身長サプリは粉末タイプ、錠剤タイプ、グミタイプなどさまざまな種類が販売されています。その中の一つである錠剤タイプには「賦形剤(ふけいざい)」と呼ばれるものが使われています。
子供に飲ませる身長サプリにそんな危険かもしれない添加物が使われていたら、本当に危険かどうか分からなくても飲ませるのは心配ですよね。
そこで今回は子供に安心して飲ませられるようになってもらうため、錠剤タイプのサプリに使われる「賦形剤」は安全なのか、徹底解説していこうと思います。
賦形剤とは?
賦形剤は身長サプリ以外にも錠剤として固めるために、さまざまなサプリメントでも使われるほど意外と幅広い添加物です。保存料や着色料、香料といった人工添加物は危険だと有名ですが、賦形剤はあまり聞き馴染みがないでしょう。
錠剤タイプの身長サプリによく使われる賦形剤(ふけいざい)とは、サプリメントの形に作ったり、量を増やしたり、濃度を薄めたりすることを目的とした添加剤です。
錠剤、散剤(粉薬)、顆粒剤などの固形製剤に、成型、増量、希釈を目的に加えられる添加剤。
サプリの増量を目的として使用したりすると賦形剤の配合量が増えるのですが、味に問題はなく、「不味い」「苦い」などの飲みづらい問題はありません。
乳糖とは?
乳糖とは別名ラクトースとも呼ばれ、お腹の中にある乳酸菌の働きを受けて、筋肉の疲労回復などの役割がある乳酸に変わっていくのです。主に米や小麦などの炭水化物の中に多く含まれています。
結晶セルロースとは?
セルロースとは植物の茎や葉、種子などから取れる繊維のことをいいます。賦形剤(ふけいざい)以外にも湿らせたり、液体が浸透しやすいようにするなどの働きがある乳化剤としても使われています。
水に溶けにくいと味がないのが特徴ですが、錠剤にすると水によって簡単に崩れ、効率よく働いてくれることから錠剤として優れた能力を持っているのです。
デンプンとは?
デンプンとは米や小麦に多く含まれる炭水化物です。水と混ぜ、加熱していくと糊(のり)状になっていき、賦形剤(ふけいざい)以外にもパンのモチモチ感やうどんのコシの維持などにも使われます。
味や臭いは一切ないので、他のものと混ぜても邪魔をしません。味は一切ありませんが、噛み続けるとデンプンと唾液が反応し、甘みが出てきます。
賦形剤は安全?危険?
先に結論から言うと身長サプリなどに使われている賦形剤(ふけいざい)は安全だといえます。
賦形剤としてよく使われる「乳糖・結晶セルロース・でんぷん」の3つは人工ではなく、すべて自然に存在する成分です。
人工だと免疫力が異物だと反応してアレルギーなどの症状を引き起こすことがありますが、自然にも存在する成分は拒否反応を起こしにくくなっています。
安全な賦形剤にも『2つ』の注意点があります!
「賦形剤(ふけいざい)は安全」だと言いましたが、実は2つの注意点があります。それは以下になります。
- 乳糖
- ナタネ硬化油
1.注意すべき賦形剤「乳糖」
乳糖は乳とついていますが「牛乳アレルギー」は出ません。しかし、アレルギーではなく「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」が起きるかもしれません。
乳糖不耐症とは、乳糖を消化する酵素が減少することによって生じるものです。症状として消化不良による下痢が現れます。
乳糖不耐症は個人差が大きくあり、人によって乳糖を消化する酵素の量が違うのです。そのため、乳糖不耐症になったとしても少量だった場合、下痢などにならず気づかない人もいます。
2.注意すべき賦形剤「ナタネ硬化油」
賦形剤の一種に「ナタネ硬化油」というものが存在します。これを賦形剤として使われることがあります。
ナタネ硬化油は常温だと液体の油ですが、水素を添加することによって固体になります。ナタネ硬化油以外にも、マーガリンやケーキに使われるショートニングも同様に水素を添加して作られています。
ナタネ硬化油と同様の作られ方をするマーガリンやショートニングを使ったパンやケーキ、ドーナッツなどにもトランス脂肪酸は含まれているのです。。
ナタネ硬化油に含まれる「トランス脂肪酸」は危険
トランス脂肪酸はコレステロール値を増加させ、不整脈などの心臓病、動脈硬化などの血管疾患といった心血管疾患のリスクを高めるため危険だといえます。
トランス脂肪酸などの脂質は三大栄養素の一つで、摂りすぎはもちろんダメですが少なすぎも健康に悪影響です。
トランス脂肪酸を日常的にとりすぎた場合には生活習慣病になるリスクが高くなりますが、食品に含まれている栄養素には、同じようにとりすぎによって健康に悪影響を及ぼすものがあります。
健康のために大切な脂質ですがトランス脂肪酸は食品から摂る必要はまったくありません。トランス脂肪酸による悪影響の報告は海外の人を対象としたものが多いので、日本人にどこまで影響あるのかわかっていません。
また、製造過程でできるトランス脂肪酸と牛や羊などの天然のトランス脂肪酸ではどちらのほうが悪影響なのかもわかっていないのです。
ナタネ硬化油が配合されていると危険?
トランス脂肪酸は心血管疾患のリスクを高め、摂りすぎると肥満になってしまうことがわかって頂けたと思います。
一応安全だと答えていますが、危険なトランス脂肪酸が含まれていないのか少し疑ってしまいますよね。
念のため、電話で実際に「ナタネ硬化油にトランス脂肪酸は含まれているのですか?」と問い合わせてみました。数社から頂いた回答は、簡潔にいうと「トランス脂肪酸は入っていません」と回答をいただきました。
一部の身長サプリの賦形剤に危険な成分は入っておらず、必要量も最低限に留め、安全性も確認されているので安心していいでしょう。
賦形剤が使われていない身長サプリメントは?
賦形剤の安全性について解説をしてきましたが、それでもやっぱり不安だと思う方もいるでしょう。
いくら賦形剤は医薬品にも使われているからといって、医薬品のように安全だという保証もないですし仕方がないことです。むしろ不安に思ったまま子供に飲ませるのもいけません。
何度もいいますが賦形剤に栄養素はありませんが、安全性に問題はありません。錠剤タイプのサプリメントでは必ず使われています。普段飲んでいるものにも使われていることがあります。
粉末タイプなら、固めるための賦形剤は使われていません。ただ、どのサプリメントでも甘味料などの添加物は必ず使われています。
無添加の身長サプリというものはありません。添加物はすべて身体に悪いというイメージを持ってしまいますが、添加物の中には賦形剤のように比較的安全なものから人工着色料のような危険なものもあります。
まとめ
以上、錠剤タイプによく使われている「賦形剤」の安全性について解説をしました。
賦形剤はあまり聞きなじみなく危険だと思われがちですが、実際には医薬品にも使用されている安全なものです。
賦形剤は安全なものだと分かってもらえたと思いますが、やはり子供のことなので不安感がどうしても残るという方もいると思います。
無添加の身長サプリというのはほとんど存在しません。原材料や成分をしっかりと安全かどうか理解して与えることのほうが大切です。
もし、どうしても不安だと思うのであれば粉末タイプの身長サプリを考えてみてはいかがでしょうか。