12歳~14歳の中学生は人生の中でも特によく身長が伸びる時期です。もちろん個人差もあり、なかなかこの時期でも伸びないという子供もいますが、基本的にはこの時期にどれだけ伸びるかでその子供の身長が決まるといってもいいほどです。
成長期の間は特に何をしなくても勝手に身長が伸びていきます。ただし、順調に身長を伸ばすには、生活習慣を整える必要があります。
その生活習慣とは、睡眠、運動、食事(栄養)の3つです。これらの生活習慣は健康に大きく関わるものですが、成長期の子供の場合は健康に加えて身長にも影響を及ぼすのです。
現代の子供は娯楽や習い事と何かと忙しいため、意識しようとしなければ、なかなか上記の3つの生活習慣を整えられません。大切なのは保護者の方が子供の成長と生活習慣の関係性を理解し、理想的な生活習慣になるようにサポートしていくことです。
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子供の成長期は一度きり!
必要な「栄養」足りてますか?
中学生(12歳~14歳)は最も身長が伸びる「成長スパート期」
人は身長がよく伸びる時期が2度あります。1度目は第一次性徴の時で、1年で20cm以上伸びることも珍しくありません。ただし、この頃はまだ赤ちゃんなので、最終的な身長がどうなるかは予想がつきません。
2度目は第二次性徴の時で、中学生(12歳~14歳)の「成長スパート期」と呼ばれる時期です。この時期では男女ともに1年で10cm近く伸びることもあります。第一次性徴の時と比べると少ないですが、それでも十分な身長アップといえるでしょう。
子供のうちはなかなか「成長スパート期」を意識することはありませんし、保護者の方もしっかりと意識しているケースは少ないです。しかし、大人になってからではもう成長期は来ないので、身長を高くしたいと思っても遅いのです。
成長スパート期は身長・体重から知ることができます。身長が急激に伸び始める時期が来たら成長スパート期が来たと判断していいでしょう。
身長が伸びれば、そのぶん体重も増えるので、体重の増加も参考になります。
成長期って何歳から何歳まで?
子供は生まれた時から絶え間なく成長していくので、身体が大きくなっていく間はすべて成長期と言えます。しかし、その成長度には波があります。
たとえば、身長が急激に伸びる時期が2度あると書きましたが、その時期の周辺は他の時期よりも成長度が高い傾向にあるので、「成長期」というと、そのあたりの期間を指すことが多いです。
一度目の成長期は0歳~4歳頃のことです。生まれたばかりの頃は50cmほどの身長ですが、4歳辺りになると100cm程度の身長まで伸びます。
二度目の成長期は男女差があり、男子は9歳頃、女子は7歳頃から始まります。終わりは男女ともに17~18歳頃ですが、人によっては20歳になっても続くことがあります。二度目の成長期では、男子は声変りが起こったり、女子は初潮を迎えたりします。
ホルモンの影響で体が変わり始めたら、成長期も来たと考えていいでしょう。
中学生(12歳~14歳)に注意すべき3つの生活習慣
まず睡眠ですが、子供がうまく睡眠をとれないでいると、生活習慣病やうつ病、肥満のリスクが高まります。また、もともとそれらにかかっている場合は悪化する可能性があります。
次に運動ですが、これも不足すると生活習慣病やうつ病、肥満の原因になる上に、体力低下を招きます。体力が低下すると子供に元気さがなくなってしまいます。
3つ目は食事(栄養)で、食べ過ぎは生活習慣病、肥満に繋がりますし、逆に食べなさすぎると栄養失調になります。
中学生のうちは若さで無理をしがちですが、3つの生活習慣をおろそかにすればすぐに体を壊し、身長も伸びにくくなる恐れがあるので、若いからといって油断しないことが大切です。
睡眠
中学生(12歳~14歳)の子供は世界的に見ても夜更かしをしている
現代日本の中学生の子供は世界的に見ても夜更かしをする傾向にあります。特に学年が上がるごとに睡眠時間が短くなりがちで、子供によっては大人と変わらないサイクルになっているケースもあるほどです。
なぜ夜更かしをしてしまうかというと、まず挙げられるのは「帰宅時間が遅いから」という理由です。帰宅時間が遅いとどうしても食事やお風呂の時間も遅くなるので、必然的に就寝時間も遅くずれこんでしまいます。
帰宅時間が遅くなるのには、放課後から行う部活や習い事、塾など様々な原因があります。それから「保護者の帰宅時間が遅い」場合も子供が夜更かしする理由になりえます。
保護者と子供の就寝時間を合わせている家庭だと、子供が保護者の帰宅を待っていなければならず、そのぶん就寝時間が遅くなります。
特に女性の社会進出やシングルマザーの増加は子供の睡眠時間に大きな影響を与えています。お母さんが残業などで遅く帰った後に食事を作り始めることになれば、当然それだけ就寝時間がずれこみます。
実際に厚生労働省の調査では保護者のライフスタイルと子供の睡眠が大きく関わっていることが示唆されています。
お母さんが働いている家庭ではお母さんの労働時間が長いほど22時以降に就床する子どもの割合が多いことがわかっています。今後女性の社会進出はますます進みますが、親のライフスタイルによって子どもの睡眠も大きな影響を受けることは意識しておくべきでしょう。
中学生(12歳~14歳)の理想の睡眠時間
中学生(12歳~14歳)の理想の睡眠時間は8時間~11時間程度です。NPO法人であるアメリカ睡眠財団が分析した年齢ごとの理想の睡眠時間の結果では、6~13歳が9~11時間、14~17歳が8~10時間となっています。
この分析結果はもともと公開していたデータを再調査したものです。様々な学会を出身する専門家たちで立ち上げられた委員会により、いくつもの研究や文献を調査し、もとのデータを修正したものとなり、信憑性が高いです。
アメリカ睡眠財団の代表のチャールズ博士は、今の生活で十分な睡眠が取れているならそれを継続することを推奨しています。
もしどうすればいいかわからなければ、とりあえずアメリカ睡眠財団が公表する理想の睡眠時間の中央値から試していくことが推奨されています。子供が12歳・13歳なら10時間睡眠、14歳なら9時間睡眠を試す形になります。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されるサイクルを持っています。レム睡眠は身体が寝ていて脳が起きている状態で、ノンレム睡眠は脳が休んでいて身体の筋肉が動いている状態です。
このサイクルは大人と子供で違うので、子供は子供に合った睡眠のとり方を実践しなければいけません。
中学生(12歳~14歳)の睡眠改善!体内時計を整え早寝早起きが目標
睡眠が不規則になると生体リズムも狂っていきます。本来人間は朝に日の光を浴びることで体内リズムをリセットし、ちょうど夜になった時に眠くなるようなメカニズムを持っています。
しかし、生体リズムが狂った子供は夜になっても眠くならないことがあります。すると寝付くのが遅くなり、起床時間も遅めになります。
体内時計を整えるコツは「早起きすること」です。最初はとにかく無理にでも起きることで、朝の光を浴びるようにします。これを何日も繰り返せば、徐々に体内時計が整えられて朝型人間になっていきます。
一般的には早起きするには早寝が大事というイメージがありますが、体内時計が整えられないうちに早寝をするのは難しいです。そのため、発想を逆転させて早起きをする努力から始め、睡眠が足りない分を早寝で補うというやり方が効率的です。
子供によっては睡眠障害を持っていることもあります。この場合、いくら早寝早起きをしても睡眠の質が悪くて疲れが取れないので、小児科にかかる必要があります。
運動
中学生(12歳~14歳)におすすめの運動&スポーツ
運動部に入る場合は身体を伸ばすスポーツの部活がおすすめです。たとえば、バレーボールやバスケットボールがあげられます。はっきりとした根拠があるわけではありませんが、身体を伸ばすことが刺激になり、身長に良い影響を与える可能性があります。
ただし、スポーツによっては一部の筋肉ばかり使うこともあります。身長のためには全身をバランスよく鍛えた方がいいので、あまり使わない筋肉がある場合は筋トレなどで補うようにしてください。
運動部に入らない場合は自主的に運動をすることになります。もし運動自体が苦手なら外を散歩してみるだけでも十分です。部屋にこもってばかりいるよりはずっと運動になります。
余裕があればジョギングがおすすめです。道具が必要ですが、縄跳びもジャンプするので、バレーボールやバスケットボールに近い運動効果が得られます。
運動は習慣的に行うのが一番です。なるべく食事や睡眠のように毎日当たり前に行えるようにしたいところです。思い出した時にやるくらいの意識だとなかなか続きません。そういった点でいうと、運動部の部活動に入るメリットは大きいです。
適度な運動は成長ホルモンの分泌を促します。成長ホルモンは子供の身長を伸ばすのに役立つ物質です。
運動神経が向上するポストゴールデンエイジを見逃すな
12歳~14歳の年齢は「ポストゴールデンエイジ」と言います。この用語はスポーツ界で使われるもので、ゴールデンエイジの最終段階を指します。
ゴールデンエイジは運動神経が形成されていく時期を指し、この期間にスポーツなどをすると効率的に上達するといわれています。なお3歳~8歳はプレゴールデンエイジ、9歳~11歳はゴールデンエイジというように年齢ごとに分かれています。
ポストゴールデンエイジの子供はすでに運動神経の大部分が形成されているため、急激な成長は難しくなりますが、それまで培った技術を向上させていくのに大切な時期となります。
プロアスリートを目指すにはこの3歳~14歳の時期にどれだけ運動しているかが重要という説があります。プロアスリートを目指すわけではなくても、本格的にスポーツを行うなら決して見逃したくない時期です。
食事(栄養)
中学生は成長スパート期!食生活が将来の身長に影響する最後のチャンス
食生活が身長の伸び方に影響を及ぼすのは成長期までです。特に成長スパート期のある中学生の場合、食事のとり方で最終的な身長が大きく変わってくる可能性があります。この最後のチャンスを逃してしまったら、あまりにもったいないです。
特に食事は他の身長に関わる睡眠や運動よりも、身長の伸び方に強く影響しています。なぜかというと、睡眠や運動は主に成長ホルモンを分泌させることで身長を伸ばしますが、食事の作用はそれだけではないからです。
食事は成長ホルモンの分泌にも関わりがありますし、子供が成長する時に消費される栄養も摂取できるので、多方面で身長アップを促すのです。
いくら睡眠や運動を頑張って成長ホルモンを分泌させたとしても、身体を大きくするための材料がなければ意味がないわけです。
成長期は多くの栄養素(カルシウム・鉄・マグネシウムなど)が不足する
成長期の子供は身体を大きくしようとしているので、大人よりも多くの栄養素を必要としています。つまり、大人にとって十分な量の食事を与えても、子供にとっては足りない可能性があるということです。
特に身体の成長に関わっている栄養素はカルシウム・鉄・マグネシウムなどのミネラル分です。カルシウムは骨の材料となる物質で、骨の成長に直接影響します。身長は骨が縦に成長したぶん伸びるので、いかに骨を伸ばすかが身長には大切なのです。
マグネシウムはカルシウムを骨に定着させる作用を持つ物質です。つまり、カルシウムだけ摂っても骨に定着せず、有効活用できないのです。しかも定着しなかったぶんのカルシウムは血中に流れ、健康を阻害します。
そのため、カルシウムを摂ったぶんのマグネシウムを摂取することが大切です。理想的な摂取比率は2(カルシウム):1(マグネシウム)です。
鉄はたんぱく質の働きを高める作用があります。たんぱく質は臓器や筋肉の素材となる物質なので、やはり子供の成長に必須です。
特に「カルシウム」の不足は深刻…行政機関も問題視!大人の3倍必要?
成長期の子供は様々な栄養素が不足しがちですが、中でもカルシウム不足は深刻で、行政機関も積極的にカルシウムを摂取するように呼び掛けています。
厚生労働省が公開した「日本人の食事摂取基準」によれば、12~14歳の男子は1日の必要量が850mg、推奨量が1,000mg、女子は1日の必要量が700mg、推奨量が800mgとなっています。なおこれは全年齢の摂取基準の中で最も高い数値です。
30~49歳のカルシウム摂取基準は男性・女性ともに1日の必要量が550mg、推奨量が650mgとなっています。
これだけ見ても、成長期の子供が多くのカルシウムを必要としていることがわかりますが、12~14歳の子供は当然大人よりも体が大きくありません。
体重を考慮すると、子供は大人の3倍近くカルシウムを摂らなければならない計算になります。成長期の子供はカルシウム吸収率が高く、この時期に摂取したカルシウムの量で将来の骨量が決まります。
骨量は骨に蓄積したカルシウム量を示し、その量は20代から減っていきます。骨量が一定以下になると骨粗鬆症になるので、その予防のためにも子供のうちのカルシウム摂取は大切です。
不足分の栄養を食事だけで補うのは難しい
たとえば、カルシウムが不足しているのであれば、小魚や乳製品など、カルシウムが豊富な食べ物を多めに食事でとることで、栄養を補うことができます。
しかし、あらゆる栄養の不足を食事だけですべて補うのは大変です。もちろんなるべくそうするべきなのですが、毎日食材の栄養を調べてそれらを最適なバランスで料理に仕上げるのは保護者の方にとって負担が大きすぎます。
また12~14歳の子供はまだまだ好き嫌いがある可能性があります。たとえ完璧な栄養バランスの食事を用意できたとしても、それを子供が食べないのであれば意味がありません。
成長スパート期は最後のチャンス!不足する栄養素を満たせるサプリを活用して
成長スパート期の最後のチャンスを逃さないためには、サプリを活用するのがいいでしょう。サプリの中には「身長サプリ」というものがあり、成長期の子供に必要な栄養素が配合されています。
たとえば、カルシウムが不足している子供にカルシウムが配合されている身長サプリを飲ませることで、不足分を補うことができます。
サプリは錠剤タイプの場合、錠剤を飲み込まなければいけませんが、味は気にしなくていいので、偏食の子供でも安心です(飲み物に溶かすタイプの場合は子供が好みやすい味に調整されています)。
サプリを補助的に用いるのはいいですが、サプリだけで子供に栄養を摂らせようとするのはやめてください。
サプリはあくまでも食事でとりきれない栄養を補う目的のものであり、サプリをとらずに済むのであれば、それに越したことはありません。
人間の身体は自然な食事から栄養を摂取する構造になっているので、サプリだけだとどのような悪影響が出るかわかりません。
まとめ
中学生(12歳~14歳)は成長期真っ只中である上に、「成長スパート期」という急激に身長・体重が増える時期でもあります。そのため、なるべくこの時期は生活習慣を整えて子供の成長に良い影響を与えるべきです。
身長と関わりのある生活習慣は睡眠、運動、食事(栄養)の3つです。まず睡眠ですが、日本の中学生は世界的に見ても就寝時間が遅いことがわかっているので、早寝早起きを心掛ける必要があります。
運動は学校の部活動や自主的なジョギング、縄跳びなどがおすすめです。12~14歳はポストゴールデンエイジに当たり、運動神経の形成に関わる時期なので、そういった点でも運動をするべきです。
食事(栄養)は中学生の子供が不足しがちなミネラル分を意識して摂らせることが大切です。特にカルシウムは多く摂ることで骨の形成に役立ちます。ただし、食事だけで栄養をすべて摂取するのは難しいので、サプリで不足する栄養を補うのがおすすめです。