」を選ぶ必要があります。安全な身長サプリの選び方は以下の3つになります。
- 成分名を見る
- 含有量を見る
- 問い合わせ先があるか
1.成分名を見る
原材料に「〇〇抽出物」「〇〇エキス」「〇〇粉末」などが書かれていたら要注意です。よく見かけるこれらは具体的ではない書き方です。仮に「レモン抽出物」だけ表示されていたとします。
レモン抽出物だけだと「どれだけのレモンから」「どうやって抽出したのか」「レモンの何を抽出したのか」が不明です。
このように、レモン抽出物だけの表示では具体性がないので、あいまいな表記がされていたら注意しましょう。とくにそれを主原料にしている場合は気をつけてください。
2.含有量を見る
サプリメントは過剰摂取のこともあるので、安全性と有効性のことから「含有量」というのは必須の情報です。
含有量が表示できていない場合は何か後ろめたいことがあるのか、単に会社が把握できていないだけの可能性があります。
どちらにせよ、含有量の表示がないということは安全性と有効性が欠けているといえます。
3.問い合わせ先があるか
何かが混入していた、成分や含有量が気になったときのために問い合わせ先があるか確認しておく必要があります。
製造者や販売者、輸入しているなら輸入者などを表示するのは法律で決まっています。表示されていなければ絶対にやめておきましょう。
まとめ
以上、身長サプリの副作用について解説をしました。身長サプリは食品なので副作用がでる可能性は低いのですが、絶対にでないわけではありません。
しっかりと原材料や含有量などを確認して、安全なサプリメントか見極めてから購入するようにしてください。
そうすれば、身長サプリに頼らなくても子供は成長していくはずです。もちろん、身長サプリを飲んでいる方もできるかぎり3つの生活習慣は改善してあげましょう。