「シェラック」という成分をご存知でしょうか。「光沢剤でしょ」と即答できる方もいることでしょう。シェラックは様々な食品に配合されていることが多いです。そのため、漠然と安全性があると思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、たくさんの食品に配合されているからといって、必ずしも安全性が高いとはいえません。もちろん、日本で製造・販売されている食品は、厳しい安全基準をクリアしたものばかりなので、危険が高いとまではいえないでしょう。
だからといって、すべての方に安全性が保障されているわけではありません。ましてや、子供に摂取させようと考えている場合には、本当に危険ではないのか知っておきたいところです。
光沢剤は添加物の一種
そもそも、シェラックのような光沢剤がなんなのか分からない、という方もいるのではないでしょうか。光沢剤が何なのか分からないと、シェラックが危険なのか、それとも安全性の保証されたものなのか分からないところです。
光沢剤とは、いわゆる添加物の一種です。つまり、サプリメントに光沢剤が使われている場合、何らかの加工が施されていることを意味します。添加物だからといって、直ちにすべての光沢剤が子供にとって危険なわけではありません。
光沢剤は、様々な食品に使われています。なぜなら光沢剤には、表面にツヤを出す効果だけではなく、酸化や湿気から食品を守る働きがあるからです。
食品からの水分の蒸発を防いだり、逆に湿気から食品を保護するために、食品の表面に皮膜を作ったり、表面を保護して光沢を与える目的で使用されるものが光沢剤です。光沢剤には、水に溶けない性質を持つワックスや樹脂が使われています。
光沢剤は食品以外にも使われることがあります。ヴァイオリンや家具など、木製のもので繊細なものの仕上げ材のニスとして使われることがあるのです。
「光沢剤」との言葉の通り、光沢剤を使ったものの表面は乾くと光沢がでます。そのため、食品以外にも使用されるのです。
シェラックってどんな光沢剤?
シェラックも光沢剤の一種です。何からつくられているのかというと、「ラックカイガラムシ」というムシが分泌する樹脂状のものです。これを精製すると、シェラックになります。
ムシの分泌物からできていると聞くと少し気持ち悪い気もしますが、ハチミツだってミツバチが集めたものですし、コラーゲンだって動物由来のものがほとんどです。
そう考えると、子供を含めた人間の食生活というのは、様々な命に支えられてできています。シェラックの光沢剤もその1つではないでしょうか。
シェラックはどんな味がするのかというと、特に味はありません。さらにいうと、臭いもしません。そのため、シェラックが使われているチョコレートなどの臭いをかいでも、チョコレートの臭いしかしないでしょう。
ラックカイガラムシの分泌物と聞くと、毒を持っているムシも存在することから、毒性はないのか気になるところですが、それもありません。したがって、毒の危険という観点からいうと、安全性があるといえるのではないでしょうか。
シェラックの副作用や危険性は?
お菓子やサプリメントに光沢剤として配合されていることの多いシェラックですが、そうなると気になるのが、子供が口にしても大丈夫なものなのか、ということではないでしょうか。
お菓子は子供でも口にするものですし、子供に飲ませようと思っているサプリメントにシェラックが使われていると、シェラックの安全性はどうなのか気になるところです。
さらにいうと、副作用の危険はないのかも親として見過ごせないポイントです。安全性はあったとしても、一定の副作用があるとなると、できれば子供の口には入れたくない添加物になるからです。
シェラックにどんな副作用の危険があるのか、また安全性は高いものなのかが分かれば、シェラックが使われているサプリメントであったとしても、お子さまに安心して飲むのをおすすめできるのではないでしょうか。
シェラックの危険性は?
「そもそも光沢剤を子供が口にするようなものに配合して良いのか」と思われる方もいるかもしれませんが、光沢剤のすべてに危険があるわけではありません。光沢剤といっても様々なものがあるので、光沢剤だからといって、一概には判断できないのです。
では、シェラックはどうなのかというと、特に大きな危険はありません。シェラックは栄養成分のほぼないものなので、からだに良いものであるとはいえませんが、人のからだに副作用などの健康被害を起こすものでもないので、悪いものでもありません。
良いものでも悪いものでもないというと、「それってどうなの?」と思われるかもしれませんが、悪いものではない、というところがキーポイントです。
つまり、シェラックが塗られているサプリメントを摂取したとしても、シェラックを原因とする健康被害が起きる可能性は低いということです。
したがって、シェラックを理由としてそれが使われているサプリメントを選ばない理由にはなりません。毒性もないので、シェラックが含まれているサプリメントであったとしても安心して摂取できるのではないでしょうか。
子供が摂取した場合の安全性は?
ところが、子供に摂取させる場合になると、その安全性は本当に確立されているのか気になるところです。光沢剤であるシェラックを摂取しても大人に危険はなさそうだ、ということが分かったとしても、子供のからだではどうなのか心配になるでしょう。
シェラックには特に子供のからだに影響を及ぼすような成分は含まれていません。しかも、アメリカ食品医薬局でも認可されている成分です。そのため、子供がシェラックを摂取したとしても、安全性があるといえます。
子供でも安全性のある光沢剤なので、もしシェラックが含まれているサプリメントの購入を悩まれている場合は、シェラックが含まれていることを理由に購入を断念しなくて大丈夫です。
サプリメントだけではなく、チューインガムやチョコレート菓子なども同様です。無味無臭なので、シェラックを嫌うような子供もいないでしょう。
したがって、シェラックが含まれているかどうかよりも、それ以外の栄養素や成分をみて、子供にとって良いかどうかを判断することが必要です。
アメリカ食品医薬品局とは?
「シェラックはアメリカ食品医薬品局で認可を受けているとのことだけど、それってどんな機関?」と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
日本で安全性があると確立されていれば安心ですが、本当に子供にとって危険がないのか心配になるところでしょう。
アメリカ食品医薬品局では、シェラックなどの光沢剤だけではなく、様々な食品や医薬品についての認可を行っています。さらにいうと、化粧品や医療機器、たばこなど一般的に広く消費されるものについて、許可や取り締まりなどを行っているのです。
この機関の主な使命は、認可をした食品や製品の安全性を保証することです。日本の省庁では、様々な食品や製品に厳しい基準を設けているものの、安全性を保証するというスタンスはほぼありません。
つまり、アメリカ食品医薬品局で安全性が認可されているということは、シェラックは人体への影響をほぼ持たない成分であるといえます。さらに、日本製のサプリメントやお菓子にも使われているので、危険はほぼないと考えて大丈夫です。
まとめ
子供用のサプリメントに「シェラック」とあったとき、それを知らない方だと「これって子供が口にしても危険じゃないものなの?」とただ疑問に思うだけです。
それが光沢剤と知ると、安全性のあるものなのか心配するのは、親なら当たり前の心情ではないでしょうか。
しかし、シェラックについては心配無用です。サプリメントだけではなく、他の様々な食品にも使われており、毒もなく、アメリカ食品医薬品局でも安全性を認可されているので、子供が摂取しても安心できる光沢剤です。
100%無添加だと、今度は湿気や防腐をどうするのか、という問題が発生するからです。
したがって、子供用のサプリメントを選ぶにあたって大事なことは、100%無添加なものではなく、子供に合ったサプリメントであるかどうか、ということです。子供用のサプリメントは、子供の成長を願う親の心を反映したものばかりです。
子供にサプリメントを、と考えている場合には、「子供向けのサプリメントであること」と「子供に必要な栄養が含まれていること」を重視して選ぶのがおすすめです。