子供向けの身長サプリには幅広いものがあり、時に保護者の方が子供の身長を伸ばすために買ってみようと思うこともあるでしょう。しかしその時、気になりがちなのが、何歳から何歳まで飲むべきなのかということです。
つまり、身長サプリには対象年齢があるのか、ある場合はどんな設定になっているかということです。このことはなるべく身長サプリを買う前に知っておいた方がいいです。
というのも、せっかく買ったのに子供が対象年齢に当てはまっておらず、飲めなかったという事態も考えられるからです。
また対象年齢の最小年齢からすぐに飲み始め、対象年齢の最大年齢まで飲み続ければ、身長サプリを最も長く飲み続けることができます。この方が作用を十分に活かせられるので、そういった意味でも身長サプリの対象年齢は知っておくべきです。
※JNFは日本ニュートリション協会のことです。 成長途中の子供はビタミンやミネラルなど多くの栄養素が必要です。そんな栄養素を簡単に補給できる身長サプリ(子供用サプリ)を専門家が評価!わが子にあったものをチョイスしましょう。
子供の成長期は一度きり!
必要な「栄養」足りてますか?
子供用サプリは成長に不足する栄養補給が目的(カルシウムの不足時期がおよその目安)
子供用のサプリは子供が成長するに従い、不足する栄養素を補給する目的で作られています。子供は年齢によって必要な栄養摂取量が変わりますが、基本的には年齢が上がるごとに必要摂取量は増えていきます。
ピークは中学生にあたる12~14歳で、そこからは徐々に必要摂取量が減っていきます。そのため、大人になるまでは年齢に合わせた量の栄養を与えなければいけません。
栄養はまんべんなく摂る必要がありますが、特に子供の成長にはカルシウムが深く関わっています。そのため、カルシウムが不足する時期に子供用サプリを活用すると、ちょうど補給できて子供の発育に役立ちます。
実際、子供用のサプリの大半はカルシウムをメインに配合しています。なおカルシウム以外にもマグネシウムや鉄、亜鉛といったミネラルが子供の成長に関わっています。ミネラル以外ではたんぱく質やビタミンDといった栄養素が必要です。
子供用のサプリは何歳から飲ませるべき?
子供用のサプリを飲ませ始める時期は卒乳後が基本です。というのも、母乳を与えている間は、母乳に含まれる栄養素で十分子供の成長に必要な栄養を補給できるからです。
下手にサプリを与えたりすると、過剰な栄養摂取でむしろ子供の成長によくない可能性があります。またそもそも体がある程度大きくならないと、栄養もそれほど多くはいりません。
そのため、見た目の成長具合に合わせて栄養を与えることも考える必要があります。
多くの子供用サプリは3歳からが対象
子供用サプリの多くは3歳からを対象にしており、それ未満の年齢の摂取は控えるように訴えています。サプリメントなので、「何歳は禁止」という風に決まっているわけではないのですが、各メーカーが自主的に配慮しています。
なぜ3歳からかというと、母乳と離乳食を卒業した頃であること、また体が大きくなってきて必要な栄養摂取量が急激に増える時期であることなどが理由です。
特に母乳と離乳食を卒業すると、保護者の方が作った料理を普通に食べることになります。すると料理の内容次第では子供の栄養バランスが偏る可能性が出てくるわけです。また単純に子供が好き嫌いをする可能性もあります。
以上の点から、子供は3歳くらいになると、栄養が不足しがちになることがわかり、子供用サプリを与える年齢に適しているわけです。実際に厚生労働省のデータでは、3~5歳の年齢になってはじめて摂取栄養に大きな不足が出ることが示されています。
【補足】3歳より前に与える場合は目安量を調節して減らして与える
サプリは健康食品に分類されますが、健康食品を3歳以前の子供に与えることで作用する影響はまだ解明されていない部分が多いです。良い影響が起こる可能性もある一方で、悪い影響が起こる可能性もあります。
そのため、基本的には3歳より前にサプリを与えない方がいいのですが、どうしても与えたいという場合は摂取量を減らして調節するようにしましょう。
摂取量の調節は体重でできます。たとえば、サプリの目安量が30kgの体重の子供を対象にしていた場合、10kgの体重の子供にはその目安量の3分の1の量を与えればいいのです。このように体重から計算すれば、どのような体重の子供にも対応できます。
最も重要な時期は「成長期前」これが子供用サプリを飲むべきベストな時期
子供用サプリを飲む上で最も大切な時期は実は成長期真っ只中ではなく、成長期前です。ここでいう成長期というのは生活習慣が大きく成長に影響してくる思春期のことを指します。思春期は大体小学校高学年から高校生の終わり頃までの期間を指します。
そのため、小学校高学年から飲み始めるのではなく、小学校低学年・中学年に飲み始めるのがベストということです。なぜ成長期前に子供用サプリを飲むのが大事かというと、思春期に伸びる身長はある程度限りがあるからです。
これは統計から出ていることなので、よほど身長の伸びやすい子供でもない限り、平均を大きく超えるような伸び方は難しいです。しかし、成長期前からサプリを飲んでいれば、思春期に入る前から効率的に身長を伸ばしていくことができます。
そこである程度身長を伸ばしておき、さらに思春期における成長も加われば、思春期が終わる頃には高身長になっている可能性が高いというわけです。
身長が伸びる「成長スパート期」には忘れずにしっかり栄養補給を!
人は生まれた時から成長していきますが、中でも急激に成長する時期が2回あります。1回目は乳幼児の時で、この時期を過ぎると成長率がだんだん落ち着いていきます。
しかし、成長率は小学校に入った頃から伸びていき、女子は11歳頃、男子は12歳頃に成長率が乳幼児期に次いで高くなります。これが2回目であり、「成長スパート期」と呼ばれるものです。
成長スパート期は普通に生活していただけでは気づきにくいです。大抵の人はこの時期を意識せずに過ごし、大人になります。
しかし、大人になって「もっと身長が欲しい」と思っても間に合いません。そのため、成長スパート期には栄養補給をしっかり行ってください。
体重の変化からも成長スパートを知ることができます。身長が増えればそのぶん体重も増えていないとおかしいので、体重の増え方が急激に高まってきたら、成長スパート期の合図です。
ただし、肥満の場合でも体重は急激に増えます。それと混同しないように保護者の方は子供の体型には気を配っておくべきです。
子供用サプリは何歳まで飲むべき?
子供用サプリはその名前からもわかるように「子供用」とあるので、大人になったら対象年齢から外れることになります。ここで問題になるのが、大人になるのは何歳からなのか?ということです。
もちろんこれは精神的に大人になるかどうかは関係なく、身体面に関わる話です。結論からいうと、身体的に大人になったかどうかは骨の成長具合からわかります。特に骨端線を見ることで判断できます。
骨端線が閉じる成長期が終える男子17~18歳、女子15~16歳頃まで
子供用サプリは男子は17~18歳、女子は15~16歳頃まで飲むべきです。ただし、人によってはこれらの年齢を超えたあとでも、身長が伸び続けることがあります。骨端線が閉じていなければ年齢に関わらず身長は伸び続けます。
骨端線というのは成長途中の子供の骨の端にある線上の軟骨部分のことです。この軟骨部分が成長ホルモンの作用によって増殖し、骨に置き換わることで骨が伸び、結果的に身長も高くなるというメカニズムです。
子供用サプリを飲む年齢上限が男子17~18歳、女子15~16歳頃となっているのはこの年齢が骨端線が閉じる目安になっているからです。しかし、骨端線が残っているうちは子供用サプリを飲む意味はあるので、状況次第で対象年齢を無視しても構いません。
骨端線の確認方法ですが、レントゲンを撮ることがあげられます。骨端線は肉眼で見えるので、レントゲンに写っていれば一目瞭然です。ただし、単に「骨端線が見たいから」という理由で医療機関がレントゲンを撮ってくれるとは限りません。
何か健康上の理由がある場合は別ですが、そうでなければ断られる可能性もあります。どうしてもレントゲンを撮りたければそれに応じてくれる医療機関を探す努力が必要です。
骨端線が閉じると身長はもう伸びない
骨端線が閉じるというのは骨端線の軟骨部分がすべて骨になったことを意味します。骨端線がすべて骨になった場合、それ以上骨に置き換わるものがなくなるので、骨が伸びず、身長も伸びません。
骨端線の確認はレントゲンが一番ですが、あまり現実的ではないので、実際には身長を定期的に測って確かめるしかありません。もし身長がまったく伸びなくなったら、骨端線が閉じたと考えていいでしょう。
伸び率が小さくても身長が伸びているのなら骨端線が閉じたかどうかの心配はいりません。
なお骨端線が閉じると純粋な意味での身長は伸びなくなりますが、実生活で身長をより高く見せる工夫はできます。たとえば、背筋を伸ばして姿勢を良くしたり、O脚を直したりすれば、それ以前よりも身長は高く見えることになります。
また姿勢が良いと内臓を圧迫せずに済み、内臓の機能低下を防ぎます。内臓は健康な方が栄養も取り込みやすいので、骨端線が残っている時にも意識しておきたいことです。
身長サプリを飲む上での注意点
子供の身長アップをサポートする身長サプリは、飲む際にいくつかの注意点があります。注意点を守らないとサプリの成分の作用をうまく発揮できなかったり、子供の健康が逆に悪くなったりしてしまうので、気をつけてください。
たとえばどのような注意点があるかというと、「即効性があるわけではないこと」、「効果が実感できなければ他のサプリを試してみること」、「離乳食が終わるまでは食事で栄養を摂ること」などがあげられます。
身長サプリに即効性はない!最低でも3ヶ月程度は試してみよう
身長サプリは健康食品なので、医薬品のように飲んですぐ効くようなものではありません。そもそも即効性があった場合は医薬品に分類されてしまうので、サプリと言って売り出すことはできません。
身長サプリに配合されている成分は、普通の食事から摂れるようなありふれた栄養素です。そのため、特別な作用が起こることもなく、自然に栄養を与えることで、体の機能を徐々に高められるのです。
以上のことから、身長サプリは根気強く飲んでいかなければいけません。たとえば、2、3週間飲んだだけで「効果はなかった」と判断するのは早すぎます。
最低でも3ヶ月程度は毎日飲み続けてみて、そこから効果があったかどうかを検討するといいでしょう。
効果があったかどうかはサプリを飲む前と飲み始めた後の身長の伸び具合を比べれば、ある程度判断することができます。身長の伸び具合が増していれば、身長サプリが役立った可能性が高いです。
効果が実感できない場合はやめて他のを試すのもアリ!
身長サプリを3ヶ月以上飲んだ時に効果が実感できないこともありえます。その場合は思い切ってそのサプリの使用をやめてみることも考えるといいでしょう。効果がないサプリを続けても、無駄にお金がかかるだけで、何もいいことがありません。
身長サプリには様々な製品があるので、今度は別の製品を試してみるのもいいでしょう。相性の良いサプリが見つかれば、思わぬほどの効果を発揮するかもしれません。もちろんその場合も即効性はないので、3ヶ月程度は続けることになります。
健康効果を期待して健康食品を買ってみたものの、食べて良かったという実感もなく、出費ばかりが膨らんで…というような場合には、思い切って健康食品をやめてみることも一つの方法です。
サプリは飲むだけで続けられる利便性の高さから、ダラダラと惰性で買い続けることが多いです。しかし、一生に一度の成長期を無駄にしないためにも、しっかりと今飲んでいるサプリの効果を見定めるべきです。
サプリの中には誇大な宣伝をしているものもありますが、それが事実とはかぎらないので、話半分くらいに受け止めておくといいでしょう。
離乳食を終えるまではサプリメントを与えない!基本は食事で
乳幼児期に不足する栄養はビタミンDを除き、ほとんどないので、サプリを摂取する必要はなく、基本は食事で栄養摂取することを心掛けるべきです。
たとえば、カルシウムは0~5ヶ月の乳幼児は男女ともに推奨量が200mg、6~11ヶ月の乳幼児は男女ともに推奨量が250mgとなっています。このように、11ヶ月目まではそもそも推奨量が少なく設定されているため、簡単に栄養を補えます。
1~2歳になると推奨量が男子450mg、女子400mgと上がるのですが、厚生労働省の統計ではこの年齢の平均摂取量が男子421mg、女子398mgとなっているので、大抵の子供は推奨量近くのカルシウムを摂取できています。
つまり、1~2歳の場合も少し食事改善をすれば十分ということになります。ビタミンDだけは他の栄養素と違って卒乳後の一定期間(10~11歳まで)よりも乳幼児の方が推奨量が高く設定されているので、サプリを飲む必要性がやや出てきます。
骨端線が閉じると身長はもう伸びない!それまでに対策するのが大切
子供の成長は骨端線が閉じる前までが勝負なので、その期間になるべく食事、睡眠、運動といった各生活習慣を整える必要があります。食事だけでは不十分で、睡眠、運動もしっかり行ってこそ骨端線は刺激させられます。
食事で特に気をつけたいのはカルシウムとマグネシウムの摂取バランスです。
理想のバランスはカルシウムが2でマグネシウムが1です。マグネシウムはのりやひじき、昆布といった海藻、アーモンドやゴマといったナッツに豊富に含まれています。
睡眠は十分な時間とればOKです。子供は朝学校に行くために起きる必要があるので、早寝をして睡眠時間を確保することが大切です。十分な時間寝ていれば骨を伸ばすための成長ホルモンが自然に分泌されます。
運動も筋肉や骨を刺激することによって成長ホルモン分泌に役立ちます。また食欲を増進したり、適度な疲労で眠りやすくなったりするメリットもあります。
まとめ
子供の身長サプリは男子は3歳から17、18歳、女子は3歳から15、16歳頃まで飲むべきです。乳幼児はもともと必要な栄養素が少ないため、栄養不足に陥る心配があまりありません。
また乳幼児にサプリを与えることによる影響はまだ完全には解明されていないので、健康に悪影響が及ぶリスクを避けるためにもサプリは与えない方がいいです。
身長サプリの対象年齢の最大が男子17、18歳、女子15、16歳なのはこのあたりに骨端線が閉じるからです(この年齢を過ぎても閉じない人もいます)。
骨端線が閉じてしまったらそれ以上骨が伸びず、身長も伸びません。そのため、骨端線が残っている間に生活習慣を整え、サプリを活用することで、できるだけ身長を伸ばすことが大切になります。
サプリは最低でも3ヶ月続けましょう。それでも効果が実感できなければ、他のサプリを試してみるのも一つの手段です。