身長サプリで使われていることがある「ボーンペップ」は骨を伸ばす働きがあり、子供の身長を伸ばすといわれています。
本当に骨を伸ばす働きがあるのか正直あまり信用できませんよね。そこで今回は本当にボーンペップに骨を伸ばす働きがあるのか研究結果などから徹底検証していきます。
※JNFは日本ニュートリション協会のことです。
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ボーンペップとは?
ボーンペップとは卵黄から見つかったペプチドたんぱく質です。見つかったきっかけは、医薬と食の融合を目指している株式会社ファーマフーズが、ニワトリの卵からヒヨコに変わることに着目したことでした。
温めるだけでヒヨコへと変化する卵には成長に必要な材料と促進する物質が入っていると考え、研究した結果、卵黄の中にあるペプチドだとわかりました。
その卵黄の中にあったペプチドは骨に作用することが分かったので、骨のboneとペプチドのpeptideをあわせてボーンペップと呼びます。
ボーンペップは熱と酸に対して強く、壊されることはないのでビタミンのように調理の段階で失うことはありません。
ペプチドたんぱく質について
ペプチドたんぱく質の「ペプチド」とはたんぱく質とアミノ酸の中間にいる成分です。たんぱく質より細かく分解されており、さらに細かくなるとアミノ酸となります。
ペプチドタンパク質はたんぱく質よりも吸収されやすいメリットがあるのです。また、たんぱく質にはなくペプチドにしかない特有の機能性もあります。
たんぱく質よりも優れているように思えるペプチドですが、その分入手することが難しく、お金もかかります。
たんぱく質なら肉や魚、大豆などの食品から簡単に摂取できる。費用もそこまでかからないといったメリットがあります。
ボーンペップはどんな働きをする?
ボーンペップは文字通り骨の成長を助ける働きがあります。ボーンペップは骨の成長を促進する骨芽細胞の活性化と、骨を壊す破骨細胞の働きを抑制します。
骨の成長を活性化させ、壊すことを抑制することで骨の強度や伸長を高めてくれるのです。骨の材料となるカルシウムと一緒に摂ることで効果にさらに期待ができます。
成長のために骨を伸ばすことに期待できますが、そのほかにも骨が折れやすくなる「骨粗しょう症」という病気の予防にも期待できるのです。
たとえ骨粗しょう症とまではいかなくても、骨を強化することによって骨が折れにくくなります。また、それ以外にも骨を真っすぐにすることができ、骨の曲がりによる身長の低さを予防します。
ボーンペップには効果がない!?
ボーンペップについて調べてみると効果がない、働きに期待ができないといった内容の記事を見かけたことはありませんか。
私も実際にボーンペップについて調べてみると効果に対する根拠が一切なく、たしかに信用性に欠けるなと思いました。
では、上記のボーンペップの働きは嘘になるのか調べてみたところ、海外の研究結果に「ラットに卵黄たんぱく質(ボーンペップ)を与えたところ骨の成長速度が増加した」との報告がありました。(参照サイト:Effects of egg yolk proteins on the longitudinal bone growth of adolescent male rats.)
また、それ以外にも「骨粗しょう症の予防のためにラットに卵黄ペプチド(ボーンペップ)を与えたところ骨密度が増加した」という報告も見つかりました。(参照サイト:Protective effect of egg yolk peptide on bone metabolism.)
研究結果は出ていますが、私としては人間とラットでは体の構造が違うので、効果は期待しますが完全に効果があるとは信用しません。
たとえばですが、人間と犬は同じ雑食ですが穀物をたくさん食べると犬は腸が短いので消化不良を起こします。これで「犬の実験から人間も穀物を食べると消化不良を起こす」と言われて信用するのは難しいですよね。
そのため、可能性はあるかもしれませんが私は完全には信用していません。そこで本当に効果に対して根拠はないのか調べてみたところ、ボーンペップの特許を取得している株式会社ファーマーズが著者の「鶏卵の高度利用」を見つけました。
その内容を読んでみると以下のことが書かれていました。
鶏卵から骨形成促進成分を探索し,卵黄の加水分解物より骨芽細胞増殖活性を有する物質を見いだした.さらに動物試験,ヒト臨床試験にて効果を確認し,骨伸長素材「ボーンペップTM」として大手メーカーに採用されている
上記で注目してほしいのが動物試験の後に「ヒト臨床試験にて効果を確認し」と書かれていることです。
「ヒト臨床試験」ということは私たちと同じ人間で試験を行い、効果を確認したということになります。
このことからボーンペップは「骨を伸ばす」という働きがあるといえます。効果がないと言っているサイトもありますが、しっかりとボーンペップの効果は確認されているので安心してください。
ボーンペップは食品から摂取できる?
ボーンペップは鶏の卵から見つかったものなので「鶏卵」から摂取することができます。食品から摂取できるのは鶏卵だけともいえます。
どうしても食品からボーンペップを摂りたいと思う方は”鶏”の卵を食べるといいでしょう。ただし、注意点があります。それは「カロリー」です。
ボーンペップは卵黄を酵素で処理をする「加水分解」で脂質を取り除いて作られています。そのため、ボーンペップによって肥満になるということはありません。
しかし、卵自体を摂取するとカロリーが高くなり肥満になる恐れがあります。肥満になると身長に悪影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。
そのため「ボーンペップを摂らせて子供の成長をサポートしてあげたい!」と思うのであればサプリから摂取したほうがいいかもしれません。
ただ、サプリで摂取するとなるとさまざまな栄養素が過剰摂取になってしまうかもしれません。しっかりとサプリの用法用量を守るようにしてください。
卵アレルギーの人がボーンペップを摂っても大丈夫?
ボーンペップは卵黄から摂れるペプチドのため、お子さんが卵黄アレルギーを持っている方は一番気になりますよね。
まず卵アレルギーの原因は、卵黄か卵白のどちらかが原因で引き起こされるものです。ほとんどは卵白が原因でアレルギー症状を引き起こします。
ただ、卵黄・卵白どちらが原因か分かっている方なんて極少数だと思います。その場合はアレルギーが出るかわかりません。
私としては、もしものことを考えて卵アレルギーを持っているならボーンペップは摂取しないほうがよいと思います。
一応卵アレルギーが出にくい量に調節されているサプリもありますが、絶対ではないのでおすすめしません。
必要摂取量はどれくらい?
ボーンペップはどれくらい摂取する必要があるのか気になりますよね。せっかく買ったのに効果が薄く無駄になってしまうのは避けたいところです。
ボーンペップについて調べてみましたが、残念なことに必要摂取量についての情報が書いてませんでした。ボーンペップの特許を取得した公式サイトにも書いていませんでした。
食品から摂取するので心配はないと思いますが過剰摂取による危険性についても不明でしたので、あまり摂りすぎないようにしましょう。
ボーンペップで身長を伸ばせる?
ボーンペップには骨を伸ばす働きがあるので、身長を伸ばせるといいたいのですが子供の身長を伸ばすには一つの栄養素を摂るだけではいけません。
他の栄養バランスも大切です。「ボーンペップを摂っているけどカロリーが増えすぎて肥満になった」では伸びませんし、反対に成長が止まってしまうかもしれません。
また、他にも「ボーンペップを摂っているけど運動はまったくしない」では運動による骨への刺激がなくなり、骨の成長を促すことができません。
睡眠も大切です。「ボーンペップを摂っているけど睡眠時間が短い」だと、睡眠による成長ホルモンの分泌が減り、骨の成長を止めてしまいます。
身長を伸ばす働きのあるボーンペップを摂ったからといって、他の食事や運動、睡眠などの生活習慣が乱れていると伸びるものも伸びなくなってしまいます。
お子さんの生活習慣が乱れているなら先にそちらを改善しましょう。それからボーンペップを含んだ「身長サプリ」を飲むといいでしょう。
まとめ
ボーンペップについて解説しました。ボーンペップとは卵黄から見つかった骨の成長を促進するペプチドたんぱく質です。
ボーンペップは摂取する方法が鶏の卵かサプリかのどちらかしか摂ることができません。ただ、摂取することが難しい分、骨の成長の効果はかなり期待できます。
実際に動物の試験と人間の臨床試験どちらも行い、効果があったと報告されているので信用性はかなり高いといえるでしょう。
ただ、ボーンペップの必要摂取量がどこにも書かれておらず、どれだけ摂取すればいいのかわからないのがとても残念です。
また、ボーンペップに骨を伸ばす効果があったとしても、お子さんの生活習慣が乱れていたら身長を伸ばすことはできません。そのため、まずは生活習慣を見直してからボーンペップを摂取しましょう。
ボーンペップは卵黄から摂れたものなので、卵アレルギーを持っているお子さんは発症するかもしれませんので気をつけましょう。