コーヒーが大好き、毎日カフェインを摂らないと落ち着かないという大人も少なくはありません。しかしカフェインは体に悪い、子供が飲むと身長が伸びなくなるという説もあります。
実際、妊娠中や授乳中の女性はカフェインの摂取を控えたほうが良いという説があります。
カフェインを完全に断ち切らないといけないというわけではありませんが、とりすぎると血液の収縮による早産等の影響があるのです。
そこで気になるのが子供への影響です。
乳幼児にカフェインは推奨されていませんが、ある程度の年齢になればチョコレートなどから微量のカフェインを摂り始めます。子供がカフェインを摂ると、悪影響を及ぼすのでしょうか。
カフェインとはどんな成分なのか
カフェインとは食品成分の一種です。コーヒー豆やカカオ豆、ガラナやマテ茶などに主に含まれています。特にお茶やコーヒーから摂取をしている人が多いでしょう。
カフェインの含有量が多い飲み物は以下の順番になります。
- 玉露
- エスプレッソコーヒー
- ドリップコーヒー
- インスタントコーヒー
- 栄養ドリンク
- コーラ
- 抹茶
- ココア
他にも紅茶やほうじ茶、ウーロン茶や緑茶玄米茶などに含まれています。
カフェインといったらコーヒーの印象が強いですが、玉露のほうが多く含まれていますし、子供が好きなココアやコーラにも一定量のカフェインが含まれています。
栄養ドリンクに含まれていることも多いですが、最近はノンカフェインの栄養ドリンクも増えています。
そのため私達は、知らないうちにカフェインを摂取していることが多いのです。子供でも、ある程度の年齢になると自然にカフェインを摂取するようになります。
そんなカフェインには体に良い効果も、悪い効果も沢山ある成分であり、私達の生活には切っても切れない関係となっています。
カフェインの作用・副作用とは
カフェインを飲むと様々な反応があります。
カフェインの作用を求めて毎日摂取をする人も多いですし、逆に摂りすぎてカフェインの副作用を感じてしまう人もいます。
一番定番なのが、覚醒作用でしょう。
カフェインを摂取することで眠気を覚ます効果があります。眠いとき、仕事に集中したいときにコーヒーを飲むという人は、カフェインの覚醒作用を求めて飲む場合が多いはずです。
また、カフェインを摂取することで頭痛などの痛みを和らげる、心臓の働きを活発化させる、体の余分な水分を排出できるなどの効果も得られます。
その反面、カフェインには副作用もあります。副作用が起こるかどうかは個人差がありますが、頭痛、集中力低下、疲労、うつ症状などが多いでしょう。
カフェインを摂ることで集中できるように思われますが、一時的に眠気を遠のけるだけで、カフェインが切れると逆に一気に集中力が途切れてしまいます。
また、摂りすぎると頭痛やうつ症状、疲労感などが起こる可能性があります。
カフェインを子供が摂るメリット・デメリットとは?
カフェインは子供に悪影響、という印象が強いですが、実は悪い影響だけではありません。また、日常生活で一切カフェインを摂らずに生活をするということはなかなか難しいはずです。
そのため、何にカフェインが含まれているのかを把握し、とりすぎないように調節をすることが大切です。
子供がカフェインを取ると悪いことがあるとばかり思ってしまうかもしれませんが、実はカフェインは悪い影響だけではありません。子供にとって良い効果ももたらしてくれるのがカフェインなのです。
だからこそ、カフェインを全て悪だと思い込まずに適度な摂取であれば容認をするようにしましょう。
カフェインを摂るメリットとは?
カフェインは悪影響だけではなく、体に良い効果ももたらしてくれる成分です。これは、大人だけではなく子供も同じです。
子供がカフェインを摂ることで得られるメリットもいくつかあります。主なメリットは、集中力アップ、自律神経の向上、眠気覚まし効果、体脂肪の燃焼効果です。(参照:大阪労災病院「がんとコーヒー」)
集中力アップ
カフェインには集中力を高める効果があります。
カフェインが多く含まれているコーヒーを飲んだことで作業実績に違いが出たかどうかは、コーヒー摂取による作業成績の向上とストレス反応の軽減という論文に記載されています。
カフェイン投与により自律神経活動が活性化されることにより、注意集中力が向上、中枢神経の活性化、筋肉の働きの活性化などが起こり、脳内情報処理能力が亢進して選択的注意力が高まります。
そのため、カフェインを摂取することで大幅に集中力をアップさせることが出来るでしょう。これは、大人はもちろん子供でも同等の効果を実感することが出来ます。
そのため、勉強前などにカフェインを摂取すると、効率的に勉強をすることが出来るでしょう。
また、カフェインによる集中力をより高めたい場合は甘いものも一緒に摂るのが適切です。脳の栄養となるブドウ糖を同時に摂取することで、パフォーマンスが上昇しより効率的な作業が可能となります。
自律神経を高める効果
カフェインは自律神経に影響を及ぼす効果があります。しかし、良い影響だけではなく悪い影響を与える可能性もあるので注意をしましょう。
自律神経とは、動きを活発化させる交感神経と、リラックスさせる効果をもたらす副交感神経の二つがあります。
カフェインを摂取することで、活発な働きを促す交感神経に効果を与えることが出来るのです。
しかしこれはあくまで一時的な効果です。
時間経過とともにカフェインの効果は落ち着き、覚醒状態が終わり自律神経も元の状態に戻ります。
このとき、集中力を取り戻すために更にカフェインを摂取すると、体や脳が疲れているのに無理に自律神経を刺激する可能性があります。
自律神経のバランスが悪化してしまう場合があるので注意をしましょう。
そのため、カフェインで自律神経を高めたい場合は摂り過ぎないことと少量ずつ摂取することが大切です。自律神経は安定しているのが一番です。
眠気覚まし効果
眠いときにコーヒーを飲むと眠気が覚める、というのは有名です。なぜコーヒーを飲むと眠気が覚めるのかというと、カフェインには眠気を減らす効果があるからです。
人が眠くなる理由の一つに、睡眠物質であるアデノシンという物質が関わっています。脳内物質であるアデノシンは、ギャバ神経を介して脳に効果を与え、脳の活動を抑えたり脳全体を眠らせる効果があります。
アデノシンが脳内に蓄積すると、人はどんどん眠くなってくるのです。
そのため、カフェインを摂ったからといって眠気がなくなるというわけではなく、眠くない、起きていたい、という眠気に抗う気持ちを持たせることが出来ます。
だから、カフェインを摂取して眠気覚まし効果をもたらしても、カフェインが切れるとまたすぐに眠くなってしまうのです。
体脂肪を燃焼する効果
カフェインには体脂肪を燃焼する効果があります。
体脂肪が燃焼されるときは、体内のミトコンドリアが糖や脂肪を燃焼し、エネルギーに変換してくれるときです。
エネルギーとして使われると、その分体脂肪がどんどん燃やされてダイエット効果をもたらしてくれます。
カフェインを摂ると、運動をしなくても、必要以上に勉強をしなくても、糖や脂肪をエネルギーに変換する、という遺伝子PGC1αが増加します。
このおかげで、飲むだけで糖や脂肪が燃焼して脂肪も燃焼することが可能です。
運動前にカフェインを摂取することで持続力やパフォーマンス力が向上し、運動後の体力回復も円滑に行われます。
鎮痛剤としての効果もあるので、激しい筋トレをしたあとの痛みを和らげたり、回復力を高めたりといった効果も実感できるでしょう。
このようにカフェインは体脂肪が気になる子供、肥満気味の子供、スポーツをしている子供に良い効果を沢山もたらしてくれます。
運動前にカフェインが配合されたドリンクを飲むだけで効率よく運動が出来ますし、その後の回復力もアップするのです。
カフェイン摂取のデメリットとは
子供がカフェインを取ると良い効果を沢山もたらしてくれます。しかしその反面、カフェインにはデメリットもつきものです。
カフェインは子供はとらないほうが良い、とりすぎたら危険な成分だという印象が強いでしょう。子供がカフェインの摂取を推奨されない理由は、いくつかあります。
もしカフェインを摂取する場合は、子供にもたらすデメリットも把握した上で摂取をするようにしてください。
カフェインによる離脱症状とは
離脱症状とは、一種の禁断症状のことで主に薬やアルコール、タバコなどを中断や減量したときに起こる症状です。
不安に感じたり、憂鬱に感じたり、睡眠障害などが起こります。人によって症状の度合いは大きく異なります。
カフェインをとりすぎた場合は、離脱症状が起こる可能性があります。
カフェインの離脱症状で一番多いのが睡眠障害です。カフェインを飲みすぎることで寝つきが悪くなる、眠りが浅くなるなどの睡眠障害が起こる可能性があります。
悪化すると不眠症や過眠症になる恐れもあるので注意をしましょう。
カフェインによる離脱症状は、飲みすぎた場合に起こることがほとんどです。そのため子供にカフェインによる離脱症状が起こることはほとんどないでしょう。
カフェインによる依存症が怖い
カフェインで怖いのが依存症です。毎日欠かさずコーヒーを飲んでいるという人も多いでしょうが、欠かさずに飲んでいると依存症になる恐れがあります。
依存症になりやすいものとして有名なのはお酒やタバコです。お酒タバコに比べると、コーヒーや紅茶、日本茶などの飲料は安全性が高く、毎日気軽に飲めると思われがちです。
しかしカフェインには脳の覚醒作用、解熱鎮痛作用などがあり、毎日頻繁に摂り続けると精神疾患として認められているカフェイン依存症に陥ってしまう可能性があります。
カフェイン依存症かどうかは、カフェインを摂らなかったときの体の不調によって判断をすることが出来ます。
カフェインを摂らないことで頭痛が起こる、だるさが抜けない、頭がぼんやりする、憂鬱な気分になる、嘔吐が起こる、集中力がなくなる、眠気が取れない、これらのどれかが当てはまるという人はカフェイン依存症の可能性があります。
もしカフェイン依存症の可能性がある人は少しずつカフェインを減らすように努力をしましょう。お勧めなのが、カフェインレスのコーヒーやお茶から慣れることです。
少しずつ減らしていけば、無理なくカフェインレスの生活を送ることが出来るはずです。
カフェイン依存症は子供も陥る可能性がある
カフェイン依存症というと大人が起こりやすい症状のように思われていますが、子供にも起こりうる症状です。
むしろ子供のほうがカフェイン依存症になりやすいので注意をしましょう。
子供は大人より体重が軽いため、少量のカフェインでも中毒症を起こりやすいのです。そのため、小さな子供であればあるほど、カフェイン依存症に陥る可能性は高くなります。
カフェインを全て除去した食生活は難しいかもしれませんが、毎日欠かさず沢山飲ませるような生活は絶対に止めましょう。依存症になったとき、辛いのは子ども自身です。
カフェインを摂ると身長が伸びなくなるのか
小さいうちからカフェインを摂りすぎると身長が伸びない、という説があります。これはおそらく、カフェインを摂ることで睡眠時間が減り、成長に影響を及ぼす可能性があるということから来る発想でしょう。
実は、カフェイン自体に成長を阻害する効果はありません。
しかし、カフェインを摂りすぎると成長に影響を及ぼす可能性があるので注意をしてください。
カフェインによって身長が伸びなくなる、というのはカフェインをとりすぎたことによって起こる副作用が原因です。ちょっとカフェインを摂っただけでは強い影響はないので安心しましょう。
身長を伸ばしたいから、といってカフェインに過敏になる必要はありません。
子供の好きな食品や飲料にカフェインが含まれていることも多いので、過敏になりすぎずに、カフェインを摂りすぎたり夜間に摂らなければ問題ないくらいの気持ちで付き合うようにしてください。
実際に、子供の頃からカフェインを意識的に取っていても身長に影響がなかった、という子供もいますし、逆にカフェインを除外した生活をしていても身長が伸びなかったという子供もいます。
カフェインがカルシウムの吸収を阻害する可能性
カフェインを摂りすぎると利尿作用が働き、水分を排出しやすい状態になります。コーヒーやお茶を飲むとトイレに行きたくなってしまうのは、カフェインの利尿作用のせいです。
利尿作用が働いて水分が排出されると、水分だけではなく体に必要な成分も排出される場合があります。このとき、尿として一緒に出てきやすいのがミネラルです。
ミネラルには、成長に一番必要だと言われているカルシウムも含まれています。カフェインを飲むことで体内に取り込んだカルシウムが排出されるので、身長が伸びなくなる、成長に影響を及ぼすと言われています。
しかし、尿として排出されるカルシウムの量はごくわずかです。
一杯のコーヒーを飲んだときに尿と一緒に排出されるカルシウム量は、2~3mg程だと言われています。この程度のカルシウムが排出されたところで、成長に影響はありません。
一日のカルシウムの摂取量の目安は10歳の子供で700mg、12歳は1000mg程です。毎日食事や飲料からカルシウムを摂っていれば、数mg排出されても問題はないでしょう。
少量だとしても、カフェインを摂ることで体からカフェインが失われるのは事実です。
カフェインが成長ホルモンの分泌を阻害する
カフェインを摂ることで、成長ホルモンの分泌を阻害する可能性があります。
カフェインの作用で有名なのが、覚醒作用です。コーヒーを飲むと眠気が覚めるのはカフェインの覚醒作用のおかげです。
しかし覚醒作用のせいで、睡眠が十分に取れなくなってしまい成長ホルモンが十分に分泌されない可能性があります。
成長期の睡眠時間はとても大切です。成長期にたくさん眠ることで、睡眠中に成長ホルモンがどんどん分泌されて身長を伸ばすことが出来ます。
成長をするためには栄養補給も大切ですが、質の良い睡眠もとても大切です。
しかしカフェインを摂ることで寝つきが悪くなったり眠りが浅くなり、睡眠を十分に取れなくなってしまい、成長ホルモンの分泌が悪化する可能性があります。
カフェインの作用は持続時間が長く、個人差はありますがコーヒー一杯で8~14時間ほどの効果をもたらすとも言われています。
子供は体が小さいので、もっと強く長く効果が生じる可能性があるでしょう。
そのため、昼以降にカフェインを沢山摂ると、夜眠れなくなってしまい、眠りのリズムが崩れてしまいます。そのせいでストレスがたまり更に眠れなくなってしまう場合もあるでしょう。
子供に安全なカフェインの量とは?
カフェインを全く摂らないという生活は難しいです。
しかしカフェインの過剰摂取を防ぐことで、子供の成長や健康を守ることが出来ます。
大切なのは、摂取量の目安を守ることです。幸い子供が好んで沢山摂取するものにカフェインが含まれていることは少ないので、親が気にかけるだけでもカフェインの摂取量を守ることは可能です。
では、子供に適切なカフェインの摂取量とはどのくらいなのでしょうか。※この見出しでは食品安全委員会「食品中のカフェイン」を参考にしています。
子供が摂れるカフェインの量は一日どのくらい?
カナダの保健省は、カフェインの過剰摂取による不眠やイライラ、頭痛、脱水症状や緊張感が体に危険だと注意喚起し、子供や妊娠中、授乳中の女性にカフェインを摂り過ぎないよう呼びかけています。
韓国食品医薬品安全庁でも、カフェインの一日の最大摂取量を定め子供の成長や安全を守っています。
カナダ保健省が発表する一日のカフェイン摂取量の目安をまとめると以下になります。(※1日あたりの摂取量)
- 4歳~6歳:45mg
- 7歳~9歳:62.5mg
- 10歳~12歳:85mg
韓国食品医薬品安全庁の場合は、体重×2.5mgが適切だと発表しています。そのため、体重20キロの子供の場合は一日50mgほどのカフェインが適切ということです。
英国やオーストリアでも妊娠中および授乳中の女性のカフェインの過剰摂取は控えるように注意喚起を行っていますが、子供に対する注意は行っていません。
しかし妊娠中や授乳中の女性と同じく、子供のカフェインの過剰摂取は控えるべきです。
胎児や乳幼児ほどではありませんが、子供もカフェインによる影響を受けやすく、依存症になったときの危険は大きいです。
子供が飲めるカフェイン量はいったいどのくらいなのか?
各国が発表する子供のカフェインの摂取量を見てみると、4歳から6歳、体重20キロほどの子供で、一日コーラ一杯ほどのカフェインが適切だと発表しています。
中学生くらいに年齢、体格になると、一日コーラ一杯、もしくはコーヒー一杯ほどの量です。
健康な成人の場合は、一日の摂取量の目安は400mgだと言われています。これはマグカップのコーヒー一日3杯ほどです。
これ以上は健康的な成人でもカフェインのとりすぎになってしまうので注意をしましょう。
子供と大人の摂取量を比べると大きな差があります。それだけカフェインは子供に強い影響を与えやすい成分なのです。
子供のカフェイン中毒とは
子供は大人よりもカフェイン中毒になりやすいです。体が小さいため、同量のカフェインを摂ったとしても体に強い影響を及ぼします。
そのため、カフェインの摂取量には気をつけるようにしましょう。カフェイン中毒になると子供が辛い思いをしますし、更に中毒から抜け出すことは困難です。
カフェインを摂らないと辛い、でも中毒症のままでも辛い、そんな状態にならないように気をつけてください。
カフェイン中毒による精神症状
カフェイン中毒になると、カフェインがないと安定しない、不安になる、集中力が続かないなどの症状が起こります。
カフェインを摂ると一時的に心が落ち着きますが、切れるとまた心が落ち着かずうつ状態になってしまうでしょう。
これはカフェインで一時的に収めている状態なだけですが、カフェイン中毒になるとカフェインを飲んでいるから心を落ち着けられる、カフェインがないと心が落ち着かなく辛いという状態になってしまいます。
不安感が募り、うつ状態になってしまい、更にカフェインから離れられない状態になってしまいます。こうなってしまうと、カフェインから離れることはとても大変でしょう。
また、カフェインがないと集中力が続かない状態になってしまいます。
カフェインを摂取することで一時的に集中力がアップしますが、カフェイン中毒になると、カフェインを飲んでいないと集中できないようになるのです。
そのため授業に手が付かなくなる、常にカフェインを飲まないと何も出来ないという状態に陥ります。
もちろんカフェイン中毒から脱却をすればどちらの症状も治まりますが、子供が中毒症から改善することは難しいことです。
カフェイン中毒による身体症状
カフェイン中毒による体への影響は不眠、イライラ、体調不良です。
カフェインには覚醒作用がありますから、カフェインを夜に摂ると眠れなくなってしまうでしょう。
カフェイン中毒になると常にカフェインを摂取していないと落ち着かない状態になってしまい、夜もカフェインを摂るようになり、覚醒作用が常に起こるようになります。
そのせいで常に眠れない、眠っていても眠りが浅いという状態になり、体を十分に休めることが出来ません。
また、カフェインには心を落ち着かせる効果や利尿作用もあります。
カフェインの利尿作用のせいでミネラル不足に陥りイライラが収まらなくなったり、心が落ち着かずにもやもやすることも多いでしょう。
更に、心の変化や睡眠不足が影響で、頭痛、動悸、めまい、奮えといった体の不調も訪れます。これを落ち着かせるために更にカフェインを摂り、依存症が悪化してしまう可能性があります。
海外では、カフェインの取りすぎによる子供の死亡例が出ているほどです。日本国内ではカフェインの過剰摂取によって子供に変化が起こるという事件はまだ起きていません。
しかし依存症にならないよう、とりすぎないように注意をすることが大切です。
コーヒーは何歳から飲んでも良いの?
カフェインの含有量が多い飲み物といえば、コーヒーです。苦味があり独特の風味なので、大人の飲み物という印象が強いでしょう。子供が好んでコーヒーを飲んでいる、という話はあまり聞きません。
しかしコーヒーはいつから飲んでも良い飲み物なのでしょうか。体に影響を及ぼさず、健康的に飲める年齢はいつなのか、コーヒーは何歳から飲んでも良いのかについて調べてみました。
カフェインの含有量が多いコーヒーは最低でも中学生以上!
コーヒーはカフェインの量が多いため、最低でも中学生以上が推奨されています。
しかし、中学生になったからといって大人と同じ量を飲んでも良いというわけではありません。あくまで一日コーヒー一杯程度が目安量です。
小学生くらいの年齢でも、コーラやココアからカフェインを摂取することはあります。しかしコーラやココアよりもカフェインの量が多いコーヒーは、小さいうちからの摂取を推奨されていません。
出来れば小学生のうちはノンカフェインのものを、カフェイン配合のものは一日一杯を目安に飲むようにしてください。
大人と同じ量の、一日コーヒー3杯が適切になるのは体重が50キロ以上になってからだと言われています。体重が軽すぎると体への負担が大きく、カフェインの影響を受けやすいです。
大人と同じくらいの、体重50キロくらいになれば、カフェインの影響もそこまで大きくないでしょう。
米国小児科学界では子供のカフェイン摂取に警鐘
米国の小児科学会では、小児のカフェイン摂取に警鐘を鳴らし、子供はカフェインをとるべきではないと発表しています。(参照:サプリメントハウス「小児のカフェイン摂取で警鐘 【米国小児科学会】」)
米国の小児は日本の小児よりもカフェインを多く摂る傾向があります。特にコーラやコーヒーから多くカフェインを摂取する小児が多いのでしょう。
1999-2010年に調査をした結果、任意の日にカフェインを摂取している子供は70パーセント以上、特にエネルギー飲料やコーヒーから摂取をしている子供が増えているということが分かりました。
特に最近は、カフェインを多く含んだエネルギー飲料が増えています。エネルギー飲料はカフェインの過剰摂取につながりますし、小児には刺激が強すぎる飲み物です。
そのため、小児のカフェインの摂取を抑えることを勧められています。日本国内でもカフェインを摂取する子供は増えていますから、将来的に日本も、小児のカフェイン摂取に警鐘が起こる可能性があるかもしれません。
カフェインを多く含む飲み物
子供のカフェイン過剰摂取を防ぐためには、どんな飲み物にどれほどのカフェインが含まれているのかを知る必要があります。
意外な飲み物に沢山のカフェインが含まれている可能性もあります。普段何気ない気持ちで飲ませている飲み物のせいで、カフェインの取りすぎに陥ってしまう可能性があるので注意をしましょう。
※カフェインの含有量は日本中毒情報センター「カフェイン含有飲料(コーヒー、紅茶、緑茶、ココア)」を参考にしています。
「コーヒー」カフェインの量・子供の摂取量
カフェインといえば、コーヒーです。コーヒーには沢山のカフェインが含まれています。
まず、コーヒーを凝縮して作られたエスプレッソコーヒーには、50ml辺り140mgのカフェインが含まれています。
次に、ドリップタイプのコーヒーの場合は、マグカップ一杯150mlに135mgが配合されています。インスタントタイプのコーヒーにはマグカップ一杯150ml辺り68mgが含まれています。
子供の摂取量の目安は、韓国食品医薬品安全庁の推奨の量を目安にすると、エスプレッソコーヒーとドリップコーヒーは子供には推奨できません。
インスタントコーヒーの場合は一日一杯であれば、30キロ以上の子供は問題ありませんが、出来れば小学生のうちはコーヒーは飲まないほうが良いです。
コーヒーはミルクや砂糖で飲みやすくしてもカフェインの量に変化はありません。小学生のうちはコーヒーは飲まないほうが良いでしょう。
「紅茶」カフェインの量・子供の摂取量
紅茶は小学生でも好んで飲む場合があります。しかし紅茶にもカフェインは含まれています。
普通の紅茶は、マグカップ一杯150mlあたり30mgのカフェインが含まれています。カフェインの量はそこまで多くはありません。
そのため、小学校低学年でも一日2杯くらいなら、カフェインの摂取量の目安を守って飲むことが出来ます。しかしこれはあくまで一般的なマグカップに入った紅茶の場合です。
紅茶といっても、自宅で淹れるよりもペットボトルで買って飲むという子供のほうが多いのではないでしょうか。ペットボトルは容量も多く、カフェインも多く含まれています。
ペットボトルタイプのストレートティーには350ml辺り182mg、ミルクティーの場合も350ml辺り170mg程のカフェインが含まれている可能性があります。
もちろん製品によってもカフェインの量は違いますが、ペットボトルの紅茶を全部飲むことは推奨されていません。もし飲むのなら、300ml以下のものにしましょう。
「お茶」カフェインの量・子供の摂取量
日本茶は体に良いという印象がありますが、必ずしもノンカフェインというわけではありません。むしろ、コーヒー以上に注意が必要な飲み物かもしれません。
玉露は飲み物の中でも特にカフェインの含有量が多く、150ml辺り150mg含まれています。玉露茶を飲めば飲むほど、カフェインを多く摂るということになります。
そのため、小学生や中学生にはあまりおすすめは出来ません。
ちなみに抹茶にはカフェインが150mlあたり45mg、ウーロン茶や緑茶には150mlあたり30mg含まれています。
いずれも一杯飲む程度であれば問題のない量ですが、体に良さそうだからといって飲みすぎないようにしましょう。
子供におすすめのお茶は麦茶です。ノンカフェインでミネラルが豊富に含まれているので、健康にとても良いと評判です。
子供にお茶を飲ませるときは、出来るだけノンカフェインのものを選んでください。
子供にカフェインはNG!特に小学生は注意!
カフェインは体に良い効果も悪い効果もある飲み物です。しかし子供には刺激が強すぎて、メリットよりもデメリットのほうが多く働く可能性が高いでしょう。
カフェインが多く含まれている飲み物を好んで飲む子供は少ないかと思いますが、それでも日々カフェインがどれだけ含まれているか、カフェインを取りすぎていないかのチェックは必要です。
大人は日中でもカフェインを取ることが出来るかもしれませんが、子供は学校でカフェインを摂取することが出来ません。カフェイン依存症になると更に辛い思いをしてしまうでしょう。
中学生くらいになれば体も大きくなり多少はカフェインへの耐性ができてきますが、小学生にはおすすめしません。子供が飲みたがっても、カフェインを多く含んだ飲み物を飲ませないように注意をしてください。
それだけ、カフェインが子供に与える影響は大きいものです。
まとめ
大人がコーヒーや紅茶を飲んでいると、子供も一緒に飲みたがるかもしれません。一緒に飲んでいると、子供もカフェイン配合飲料の苦味になれて、毎日飲むようになってしまうでしょう。
しかし子供がカフェインを取りすぎることは推奨されていません。
大人が飲むと眠気が覚める、集中力が起こるといったメリットを感じる飲み物かもしれませんが、子供が飲むと成長を阻害する、睡眠に悪影響を及ぼすといった悪い効果のほうが大きく出てくる可能性が高いです。
コーラやココアなど、子供が好む飲み物にカフェインが含まれている場合もあります。カフェインの量が少ない飲み物であれば一日1杯程度であれば問題ないでしょう。
しかし一日に何杯も飲む場合、コーヒーなどのカフェインの含有量が多い飲み物は好んで飲み続けないように注意をしてください。
カフェインのせいで、子供の身長が伸びない、集中力が出ない、夜眠れない、依存症になってしまったなどの弊害が起こる可能性があります。
カフェインは小学生のうちはできるだけ取らせない、中学生になってからも多くは取らないように注意をすることが大切です。