日本人は世界的に見て小柄な人が多いです。
日本に限らず、アジア人は小柄な人が多いでしょう。国によって平均身長は大きく違い、大柄な人が多い国、小柄な人が多い国が存在します。
国別の平均身長は、人種や生活スタイルによる影響も大きいですが、特に影響しやすいのが食生活です。長身が多い国は、どんな食生活を送っているのでしょうか。
世界の平均身長・長身国の食生活に注目!
世界の平均身長と食生活はどうなっているのか見ていきましょう。
第1位「オランダ」
長身が多い国といえば、オランダです。
オランダは平均身長が世界でトップ、なんと男性は180.8センチが平均の国です。日本国内ではあまり見ないほどの高さが、平均身長となっています。
ここまで身長が伸びるのは、もともとの遺伝も関係がありますが、食生活も大きく関わっているようです。
オランダ人が好んで食べている食品は、ニシン、チーズ、豆類と言われています。
特にニシンは特別な食べ物で、ニシン魚解禁日はフラッグデーとしてお祭りが開かれるほどです。また、日本ではニシンは焼いて食べるのが主流ですが、オランダでは生で食べるのが主流となっています。
オランダのニシンの食べ方は、一日塩漬けにして塩抜きをした状態で食べています。塩漬けニシンはオランダの各地で売られていて、多くの方が好んで食べているのです。
身長を伸ばすためには良質なたんぱく質は欠かせません。そんなたんぱく質、そしてカルシウムを多く含むニシンを多く食べるからこそ、オランダの人は身長が伸びやすいのでしょう。
また、カルシウムが豊富なチーズ、ヘルシーな植物性たんぱく質の豆類も好んで食べることも、身長を伸ばす効果があります。
オランダ人が好んで食べている食品には身長を伸ばす成分が豊富に含まれているので、長身の方が多いのかもしれません。
第2位「ノルウェー」
北欧のノルウェーは、男性の平均身長180.3センチと世界第二位を誇る長身国です。長身国というとオランダが有名ですが、実はオランダとそこまで身長差はありません。
そんなノルウェーの食文化ですが、日本人でノルウェーの食生活を知っているという人は少ないはずです。日本国内にもノルウェー料理屋さん、というものは見かけません。
ノルウェーの食文化は、朝食はしっかり沢山、昼食はお弁当としてオープンサンドイッチ、夕食はワンプレート食が多いといわれています。
ノルウェーに限らず、北欧の朝食はとても豪華です。朝しっかりと食べて栄養をつける文化なので、栄養をしっかりと取ることが出来るのでしょう。
昼食はお弁当の人が多いです。ノルウェーのお弁当はマートパッケといい、シンプルで簡素なサンドイッチがほとんどです。
昼食が簡単だとすぐにお腹がすく、ということで、ノルウェー人は夕食をとても早くとります。夕方4時や5時に食べる家庭がほとんどです。ワンプレートではありますが、質の良い魚や肉料理が主なので栄養がたっぷりと詰まっています。
また、ノルウェーは外食が高額なため、外食をせずに三食自炊で済ませる家庭がほとんどです。自宅料理で栄養バランスが取れている、というのも長身の秘密かもしれません。
第3位「オーストリア」
長身国第三位はオーストリアで、男性の平均身長は179センチととても長身です。オーストリアの食文化は、朝食は簡単に、昼食はしっかりと、夕食はゆっくりと食べる文化と言われています。
朝食はほとんどの家庭がパンやシリアル、コーヒーやヨーグルトといった簡単なものです。日本でも簡単な洋食として朝に食べる家庭は多いでしょう。
カフェなどで出てくる朝食セットも、パンにコーヒーのみ、もしくはちょっとしたデザートが付く程度です。
昼食はしっかりと食べるところがほとんどです。肉料理が多く、パスタなどを使ったオーストリア料理を食べたり、野菜メインのしっかりとした料理が出てきます。
また、中にはデザートといってよいほど甘味の強い料理が昼食として出てくる場合もあります。
夕食は時間が早く、夕方4時から5時頃にコーヒータイムとしてパンやケーキを食べます。これが夕食代わりとなるのです。夕方のコーヒータイムは家族の大切な時間としてゆっくり時間をかけて楽しみます。
また、コーヒータイム後にお腹がすいた場合は果物やサラダを食べます。これで夕食は終了です。
栄養満点、とは言いませんが、夜に時間をかけてゆっくりと食べることで、栄養をたっぷりと吸収することが出来るのでしょう。
第4位「アイルランド」
アイルランドの男性の平均身長は177センチです。
アイルランドは、朝食が豪華なことで有名です。イギリスやアイルランドの伝統的な朝食のことをフルブレックファーストと呼び、朝から豪華な朝食を食べて気分を盛り上げることが出来ます。
イギリスは食事が美味しくないという印象がありますが、イギリスで美味しい食事を食べたいのなら朝食を毎食食べればよい、という有名な作家の名言もあります。それほどイギリスの朝食は豪華で美味しいのです。
主なフルブレックファーストは、目玉焼きやスクランブルエッグなどの卵料理に、ベーコン、ソーセージ、トマト、ブラックプティング、ベイクドビーンズなどが定番です。
これに更にトースト、紅茶、果物などが付け加えられます。日本から見れば豪華な朝食が、アイルランドの基本的な朝食なのです。
また、アイルランドの主食はじゃがいもです。じゃがいもを沢山使った美味しい郷土料理が沢山あります。
郷土料理以外にもアイリッシュシチューは角切りマトン肉をふんだんに使った、じゃがいもやにんじんを煮込んだ料理ですし、ギネスシチューは羊肉と沢山の野菜を使ってじっくりと煮込んだ料理です。
朝食をしっかりと食べて美味しい郷土料理を楽しんでいるからこそ、アイルランド人は身長が高いのかもしれません。
第5位「ニュージーランド」
ニュージーランドの平均身長は、177センチです。第5位といってもアイルランドと変わりありません。
ニュージーランドはとても豊かな食文化で、食事を楽しみに観光をしにくる人も多い国です。多種多様な文化が混在する国なので、バリエーション豊富なメニューを楽しむことが出来るでしょう。
ニュージーランドが食品も飲料も生産数が多く、輸出部門でも伝統があります。それだけ食品に恵まれた国なので、栄養豊富な食品が沢山作られているのでしょう。
また、ニュージーランドで作った食品や飲料を使ったメニューが様々な賞を受賞するなどの人気を持っています。美味しく栄養豊富な食材が揃っているので、それだけでも身長に良い影響を与えてくれそうです。
ニュージーランドはどこにいても新鮮な食材が手に入る環境です。家庭でハーブやサラダ菜を育てている場合も多く、自給自足を始める人が増えています。スーパーでも生のジューススタンドや質の高いカフェが多く存在し、いつでも栄養豊富な食事にありつけます。
このように、食卓が豊かでいつでも新鮮、栄養豊富で美味しい食事を食べることが出来る環境があるから、身長も伸びやすいのではないでしょうか。
第6位「ウェールズ」
ウェールズ、と聞いてピンと来ない人も多いでしょう。イギリスを構成する一つの国で、グレートブリテン島の南西に位置しています。
ウェールズはイギリスの中でも美食が多い場所だと言われています。海岸に面しているので新鮮で美味しいシーフード料理が人気で、好んで食している人が多いでしょう。
朝食に関しても、ウェールズはソーセージやベーコンの代わりにシーフードを入れて食べていることが多いです。海草で作ったペーストはとても美味しく、さっぱりと食べることが出来ます。
また、ウェールズはスナックが豊富な国です。カニやエビを使ったウェールズならではのスナックから、シーフードを使わない定番のスナックまで沢山売られていて、日常的に食べています。
そして最近のウェールズは、化学添加物に頼らないナチュラルプロダクトを推奨しています。天候や土地に恵まれたウェールズは、自然と美味しく栄養豊富な肉類や乳製品を作ることが出来るのです。
食の質を更に引き上げるために、ナチュラルな原料で丁寧に作った食品の生産に力を入れています。そんなウェールズの食品は日本にも輸入されているほどです。
ウェールズの人は、豊かな気候と栄養豊富な食材のおかげで身長がぐんぐん伸びるのでしょう。
第7位「ギリシャ」
ギリシャの男性の平均身長は177センチです。ニュージーランド、アイルランド、ウェールズと同じ長身の多い国です。
ギリシャ人はライフスタイルがとても不規則で、朝食は食べず、タバコを吸う人、お酒を飲む人、油分の多い食事を取る人がとても多い国だと言われています。なぜそんな国で、身長が高くなるのでしょうか。
ギリシャは不摂生な国だと言われていますが、実は世界一の長寿の国でもあります。なぜここまで不摂生で長生きが出来るのかというと、食文化や睡眠時間が大きく関わっているようです。
ギリシャ人は朝食は食べませんが、昼食と夕食はしっかりと食べます。バイキング形式で取ることも多く、朝食を食べない分沢山の量を食べるようです。
また、ギリシャ人は全粒粉のパンを好む、豆類を好む、ヨーグルトをよく食べる、野菜類を好んで食べるなど、健康に良い食生活を続けています。
そして睡眠時間が長いのも長寿と高身長の理由に関わっている可能性が高いでしょう。夜間の睡眠時間は平均的ですが、昼食後は2時間ほど昼寝の時間を取るのが主です。
働く時間も短く、ストレスのない快適な生活をしている人が多いのでしょう。ギリシャ人の身長が高いのは、睡眠時間が長く働く時間が少ない、ストレスの少ない国だということが大きいでしょう。
第8位「ハンガリー」
ハンガリーの男性の平均身長は176センチです。
あまり詳しく知らないという人も多いでしょうが、ハンガリーはヨーロッパの中では物価が安く、旅行にも行きやすい地域です。町並みも中性の建物が多く残っているため観光をしていてもとても楽しい国です。
日本でとても高額な珍味とされているフォアグラですが、ハンガリーではとても安い金額で食べることが出来ます。また、世界一豪華なマクドナルドがあることでも知られている国です。
そんなハンガリーは、食生活がとても不健康だと言われています。なぜなら高カロリー高脂質な食事が多いからです。
朝食からたっぷりとカロリーを摂取し、ラードをたっぷりと塗ったパンを食べます。日本人の一日の摂取カロリーの目安量を、朝食のみで摂ることもあるほどです。
それでもハンガリーの女性は細く美しい女性が多いのは、高カロリーなパンだけではなく栄養面を考えた野菜のスープも飲むからだと言われています。
もちろん女性だけではなく、男性も栄養豊富な食事を朝からしっかりと食べています。このようにたっぷりとカロリーを摂る、朝食からしっかりと食べる環境なので、身長が伸びやすいのでしょう。
第9位「アメリカ」
アメリカの平均身長は175.7センチです。アメリカは大柄、という印象が強いですが、それは身長だけではなく体格が良いからです。
日本人がアメリカに留学をすると食文化に慣れずに苦労をする、といわれていますが、これはアメリカの方が驚くほどの大食漢だからでしょう。
アメリカの食事はとにかく量が多いです。日本にもアメリカにもあるマクドナルドですが、アメリカでSサイズを注文すると、日本のLサイズくらいの量が出てきます。
また色彩豊かな料理が多く、青やオレンジなど、食欲をそそらない食品も多いです。
味が濃いのも特徴の一つです。日本は繊細な味付けが多いですが、アメリカの食事は大味で濃い物が多く、その点がなれずに苦労をする日本人が多いようです。
朝食はしっかりと、主にシリアルやパンケーキ、フルーツやヨーグルト、菓子パンを食べます。朝食はピザやハンバーガー、お弁当の場合はサンドイッチとフルーツなどが主です。
夕食は家庭によって大きく異なりますが、ホットドッグやピザなどが多いでしょう。ちなみに日常的にスナック菓子を食べることも多く、おやつも含めて一日の食事量がとても多いです。
家庭によっても大きく異なりますが、アメリカ人はとても沢山食べます。だからこそ、身長も高く体格も良くなりやすいのでしょう。
第10位「フランス」
フランスの男性の平均身長は175.6センチです。アメリカとほとんど変わりはありません。また、オーストラリアやドイツも同じくらいの平均身長です。
そんなフランスの食生活は、バゲット、肉、乳製品が主です。フランスの食事に欠かせないものといえばバゲットで、日本で言うお米とも言えます。それだけ毎食手放せず、毎回のように食べている食品です。
フランス人は魚料理はあまり食べません。そして肉料理が大半です。フランスでは肉がとても安く売られていて、ステーキも気軽に食べられる価格で購入することが出来ます。
質の良く手軽で美味しく栄養も豊富なので、おかずの基本は肉料理となっています。
また、チーズ大国フランスなので、食事の基本は乳製品です。クリームチーズにヨーグルト、フレッシュクリームなど毎食どこかに乳製品が使われています。健康にも身長にも良い乳製品が美味しく沢山手に入る国なので、豊富に使われるのでしょう。
朝食は比較的軽く済ませる、食事の中でもおまけの役割でしかありませんが、昼食夕食で栄養豊富な食品をたっぷりと食べるので、フランス人は身長もスクスクと伸びるのでしょう。
日本人の平均身長が伸びている!?
日本人は平均身長がそこまで高くはありません。これは、食生活が質素という点が大きく影響を及ぼしています。
しかし昭和時代に比べると日本人の平均身長はどんどん伸びてきています。昔に比べると身長の高い子供が多くなっているのです。
実際、街中のお年寄りと比べても、現代人は身長が高い人が多いように感じられます。
日本人の食生活の変化はもちろん、ほかにもさまざまな要因のおかげで身長がどんどん伸びているというのは事実です。
では、日本人の平均身長はどのように変化していて、なぜここまで変化があったのでしょうか。そしてこれからも日本人の平均身長は伸びる可能性があるのでしょうか。
「日本人の平均身長」過去と現在の2つを男女別で紹介
まずは日本人の平均身長を過去と現在の2つを男女別で紹介していきたいと思います。参照元は厚生労働省の「平成28 年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について 」です。
男子の平均身長(cm)
昭和23年 | 平成28年 | |
---|---|---|
8歳 | 117.4 | 128.1 |
11歳 | 130.4 | 145.2 |
14歳 | 146.0 | 165.2 |
17歳 | 160.6 | 170.7 |
女子の平均身長(cm)
昭和23年 | 平成28年 | |
---|---|---|
8歳 | 116.4 | 128.1 |
11歳 | 130.8 | 146.8 |
14歳 | 145.6 | 156.5 |
17歳 | 152.1 | 157.8 |
子供の平均身長の変化と傾向
日本人の子供の平均身長はどんどん伸びていて、17歳の男女の平均身長を比べてみると良く分かります。1948年の平均身長を見ると、男子は160.6センチ、女子は152.1センチです。
1996年の17歳男女の平均身長は男子が170.9センチ、女子が158.1センチにまで伸びています。比較をすると、男子は10センチ近く、女子も6センチほど平均身長が伸びているのです。
たったの50年で、これだけ平均身長が伸びています。日本人はどんどん平均身長が高くなってきています。幼少期は栄養が足りなくて身長が伸び悩む人が多かったのですが、最近は栄養面が改善され、身長が高くなりやすくなりました。
長身の多い国であるアメリカの食文化が日本に流れてきたことも関係あるでしょう。また、野菜や穀物類を多く食べていた日本が、少しずつ食事に肉や魚を多く取り入れるようになったのも大きいです。
1996年の平均身長は男子170.9センチ、女子158.1センチですが、10年後の2016年の平均身長は男子170.7センチ、女子157.8センチとなっています。数ミリ程度ではありますが、平均身長が低くなっています。
栄養面や経済状況にそこまで変化はありませんが、なぜここで平均身長が低くなってしまったのでしょうか。平均身長の変化について詳しい調査は行われていませんが、低体重で生まれる子供が増えているからではないかと言われています。
出生体重が2500グラム未満の低体重児は、成人してから身長が高くなりにくいということは、海外で多く報告されています。2007年では低体重児が1割程いたため、平均身長にも影響を及ぼしたのかもしれません。
長身国と日本の違いとは?
身長は約8割が遺伝、約2割は栄養状態や健康状態が関係していると言われています。日本人はもともと小柄な人が多かったため、遺伝で小柄になってしまう部分は仕方がありません。
しかし栄養状態や健康状態は世界的に見ても劣っていません。なぜ日本人は小柄な人が多いのでしょうか。長身の人が多い国と日本ではどんな違いがあるのでしょうか。
水道水の影響・日本の水と海外の水の違いとは
日本の水道水は、当然のようにそのまま飲むことが出来ます。しかし、世界的に見るとこれはとても珍しいことです。水道水をそのまま飲むことが出来る国は15カ国程度、主にヨーロッパやアフリカ、オセアニアの一部の国のみです。
そして水の質も国によって違います。よく海外の水を飲むとお腹を壊す、といわれていますが、これは海外の水道水はミネラルが多く含まれている硬水である場合が多いからです。
日本の水道水は、ミネラルの含有量が少ない軟水です。そのため水道水から自然にミネラルを補給することは難しいでしょう。
その反面、世界の中でも長身国トップ10に入るオランダの水は硬度142mg、フランスは280mgと硬水が水道水から流れています。
硬水を日本人が飲むと、体に合わずにお腹を壊してしまったり、ミネラルを摂りすぎてしまう可能性があります。特に、乳幼児に硬水はおすすめしません。
硬水には身長を伸ばす効果のあるマグネシウムやカルシウムが多く含まれています。硬水が水道水から出てくる地域は、ただ水道水を飲むだけで身長を伸ばす成分をたっぷりと吸収することが出来るのです。
毎日の生活で意識をすることなく硬水を飲み、ミネラルをたっぷりと補給しているから、自然と身長が高くなるのではないでしょうか。
カルシウム不足の日本
日本人は慢性的なカルシウム不足だと言われています。食生活が変わり栄養を豊富に摂るようになった、と言われている日本ですが、それでもカルシウムを十分に取っていない人のほうが多いのです。
ちなみに、欧米人は日本人に比べると乳製品をよく食べるため、カルシウムをしっかりと補うことが出来ています。そのおかげで身長も高くなりやすいのでしょう。
特に注目したいのが、平均身長が世界一位のオランダです。オランダは世界に誇る乳製品大国だと言われていて、特にチーズの本場であり、ゴーダチーズとエダムチーズは美味しいと評判です。
日本国内では味わえないような、とても美味しいチーズを堪能することが出来るのが、オランダなのです。もちろんチーズだけではなく、牛乳やヨーグルトもとても美味しく国民に愛されています。
また、日本ではヨーグルトは朝食に食べる人が多いですが、オランダでは夕食のデザートとして食べている人が多いようです。
夜に乳製品を食べることで眠っているときにカルシウムをしっかりと吸収し、体に良い効果をもたらしてくれます。
オランダ人が長身なのは、寝る前にカルシウムをしっかりと取っている、ということも関係しているのかもしれません。オランダ以外にも、スイスやフランスでは乳製品を豊富に摂っていて、カルシウムの摂取量も十分だと言われています。
日本人は一日半分程度の牛乳を飲むと言われていますが、欧米人は一日平均2.5杯の牛乳を飲んでいます。
また、日本人は乳製品から30パーセントほどのカルシウムを摂取し、足りない分は食生活から補っていますが、欧米人は必要なカルシウムの70パーセント以上を乳製品から摂取しています。
食事からでも十分カルシウムを補うことは出来ますが、やはり一番手軽に摂取できるのは乳製品です。意識して乳製品を取ることで、カルシウムの推奨量が満たされて、平均身長を伸ばすことが出来るかもしれません。
「ベルクマンの法則説」と身長は関係している?
ベルクマンの法則説とは、1847年にドイツの生物学者であるクリスティアン・ベルクマンが発表したものです。
恒温動物は、同じ種類でも寒い地域に生息しているものは体重が大きく、近緑な種間では大型である種ほど寒い地域に生息する、という説のことを言います。
これは動物に関係した法則ではありますが、人間も自分の体の中から熱を起こして一定の体温を保つことが出来る恒温動物です。人間もベルクマンの法則説に当てはめると、寒い国の人のほうが身長が高くなるということになります。
確かにベルクマンの法則説は信憑性があります。オランダをはじめ、常に寒い地域である北欧地方は平均身長が高い国が多いです。
日本国内だけで見ていても、都道府県別平均身長を比べると、男子で高いのは石川県・秋田県・富山県となっています。日照時間の短い地域のほうがわずかではありますが身長が高くなりやすいようです。
体が大きければ大きいほど熱を逃しにくい、逆に体が小さければ小さいほど熱を伸ばしやすいので温かい地域で過ごしやすいということになります。そのため南の島など暑い地域に住む人は、小柄な人が多いと言われているのでしょう。
身長と遺伝の関係・遺伝よりも食生活が大切なのか
身長と遺伝は深い関わりがある、と思っている人は多いですが、必ずしも遺伝だけで身長が決まるというわけではありません。
なぜなら、身長が決まるのは遺伝子が80パーセントという説が有力だからです。
80パーセントというとかなり大きい確率だと思われてしまいますが、遺伝だけで決まらない可能性が20パーセントもあります。
遺伝で全て身長が決まってしまうのであれば、小柄な両親からは小柄な子供しか生まれません。また、兄弟や姉妹は皆同じくらいの身長にしか成長しないということになってしまうでしょう。
しかし現実では、身長が10センチ以上違う兄弟や姉妹も多いですし、全く同じ遺伝子を持って生まれた一卵性の双子でも、全く同じ身長に育つとは限りません。遺伝が影響するのはあくまで80パーセント程度なのです。
では残りの20パーセントは何が関わっているのかというと、睡眠、運動、食事、ストレスなどです。
しっかりと睡眠を摂っていたり、運動をしていたり、栄養バランスの取れた食生活を送って、ストレスのたまらない快適な暮らしをしていれば、遺伝を超えた身長になる可能性があります。
日本人の平均身長が伸び悩んでいる原因とは?
昭和から比べると日本人の平均身長は伸びつつあります。しかし平成に入ってからは、伸び悩んでいるどころか若干縮んできているのです。
平成初期と平成後期を比べると、栄養状態に大きな違いはありませんでした。景気の変化はありますが、食生活が大幅に変化したり、栄養に著しく影響を及ぼすほどではありません。
それではなぜ、日本人の平均身長が伸び悩んでいるのでしょうか。
それは、子供たちの生活スタイルの変化が関係しているようです。食の欧米化で栄養豊富な食事を摂るようになりましたが、一食の栄養状況だけではなく、そのほかの面も身長には大きく影響を及ぼしています。
さまざまな原因が少しずつ重なって、日本人の平均身長が伸び悩んでいる可能性が高いです。生活スタイルの改善さえすれば、まだまだ日本人の平均身長は伸びる可能性があるはずです。
運動不足の子供が増えている
まず第一に、運動不足の子供が増えているということが身長が伸び悩んでいることの原因です。
運動をすると成長ホルモンが活発に分泌されるため、身長を伸ばす効果が得られます。また日中たっぷりと運動をすると、その分お腹がすいて沢山ご飯を食べられますし、適度な疲労感で質の良い睡眠を得られるでしょう。
しかし最近の子供は運動量が全体的に減ってきています。これは携帯ゲームの普及が影響しています。昔は公園や体育館で運動をする子供がたくさんいましたが、今は室内でゲームをする子供のほうが多いです。
屋内外で活発に遊ぶ子供が減少しているため、運動で成長ホルモンが十分に分泌されずに身長が伸び悩んでしまっているのです。
もちろん沢山運動をしている子供、部活動にいそしむ子供も多いでしょう。ただ、運動をする子供もいるものの、子供全体の運動量が減っているので、小柄な子供も増えています。
運動はただ激しく体を動かせば良い、という訳ではなく、心地よい疲労感で適度な運動をすることが大切です。継続して運動をすること、楽しんで運動をすることを目標にすれば、子供も活発になり平均身長も伸びるかもしれません。
食事全体の摂取量が減っている
身長を伸ばすために大切なことといえば、やはり食生活です。特に大切なのが毎食バランス良くしっかりと食べることでしょう。
しかし最近の子供は朝食を食べる子供が減っているようです。特に年齢を追うごとに、どんどん朝食を抜く子供が増えています。
小学生の場合は87パーセントが朝食を毎日欠かさず食べていますが、中学生になると83パーセントにまで引き下がります。1割以上の子供が朝食を食べない生活を送っているのです。
長身の多い国の食生活を参考にすると良くわかりますが、朝食をたっぷりと食べる国ほど身長が高い傾向にあります。
もちろん朝食を食べただけで身長が伸びる、という訳ではありませんが、朝食を食べることで身長が伸びる可能性を高めることが出来ます。
一日の栄養が不足しているという子の多くが、朝食を抜いています。また、朝食をしっかりと食べないと日中にお腹が減ってイライラしてしまいます。イライラしたりストレスがたまると、身長にも影響を及ぼしてしまいます。
身長を十分に伸ばすためには朝食は不可欠です。日本人の朝食摂取率を高めなければ、身長の伸び悩みを改善できないかもしれません。
子供の睡眠時間が減っている
身長を伸ばすために特に大切なことといえば、睡眠をたっぷりと摂ることです。
1歳から3歳は一日に12~14時間、4歳から6歳は10~13時間、7歳から12歳は10~11時間、13歳から18歳は8~9時間の睡眠時間が必要だと言われています。
しかしこの睡眠時間を守れていない人が多いものです。
質の良い睡眠を摂ることで、眠っているときに成長ホルモンをたっぷりと分泌し、身長を伸ばす効果をもたらします。しっかりと夜眠らなければ、成長ホルモンが分泌されないだけではなく、日中取った栄養も体に作用しません。
けれども最近は、見たいテレビがある、やりたいゲームがある、友達と遅くまでスマホで連絡を取り合いたいなどの理由から、夜更かしをする子供が増えています。子供の平均睡眠時間がどんどん減ってきているのです。
特に中高生の睡眠時間が短く、中学生は平均6.5~7.5時間、高校生は7.5時間が平均睡眠時間だと言われています。推奨されている8時間以上の睡眠を取れていない人がほとんどです。
楽しいこと、やりたいことは沢山あるかもしれませんが、成長のためにも睡眠時間をとるように心がけましょう。
運動不足・朝食不足・睡眠不足を解決するために
日本人がこれからも身長を伸ばすためには、運動をたくさんして、朝食をしっかりと食べて、睡眠不足を解消することが一番です。
これは大人にも言えることです。運動、朝食、睡眠は身長を伸ばすためには欠かせないことではありますが、人が健康的に過ごすためにも欠かせません。どれか一つでも欠けると、体が不調になってしまい、どんどん体調が悪化してしまいます。
身長を伸ばすために必要なことは、健康的に過ごすということです。子供の健康のためにも健康的な日々を送り、楽しい毎日を過ごすようにしましょう。
大人が毎日朝食を食べ、楽しく運動をして、しっかりと睡眠時間をとっていれば、子供にも生活習慣が染み付き、健康的で身長を伸ばすことが出来る生活を続けることが出来ます。
子供の生活習慣を変えたい場合は、親がまず変えなければいけません。日本人の身長が伸び悩んでいるということは、不健康な生活習慣を送っている大人も増えているということです。
まとめ
世界の平均身長と比べると、日本人の平均身長は決して高くはありません。先進国で栄養豊富な食材に恵まれた国なのになぜ伸びないのかというと、慢性的な栄養不足が一番の原因だということがわかりました。
もちろん運動も睡眠時間も大切です。しかし長身が多い国と比べると、日本人は圧倒的に身長を伸ばすための栄養が足りず、朝食も食べず、不規則な毎日を送っています。
今後日本人の平均身長を伸ばすためには、乳製品等からカルシウムを積極的に取る必要があります。しかし、日本人は牛乳やチーズなどの乳製品を毎日欠かさず沢山食べるという習慣がありません。
そこでおすすめしたいのが、サプリメントです。
サプリメントを飲むことで不足しがちなカルシウムを十分に補えますし、背を伸ばすだけではなく、イライラを解消したり、骨に関する病気の予防にもつながります。
慢性的なカルシウム不足を解消するためには、食生活の根本的な改革よりもサプリメントの摂取のほうが簡単です。
身長を伸ばしたい、カルシウム不足を解消したい、という人は、食生活改善だけではなくサプリメントも取り入れる生活を送ってみてはいかがでしょうか。