アミノ酸は私たち、人間が生きていくうえで欠かすことが出来ない栄養成分の一つです。アミノ酸が不足することによって成長に障害が出たり、最悪の場合命の危険を及ぼすこともあるとされています。
3食食べるといった食事をされていれば、基本アミノ酸が不足することはほとんどありません。
しかし、運動をする機会が多い子供、また子供に限らず大人も運動をしたり高齢になればなるほどアミノ酸が不足しやすくなってしまいます。
アミノ酸の必要性、なぜ成長段階でアミノ酸が必要となってくるのか、詳しく解説していきますのでぜひご覧ください。
アミノ酸とは?どのような成分?
アミノ酸は、私たちの体を作っていくうえで欠かせない成分で、タンパク質を構成するという大きな役割を担っています。
私たちの体は水分が6割を占め、残りの4割のうちその半分である2割をタンパク質が占めています。
この人の体を作り上げていくうえで必要になってくるタンパク質というのは20種類のアミノ酸が数千個、また数万個が繋がってできています。ということは、人間の体はアミノ酸を使って作られているとも言えるわけです。
またアミノ酸には体内で作ることができる非必須アミノ酸、体内で作ることができない必須アミノ酸があります。
自然界には500種類と言われるくらいアミノ酸が発見されていますが、人間の体を構成しているのはそのうちのたった20種類です。
アミノ酸は2種類存在する
アミノ酸と一口にいっても「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」という2つの種類に分けられます。(参照:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編」)
必須アミノ酸とはどういったものなのか、また非必須アミノ酸とはどういったものなのか、実際には詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
2種類のアミノ酸がどんな働きをしているのか、どういった成分なのかを詳しく解説していきます。
アミノ酸自体、調味料に使われたり輸液や医療などに使われるなど多岐に渡って活用されています。
スポーツをする人、また子供の成長にも一役買ってくれる成分ですので、不足しないようにしていきたいところです。
1.必須アミノ酸
必須アミノ酸というのは、人間の体では作り出すことができないアミノ酸で、体外から取り入れるほか取り込むことが出来ません。
必須アミノ酸は9(10)種類あり、それは以下になります。
- バリン
- イソロイシン
- ロイシン
- メチオリン
- リジン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- スレオニン
- ヒスチジン
- アルギニン(小児の場合は必須アミノ酸ですが、大人は非必須アミノ酸)
ロイシンやイソロイシン、トリプトファンといったアミノ酸なら一度くらいは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
必ず食物から取り入れなくてはいけないアミノ酸で、バリンやイソロイシン、リジン、スレオニン、ヒスチジン、アルギニンは特に成長に関わる働きを担っています。
どれも人の体の中では作れないアミノ酸ですから、成長が著しい幼少期、また子供には魚を食べる機会を多く設けるようにするといいでしょう。
もちろん、バランスよく3食食べていればアミノ酸が不足することはないと言われていますから、成長段階である子供は特に3食バランスのいい食事ができるよう、親として工夫をしてあげることが大切です。
必須アミノ酸の必要性とは?子供が摂取する必要性はある?
必須アミノ酸は、体内では合成することができない成分なので、食物から摂取していかない限り体内に取り込まれることはありません。
また、この必須アミノ酸というのは人間の体を作るために欠かせないうえに、子供の成長を促す役割を担っているので、子供もしっかりと摂取していかなくてはいけません。
もちろん必須アミノ酸だけを摂り入れて行けばいいというわけではなく、アミノ酸以外にも必要な栄養素は数多くあります。
バランスよく食べて、色々な栄養を摂っていくということが大切です。
また大人には非必須アミノ酸であるアルギニンは、子供のうちは必須アミノ酸の1つとなっていますので、全部で10種類のアミノ酸を取り込む必要があります。
必須アミノ酸が十分なら身長は伸びる?
成長に欠かせないと言われているのが「睡眠」「運動」「栄養」。なぜなら成長ホルモンをたくさん分泌させるために欠かせないからです。その中でも栄養が足りないと身体に様々な影響を及ぼします。
体の中では作れないアミノ酸、アルギニンは子供のうちは必須アミノ酸となっていますが、アルギニンは身長を伸ばしてくれるサプリメントにも配合されているなど、近年注目されています。
アルギニンは大人にとって非必須アミノ酸ですが、子供のうちは必須アミノ酸とされます。その理由は、子供のうちは体内でほとんどアルギニンを生成できないためです。
もちろん、必須アミノ酸が十分補えていたとしても、カルシウムやタンパク質などといった栄養が不足していれば、当然のことながら身長への影響は大きくなります。
つまりアミノ酸だけではなく、バランスよく多くの栄養を取り入れていくということが身長を伸ばすことにつながるわけですが、数ある栄養の中でも、必須アミノ酸というのは体内では作れないため、ほかの栄養素よりも注目されているのです。
必須アミノ酸が不足するとどうなる?子供の成長への影響
必須アミノ酸が不足しないようにするには、アミノ酸がバランスよく含まれているお肉や魚などの良質なたんぱく質を摂るということが大切です。
特に成長段階である子供の場合、成長を促すためには必須アミノ酸を含んでいるお肉、お魚を十分に食べさせないと、成長に障害が現れてしまうことがあります。
さらには、必須アミノ酸が重度の不足になってしまうと、命にも危険が及んでしまう可能性も出てくるのです。
普通に3食食事をしていれば、アミノ酸自体は不足しないと言われています。しかし、近年では幼少期からスポーツをたしなんでいる子供が増えてきました。
このスポーツをする機会が多いということは、アミノ酸が不足してしまう恐れに繋がってしまうのです。
となると、本来なら著しく成長を遂げるであろう時期に、身長が伸びなかったり体重が増えなかったりといった症状を引き起こしてしまう可能性も否定できなくなってしまいます。
2.非必須アミノ酸
タンパク質を構成するうえで大切なアミノ酸。アミノ酸には2つ種類があり、そのうちの一つが非必須アミノ酸です。
非必須アミノ酸は体の中で作ることが出来ない必須アミノ酸とは違って、体内で合成することができるアミノ酸を指します。
非必須アミノ酸は以下の11(10)種類あります。聞いたことがあるアミノ酸も多いのではないでしょうか。
- アルギニン(子供のうちは必須アミノ酸)
- グリシン
- アラシン
- セリン
- チロシン
- システイン
- アスパラギン
- グルタミン
- プロリン
- アスパラギン酸
- グルタミン酸
体内で合成することができる非必須アミノ酸でも、多くの働きを担っているため、積極的に取り入れたいところです。
体内で合成できるから摂取しなくてもいいワケではなく、体内で合成されているということは不足したら困るアミノ酸であるとも言えます。
タンパク質を構成しているアミノ酸は、体内に吸収されやすいのが特徴です。消化酵素の分泌の必要がないので、胃腸などの働きが弱っているような時でも、摂取するうえでの負担が少なく済みます。
もちろん、非必須アミノ酸以外にもバランスよく栄養を取り入れるということが、子供の成長を促す最大のポイントとなります。
非必須アミノ酸は子供に必要?食事から摂取する必要性はない?
必須アミノ酸は体内で作ることができないため、食物から取り入れる以外では体内に取り込むことが出来ません。
逆に非必須アミノ酸は体内で合成されるので、食物から積極的に取り入れずとも不足するということはないでしょう。
子供の成長を促すために非必須アミノ酸を食事やサプリメントを使って取り入れるという必要性はそんなには高くはないのです。
ただし、体内で合成されるからといって全く意識をしなくていいかといえばそれも違います。なぜなら、非必須アミノ酸も子供の成長には欠かせない栄養成分だからです。
3食、バランスよく食べていれば必須アミノ酸も摂取できますし、栄養もしっかりと摂れるので非必須アミノ酸も十分な量が体内で合成されます。
ということは、バランスよくしっかりと食べるということが、子供の成長を促すということにつながるわけです。
成長のサポートをしてくれるアミノ酸は、必須アミノ酸に多い傾向にはありますが、睡眠も子供の成長を促すためには欠かせません。
子供が積極的に摂取したい9つのアミノ酸
必須アミノ酸は、大人でも子供でも体内で作ることができないので、積極的に取り入れたいところです。
特に子供については必須アミノ酸は成長に影響を与えるアミノ酸が多いため、食物からしっかりと摂り入れていきましょう。
必須アミノ酸はバリンにイソロイシン、またロイシンやメチオリン、そしてリジンにフェニルアラニン、またトリプトファンにスレオニン、さらにヒスチジンの9種類となります。
アルギニンについては、大人になると体内で作れる非必須アミノ酸になりますが、体内で作ることができない子供のうちは必須アミノ酸に入ります。
成長を促してくれるアミノ酸のほかにも、免疫力をアップしたり安眠を促してくれるアミノ酸もあります。
※これから紹介していくアミノ酸の働きは日本養鶏協会「いま話題のアミノ酸ってなに?」を参考にしています。
「トリプトファン」体内での働き・多く含まれている食品
トリプトファンという名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。比較的有名な必須アミノ酸の一つです。
トリプトファンは体内でナイアシンという成分に変わったり、脳内の神経伝達を司っているセロトニンの原料にもなっています。
日本ではありませんが、主食がトウモロコシであった地域においては、トリプトファンを主食から摂ることができなかったためにナイアシンができず、ナイアシン欠乏症を引き起こす人が続出した経緯があります。
カツオであれば100g、お刺身でいえば7切ほどに310mg、レバーなら100gあたり290mg、卵なら1個あたり99mg、プロセスチーズなら1切れあたり58mgのトリプトファンを摂取することができます。
「リジン」体内での働き・多く含まれている食品
必須アミノ酸の一つであるリジンは、リシンと呼ばれることもあります。リシンは、脂肪をエネルギーに変えるために必要となってくる、カルニチンという物質を作り出す材料となるアミノ酸です。
身体の組織を修復したり、成長を促す、また肝機能の向上といった部分においてサポートしてくれるとされています。
日本人の主食であるお米や、近年、食の欧米化により小麦などを食べる機会も多くなってきていますが、穀類に含まれている量はかなり少ないのが特徴です。
ということは、穀類以外の食物からしっかりと摂取していかなくてはいけない必須アミノ酸であるということが分かります。
「メチオニン」体内での働き・多く含まれている食品
メチオニンという必須アミノ酸は、体内に入ってくると最初にタンパク質を作っていくのに使われる必須アミノ酸です。不足してしまうと、タンパク質を合成していく過程の初段階においてつまずいてしまうことになります。
さらに、メチオニンは脂肪をエネルギーに変えるために必要なカルニチンという物質を合成する上での役割を担っています。また、薬物中毒の解毒、肝機良いとされています。
クロマグロなら100g、刺身でいえば7切ほどに760mgが、鳥の胸肉100gには640mg、豚のロース赤身には100gあたり620mg、無調整の豆乳200gには104mgのメチオニンが含まれています。
「フェニルアラニン」体内での働き・多く含まれている食品
フェニルアラニンという必須アミノ酸は、あまり聞きなれない成分かもしれません。ですがこのフェニルアラニンは、チロシンという成分を経て脳内の神経伝達を司っているドーパミン、ノルアドレナリンに大きな影響を与えています。
またメラニン色素を作る材料となるのもフェニルアラニンですが、シミを作るメラニン色素に大きな影響を与えてしまっているわけではありません。
近年注目されている合成甘味料であるアスパルテームの原材料にもなっています。血圧を上昇させる、鎮痛の作用などもこのフェニルアラニンにはあると言われています。
「スレオニン」体内での働き・多く含まれている食品
スレオニンはトレオニンとも呼ばれることがある必須アミノ酸の一つです。必須アミノ酸の中でも、人の体では全くといっていいほど合成されることがありません。
スレオニンは脂肪肝を抑制する働きがあるとされています。また、子供の成長を促進してくれるといったサポート的な役割もしてくれるのではと言われていますし、積極的に取り入れていきたい必須アミノ酸です。
クロマグロ100gには1100mg、豚のロース赤身100mgには1100mg、鳥の胸肉100gには1100mg、凍り豆腐1枚には315mg、プロセスチーズ1切れには166mgのスレオニンが含まれています。
成長の促進に関わる必須アミノ酸ですので、積極的に取り入れていきましょう。
「バリン」体内での働き・多く含まれている食品
筋肉を作る上で欠かせないのがバリンという必須アミノ酸です。イソロイシン、ロイシンと共にBCAAと呼ばれるアミノ酸であり、不足してしまうと食欲の減退を引き起こします。
また栄養不良を起こしてしまう可能性も出てくるため、しっかりと補っていきたい必須アミノ酸です。
バリンは、成長を促すのにも大きな役割を担っています。さらには血液中の窒素のバランスを調整したり、肝機能を向上などにも役立つのではないかとされています。
クロマグロ100gには1300mg、牛や豚のレバー100gには1100mg、プロセスチーズ1切れには320mg、豆腐(木綿)100gには330mgのバリンが含まれています。
子供のうちは食べやすいチーズや豆腐などを食事に取り入れたり、苦手なレバーも工夫して食べられるようにしてあげるといいでしょう。
「ロイシン」体内での働き・多く含まれている食品
必須アミノ酸の中でも子供の成長を促してくれる役割を担っているのがロイシンです。
前述したように、ロイシンはバリンとイソロイシンと共にBCAAという分岐鎖アミノ酸としても有名で、大人になると筋肉を維持する役割があるとされています。
また、このロイシンはたくさんいいところがあり、肝機能の向上、肝細胞を増殖させたり分化の正常化にも一役買ってくれるとされています。
血糖コントロールに加え、たんぱく質の合成を促したり、筋タンパク質を維持したり、筋肉グリコーゲンの合成や酵素の活性化といった部分においてもこのロイシンが関係しているとされています。
「イソロイシン」体内での働き・多く含まれている食品
イソロイシンは、特に筋肉を作り上げるのに重要な役割を担っている必須アミノ酸です。バリンとイソロイシンと共にBCAAと呼ばれる必須アミノ酸で、ヘモグロビンの形成にも一役買っています。
また、イソロイシンは子供の成長を促進させるてくれるのではとされていて、神経機能の向上の補助的な役割、血管の拡張や肝機能の向上にもイソロイシンは大切なアミノ酸となっています。
豚のロース赤身や卵といった食物は、手に取りやすく、スーパーでも通年売られていますので、比較的補いやすい必須アミノ酸だと言えるでしょう。
「ヒスチジン」体内での働き・多く含まれている食品
ヒスチジンは、人間の体の中に入ってきても合成するまでにある程度時間がかかる必須アミノ酸として知られています。
幼児がヒスチジンの不足を引き起こすと、湿疹ができやすくなると言われていますので、積極的に摂っていきたい必須アミノ酸でもあります。
ヘモグロビンにも多く含まれているアミノ酸でもあるので、足りなくなってしまうと貧血を引き起こす可能性も出てきます。
また、ヒスチジンは成長を促す働きを担っていますので、しっかりと補っていく必要があるでしょう。
カツオ100gには2500mg、クロマグロ100gには2400mg、真いわし100gには1000mgのヒスチジンが含まれています。この中で真いわしは安価で手に取りやすい食材であるため、ヒスチジン摂取に困ることはないでしょう。
子供の成長に必要なアミノ酸はどれ?
これまでたくさんの必須アミノ酸、非必須アミノ酸を紹介してきました。
人間が生きていくうえで必要な20種類のアミノ酸ですが、子供の成長に影響を与えているアミノ酸もあれば、成長以外の部分で働いてくれているアミノ酸もあります。
子供の成長という部分だけかいつまんで見てみれば、成長に一役買ってくれるアミノ酸だけを摂取すればいいように感じますが、それは違います。
20種類あるアミノ酸は、それぞれ色々な働きをしてくれており、どれも子供の成長に欠かすことはできません。
つまり、体で作れない必須アミノ酸はもちろんのことながら、非必須アミノ酸も体内でしっかりと作れるよう、バランスよく色々なものを食べていくということが重要になってくるわけです。
アルギニンは子供の成長に必要?
アルギニンもアミノ酸の一種ですが、大人になると非必須アミノ酸となり、子供のうちは必須アミノ酸であることから、準必須アミノ酸と言われています。
アルギニンは特に近年成長を促すのに欠かせないものとして知られてきていて、成長段階で不足してしまうと成長ホルモンへの影響が懸念されるアミノ酸です。
またインスリンやグルカゴンといった物質を促進する役割も担っています。
イセエビ100gには2100mg、豚のロース赤身100gは1500mg、鳥の胸肉100gは1500mg、無調整の豆乳200gは600mgのアルギニンが含まれています。
子供のころは必須アミノ酸であるアルギニン、大人になれば体内で作れるものの子供のうちは作れないので、積極的に取り入れるようにしましょう。
アミノ酸の一つ「アルギニン」の効果には期待できない
子供の成長を促してくれる成分もたくさんありますが、その中の一つであるアルギニンは、成長ホルモンの分泌を刺激してくれる薬としても使われています。
ですのでアルギニンはやはり成長には欠かせないアミノ酸であると言えますが、日本小児内分泌学会では、アルギニンはたとえ薬剤として体内に注入したとしても、成長を促進しないとしています。
近年はアルギニンを使ったサプリメントや食品などが増えてきていますが、科学的根拠がすでに出ています。信頼できるデータの報告も学術雑誌などに掲載されてこともあります。
つまり、色々な形でアルギニンを摂取することはできますが、食物から摂取しなければあまり意味がないということになるわけです。
子供のうちはアルギニンは体内で生成することができないため、食物から摂取するほかありません。
不足しがちな栄養をサプリメントから補うという方法も推奨されることがありますが、大前提として食物からアミノ酸はもちろんのこと、様々な栄養を補っていくということが大切になってくるのです。
アミノ酸を効率よく摂るためにはどうする?
アミノ酸は子供の成長に欠かせない成分であることが分かりました。ではそのアミノ酸を効率よく子供が摂取するにはどうしたら良いのでしょうか。
大人と違って、子供は食の好き嫌いがあると、健康のために食べなくてはいけないと考えることはまずありません。
アミノ酸の中でも、必須アミノ酸は体内では作り出すことができないので食事から補うしかなく、子供が効率よくアミノ酸を摂ることが出来るよう、親は工夫をしてあげることが大切です。
食物以外からの摂取、つまりサプリメントなどは効果がないと日本小児内分泌学会は科学的根拠から証明しています。食物からしっかりと摂れるよう、バランスよく食べられるメニューを取り入れましょう。
アミノ酸スコアが高い食品に注目!
アミノ酸スコアとは、たんぱく質の栄養価を示している数値です。
必須アミノ酸は食べ物からでないと摂取することはできませんが、どれだけ含まれているのかは食材によって異なります。
アミノ酸スコアが100に近い数値ほど、必須アミノ酸が豊富な食材と考えて良いでしょう。
アミノ酸スコアが高い食品として注目したいのが、豚ロース、あじ、鶏卵、牛乳、大豆で、これらはアミノ酸スコアが100です。
成長過程にある子供には、これらの食品を積極的に料理に使うなどしていくといいでしょう。
また、成長以外にも筋肉量や集中力や思考力にも影響を与えるのがアミノ酸なので、しっかりと摂取することが大切です。
【補足】アミノ酸スコアとは?
アミノ酸は大きく分けて必須アミノ酸と非必須アミノ酸の2種類があり、必須アミノ酸は体内では作ることができないので、食品から摂取しなくてはいけません。
必須アミノ酸は摂取する必要量があらかじめ定められています。
ですので、必要量がどのくらい食品の中に含まれているのかを知ることができる数値がアミノ酸スコアなのです。
アミノ酸スコアはタンパク質を作っている窒素1g中の必須アミノ酸量(mg)から評価されます。
100点満点中で100点に近いほど、質のいいタンパク質を摂取することができる数値として定められているのです。
サプリに頼らず食事から摂取するのが理想
人間に必要となるアミノ酸は20種類で、ひとくくりにアミノ酸と呼ぶものの、それぞれには違った働きがあります。
体内で合成できる11種類の非必須アミノ酸はともかく、合成できない9種類の必須アミノ酸は人間の成長にとって欠かせないと考えられるようになり、サプリメントや健康補助食品の成分として配合されることが増えてきました。
成長段階である子供に対して栄養をしっかりと補えるよう、必須アミノ酸をサプリメントを与えることもしばしばあるでしょう。
しかしながら、必須アミノ酸は食物から摂るというのが基本中の基本です。サプリメントなどに含まれている必須アミノ酸は、体内に吸収されないという説もあります。
食事から必須アミノ酸はしっかりと摂っていくことが、成長段階にある子供には特に必要となってくるのです。
アミノ酸を多く含む食物は、魚、肉、卵、乳製品が代表的な食物となっています。これらの食材を子供の食事にバランスよく取り入れて、必須アミノ酸を十分摂取できるように工夫していきましょう。
アミノ酸は基本的に食事から摂るのが大切!
必須アミノ酸も、体内で合成できる非必須アミノ酸も、まずは食事から摂っていくということが原則です。
必須アミノ酸の摂取量を心配することがない毎日を送るには、バランスの良い食事をすること以外にありません。
もちろん子供ですから、3食しっかりとは食べられない時もあるでしょう。そのような時は、子供が食べられるものを優先してあげても構いません。
乳製品はアミノ酸も豊富に含まれていますので、食欲がないような時でもヨーグルトなどなら食べられるという子供も多い傾向にあります。
また、子供も十人十色ですから、食の細い子もいるでしょう。となると栄養面で心配になる親御さんも多くなりますが、このような状態が続くようであれば、まずはかかりつけ医に相談をしてみてください。
そして、食事から補えないアミノ酸についてはサプリメントを活用することも一つの方法です。
アミノ酸が体内から不足すると、重篤なケースでは命に危険が及んでしまいます。それくらいアミノ酸というのは人間が生きていくうえで必要不可欠な栄養でもあるのです。
しかしながら、近年は食の欧米化が進み、アミノ酸をはじめ色々な栄養が不足しがちになってきています。
成長段階である子供はアミノ酸以外にもしっかりと栄養を摂っていかなくてはいけません。
中でもアルギニンは子供のうちは必須アミノ酸になっていますので、バランスよく食べるということが基本となってきますが、アミノ酸にも非必須アミノ酸といって体内で作ることが出来るアミノ酸もあります。
体内で作れないアミノ酸については食物から摂取する以外の方法はありません。
人間の体は足の先から頭のてっぺんまで、すべてがタンパク質でできています。髪の毛も爪も筋肉もすべてタンパク質からなっています。
そのたんぱく質はアミノ酸によってつくられているため、アミノ酸が不足してしまうと人間の体に大きな影響を与えるわけです。
子供のみならず大人もそうですが、バランスの良い食事をすることで体内では作られない必須アミノ酸も合成されますし、非必須アミノ酸も取り入れられます。