子どもが身に付けるべき生活習慣はいろいろありますが、注意しておきたいのが、3~4年生にもなってくると、それまでのやり方では子育てがうまくいかなくなることがあることです。
近年、子どもの生活習慣が乱れていると指摘されています。孤食や欠食の問題、子どもの生活リズムの夜型化、運動量の減少から運動能力の低下まで、気を付けたいことはいろいろあります。
子どもが正しい生活習慣を身に付けるには、子どもの自信を伸ばし、成長が感じられたらきちんと褒めるなど親の意識も変えていくことが大切です。
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小学校中学年(8歳~10歳)に注意すべき3つの生活習慣
小学校中学年の生活習慣で特に注意したいのが睡眠、運動、食事の3つです。この時期は肉体的にも精神的にも大きく成長しますが、それを支えるのはやはりこうした基本的な生活習慣にほかなりません。
小学校中学年にもなると、子どもの自我ははっきりと確立しており、親がただ言葉で言うだけでは言うことを聞いてくれないことも多いでしょう。
また、それまで自分と親を中心とした小さな世界で過ごしていたのが、他人と比較する機会が増えて自信を失いやすくなっています。
これから3つの生活習慣について説明していきますが、できないからといって無下に叱ったりせず、小さな成長でもしっかり認めて褒めてあげることが大切です。
睡眠
小学校中学年(8歳~10歳)の子供は世界的に見ても夜更かしをしている
厚生労働省の調べによると、現代の小学校中学年は世界的に見て夜更かしの傾向が強いとのことです。年々この傾向は強まっていますが、夜寝るのが遅くなっても朝学校が始まる時間は変わりませんので、結果的に睡眠時間が短くなっています。
睡眠時間が足りないと、朝無理に起こしてもぼーとしたままで朝食もろくに取らずに学校に行き、授業中は寝ぼけ眼で先生の話にも集中できなくなってしまいます。その結果、発達障害ではないかと疑われる子どもも少なくありません。
日本の小・中・高校生は世界的に見ても最も夜更かしをしていることで有名です。いくら夜更かしをしても登校時間は同じですから、睡眠時間は短くなり、朝に起こされてもボーっとしたまま朝食も摂らずに登校し、日中には強い眠気をこらえたまま授業を受けている子どもが数多くいます。
生体リズムを整えるには、まずは規則的な睡眠習慣を確立することが重要です。我々の体には体内時計があり、目覚めに朝日を浴びてから14時間前後で眠くなるようになっています。
夜更かしをする子どもは、平日には無理やり起こされても週末には遅くまで寝ていることが多く、そのため、睡眠習慣が不規則になり体内時計も狂ってしまうのです。その結果、夜更かしがますます加速するという悪循環になってしまいます。
十分な睡眠時間を確保するために夜は早く就寝し、無理なく早起きできるようにすることが子どもの成長には欠かせません。
小学校中学年(8歳~10歳)の理想の睡眠時間
アメリカ「国立睡眠財団」の資料によると、子どもの理想的な睡眠時間は6~13歳で9~11時間となっています。かなり年齢に幅があるものの、小学生に睡眠がたっぷり必要なことは変わりません。最低でも9時間の睡眠時間を確保できるようにしましょう。
睡眠時間を9時間とした場合、朝7時に起きるとしても夜10時には布団に入っていなければなりません。7時起床では学校に間に合わないのであれば、就寝時刻はもっと早くなります。遅くても夜10時には眠っている状態にあることです。
子どもによっては、布団に入ってからもなかなか寝付けないこともあるでしょう。早く寝かせたからといってすんなり眠ってくれるとは限りません。
小学校中学年にもなると、子どもによっては放課後に習い事や塾などに行き、帰宅時間が遅くなることも考えられます。
また、共働き世帯では夕食の時間が遅くなりがちで、就寝時刻も遅くなりやすいです。そう考えると、これまで夜更かしがふつうだった家庭では子どもを夜10時までに寝かせるのは簡単なことではありません。
しかし、睡眠不足が子どもの成長に与える悪影響は甚大ですので、最初はなかなかうまくいかなくても、親子で根気よく取り組んでいくしかないでしょう。
小学校中学年(8歳~10歳)の睡眠改善!早寝早起きが目標
夜更かし癖の付いた子どもを早く寝かせるのは簡単ではないですが、親子で努力すれば改善することは可能です。まず「早寝早起き」という言葉から見直してみましょう。
早寝早起きというと、早寝が先のように感じてしまいますが、夜更かし癖のある子どもをいきなり早く寝かせることは難しいです。それより、まずは早起きから始めてみましょう。「早寝早起き」ではなく「早起き早寝」を心がけるのです。
もちろん、いきなり早起きさせようとしても子どもは眠くて起きたがらないでしょう。しかし、朝遅く起きた日に早く寝かそうと思っても、子どもがまだ眠くなければ親の思い通り寝てくれません。最初は子どもが嫌がるとしても早起きさせてください。
早起きして朝日を浴びれば、夜は早い時間に自然と眠くなるでしょう。早起き初日は日中かなり眠いと思いますが、その日1日だけ我慢すれば夜は眠くてしょうがないでしょうから、早寝させるには最適です。
運動
小学校中学年(8歳~10歳)の運動時間の低下が問題
生活様式の変化に伴い、子どもが運動する機会や環境は減少しています。小学校中学年でも昔に比べて歩く頻度は減少していますし、路上で遊ぶことも少なくなって気軽に運動することができなくなりました。
また、遊び方自体も変化してきており、ゲームや電化製品の普及で外遊びより室内遊びの方を好む子どもが増えています。外は危ないなどの理由で、親自身が子どもの外遊びを嫌うようになっていることも無視できません。
科学技術の進展、経済の発展で、生活が便利になったり、生活様式が変化するなど、子どもの生活全体が、歩いたり、外で遊んだりするなどの日常的な身体運動が減少する方向に変化した。具体的には、自動車の普及など交通手段の発達により、歩く機会が減少するとともに、生活道路での遊びなどが困難になり、手軽に体を動かす機会が減少している。また、電化製品の発達・普及などによって、家事の手伝いや体を動かす機会が減少するとともに、保護者の意識も、危険性が伴う遊びを認めなかったり、汚れることを嫌うなどの傾向が見られる。
小学校中学年のスポーツする時間も昔と比べるとずいぶん短くなっています。スポーツ少年団に入って組織的なスポーツをする子どもはいますが、空き地で野球など昔ながらの仲間内でやる気軽なスポーツの機会はほとんどなくなったと言ってよいでしょう。
また、少子化の影響で近所に多くの子どもがいないことも問題です。昔なら兄弟姉妹の人数も多く、近所にも同じぐらいの年齢の子どもがたくさんいて、遊び仲間に欠くことはありませんでした。
それが友達付き合いは学校内だけに留まるようになり、自分たちで工夫しながら体を動かす遊びを考えることが難しくなっていることも、子どもの運動時間の低下の原因です。
小学校中学年(8歳~10歳)におすすめの運動
小学校中学年は身長・体重ともに急激に増大して、運動機能も大きく発達する大切な時期です。運動機能が発達することで、これまでできなかった運動種目にも取り組めるようになります。
鉄棒や跳び箱が上手な子がいるように、低学年のうちは無理だった複雑な動きも滑らかにできるように発達する時期です。ただ、この時期はまだ発達過程の中途ですから、特定のスポーツばかりに打ち込む必要はありません。
いや、必要ないどころか不要と言ってよいでしょう。まだ体が出来上がっていない段階で一つの種目にばかり取り組んでいると、負荷のかかる体の部分が酷使されてケガなどのリスクがあるからです。
小学校中学年の時期から野球やサッカーなどのジュニアチームに所属する子どもはいますが、そればかりではなくさまざまな種目に取り組める機会を与えてあげましょう。
スポーツチームなどに所属しない、特に好きなスポーツもないという子どもでも、体力を付けるために運動することは大切です。その場合は無理に何かの種目に取り組ませる必要はありません。
のびのびと自然の中を駆け回れるような外遊びを積極的にさせてください。とはいえ、その環境がないという問題があります。その場合は親御さんが一緒になって縄跳び、木登り、川遊びなど昔ながらの遊びの楽しさを教えてあげてください。
運動神経が大幅に向上するゴールデンエイジ(9歳~11歳)を見逃すな
前後3歳ぐらいの幅はありますが、一般的に9~11歳ぐらいまでをゴールデンエイジと言います。この時期は子どもが自分の思う通りに体が動かせるようになる年代です。
小学校低学年までに身に付けた基本的な体の動作を応用して、難しい技術でもちょっと見ただけですぐに習得できるようなこともあります。
これまで何度チャレンジしてもできなかったことがある日突然できるなど、運動の技術やセンスが急激に成長する大切な時期です。ゴールデンエイジでのスポーツの取り組み方次第では、将来プロのアスリートになれる可能性も生まれます。
ただし、ゴールデンエイジといっても子どもの成長スピードは人それぞれですので、「9歳だからできるはず」などと押し付けることはやめましょう。最適な時期に最適な運動に取り組めるようにしてあげてください。
食事(栄養)
小学校中学年(8歳~10歳)の食生活の重要性!成長や健康に大きく関係
小学校中学年は身長・体重ともに急激に増大して、内臓など体の内部組織の機能も大きく発達する大切な時期です。それだけ発達するということは、それを補うに足るエネルギーや栄養素を多く必要とする時期でもあります。
ただ、個人差もこの時期から顕著になり、子どもによって体格も体力も大きく差が付いてきます。これは、遺伝や環境などの要因が発育に大きな影響を及ぼすからです。
遺伝的要因以外に栄養、運動、生活状況など環境要因が影響を及ぼすようになるのもこの時期である。発育不全や、肥満、感染症に対する抵抗力の低下等が起こらないように、適正な食品選択による十分な栄養補給ができるように指導することが重要になる。
肥満、発育不全、病気への抵抗力の低下など問題も起こりやすい時期ですから、栄養バランスの取れた食事を与え、好き嫌いなく食べる子どもに育てることが大切です。
また、食習慣が確立する時期でもあるので、そろそろ生活習慣病の予防にも努めていきたいところです。将来生活習慣病を発症するリスクは、この時期に確立された食習慣が大きな影響を与えます。
成長期を迎える直前だから栄養素は不足する
小学校中学年は急激に成長する時期ですので、多くの栄養素を大量に必要とします。人間には45~50種類の栄養素が必要だと言われており、どれも過不足なく摂取する必要がありますが、この時期に特に大切な栄養素は6つです。
カルシウム、マグネシウム、鉄、それに、たんぱく質、亜鉛、ビタミンDです。これらの栄養素を摂取するには、たくさん食材を使った料理を食べる必要があります。
人間に必要な栄養素をすべて備えた万能の食品はないため、なるべく好き嫌いを少なくし、満遍なく適量を食べる習慣を身に付けることが重要です。小学校中学年は成長期の直前です。早い子ならもう始まっています。
そのため、これまで通りの食事では栄養素が不足してしまいます。成長に欠かせないカルシウム、マグネシウム、鉄は特に不足しやすいので、これらの栄養素には特に注意してメニューを考えてあげましょう。
不足する栄養の代表格は「カルシウム」
厚生労働省の発表する「日本人の食事摂取基準」(2015年度版)によると、8~9歳のカルシウムの1日の摂取推奨量は男子で650mg、女子で750mgとなっていますが、男子は足りているものの、女子は平均140mg不足していることがわかっています。
10~11歳でも、男子は推奨量より22mg、女子は同様に140mg不足しているという結果です。カルシウムを多く含む食品といえば牛乳ですが、牛乳さえ飲んでいればカルシウムがしっかり摂取できるというわけではありません。
他の栄養素とのバランスによって、食品に含まれるカルシウムの体内への吸収率が大きく変わります。たとえば、インスタント食品ばかり食べていると、それに含まれるリンの影響でカルシウムの吸収が阻害されるのです。
ですので、牛乳や乳製品を始め、大豆製品、魚介類、ナッツ類、海藻類などさまざまな食品を食事やおやつから満遍なく摂取するようにしましょう。
どれだけの栄養が必要かわからない方は食事バランスガイドを利用
「これさえ食べていれば必要な栄養素がすべて補える」というような食品はありません。そのため、好きだからと同じものばかり食べず、また、嫌いだからと食べないのではなく、さまざまな食品を満遍なく食べて、必要な栄養素を摂取することが大切です。
注意したい子どもの食習慣には、「脂っこいものが好き」、「ご飯はあまり食べずおかずばかり食べる」、「肉ばかり食べて魚や野菜は食べたがらない」などがあります。こうした傾向がずっと続くと、将来生活習慣病になってしまうリスクが高いです。
主食であるご飯からたんぱく質と炭水化物をしっかり摂取し、魚介類、野菜、果物、海藻類、乳製品などからさまざまなビタミンやミネラルを満遍なく摂取しましょう。
具体的に1日にどんな食品をどのぐらい摂取すればよいかわからないという場合は、厚生労働省の掲げる「食事バランスガイド」を利用しましょう。
必要な栄養素をわかりやすくイラスト付きで解説しています。子どもにもわかりやすく説明されているので、親子で一緒に見るのもよいでしょう。
食べれないといって子供に過度なプレッシャーやストレスを与えるのは逆効果
日中は思い切り体を動かし、夜は早めに就寝して睡眠をたっぷり摂ることが子どもの成長には欠かせません。もちろんそれには、バランスの良い食事で必要な栄養素を満遍なく摂取することが前提です。
和食中心のメニューで好き嫌いなく魚や野菜などもしっかり食べる子どもなら、たっぷりの運動と睡眠で肥満や発育不全になることもなく、大きく育ってくれることでしょう。
しかし、子どもの成長を願うのなら、親御さんは注意しなければならないことがあります。親の心がけ次第で子どもの成長に悪影響を及ぼす恐れがあるので、子どもの心を挫くような言動には気を付けてください。
成長途中に不足する栄養素を満たせるサプリの活用がおすすめ
小学校中学年の成長期直前の体を作るには、さまざまな栄養素を満遍なく摂取する必要があることがわかりました。たんぱく質やカルシウムは成長には欠かせませんが、それだけではなく他のさまざまな栄養素とのバランスが大切です。
どれか特定の栄養素だけ摂取していればよいということではないので、普段の食事でなるべくいろんな栄養素を摂れるように工夫してあげましょう。
3食しっかり食べることは当然ですが、それだけでは必要な栄養素をバランスよくカバーできないのであれば、サプリメントの活用も検討してみましょう。
しかし、サプリメントさえ摂取していれば、すべての問題が解決するわけではありません。基本は毎日の食事であり、サプリメントはあくまで補助的な役割を果たすだけです。
それに、運動や睡眠など食事以外の生活習慣が乱れていては意味がありませんから、規則的な生活習慣を確立し、過食や欠食のないよう好き嫌いのない子どもに育ててください。
まとめ
小学校中学年は成長期直前の大切な時期です。成長期に健全に成長してもらうためにも、また、大人になってからの生活リズムの基礎を作るためにも、この時期に睡眠、運動、食事の基本的生活習慣を正しく確立することがいかに大切かを意識してください。
昨今の小学生の生活スタイルを見ると、睡眠、運動、食事のすべてに問題があることがわかります。子どもの夜型化が叫ばれて久しく、夜10時前に就寝する子どもは少ないぐらいです。
また、運動の機会や環境が減少しているために、子どもの運動量が低下し、運動能力が正常に発達できない子どもも増えています。さらには、食生活の乱れも深刻で、欠食や過食などの影響で肥満や発育不全、生活習慣病のリスクなどが高まっています。
夜更かしの癖が付いた子どもは早めに改善し、運動の機会や環境が少ないのであれば、親が意識的にそれを提供してあげましょう。
また、子どもの食べるものは親の責任でもあります。時にはサプリメントも活用しつつ、子どもの摂取する栄養には気を付けてください。