睡眠の質が改善するクワンソウとは？子供にも良いって本当？

クワンソウとは？

クワンソウとは、アキノワスレグサとも呼ばれているオレンジ色をした花のことを言います。

中国原産のユリ科の花で、日本国内では沖縄や近畿地方の南側に生えていることがあります。そのため、クワンソウを見たことがないという人も多いでしょう。

クワンソウは、眠り草と呼ばれているほど安眠効果の高い花です。1808年江戸時代後期頃にはクワンソウの茎や葉っぱを煮詰めて安眠剤として食べることもありました。

しかし昔は安眠効果は立証されておらず、2010年頃からクワンソウの安眠効果が注目され始めました。

昔から愛されてきた食用の花ではありますが、昔は安眠効果ではなくその華やかさから、クワンソウを使った花サラダやおひたし、ナムルに使われていたのです。

クワンソウの安眠効果が知られるようになったのは、琉球大学の研究からです。

クワンソウの成分を抽出していくうちに睡眠効果のある成分が含まれていることがわかり、現在ではクワンソウを使ったサプリメントやお茶も販売されています。

料理の食材として使うことは難しいですが、サプリメントやお茶であれば日常的にも簡単に取り入れることが出来るでしょう。

クワンソウに含まれている安眠成分とは？

クワンソウには体に良い成分が沢山含まれています。配合成分が明確に知られるようになったのは2010年以降ではありますが、その成分の効果のおかげで、さまざまなサプリメントに使われるようになりました。

特に注目したいのが、クワンソウに含まれているアスパラギン酸、リジン、トリテルペンです。これらの成分はとても体によく安眠効果もあり、健康にも良い成分です。

子供にも良いといわれているので積極的に摂りたい成分といって良いでしょう。

具体的に、クワンソウに含まれているこれらの成分はどんな効果があり子供にはどんな影響があるのでしょうか。

「アスパラギン酸」とはどんな成分なのか

アスパラギン酸とは、即効性のエネルギー源であり、アミノ酸の一つです。L体とC体の2種類が存在し、特にL体は非必須アミノ酸で味も美味しいと評判です。

アスパラギン酸は即効性のあるエネルギー源のため、栄養剤に使われることもあるほどです。摂取すればするほど、体の中でエネルギーとしてどんどん発揮することが出来ます。

効果として有名なのが、疲労回復効果です。クエン酸回路に働く効果があるため、疲労の原因となる乳酸の分解を促進させ疲れを軽減してくれるでしょう。

また、グリコーゲンの生成を助けてくれるのでスタミナアップの効果も実感できます。

代謝の活性、体液バランスの改善、解毒などの効果も注目されているので、体に良い効果を沢山もたらしてくれるはずです。

アスパラギン酸は名前を見てわかるとおりアスパラガスから摂取することが出来ます。アスパラガスにはアスパラギン酸以外にも体に良い成分が多く含まれているので、積極的に摂りたい野菜です。

アスパラギン酸は有効性が確認されていない成分である

アスパラギン酸は体に良い成分がたくさん含まれている成分と思っている人も多いかもしれませんが、実は国立健康・栄養研究所の見解では、人に対しての有効性が未確認となっています。(参照：国立健康・栄養研究所「アスパラギン酸」)

そのため、アスパラギン酸は確実に効果がある成分という訳ではないのです。

アスパラギン酸は、体内のエネルギー代謝や窒素代謝に関与する成分なので、疲労回復や抵抗力を高める効果があるといわれています。

しかしこれらの効果に関して、人に有効性や安全性が信頼できるというデータは見当たっていません。

確かに体に良い効果がありそうではありますが、確実に体に良い、効果が立証されている成分だと言うわけではないということを理解したうえでアスパラギン酸を摂取しましょう。

ちなみに、有効性や安全性に対しての立証はされていませんが、副作用の報告はあります。

サプリメントに配合されていることも多い成分ではありますが、サプリメント自体の安全性も十分な情報がないため、安全性を重視する場合は注意をしてください。

「リジン」とはどんな成分なのか

リジンは必須アミノ酸の一つです。

人の体を更生するアミノ酸は20種類ありますが、その中でも9種類は体の中で作ることが出来ない必須アミノ酸に該当します。必須アミノ酸は、食品などから摂取しなければいけません。

リジンは人の体内のたんぱく質の中に1割ほど含まれているアミノ酸です。健康的な生活を送るためにも、しっかりと補う必要があります。

リジンの効果は集中力のアップ、体の成長を高める、肝機能の強化などがあります。抵抗力を高めたり免疫力のサポート、エネルギー代謝の促進などの効果もあります。

また最近は育毛促進効果も注目を集めているため、育毛剤に含まれることも増えてきました。さまざまな研究が進んでいる成分なので、今度もリジン配合のサプリメントが増えたり、新しい効果が見つかる場合もあります。

体に欠かせないアミノ酸の一種なので、不足すると悪い症状が起こる可能性があります。

体内のリジンが不足すると、疲れがたまり集中力の低下、肝機能の衰え、コレステロールの上昇などが起こったり、めまいや吐き気、貧血や目の充血が起こる可能性もあります。

リジンは有効性が確認されていない成分である

リジンは必須アミノ酸の一種であり不足しやすいアミノ酸の一種です。そのため積極的に摂取することが推奨されています。

しかし、人への有効性に関しては、信頼できる情報が出てこないというのが国立健康・栄養研究所の見解です。そのため、リジンを摂って本当にさまざまな効果が実感できるかどうかは確認されていません。(参照：国立健康・栄養研究所「リシン」)

ちなみに安全性に関しては立証されている成分です。適切な状態で口内から摂取した場合は、安全性が確立されています。

ただし、妊娠中や授乳中の方が摂取したときの安全性に関しては立証されていません。あくまで健康な状態の人が摂取したときは、安全な成分ということです。

さまざまな有効性が注目を集めている成分ではありますが、あくまで効果があるかもしれない、程度だと思いながら摂取をすることをおすすめします。

しかし、適切に短期間取った場合は特に副作用はないので安心してください。

小児がサプリメントなどから取った場合は、安全性に関して信頼できる十分な情報は確認できませんでした。そのため小児が健康のために、サプリメントなどから取ることはおすすめしません。

「トリテルペン」とはどんな成分なの？

トリテルペンとは、テンペルの一種であり高麗人参やキノコ類などから摂取することが出来ます。

複数個数が結合してできた成分であり、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セスタテルペン、トリテルペン、テトラテルペンなどに分類することが出来ます。

トリテルペンは天然界に多く存在している成分であり、二次代謝産物です。特に最近は香料と医薬品に使われることが多くさまざまな効果が注目を集めています。他にも苦味や辛味が使われることもあります。

トリテルペンは薬用のにんじん、甘草などからとることが出来る成分で、特に薬用植物の有効成分として見出されてきました。

天然のトリテルペンのほとんどは環状構造を持っていて、生合成中間体となっています。

さまざまな医療効果が注目を集めている成分であり、医療機関ではこれからも活躍することが多いでしょう。子供に直接関係することは少ないかもしれませんが、アレルギー機能や抗炎症のために子供に使われる場合もあります。

トリテルペンはどんな働きがあるのか

トリテルペンの効果の中でも特に注目したいのが、抗炎症、発ガン予防、抗アレルギー機能です。

炎症やアレルギーが起こるのは、生物的や物理的な刺激によってストレスが発生し起こることがほとんどです。トリテルペンは抗炎症剤、抗アレルギー剤としての役割を発揮し、症状を抑えることが出来ると言われています。

実際にアレルギーや炎症が起こったときにトリテルペンを使用し反応が改善したと言う報告は多数見受けられますし、モデル動物実験で活性が見出されたと言う結果も出ています。(参照：「天然トリテルペンの抗炎症,抗腫瘍 および発がん予防機能」)

また、トリテルペンは発がん予防効果も知られています。ガンは正常細胞に科学的や物理的、生物的な損傷が起こり発生します。

しかしトリテルペンを摂取することでがん細胞の発祥を抑制する効果があると研究でわかりました。

他にもトリテルペンには、抗腫瘍、抗高脂血、肝保護、抗菌作用など多数の生理機能を有しています。

実際にさまざまな研究結果から効果が立証されているものがほとんどなので、これからも有効成分が見つかる可能性も高いですし、医療の現場でもどんどん使用されていく成分といって良いでしょう。

クワンソウに含まれているオキシピナタニンが睡眠改善の鍵に

クワンソウに含まれている成分の中でも、効果が確実に立証されている成分はトリテルペンしかありません。

また、トリテルペンに関してもあまり聞きなれない成分であり、健康に良いということしかわからないという人も多いのではないでしょうか。

そこで注目したいのが、クワンソウに含まれているオキシピナタニンです。実はクワンソウの安眠効果が注目を集めたのは、クワンソウに含まれているオキシピナタニンと言う成分が発見されたのがきっかけです。

葉と茎に含まれているとても重要な成分であり、安眠効果を実感するためには欠かせない成分です。

オキシピナタニンとはどんな成分で、体にどんな良い効果をもたらしてくれるのでしょうか。

オキシピナタニンとはどんな成分なのか

オキシピナタニンは、琉球大学の研究によってクワンソウから発見された成分です。2010年にオキシピナタニンの抽出が出来るようになり、オキシピナタニンの研究を行っていくうちに睡眠効果が確認されました。

現在では、オキシピナタニンを特許成分として様々な睡眠サプリメントを開発しています。安全性が高く睡眠を改善できる、といういうことで注目を集めている成分です。

睡眠効果の高い成分は、依存性がないか、危険ではないかなどの不安があるかと思いますが、オキシピナタニンは安全にノンレム睡眠を有意に延長できる成分だといわれています。

実際に研究をした結果、ノンレム睡眠が増えたり、他の睡眠成分よりも効果が高くリラックス効果も高まるということがわかりました。

ただし現在の段階では、なぜオキシピナタニンを摂取すると眠くなるのかの明確な答えが出ていません。

また、注射や手術などで体に取り入れるのではなく、食品やサプリメントとして摂取したときに効果が発揮される成分だと言うことがわかっています。

今後もオキシピナタニンの効果について期待したいところです。

オキシピナタニンは動物には有効だけど人への有効性が未確認

オキシピナタニンは、同志社女子大学薬学部の研究によってわかった成分です。国内外に特許出願を出していて、とても抽出が難しい成分として知られています。(参照：同志社女子大学薬学部「研究成果報告書」)

長年の研究の結果、オキシピナタニンを抽出することが成功し、マウスやラットによる研究で睡眠誘発効果を示すことがわかりました。

安眠効果が知られているグリシンよりも100倍以上の効果があるということが研究結果として出ました。

また、オキシピナタニンは睡眠中に異常な脳波を出すことがないため、とても自然な睡眠を誘発することが出来るとても安全性の高い成分なのです。

平成22年にオキシピナタニンの約100パーセントの安全精製に成功し、現在ではさまざまな被験者のおかげでオキシピナタニンに依存性や習慣性がないと報告されています。

副作用に関しての報告がないため、とても安全な安眠促進成分といって良いでしょう。

ただし、安全性は立証されているものの人に有効性があるかどうかは未確認です。あくまでオキシピナタニンは動物実験で効果が立証されている成分であり、副作用がないという研究も進められています。

今後の研究によって、人にも有効性があるのかどうか注目したいところです。

オキシピナタニンの動物実験の結果と人間への有効性について

オキシピナタニンの睡眠効果が立証されたのはマウス実験からです。

実際にマウスにオキシピナタニンの成分を摂取させたところ、起きている時間が40分減り、深い眠りであるノンレム睡眠が40分増えたと言う結果になりました。

そのため、オキシピナタニンを摂取することにより安眠効果があり、深い睡眠を得られるために快適な睡眠を取れるということがわかります。

そして、この効果は同じ睡眠改善効果が知られているグリジンの約100倍だとも言われています。それだけオキシピナタニンの安眠効果は高いのです。

しかしこれはあくまで動物実験による結果です。人間は動物よりも体が大きく、効果が出る成分も変わってきます。そのため、人間にも同等の効果が得られるかどうかはわかりません。

実際にオキシピナタニンを使った人のデータを解析した結果によると、1000人以上の人が副作用や依存性が出ないということがわかりました。

十分な安全性のある成分ということで、今後は睡眠の効果についても注目したいところです。

子供の睡眠不足の危険性

近年、子供の睡眠不足が問題視されています。これは厚生労働省、文部科学省も問題視していることです。

子供の遊び方が変わってきました。昔は外で思う存分遊んでいたと言う子供も、自宅でゲームやパソコンなどをして、インドア化が進んでいます。

テレビよりもゲームやパソコンで遊んでいると時間の経過にも気づくにくいでしょう。

テレビであれば見たいものがなくなれば飽きてしまいますが、ゲームやパソコンはいつまでも遊び続けることが出来ます。

また、インドアな遊びだと体力も温存されてしまうため、眠気が遠のいてしまうのです。

だからこそ近年は睡眠不足の子供が増え、さまざまな問題が起きています。子供の睡眠不足はどのような危険性があるのでしょうか。

子供の適切な睡眠時間とは

子供には、年齢ごとに適切な睡眠時間があります。

0歳児は不規則に沢山眠りますが、1歳近くなるとだんだん生活リズムも整ってきて、毎日同じくらいの時間眠るようになるでしょう。

• 1歳～3歳：12時間～14時間
• 4歳～6歳：10時間～13時間
• 7歳～12歳：10時間～11時間
• 13歳～18歳：8時間～9時間

上記が適切な一日の平均睡眠時間だといわれています。

しかし、日本人の平均睡眠時間はこれよりもずっと短いのです。

10歳から14歳までの平均睡眠時間は8時間35分、15歳から19歳までの平均睡眠時間は7時間42分となっています。これはあくまで平均であり、これよりも眠っていない子供はたくさんいます。

また、年齢が上がればあがるほど睡眠時間が足りていない子供が増えているのです。日本人の大人はもちろん子供も圧倒的に睡眠時間が不足しているのです。

8時間から9時間の平均睡眠時間を満たすためには、22時に寝て6時に起きる必要があります。しかし遊びや勉強、塾やスマホのせいで睡眠時間が不足している子供は沢山います。

適切な睡眠時間を満たさなければ、日常生活に支障をきたしてしまう可能性があります。

子供の睡眠不足は成長の遅れや集中力の低下を招く

子供の睡眠不足は大人よりも危険です。なぜなら成長に大きく関わるからです。

大人の睡眠不足は日中の集中力低下や健康に悪影響が及びますが、子供はそれだけではなく成長に大きく関わる問題となります。

夜にしっかりと眠らなければ、成長ホルモンが十分に分泌することが出来なくなってしまい、身長が伸びなくなってしまう可能性があります。

日中にいくらしっかりと栄養を摂っていても、スポーツをしていても、夜に眠らなければ意味がありません。人が成長するのは夜寝ているときで、夜に眠らなければせっかく摂った栄養も成長に影響しないのです。

もちろん成長以外にも大きくかかわります。眠らなければ日中眠くなってしまい授業中に眠ってしまう可能性があります。起きていても授業に集中できなくなってしまうでしょう。

睡眠不足のふらふらとした状態で通学していると事故にあう確率も高くなってしまうでしょう。睡眠不足はとても危険なのです。

睡眠不足が悪化すると睡眠障害に陥る可能性も

睡眠不足が続くと、睡眠障害に陥る可能性が高くなります。

睡眠障害の症状は曖昧で、自覚症状がない場合も多いです。普段からなかなか眠れない、寝つきが悪い、いくら眠っても寝たりないという場合は睡眠障害の可能性が高いので注意をしましょう。

特に最近は、乳幼児の睡眠障害も問題視されています。乳幼児の睡眠障害は、慢性的な睡眠不足で日中も眠い場合と、どれだけ沢山眠っても眠り足りない過眠の症状の2パターンが主です。

睡眠不足でなかなか眠れないと疲れも取ることができずにとても辛いでしょう。過眠の場合は、眠りの質が悪く眠りが浅いため、いくら眠っても眠った感じがせず、疲れが蓄積する状態です。

最近は、1人部屋を持つ子供が増え、子供が何時に眠って何時に起きているのか把握できない親も増えています。そのため子供の睡眠障害に気づきにくいのです。

何時に寝ているかを把握することは難しいかもしれませんが、日中の状態を見て睡眠不足になっていないか予測することは出来ます。

睡眠不足改善には生活習慣の改善が一番

睡眠不足を健康的に改善したいのであれば、まずは生活習慣の改善から始めてみてください。

眠気が来なくても、夜決まった時間にベッドの中に入るだけで、体を休めることが出来ます。ベッドで心が落ち着けば自然と眠りやすい環境を作ることが出来るでしょう。

そのためには、夕食の時間を固定し、ベッドに入る時間をあらかじめ決めるようにしましょう。

自室にパソコンがあったり、スマートフォンが自由に使える状況だと、いつまでたっても遊んでしまってなかなか寝付くことが出来ません。

健康のためにも、パソコンやスマートフォンを見る時間を決めて夜遅くは遊ばないように心がけましょう。もちろん夜遅くのゲームや読書もおすすめしません。

生活習慣は家族みんなで整えるものです。親がいつまでも起きていると、子供もなかなか眠れない場合もあるでしょう。

そのため、生活習慣を整えるのなら親も一緒に行うようにしてください。子供と同じ時間に眠る、ということは難しいかもしれませんが、一緒に生活リズムを整えるように努力をすることで、子供の生活習慣改善にもつながります。

まとめ

健康的で良質な睡眠はとても大切です。特に子供の頃にしっかりと眠らなければ、十分に身長が伸びない可能性が高いです。しっかりと成長をするためにも、健康的な生活をするためにも、睡眠は欠かせません。

しかし最近は睡眠不足の子供が増えています。年齢にあった睡眠時間を満たすためには、中高生は22時に眠らなければいけませんが、22時までに眠っている中高生は減ってきています。

だからこそ、睡眠時間を守るのが親の役割です。必ず年齢にあった睡眠時間を満たさなければいけない、と言うわけではありませんが、問題なく日常生活を過ごせる、疲れやストレスをためないくらいの睡眠時間は維持するようにしましょう。

もし生活リズムの改善だけで治らない場合は、栄養の摂取もおすすめです。

安眠効果のある栄養素はもちろん、健康に良い食事を取ることで体も心も満たされてリラックス効果を得られますし、心が落ち着けば安眠にもつながります。

日々の栄養も睡眠も、子供のためにはとても大切なことです。子供がなかなか眠らない、生活リズムが整わないということは、栄養面から睡眠のサポートをしてあげましょう。

心を落ち着かせる栄養を取ることも、質の良い眠りを維持するためには大切なことなのです。