「魔の2歳児」「悪魔の2歳児」「イヤイヤ期」などあまり良いイメージではない言葉が並ぶ2歳ですが、一体どんな時期なんでしょうか。
2歳になると離乳食を卒業し、大人と同じものを食べるようになります。しかし、2歳は胃の消化機能が未熟なため、栄養不足になっている子供も少なくありません。
2歳はどんな時期か、平均身長・体重はどれくらいなのか確認してください。また、食事や睡眠、しつけなども解説していきます。
※JNFは日本ニュートリション協会のことです。
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2歳~3歳の平均身長
体の筋肉や機能が発達する2歳の平均身長を確認してみましょう。平均身長は厚生労働省の「平成22年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」を参考にしています。
男子 | 女子 | |
---|---|---|
2歳~2歳6ヶ月 | 86.7cm | 85.4cm |
2歳6ヶ月~3歳 | 91.2cm | 89.9cm |
幼児期の子供の成長は食生活のリズムや栄養バランス、運動、生活リズム、精神的ストレス、親の育児状況などによって影響を受けます。
これら以外にも成長障害を起こす「成長ホルモン分泌不全低身長症」や「SGA性低身長症」などの病気の可能性も考えて、成長を記録して、観察していかないといけません。
成長を記録するために使ってほしいのが成長曲線です。成長曲線は日本小児内分泌学会の「成長評価用チャート・体格指数計算ファイルダウンロードサイト」からダウンロードすることができます。
成長曲線を使うことで子供の成長を記録することができます。SDスコアで平均よりも-1.5SD以下であれば要観察となります。
-2SD以下になると低身長と判断されます。-2.5SD以下、-3SD以下は成長ホルモン治療の開始基準となります。成長曲線をつけてみて平均よりも大きく下回っていたら一度病院で検査してもらうことをおすすめします。
2歳~3歳の平均体重
2歳の平均身長と同様に厚生労働省の情報を参考に平均体重も確認してみましょう。
男子 | 女子 | |
---|---|---|
2歳~2歳6ヶ月 | 12.03kg | 11.39kg |
2歳6ヶ月~3歳 | 13.10kg | 12.50kg |
子供の体重を成長曲線に記録したときに、体重が急激に増えて平均の線に対して沿うのではなく、上向きに横切ったのであれば過度に体重が増えたことは分かります。
しかし、体重は身長との関係が大切です。たとえ過度に体重が増えたとしても身長がその体重に見合ったものであれば肥満にはなりません。
成長曲線を使えば、身長が平均に対して体重は平均よりも下回っている場合は痩せていることがわかります。
ただ、すぐにわかりやすく肥満かどうか気になる方もいると思います。その場合はこちらの時計などで有名な電機メーカーCASIOが運営しているサービス「keisan」で体重と身長を入力するだけで肥満かどうかわかるのでおすすめです。
2歳~3歳の食事に気をつけるべきことはある?
離乳食から幼児食へと移行した2歳になると味を楽しむことができ、食に対して興味を持つようになります。
2歳は味覚が発達する時期のため色々な食品を食べさせてあげましょう。季節の旬の食材を使ってあげるとより良いですね。
大人と同じものを食べるようになりますが味覚が発達しているので、味は薄めにしましょう。濃い味で慣れてしまうと味覚の発達に影響があるかもしれません。味付けの前に子供だけ分けて汁やタレを薄めるなどの工夫が必要です。
外食やファストフードに行くこともできるようになりますが、同様に味の濃さに注意が必要です。また、それ以外にも「油が多いもの、甘いもの」にも注意してください。
外食を選ぶときは上記のことに注意して「味のうすいもの」「野菜やたんぱく質が入っている」の2つを選ぶようにしましょう。
おやつも注意しましょう
2歳になると外食などの食事だけではなく、おやつにも注意しないといけません。子供の胃は成長しきっていないため、消化能力が未熟です。
そのため、3回の食事だけでは1日に必要な栄養素を満たすことはできません。そこで利用するのが「おやつ」です。
おやつで足りない栄養素を補給するのです。おやつというとチョコやスナック菓子などのイメージだと思いますが、この時期におすすめのおやつは「牛乳やヨーグルト、果物、ふかしいも」などです。
特に牛乳は飲んだほうがいいでしょう。「カルシウム」を不足している子供はとても多いため、牛乳を飲むことをおすすめします。
2歳~3歳の必要な睡眠時間はどれくらい?
幼児期の睡眠は成長と生活リズムを作るためにとても大切なものです。幼児期の頃から睡眠時間が短かったり、夜更かしをしていると成長に悪影響です。
また、生活リズムが乱れたまま成長していくと、生活リズムを治すときに苦労をしてしまいます。
2歳が必要とする睡眠時間は「11時間〜14時間(昼寝を含む)」です。(参照:米国睡眠医学会「Make Time 2 Sleep」)
11時間~14時間必要だからといって夜の0時に寝かせて朝の11時に起こすなんてことはやめましょう。必要とする睡眠時間は大切ですが、起きるのが遅くなるとどんどん体内時計が狂っていきます。
体内時計が狂うと食欲の低下や元気がなくなる、集中力がない、ボーっとしていることが多くなります。そのため、早寝早起きをして朝の日の光を浴びて体内時計を戻す必要があります。
2歳~3歳のしつけはどうすればいい?
お子さんがなんでも自分でやろうとしたりして、苦労している親御さんは多いと思います。しつけをするにしても2歳ということで本当に理解しているのか、怒っても良いのかなど悩みますよね。
まずは、しつけをするかどうかの前に、なぜ子供はなんでも自分でやろうとするのか解説します。
しつけに関しては子供の将来に影響する可能性があるので2歳の行動の理解を深めてからどうすればいいのか知っていってください。
なぜ自分でやろうとする?
2歳になると好奇心も旺盛になってきます。今までは見るだけだったのが、自分で触ったり、何かすることができるようになるため「なんだろう」「どうやるんだろう」と色々なものに興味を持ちます。
将来、成長して自分で考えて行動できるように育てるためには、子供の好奇心というのはとても大切です。
自分で何かをしようとしていたり、集中しているときはお子さんが納得するまで見ておくだけにしておきましょう。
ついつい「こっちにしなさい」「早く〇〇しなさい」「お母さんがしてあげる」と言ってしまうかもしれませんが、これでは子供は達成感・満足感を得ることができません。
「できた」という達成感、「楽しかった」「面白かった」という満足感が大切です。達成感、満足感を味わうことで次にする新しい経験に意欲が湧いて積極的に行動ができるようになります。
しつけはどうすればいいの?
基本的には見守ってあげることが大切ですが、時と場合にもよります。さすがに危険なことをしているのに見守るなんてことはできません。
しつけをするにあたって大切なのは”怒る”ではなくて”叱る”ことが大切です。怒ると叱るは似ていますが少し違います。
怒るというのは「自分が腹が立つから」です。叱るというのは「その子を良くしよう・改善しよう」です。このように対象者が少し違います。
子供が悪いことをして、頭ごなしに子供のしたことを否定、威圧的な態度、長々とした説教はただ単に親の感情、怒りをぶつけているだけです。
子供が悪いことをしてしまったら、なぜそのようなことをしたのか聞きましょう。それから子供がきちん話せたら、話したことを褒めましょう。
それから、なぜその行動がいけなかったのか説明をしてあげましょう。そのときに「周りの人はどんな気持ちになる?」など相手のことを考えさせるといいでしょう。
2歳~3歳はどんな時期?イヤイヤ期はなぜ起きる?
2歳になると心も体もめざましく発達してくるので体を思い通りに動かすことができるようになってきます。
手足の機能と筋肉が発達し、道がでこぼこや狭いところでも、転げないようにバランスをとって歩くことができるようになります。
また、走ったり、ジャンプをしたり、手足の機能が発達している子だとボールを蹴ったり投げたりすることもできるようになります。
我慢ができないイヤイヤ期はなぜ起きる?
2歳になると我慢ができず、自己主張が強くなるイヤイヤ期という時期がでてきます。
なぜイヤイヤ期があるのかというと、体を思い通りに動かすことができ、言語が発達することで「あれも欲しい」「これも欲しい」「自分がやってみたい」など様々な欲求が出てきます。
しかし、2歳はまだ「我慢をする」という欲求や感情をコントロールすることができません。我慢の経験はあまりありませんし、上手に感情をコントロールするなんて、2歳にはとても難しいことです。
そのため、お子さんが何か欲しいとき、何かをやろうとしているときは、なぜ欲しいのか、なぜやろうとしているのかを考えて受け止めてあげましょう。それからダメであればダメな理由をしっかりと説明してあげましょう。
3歳を過ぎると我慢ができるようになってきます。何か小さいことでも我慢をすることができたら、我慢ができたことについてほめてあげましょう。
まとめ
2歳の子供は「魔の2歳児」や「イヤイヤ期」などあまり良いイメージがないかもしれませんが、それは我慢の経験がなく、感情のコントロールができていないからです。
いわば、何かを始めたときの初心者のようなものです。いきなり我慢してと言われてもできないのは当然です。
2歳はこれからのために我慢を覚える時期です。そのため、我慢をすることができれば褒めてあげるといいでしょう。
2歳を含めた幼児期は「食生活のリズムや栄養バランス、運動、生活リズム、精神的ストレス、親の育児状況」が成長に大きく関係してきます。
食事の時間や栄養バランスが乱れていたり、睡眠時間が短く生活リズムが狂っていたり、間違ったしつけで精神的ストレスを感じていたりすると、子供の身長と体重が伸びなくなるかもしれません。
全てをほとんど完璧にこなしているのに、子供が成長しないということもありえます。その場合は成長障害をきたしている可能性があります。
成長障害か確認するために病院で診てもらっていいですし、今までの成長記録が残っているのなら成長曲線をつけてみてください。成長曲線をつけて平均よりも大きく下回っている場合は成長障害の可能性がかなり高いので、すぐに病院で診てもらいましょう。