お子さんの健やかな成長は、親であればだれもが願うものです。健康であればとてもうれしいものですが、それと同時に関心を払いたいのが子どもの身長だと思います。できれば背が高くなってほしいものです。
身長を高くするには運動が関係しているというのは知っていましたか?運動には、背が伸びる運動と背が伸びない運動があります。このような話をするとそれって本当なの?と疑いたくなるかもしれません。
運動と身長の伸びには密接な関係があります。ですから背が伸びる運動と背が伸びない運動の違いを知っておけば、お子さんの成長をしっかりサポートできるでしょう。
身長が伸びる運動とは?
背が伸びる運動と背が伸びない運動の違いを知るにあたり、まず考えたいのが身長が伸びる運動というのは果たしてあるのか、ということです。このことを理解するためには、身長が伸びるメカニズムを知っておかなければいけません。
身長が伸びるためには、骨格が形成される段階で、骨が大きくなる必要があります。骨の幅が縦方向に広がればその分だけ身長も伸びるわけです。骨の成長を促進するために必要になるのが骨への刺激です。
骨に刺激が加わると、骨は縦方向に伸びようとします。この特性を応用することで、理論上は慎重を伸ばすことができるということなのです。
もう一つは骨の間にある軟骨を強化すること。軟骨はクッションの役割を果たします。ここも大きくすることで身長が伸びるのです。
この点を踏まえると、ジャンプなどが伴う運動が最適という結論に達します。具体的には軽いジョギングやジャンプする機会が多い運動(バレーボールやバスケットボール)が該当します。
身長が伸びない運動とは?
身長を伸ばすための背が伸びる運動については解説した通りですが、背が伸びない運動もあるのでしょうか。研究によると背が伸びない運動もあるので、運動のメニューを考える際に参考にしておきたいものです。
骨や軟骨に負担をかける運動
これにはウエイトリフティングなどの運動が含まれます。重いものを持ち上げる動作は軟骨にストレスを与えるだけでなく、椎間板ヘルニアなどの原因にもなります。このような運動は骨に負担をかけるため、かえって身長が伸びるのを阻害するのです。
カロリー消費が激しい運動
カロリー消費が激しい運動は逆効果だということは知っていましたか?カロリー消費が激しくなると、成長に必要な栄養素も消費してしまうため、身長が伸びるのを阻害してしまいます。具体的にはマラソンなどのスポーツが該当します。
やはり体に過度の負担をかける運動はかえって逆効果になってしまうので、気を付ける必要があるでしょう。
身長に効果的な運動一覧
背が伸びる運動と背が伸びない運動の違いを理解したところで、身長を伸ばすための運動には何があるのかをピックアップしてみると、どんな運動が良いのかが見えてきます。
もちろんこれは身長が確実に伸びるという意味ではありません。ポイントは縦方向への運動であることです。
具体的にはストレッチ、縄跳び、筋トレ、ダンス、ジョギングなどがあります。それぞれの効果を分析することが大切です。
ストレッチ
ストレッチは身長を伸ばすのに果たして有効なのでしょうか。背が伸びる運動と背が伸びない運動の違いは骨を縦方向に伸ばす運動かどうかということです。このことを踏まえるとどんな結論に達するかがわかります。
ストレッチは筋肉の緊張をほぐす効果があります。例えばスポーツ選手は定期的にストレッチを行っています。これは筋肉の緊張をほぐし、筋肉をより動きやすくさせるためです。ストレッチをしないと肉離れなどを起こすこともあります。
ストレッチは骨に対して縦方向の刺激を与えることはないように見えるかもしれませんが、背中の筋肉を伸ばすストレッチでは、骨に対して一定のストレスを与えることになるため、骨の成長を促進します。
骨だけでなく、軟骨にも伸ばそうとする力が働くことから、身長を伸ばすのに一定の効果があると考えられます。また十分にストレッチをしてから運動をすると、骨を適切に刺激できるので、身長を伸ばす効果がさらにアップするでしょう。
縄跳び
身長を伸ばすのに効果があるとされているのが縄跳びです。背が伸びる運動と背が伸びない運動についての考察でも指摘した通り、縄跳びは上下に飛び跳ねる動作を繰り返します。この動作は骨にどのような影響を与えるのでしょうか。
縄跳びをすることで、上下に飛び跳ねると、骨も同時に上下に伸び縮みします。このような動作は効果的な緊張感を骨と軟骨に与え、繰り返すことで骨はさらに縦方向に伸びようとするのです。つまり身長が伸びていきます。
縄跳びをする場合、気を付けたいのが筋肉を酷使してしまうことです。筋肉を酷使すると筋肉内に乳酸が溜まります。乳酸は疲労物質ですので、身体に良い影響はありません。
縄跳びを行う場合、10分行ったら数分休みを取り、また行うといった形で繰り返すのが効果的です。繰り返し刺激が加わることで、身長の伸びに影響を与えてくれるでしょう。
筋トレ
運動をすれば身長が伸びるとも限りません。背が伸びる運動と背が伸びない運動とがあるので、どのような運動をするかで身長の伸びが変わってきます。
中には筋トレをすると身長が伸びないという説を信じている人も少なくありません。最新科学によればこの説は間違いであることが分かってきています。
筋トレを正しい方法で行えば、身長を伸ばすのに欠かせない成長ホルモンの分泌を促すことができます。ポイントはダンベルなどで負荷をかけないこと。筋肉が損傷すると身長は伸びません。
さらに大切なのは筋トレ前後のストレッチです。ストレッチを怠ると筋肉が固くなってしまいますし、ケガの原因にもなるので気を付けてください。
また、筋肉には回復させるための時間が必要なので、筋トレ後は1~5日の間筋肉を休ませる必要があります。これらに注意して行えば、筋トレは身長を伸ばすための効果的なトレーニングになります。
ダンス
身長を伸ばすためにダンスを勧める人もいます。ダンスは背が伸びる運動になるのでしょうか。ダンスも飛び跳ねる運動が関係するため、背が伸びない運動ではないことが分かります。ダンスをすることで身長が伸びたという人が多いからです。
ダンスをすると身体全体の体幹を鍛えるのに役立ちます。それと同時に骨や筋肉の成長も促します。成長ホルモンが適度に分泌されることで、骨が成長するのです。
骨だけでなく、軟骨部分も成長します。軟骨は骨同士をつなぐクッションの役目を果たします。クッションを強くするためには軟骨が大きくならなければいけません。骨が大きくなると軟骨もそれに合わせて大きくなります。
つまりダンスも身長を伸ばすのに効果的な運動の一つということが分かります。お子さんをダンススクールに通わせる方が多いのもうなずけます。
ジョギング
身長を伸ばすためにジョギングをする人も多いです。ジョギングは身体全体の筋肉を鍛えるのに有効な手段ですし、肺などの内臓を強くするのにも役立ちます。また有酸素運動は体内のエネルギーを効果的に消費するので、健康な体作りに貢献します。
ジョギングは背が伸びる運動の一つです。その理由は、ジョギングにより身体全体を上下に動かす力が働くからです。背が伸びない運動というのは上下に骨を動かす力がほとんど働かない運動やスポーツを指します。
ジョギングをすることで筋肉を強化し、それに伴い、骨格も強化されます。骨が縦方向へ動くとそれに伴って骨を形成する細胞の動きが活発になります。軟骨も刺激されて大きくなるため、結果的に身長が伸びるのです。
身長に効果的なスポーツ一覧
スポーツには背が伸びる運動と背が伸びない運動とがあります。身長を伸ばすためには、スポーツを選択する場合にも、良く調べてから行うのが最善です。スポーツ界を見てみると身長が高い人が多く活躍するスポーツがあります。
具体的に身長が伸びるスポーツはバスケットボールやバレーボールです。これらのスポーツはジャンプする動作が頻繁に発生します。これが身長を伸ばすのに効果的だといわれているのです。
バスケットボール
バスケットボール選手を見て思うのが、身長が皆高いことです。アメリカのプロバスケットボールプレイヤーを見ると身長が2メートルもある人がざらにいます。
もちろんプロバスケットボールプレイヤーはハイレベルな技能やチームが求める水準に合致した人が選ばれます。身長が高いというのは偶然ではありません。バスケットボールは背が伸びる運動になるからです。
どうしてバスケットボールは背が伸びない運動ではないのでしょうか。その理由は、バスケにおける体の動きが身長を伸ばすのに最適だからです。
例えばバスケの試合ではジャンプを頻繁にします。これは骨を縦方向へ運動させるのに適しているだけでなく、軟骨組織を成長させるための適度な刺激を与えるもとになります。
しかもバスケは骨に極端な圧力をかけることもありません。つまりバスケは総合的に背を伸ばすのに最適な運動といえるのです。
バレーボール
バレーボールをしている人は身長が高い人が多いです。高いネットを超えてボールが行きかうスポーツですから、背の高さは必要ですが、そもそもバレーボールは背が伸びる運動なのでしょうか。
バレーボールをしたことがある人ならわかると思いますが、バレーボールの試合では頻繁にジャンプ運動を行います。練習でもジャンプをするわけですが、実はこの動作が身長を伸ばすのに最適な運動です。
ジャンプをすることで、内部の骨格には上下に伸ばす圧力が加わります。骨が上下に伸ばされると、骨はさらに伸びようとします。つまりバレーボールは骨の成長を促進する効果があるのです。
しかも軟骨部分を鍛えることから、軟骨を強化し、骨の成長に合わせて大きくなります。これにより自然に身長が伸びていくのです。もし身長の伸び悩みがあるならバレーボールをするというのも良い方法です。
身長が伸びない運動・スポーツ一覧
これまで背が伸びる運動について考えましたが、中には背が伸びない運動もあります。スポーツだからといって縦方向への成長を促すとは限りません。むしろ身長が伸びるのを阻害してしまうスポーツもあります。
主なスポーツは次の通りです。
- ウエイトリフティング
- ボディビル
- 体操
- 長距離マラソン
遺伝も関係するため一概には言えませんが、これらのスポーツは身長を伸ばす作用を阻害する可能性が有ります。
ウエイトリフティング(重量挙げ)
スポーツには背が伸びる運動と背が伸びない運動とがありますが、身長が伸びにくくなるスポーツの代表格ともいえるのがウエイトリフティングです。
ウエイトリフティングの試合を見ているとわかると思いますが、身長が高い人はそれほどいないことに気づきます。
ウエイトリフティングは重心を低くして重いものを持ち上げるスポーツですから、当然ながら腰に負担がかかります。それに加えて骨同士の関節にある軟骨にも強い圧力がかかります。結果的に軟骨は圧縮されてしまうだけでなく、骨も縮んでしまいます。
骨太な人が多いのもこのスポーツの特徴です。重量挙げ選手は腰に負担がかかりすぎるので選手生命が短く、引退後腰痛などに悩まされることさえあります。
ボディビル
背が伸びない運動に含まれるのがボディビルです。ボディビルをしている人たちを見ていると、身長がそれほど高くないことが分かります。背が伸びる運動に必要な、骨にかかる上下運動が含まれないことが関係しています。
ボディビルダーは基本的に筋肉美を追求します。身長は二の次で、まずは自分の筋肉をいかに美しく見せるかに注意を集中しているのです。トレーニング方法も、見せる筋肉の部分を鍛えるものに特化しています。
さらには骨太にするためにプロテインを多く摂取します。このような要素が関係していることから、ボディビルダーは身長がそれほど高くはなりません。
運動もジャンプ運動はほとんどありません。むしろバーベルを持ち上げるといったトレーニングが中心です。これでは身長が伸びる助けにはなりません。
体操
体操選手も身長があまり高くはありません。その理由は、身長が高いと重心が高くなってしまい、安定性を保てなくなるからです。そのため体操選手はトレーニングをし続ける過程で背があまり伸びなくなります。
体操が背が伸びない運動に当たる理由は、体操のトレーニング方法が関係しています。体操選手は主にストレッチを含め、全身運動を行うのですが、身体にかかる圧力が非常に高くなります。
例えばマットでトレーニングをする場合、ジャンプをして身体をひねり着地することがあります。このようなケースでは腰だけでなく、骨格に多大な負担がかかります。
結論として、体操は身長を伸ばすことにはならず、むしろ体の筋肉の成長を助けます。身長を伸ばしたい場合にはあまり向いていないのです。
長距離マラソン
長距離マラソンレースに参加する選手たちは身長がそれほど高くはありません。むしろ小柄な選手が上位に食い込みます。身長が高い選手は、実はマラソンには向いていないのです。しかもマラソンをすると背があまり伸びなくなります。
マラソンは身体を上下に動かす運動ですから、一見すると背が伸びる運動に思えますが、実は背が伸びない運動に当てはまります。
その理由として、マラソンを行うと、体内のグリコーゲンを大量に消費します。つまり本来身長を伸ばすのに必要な栄養素がすべて消耗してしまうのです。
マラソン自体はとても健康に良いスポーツですが、身長を高くするという観点から考えると不向きなスポーツになってしまうのです。
過度なオーバートレーニングは身長に悪影響
背が伸びる運動と背が伸びない運動を比較してみるとわかることとして、骨に多大な負担をかけるスポーツやトレーニングは成長をストップさせてしまう可能性があります。
身長に関しては遺伝的な要素があるとはいえ、成長期にあえて成長をストップさせてしまう運動をすることにはリスクが伴うでしょう。
もちろんどのようなスポーツをするかは個人の選択ですし、自分が好きなスポーツをすることに勝るものはありません。それでも身長を高くしたいと思っているのであれば、お子さんの成長に合わせた最適なスポーツを選ぶようにサポートすることが大切です。
筋肉は鍛えれば成長しますが、骨については鍛え方一つで上下に伸びる場合だけでなく、左右に広がる可能性さえあります。この特性を理解すると、過度なトレーニングは結局骨の上下の成長を阻害してしまう可能性が高いことが分かるでしょう。
適度な運動が最適!睡眠と栄養補給も成長に効果的
子どもの身長があまり伸びなくて困っている方も多いと思います。そのために背が伸びる運動を心がけさせようと色々な情報を収集しているかもしれません。
先に挙げた背が伸びない運動についても内容をよく把握しておくなら、適切な運動メニューを組み立ててあげることができます。
よく寝る子は育つといわれます。お子さんが寝てばかりいて困る、と思うかもしれませんが、実はお子さんが寝ている間に成長ホルモンがどんどん分泌されています。これが成長を助け、身長を伸ばすもとになっているのです。
適度な運動をすることで、身長はさらに伸びていきます。ポイントは適度な運動をすることで、過度な運動ではないことに注意しましょう。何事も適切な量の運動が身長を伸ばすのに役立つのです。
栄養補給も忘れずにしましょう。成長に必要な栄養素をバランスよく摂取するなら、お子さんの成長は促進されます。結果的に気づいてみたらこんなに背が伸びていた!ということさえあるほどなのです。
まとめ
身長が伸び悩むのを見ると、親としては心が痛くなってしまうかもしれません。身長は個人差があり、遺伝的な要素も深くかかわるので、一概に運動がすべて関係するというわけではありません。
それでも、背が伸びる運動と背が伸びない運動についてよく調べておくことは役に立ちます。背が伸びる運動とそうではない運動との違いは、身体に負担をかけるかどうかということです。
特に成長期に骨や軟骨に過度な負担がかかってしまうと、大人になってから影響が出てくる可能性が有りますし、成長も阻害されてしまいます。
子供の成長のためには
背を伸ばすためにはジャンプをするなどの運動を盛り込むことが最適です。例えばバレーやバスケなどのスポーツは子どもの身長を伸ばすのに役立つ要素が含まれています。成長因子を刺激することで、お子さんはどんどん大きくなっていきます。
バランスの取れた食事をとることと、適度な睡眠をとることも成長には欠かせません。そうすることで、お子さんはやがて成長し、理想の身長になっていくことでしょう。