お子さんの身長と他の子供と比較をしたことはありませんか。比較をしてみるけどお子さんが健康に育っているか分かりませんよね。
子供の成長は個人差が大きく比較をしても判断するのは難しいでしょう。そこで利用してみてほしいのが「成長曲線」です。
成長曲線を使えば、他の子と比較をしなくても平均とどれだけの差があるのか、成長はしているのかなどが分かります。
今回はその成長曲線について解説していきます。
成長曲線とは?
成長曲線とは厚生労働省が行っている調査「乳幼児身体発育調査報告書(0歳~6歳)」と文部科学省が行っている「学校保健統計報告書(6歳~17歳)」のデータを基に作られています。
厚生労働省や文部科学省では成長曲線のことを「発育曲線」と呼び、小児科などは「成長曲線」と呼びます。
元々は成長曲線は子供が生まれてから思春期が終わり成長が止まるまでの身長や体重の伸び方や増加の仕方を研究するために始まりました。
今では「痩せや肥満の栄養状態の変化が分かる」「成長に関する病気にいち早く気づくことができ、早期治療につなげられる」「健康的な成長か確認ができる」といった理由から使うことが推奨されています。
(参考サイト:学校保健「成長曲線とは」)
平均身長が下がってきている!?
昭和の子供と比べると現代の子供の平均身長は伸びていますが、数年間前の子供と比較をすると平均身長が少し下がっています。
これには色々な原因が考えられるのですが、ゲームやネットの普及によって夜更かしをする子供が増えた結果、食欲が減り平均身長が落ちてきているのだと考えられます。
また、女の子には「やせ願望」の低年齢化が始まり、標準体型でも痩せようとする子が増えてきています。
極端に夜中の1時2時まで夜更かしや標準的な体型にも関わらず1食抜くなどなら成長に悪いことが見なくても、わかるのであれば成長曲線をつけなくても対策できます。
しかし、夜の10時までの夜更かし、少しだけご飯の量を減らすだと成長に問題ないのか判断しづらいですよね。そこで利用してほしいのが成長曲線です。
成長曲線なら肥満か痩せ、身長の健康状態を確認することができます。ちゃんと成長しているか確認したい方は利用しましょう。
成長曲線には種類がある?どちらが分かりやすい
成長曲線には-2SDや+2SDなどの表記がされている「SD曲線」と、3、10、25といった数字がグラフに表記されている「パーセンタイル曲線」の2種類があります。
どちらも成長に問題はないか確認をするためのものなので、それぞれ解説していくので自分が分かりやすいと思ったほうを利用するといいでしょう。
SD曲線
SD曲線のSDは標準偏差といって平均値に対して評価しやすいように作られています。日本はパーセンタイル曲線よりもこちらのほうが多く使われています。
私が一番分かりやすいと思ったのは日本小児内分泌学会が公開している成長曲線で、身長と体重の縦軸に横の年齢を合わせるだけで分かるのでおすすめですよ。
平成28年より日本小児内分泌学会は新しいSD曲線を作成し、使用を推奨していますが「身長については大きな差がない」とのことです。
そのため、当サイトでは旧SD曲線でも差異はないと判断し、説明しています。
パーセンタイル曲線
パーセンタイル曲線は名前にもあるとおり、グラフから何%の人がいるのか分かります。つまり、グラフに書かれている3や10、25などはパーセンテージのことです。
例えば子供の身長が120cm、25kgだとして、グラフを見たときに25%のところに点がいけば、それよりも下の子供が25%いるということになります。
日本はSD曲線が多いのですが、世界ではパーセンタイル曲線が多く使われています。日本学校保健会はパーセンタイル曲線を採用しています。
成長曲線で-2SDだと病気?健康面に問題はない?
成長曲線の1つ「SD曲線」のグラフには”-2SD”があります。もし、お子さんが-2SD以下だったら「低身長」と診断されます。
低身長といっても原因はたくさんのことが考えられます。成長ホルモンの分泌によるホルモンの異常、ターナー症候群など先天的な染色体異常もありますし、腎臓などの病気も考えられます。
ただ、まれにですが健康面が問題ないにも関わらず、全く伸びないという子供がいます。その場合は遺伝の可能性があります。
よく「身長を伸ばすのに遺伝は関係ない」といわれていますが実は関係あります。身長の遺伝率は60%~90%も占めているのです。
そのため、両親の遺伝によって全く伸びないということもありえるのです。反対に遺伝率は100%ではないので、両親よりも身長が高くなることもありえます。
どちらにせよ病気の可能性があることから健康面で何もなくても一度診断してもらったほうがいいでしょう。
成長ホルモンが分泌されない「成長ホルモン分泌不全低身長症」などの病気は早期に治療を開始すれば、他の子と変わりなく成長していきます。
治療には薬を使うので副作用が出る可能性もあります。きちんと医師と副作用などの確認をしてから治療をするか判断しましょう。
成長曲線と一緒に肥満度もチェック!
子供の成長は身長も大切ですが、体重もしっかりと確認しておかないといけません。子供の成長期に肥満になってしまうと成長を止めてしまいます。
肥満になると成長ホルモンの分泌量を低下させ、成長期の邪魔をします。特に肥満になるのが早ければ早いほど、成長期を迎えるのを早め、短期間で終わってしまいます。
また、肥満になると成長期だけではなく糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病のリスクを高めてしまいます。
成長期に肥満になった子供は成人後も肥満になりやすいといわれているので、肥満にならないように子供の頃から対策しておく必要があります。
男女・年齢別の平均身長と体重はどれくらい?
自分の子供は他の子供よりも身長や体重が大きいかどうか知っていますか。目測で一度は他の子供と自分の子供の成長を比較したことがあると思います。
ただ、なんとなくで自分の子供のほうが成長しているかどうか分かりづらいですよね。そこで男女別・年齢別で平均身長と体重を確認して、お子さんの成長具合と比較してみてください。
文部科学省の「学校保健統計調査-平成28年度」を参考に男女・年齢別で紹介します。
男の子の平均身長と体重
平成28年度調査の男の子の平均身長と体重は以下になります。
年齢 | 平均身長 | 平均体重 |
---|---|---|
5歳 | 110.4cm | 18.9kg |
6歳 | 116.5cm | 21.4kg |
7歳 | 122.5cm | 24.0kg |
8歳 | 128.1cm | 27.2kg |
9歳 | 133.6cm | 30.6kg |
10歳 | 138.8cm | 34.0kg |
11歳 | 145.2cm | 38.4kg |
12歳 | 152.7cm | 44.0kg |
13歳 | 159.9cm | 48.8kg |
14歳 | 165.2cm | 53.9kg |
15歳 | 168.3cm | 58.7kg |
16歳 | 169.9cm | 60.5kg |
17歳 | 170.7cm | 62.5kg |
平均身長を見てみると11歳あたりがもっとも伸び率が良いことが分かります。このことからとくに11歳頃は食事や運動、睡眠に気を使ってあげるといいでしょう。
伸び率が悪くなってきたからといって諦めてしまうと最終身長に影響を及ぼします。できるかぎり伸ばしてあげたい方は伸びるかぎり気を使ってあげましょう。
女の子の平均身長と平均体重
平成28年度調査の女の子の平均身長と平均体重は以下になります。
年齢 | 平均身長 | 平均体重 |
---|---|---|
5歳 | 109.4cm | 18.5kg |
6歳 | 115.6cm | 20.9kg |
7歳 | 121.5cm | 23.5kg |
8歳 | 127.2cm | 26.4kg |
9歳 | 133.4cm | 29.8kg |
10歳 | 140.2cm | 34.0kg |
11歳 | 146.8cm | 39.0kg |
12歳 | 151.9cm | 43.7kg |
13歳 | 154.8cm | 47.2kg |
14歳 | 156.5cm | 50.0kg |
15歳 | 157.1cm | 51.7kg |
16歳 | 157.5cm | 52.6kg |
17歳 | 157.8cm | 52.9kg |
女の子の身長は14歳あたりから伸び率が1cm以下になるので、このあたりから身長を伸ばすのは正直難しくなります。
ただ、完全に成長が止まるわけではないので男の子と同様に少しでも伸ばしてあげたいなら栄養面などの改善を続けましょう。
女の子は8歳あたりから伸び率が高くなっています。この時期にダイエットをすると栄養不足となって身長の伸びに影響を及ぼしてしまいます。肥満ではなければダイエットはしないようにしましょう。
子供の身長・体重が平均より下回る原因はなに?
成長曲線をつけて子供の身長と体重は平均よりも下回っていませんでしたか。下回っている原因はいくつかのことが考えられます。以下が考えられる原因です。
- 生活習慣が乱れている
- 病気の影響
- 遺伝・体質
- ストレス
生活習慣が乱れている
子供が成長するためには食事・運動・睡眠の生活習慣を正さないといけません。
食事で身長を伸ばすために必要な栄養を不足すると骨や筋肉などが成長せず、体は大きくなりません。
適度な運動と必要な睡眠時間をとれば、骨を伸ばすのに必要な成長ホルモンが分泌されます。しかし、十分にとれていないと分泌されないので伸びに悪影響です。
生活習慣が乱れると成長に必要なものがとれなくなるので、生活習慣が乱れているなら生活習慣を正しましょう。
病気の影響
病気の影響で成長ホルモンが分泌されない、骨や軟骨に異常がある、臓器に異常があって栄養を吸収することができないことがあります。
身長に悪影響を及ぼす病気に多いのが先天性、生まれつきです。生まれつきの病気が多いため予防は難しくなっています。
治療をすれば他の子と同様に伸びていきます。成長曲線をつけて早めに気づけるようにしましょう。
遺伝・体質
両親が小柄な人であれば遺伝で身長が伸びなくなっている可能性があります。体の健康状態や生活習慣などに問題がなければ、遺伝かもしれません。
遺伝だと身長を伸ばすのは難しいのですが、成長が完全に止まるまでは諦めないで成長のための行動を続けましょう。
ストレス
ホルモンとはとてもストレスに弱く、ストレスを感じると分泌量が減ってしまいます。子供はストレスが少なそうに思えますが意外と溜めてしまうものです。
子供の前で両親が喧嘩をしていたりすると子供はストレスを感じ、無意識の内に早く大人になろうとします。
その結果、成長期を早めに迎えて、終わってしまい成長曲線を下回ることがあります。成長期はストレスが溜まらないようにしてあげましょう。
身長を伸ばすためにはどうすればいい?
「成長曲線を使って子供の成長を確かめたら身長が伸びていなかった」ということもあると思います。
そこで成長のためにやるべきことを解説するのですが、その前に成長期の注意点を解説していきます。
成長期での注意点!
成長曲線をつけていると、まだ成長が止まるところでもないのに「伸びなくなってきたな」と思う時期がでてくると思います。
これは、成長期の一歩手前で起こります。成長期は突然迎えて一気に伸びていくのではなく、一度成長がゆっくりになってから一気に伸びていきます。
そのため、順調に伸びているのに勘違いをしてしまうことがあります。成長が緩やかになったとしても、後で一気に伸びる可能性があるので注意してください。
身長を伸ばすためには生活習慣を見直そう!
身長を伸ばすために最もやってほしいのが「生活習慣の見直し」です。食事や運動、睡眠は子供の成長に大きく関わっています。一つも欠けてはなりません。
この3つのうち運動と睡眠は比較的簡単に改善できます。運動は無理なく適度に行えば大丈夫です。睡眠もいつもより早く寝て起きるだけです。
この中で食事が最も難しいといえるでしょう。子供の成長にはたんぱく質やカルシウム、亜鉛など必要な栄養素がたくさんあって大変です。
栄養バランスに問題がないと思う方は大丈夫だと思いますが、普段忙しくて栄養バランスが考えれないという方は身長サプリがおすすめです。
身長サプリなら普段子供が足りていない栄養素を簡単に補うことができます。ただ、簡単に飲めるということは、用量守らずたくさん飲むと過剰摂取になるかもしれないので気をつけてください。
まとめ
毎日子供を見るので成長には気づきにくいものです。気づけないままでいると大切な成長期を見逃してしまうかもしれません。
成長期を逃さないためにも使ってほしいのが「成長曲線」です。成長曲線を使えば成長期も分かりやすくなります。
また、成長に関する病気にも早く気づける可能性が高くなります。成長曲線で-2SD以下なら一度病院診てもらいましょう。
成長曲線が平均よりも下でも身長は平均以上に伸ばせる可能性はあります。ただし、伸ばすために食事や運動、睡眠の生活習慣を改善しないといけません。
食事の改善が難しいのであれば身長サプリを試してみてはいかがでしょうか。