プラセンタ、といえば美容に良いと評判の成分です。女性であれば、プラセンタ配合の化粧水やサプリメントを使ったことがある、という人も多いかもしれません。
プラセンタとは日本語訳をすると胎盤という意味になります。胎盤は赤ちゃんが母体の中で成長をするために欠かせないものです。
そんな胎盤には、体に必要な栄養素がたっぷりと詰まっています。プラセンタに配合された栄養を使ったサプリメントやスキンケアを使うと、体に沢山の栄養を取り込むことが出来るでしょう。
プラセンタは医療機関でも使われているほど、貴重な栄養源です。それだけ沢山の栄養が含まれているのであれば、子供にも良い影響を与えてくれるのでは、と考えるのではないでしょうか。
胎児が栄養を補給するための胎盤というと、子供でも安心して使えるような印象があります。しかし本当に子供の成長にプラセンタは良いのでしょうか。そしてどんな効果があるのでしょうか。
子供にプラセンタは必要?成長を促進する?
プラセンタには本当に沢山の栄養が含まれています。
主成分は成長因子という内因性たんぱく質の一種で、細胞の新陳代謝を促す効果があります。
他にもアミノ酸、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、核酸、酵素といった、人が健康的に過ごすために欠かせない栄養を取ることが出来ます。
そのため子供がとっても体に良い効果を実感できるのでは、と思うでしょう。
しかし、子供があえてとる必要はありません。胎児がプラセンタから栄養を補給するのは、食事等から栄養を補給することが出来ないからです。
しかし成長期の子供は自分で食事から栄養を取ることが出来ます。食事から取る栄養が、体の成長には一番大切なのです。
プラセンタの主成分である成長因子は、子供にも良い影響を与えてくれると思われがちですが、思春期の子供はプラセンタから補わなくても十分体内で成長因子を作ることが出来ています。
もしサプリメントなどから取ってしまうと、過剰摂取につながる可能性があるでしょう。プラセンタで栄養を補う必要があるのは、成長期を過ぎた大人です。
プラセンタの種類
胎盤、というと人の胎盤を想像する人が多いかもしれませんが、人の胎盤は数に限りがありとても貴重なので、医療の現場でしか使われていません。
サプリメントやスキンケアに使われているプラセンタは、動物などの胎盤がほとんどです。
では、プラセンタにはどんな種類があるのでしょうか。
定番なのが豚プラセンタです。豚は年間沢山の子供を産むため簡単にプラセンタを採取することが出来ます。そのため一般的に流通しているプラセンタは、豚由来のものがほとんどです。
次に主流なのが馬プラセンタです。馬プラセンタには他のプラセンタよりも沢山のアミノ酸が配合されています。また栄養管理や品質管理が徹底していて安全性も抜群なので、馬プラセンタを好む人も多いでしょう。
海洋性プラセンタは魚が卵を包んでいる卵巣膜から採取した栄養で、正式には胎盤からの栄養ではありません。
植物性プラセンタは植物の胎座から抽出した栄養で、こちらも正式には胎盤ではありません。
しかしビタミンやミネラルが豊富に含まれているので美容効果も高いでしょう。
プラセンタの安全性と子供への影響
プラセンタは体に良い成分だと評判ではありますが、昨今では安全性の問題が危惧されています。特に動物の胎盤から採取した栄養素ということで、安全性や品質が気になるという人も多いでしょう。
また栄養が多く含まれているからこそ、子供には栄養の過剰摂取につながるのでは、副作用が起こるのでは、と感じる人も多いかと思います。
果たしてプラセンタは本当に安全な栄養なのでしょうか。副作用が起こったり危険な症状に陥るといったことはあるのでしょうか。特にプラセンタによる子供への影響についてを調べてみました。
プラセンタの安全性と副作用
プラセンタは胎盤から抽出した栄養を使っています。医療機関で使われているプラセンタは人の胎盤から採取し、特定生物由来製品に指定され使われています。
医療機関でのプラセンタは、主に更年期の治療などに使用することが多いでしょう。
医療機関で製造から市販までさまざまな安全対策の元で使用されているので、安全性は十分です。日本で医療期間のプラセンタ注射を使った人が感染症を起こしたなどの報告もありません。
国立健康・栄養研究所の見解では、さまざまな有効成分が含まれているが有害影響としてアレルギー、薬剤性肝機能障害を起こした事例が報告されています。(参照:国立健康・栄養研究所「プラセンタ、胎盤」)
これらの症状は直接プラセンタと関係あるかどうかは証明されていませんが、体に大きな影響を与える成分なので、さまざまな変化が生じるのでしょう。
プラセンタで起こるアレルギー反応とは
プラセンタをとる上で注意をしたいのが、アレルギー反応です。プラセンタは加工して作られた成分ではなく、生物由来の成分です。
そのため効果が強く出すぎるということはあまりありませんが、副作用が起こる可能性があります。その中の一つが、アレルギー反応です。
プラセンタで起こる可能性があるのは、異常蛋白によるアレルギー反応です。
極稀に起こるとても珍しい反応ではありますが、サプリメントやドリンクや注射からプラセンタを取ったあと異常蛋白アレルギー反応が起こり、皮膚に痒みや発疹などが起こる可能性があります。
そのため、もし不安な場合は皮膚科などでアレルギー検査を行ってからの摂取をおすすめします。
また、少量の場合はアレルギー反応が出ない可能性が高いです。もしプラセンタを取るときは少量から取り始め肌の反応を確認してみましょう。
極わずかな量でも肌にトラブルが起こる人は体質的に合わない可能性が高いので、プラセンタは使用しないほうが良いでしょう。
プラセンタで太るって本当?子供も太るの?
プラセンタを飲むと太る、むくむ、という人もいます。これはプラセンタの新陳代謝の改善効果と成長因子のせいでしょう。
プラセンタの影響で太る可能性があるのは、大人も子供も同じです。また子供のほうが強く影響を受けやすいかもしれません。
プラセンタに配合されているアンチエイジングのおかげで代謝が促進され新陳代謝が活発になります。
代謝が活発化すると肌が生まれ変わりやすくなる、肌質が若返るというメリットと同時に、エネルギーの消費が活発化しお腹が減りやすくなるというデメリットも生じます。
特に中高年がプラセンタを取ると基礎代謝が落ちているときに空腹感を感じてしまうので、より太りやすくなってしまうでしょう。
成長因子を取り込むことで太りやすくなる場合もあります。成長因子はからだが成長するために必要な成分で、骨や筋肉を増幅させる効果があります。
細胞が活性化し成長を促すことで体が太りやすくなってしまうのです。
健康的な体にはなりますが、肥満が気になる子供にはあまりおすすめできません。
プラセンタの摂取方法や摂取年齢について
プラセンタに限らずあらゆるサプリメントは、摂取方法を変えるだけで効果が格段に上がる場合があります。
サプリメントによって効果が出やすい時間帯や飲み方などが違うので、もし栄養を取りたい場合はそのサプリメントの性質について調べてみることをおすすめします。
せっかく同じ栄養を取るなら、少しでも効果が出やすい方法のほうが良いでしょう。効果が早く実感できれば出来るほど、続けて飲もうという意欲にもつながります。
逆になかなか効果が出ない場合は、飲み方を改善することで効果を実感できるかもしれません。
それではプラセンタはどのように飲めば良いのでしょうか。また、プラセンタに年齢制限などはあるのでしょうか。
プラセンタの効果をより高める飲み方、タイミング、時期について調べてみました。
プラセンタは何歳から飲んでも良いの?
プラセンタはサプリメントです。薬と違い服用に年齢の目安があるわけではありませんし、何歳は何錠まで、という決まりもありません。
しかしプラセンタの効果が出やすい年齢は、20代後半くらいからだと言われています。なぜなら若いうちからプラセンタを取っていてもあまり効果を実感することが出来ないからです。
20代前半くらいまでは、プラセンタを取らなくても新陳代謝が活発で細胞も若いため、プラセンタの効果を実感しにくいでしょう。
もちろん将来のことを考えてアンチエイジング目的で飲み始める人もいるかもしれませんが、効果ははっきりとわかりにくいはずです。
プラセンタの効果を実感しやすいのは、代謝が落ちてくる20代後半くらいからです。
この時期に飲み始めると、プラセンタで疲れが緩和したり、肌トラブルが改善したり、将来的な肌の老化を食い止める効果を実感しやすいと言われています。
未成年の子供がプラセンタを飲むことはあまり推奨されていません。しかしどうしても取らせたい場合は5歳以上から、安全性を十分に確認できたサプリメントなどから始めましょう。アトピー緩和のために、医師に相談した上でプラセンタを摂取している子供もいます。
プラセンタ摂取で効果が出やすい時間帯はいつ?
プラセンタの摂取で一番効果が出やすい時間帯は、夜眠る前です。サプリメントによって、朝一番に飲んだり食事の後に飲んだら効果が実感しやすいサプリメントなど、違いがあります。
プラセンタは食事のすぐ後に飲んでしまうと、胃酸などでプラセンタの成分が分解されてしまいなかなか効果を実感することが出来ません。
就寝前に飲むことで、眠っている間にプラセンタの成分が体内に浸透していき効果を十分に実感することが出来るでしょう。
特にプラセンタの成分で重要なのが、成長因子です。成長因子は夜寝ている間に活発化するといわれています。成長因子でアンチエイジングの効果、代謝の促進効果を実感したい場合は、夜寝る前に飲むのが適切です。
また、プラセンタは水かぬるま湯で飲むことをおすすめします。プラセンタをジュースやお茶で飲んだときの副作用などは立証されていませんが、水やぬるま湯が一番プラセンタの成分をそのまま体内に届けやすいのです。
アルコールの場合は、プラセンタの有効成分が分解される可能性があるので止めましょう。サプリメントは基本的には、水やぬるま湯で飲むのが一番です。
子供がプラセンタを取る必要はなし!
プラセンタは確かに子供に良い成分が沢山配合されています。しかし子供が不足している栄養を補うためにプラセンタを取る必要はありません。
プラセンタは確かに胎盤から取れる栄養なので、乳幼児でも安心して摂取できるのでは、子供の成長を促進する効果があるのでは、と思うかもしれませんが、違います。
成長期の子供はプラセンタを取らなくても十分体内に栄養が満ちているので、プラセンタをサプリメントなどから摂取すると栄養の過剰摂取につながり、副作用が起こる可能性があります。
そのため、無理に取る必要はないでしょう。
もちろん栄養が足りない、アトピー等を改善したいなど、プラセンタでなくてはならない理由がある場合は別です。
もし子供がプラセンタサプリメントを飲むときは、子供にも推奨されているものを、出来れば医師と相談をした上で服用してください。
子供の栄養補給にプラセンタは不要!
プラセンタは、不足した栄養を補うのに効果的な成分です。子供の場合は、プラセンタに含まれている栄養の多くがたくさん分泌されているので、わざわざプラセンタから栄養を補う必要はありません。
もし栄養が足りないなと感じる場合は、プラセンタからの栄養補給ではなく、栄養バランスを整えることから始めましょう。
この時期は、サプリメントからの栄養よりも食事バランスの良い栄養摂取が重要です。
毎食しっかりと食べることで子供に必要な栄養を十分に満たすことが出来ますし、それだけで十分、体の成長にもつながるでしょう。
サプリメントで不足した栄養を補うのは、大人のすることです。不規則な食生活を続けていたり、食事だけでは補いきれない不足した栄養を補うためにサプリメントを飲むようにしてください。
もしどうしても子供の栄養状態が気になる、小食で栄養不足が不安だと感じる場合は、子供用のサプリメントをおすすめします。
プラセンタサプリメントは子供用として販売されているものはありませんが、成長促進系のサプリメントは、子供のために作られた商品も多いので、安心して服用できるはずです。
まとめ
大人も飲んでいるから、体に良さそうだから、といって、大人用のサプリメントを子供に飲ませる必要はありません。子供の栄養は基本的には、食事からで十分補うことが出来ます。
大人になると、いくら食事を取っていても不足する成分が出てきたり、食欲が衰えて十分な栄養量を満たすことが出来ないため、サプリメントで栄養補助を行います。しかし子供にはその必要はありません。
子供に大切なのは健康的な食事から栄養を補うことです。成長期の子供は、大人とは比べ物にならないくらいの栄養が体に満ちているので、サプリメントで栄養補助をする必要はないのです。
特にプラセンタは、子供がとる必要のない栄養素です。胎児が取っていた、胎盤から採取した、というと子供でも安心してとることが出来る栄養だと思うかもしれませんが、食事から栄養を取れる成長期の子供には、むしろ過剰な栄養になってしまうかもしれません。
栄養不足が気になるからプラセンタを、という親御さんは多いかと思いますが、基本は食事から栄養を補うようにしましょう。どうしても不安な場合のみ、子供用のサプリメントで栄養を補うようにすることをおすすめします。