日本人の体型は時代とともに長身化しています。戦後の高度成長期あたりから食習慣が大きく変わっていって、しかも栄養価・カロリーの高い食事ができるようになり、国民の平均身長も明らかに高くなっていきました。
具体的には、戦後の平均身長は成人男性が160cm・女性で150cmでした。その後右肩上がりで平均身長が伸びています。バブル期には男性168cm・女性156cmになり、そして2018年現在は男性172cm・女性158cmとあります。
また2000年を過ぎるあたりから、モデル並みの細身で長身の若者が増え始めました。この流れに乗って、もう一段平均身長がアップするとも言われています。
それとは反対に、栄養不足で身長が伸び悩んでしまう子供は少なくありません。全体の身長率が伸びているので、余計に背が低い子供は目立ってしまう傾向もあります。今回は、子供の身長を伸ばす栄養素について詳しくチェックしていきましょう。
骨の成長に必要な栄養素は多い
身長が伸びるためには骨の発育が絶対条件です。そのためには、まず小学生になったら骨を伸ばすための食習慣を身に着けるのがベスト。
必要量を摂取しなければならない栄養素がたくさんあって、現代の偏った食習慣では慢性的に不足していることも大問題です。
骨を伸ばす栄養素にはミネラルとビタミンが特に注意ポイントとなります。皆さんがよくご存じのカルシウムは最も大事な成長因子で、10代のお子さんたちにはたっぷりと食べさせてあげたいものです。
ちなみに骨の構成成分はリン酸カルシウム・炭酸カルシウム・リン酸マグネシウムと、にかわ質といってコラーゲンやヒアルロン酸、コンドロイチンといったゼリー状の有機物質があります。にかわ質は主に軟骨成分として関節部を構成しています。
要するに骨はカルシウムとマグネシウムとリンと、コラーゲンなどのアミノ酸(タンパク質の構成分子)によってできているということです。またこれらの栄養素が骨になるには、ビタミンDや鉄や亜鉛など、他の栄養素の力を借りなければなりません。
特にカルシウム不足は深刻!発育期のカルシウムの重要性
骨や歯は大きく成長する事も重要ですが、密度はもっと大事です。最近では体が大きくても骨密度が低いために、運動能力が低下していたり、ちょっとした衝撃で骨折してしまう子供が増えています。
それは骨の中身にカルシウムがしっかりと詰まっていない、スカスカ状態の骨だからです。成長期の子どもは骨の成長スピードが非常に速いので、骨の材料となるカルシウムが足りないと隙間をびっちりと埋めるだけの余裕がなくなってしまいがちです。
この時期は毎年数cm単位で骨が成長していますので、カルシウム摂取が不足がちな時期にできた骨はスカスカで脆い骨になり、成長率も低下してしまいます。また、カルシウムは筋肉運動や神経系の働きにも大きな役割を持っています。
実は骨にカルシウムやリン・マグネシウムが豊富なのは、これら生命維持の活動に必要なミネラルの保管場所になっているからでもあります。つまり骨は体を支える土台であり、栄養を貯蔵する保管庫ということです。
このように健康でスクスクと成長するためには、毎日必要量のカルシウムを摂取し続けることがポイントです。ですが日本人のカルシウム摂取不足は深刻な問題となっています。
厚生省が推奨している摂取量は
- 成人で600~800mg/日
- 成長期の14~18歳では800~1000mg
しかし実際の平均摂取量は、先進国で最下位の322mgに留まっています。目標の1000mg/日を超えている人は5人に1人もいないのが現状です。
昔は魚介類をたっぷりと食べていたことで、今の様な深刻な不足状態ではありませんでした。ですが戦後食習慣が大きく変わったことから、カルシウム源からの食品離れが始まりました。
またカルシウムを無駄にしてしまうインスタント・レトルト・冷凍食品の普及やファーストフードの常食で、より骨の成長が阻害されていて、今のような慢性的不足状態へと陥っています。
骨の成長に欠かせない栄養素を解説
骨の成長に欠かせない栄養素には一体どんなものがあるでしょうか?また、どういった食品に多く含まれていて、子供達がそれを喜んで食べられるような料理法はあるのでしょうか?
小さなお子さんをお持ちの親御さんたちは、きっとそういった悩みを抱えていることでしょう。普段の食事内容を見直して、子供がスクスクと健全に育つための対策メニューはあります。
そしてジャンクフードや成長を妨げる加工食品を上手に避け、正しい食習慣を身に着けるためのヒントも知っておいていてください。
次に子供の成長に欠かせない栄養素の説明と、選ぶべき食品やその料理法も紹介していきましょう。
「カルシウム」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
ます骨を大きく成長させるためにはカルシウムが必須です。これまで詳しく説明した通り、成長期の子供達は慢性的なカルシウム不足の状態で、今の2倍以上は摂取する食習慣を身に着けることが好ましいとされています。
10代のお子さんたちは、毎日800mg~1000mgを目安に摂取するようにしてみてください。ではカルシウムがたっぷり含まれている食品を紹介します。ポイントですが、日本人にはやはり海産物がおすすめです。
〇魚介類(*100g中の含有量) | |
乾燥わかめ | 1000mg |
干しえび | 460mg |
鮭中骨缶詰 | 1980mg |
〇野菜 | |
こまつな | 290mg |
切干大根 | 500mg |
チンゲンサイ | 125mg |
〇その他 | |
油揚げ | 300mg |
ごま | 1200mg |
牛乳 | 100mg |
チーズ | 600mg |
成長促進のメニューはフリカケがおすすめ。魚のフレークやゴマ・干しワカメ・干しエビなどを上手にブレンドして、お子さんの好みの味に調えてみてください。
また小魚の甘露煮や小魚のつみれ団子を入れたトマトスープなど、骨ごと食べる料理は最適です。もちろんチーズたっぷりのグラタン・ピッツァもお子さんは大好きですし、干しエビやカニ缶を使った海鮮チャーハンもおすすめです。
「タンパク質」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
骨の成長と同時に考えなければならないのは、筋肉や血管や神経の発育、脳や内臓の成長です。つまり成長期には細胞組織がしっかりと育つように、タンパク質などの細胞組織を作っている栄養素も摂っていかなければなりません。
成長期の細胞分裂のスピードはとても速く、そのためにアミノ酸の生成や摂取が重要となります。
このアミノ酸はタンパク質の構成分子ですから、成長期の子供はしっかりとタンパク質を摂らなければなりませんが、実際は殆どの子供が摂取量不足とされています。目安は
- 5歳が50g/日
- 10歳前後で70g/日
- 11~18歳までは80~90g/日
タンパク質が豊富な食品は次の通りです。もともとお子さんが大好きな食品が多いのですが、普段小麦粉や砂糖まみれのスナックやファーストフードや清涼飲料水のせいで、充分に摂れていない点を考慮しておいてください。
なお含有量は100g中のものです。
〇赤身肉など | |
牛肉ヒレ | 20.5g |
豚肉モモ | 19.8g前後 |
鶏肉ささみ | 19.2g前後 |
〇魚類 | |
まぐろ赤身 | 28.3g |
かつお | 25.8g |
ぶり | 21.4g |
くるまえび | 20.5g |
〇その他 | |
たまご | 12.3g(中2個分) |
木綿豆腐 | 6.8g |
牛乳 | 2.9g |
チーズ | 22.7g |
肉類だけで必要量を摂る場合は300gぐらい赤身肉を食べなければいけず、脂身を考えれば問題点もあります。
そこで150mgぐらいの肉で脂身をちょっと減らしてステーキにするとかハンバーグを作ってあげましょう。その際にチーズとろとろの目玉焼き一つを載せてあげると良いでしょう。
また魚介であれば油も大事な栄養素となり、魚からタンパク質を摂る方が健康的です。お子さんはフライや甘めの煮込みにすると好んで食べてくれます。また、刺身でもマヨネーズソースやタルタルソースで食べるとタンパク質摂取量がアップします。
「マグネシウム」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
マグネシウムはカルシウムの吸収を促進する働きがあり、同時に骨の成分として重要なミネラルです。また細胞や血液中にも利用されていて、特にホルモン分泌を促進して生理作用やエネルギー代謝にも働いています。
これらの働きは鉄やリンや亜鉛にもあり、生命維持に必須なミネラルとして重要視されています。
カルシウムよりも深刻で、意識的に摂取するように行政からも薦められています。基本的にマグネシウムは、カルシウム2に対して1の割合で摂ると良いのですが、実際には必要量400mg/日の半分しか摂取できていないのが現状です。
ではマグネシウムが多く含まれている食品には何があるでしょうか?それは葉物野菜です。マグネシウムは葉緑素の成分として葉っぱにたくさん利用されています。ではおすすめの食品をラインナップしてみましょう。
干しひじき | 100g中に540mg |
国産の大豆や落花生 | 210mg前後 |
青のりや焼き海苔 | 120mg |
納豆は | 100gで100mg |
ほうれん草や小松菜 | 60mg以上 |
バナナ | 100g中に34mg |
マグネシウムを摂るのにおすすめのメニューは、葉物野菜とツナのマヨドレ・サラダが良いでしょう。
あるいはほうれん草やえんどう豆のクリームシチューもお子さんは好きですし、ナッツをおやつにするとか、ヒジキやワカメなど海藻の煮物・和え物もおすすめです。これらの食品にはカルシウムも多く含まれているので一石二鳥となります。
「亜鉛」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
亜鉛は体中の代謝機能で不可欠な働きをしています。酵素の構成成分としてホルモン分泌を促進させる役目があり、成長期の子供には非常に大事な栄養素だと言えるでしょう。また亜鉛は抗酸化作用に優れた栄養素で、体内の活性酸素を抑制しています。
活性酸素は生命活動に必須ですが、多すぎると細胞を劣化させ、これが癌などの生活習慣病を引き起こし、老化を進めてしまう原因にもなっています。またエネルギー代謝に重要な役目を果たすインスリンを正常化させているのも亜鉛です。
つまり亜鉛の摂取は成長を促進する要であり、健康に生きるポイントです。亜鉛の推奨摂取量は1日15mgです。しかし現代の食では平均して9mgほどしか摂取できていないと言います。亜鉛が多く含まれている食品を紹介しましょう。
牡蠣は100g | 40mg |
和牛肉 | 4.5mg |
うなぎ蒲焼き | 2.7mg |
納豆は100g | 1.9mg |
ホタテ貝 | 2.5mg(貝類の含有率は高い) |
アーモンド | 4.4mg |
いわしの缶詰めには | 2.4mg(青魚の含有率も高め) |
*ただし過剰摂取は要注意で、亜鉛中毒や吐き気・胃痛などの体調不良が生じます。
亜鉛を子供たちに喜んで食べてもらうには、メニュー対策が必要かもしれません。上記の食品はあまり子どもが食べないものばかりです。
そこで、ホタテとほうれん草のクリームシチューはいかがでしょうか?どちらも亜鉛含有に優れていますし、シチューならお子さんは大好きです。また、牡蠣のフライならば30gで一日分がカバーできます。
マヨネーズたっぷりのタルタルソースで食べるならば、牡蠣のエグミも問題ありません。他にもナッツ類を使ったケーキやクッキーもOKですし、ケチャップ味やカレー風味のレバー炒めも子供には人気があります。
「ビタミンC/K/B1/B2/B12」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
ビタミンについては皆さんもかなり意識していることでしょう。普段からお子さんに食べさせている事と思います。ただし成長期ではビタミンCだけでなく、AやB群やDなどがかなり大事になります。
ビタミンは全部で13種類ですが、特に成長期のお子さんにはビタミンCとKとB群が摂取不足になりがちです。
まずB群ですが、
- 脳や神経の働きを活性化させるビタミンB1
- エネルギー代謝を促進して成長を促進させるB2
- 赤血球の生成を活発にして体中の細胞に酸素や栄養素を供給する助けとなるビタミンB12
この3つに注意してください。抗酸化作用に優れているビタミンCは免疫機能の向上や活性酸素の除去を行い、成長ホルモン分泌をスムーズに行われるように体内環境の調整をしています。
そしてビタミンKですが、血小板などを増やして出血対策をしてくれます。これらのビタミンを過不足なく摂取するには、以下の食品を意識的に食べるようにしてください。
ビタミンB1を多く含む食品 | 豚肉 | うなぎ | ナッツ類 | たらこ | |
---|---|---|---|---|---|
ビタミンB2やB12を多く含む食品 | 豚レバー | 鶏レバー | うなぎ | 牛レバー | 牛乳 |
ビタミンCを多く含む食品 | アセロラ | ピーマン | 煎茶 | 焼き海苔 | パセリ |
ただしこれらは水溶性ビタミンで水に溶けやすいので、料理法に注意が必要です。長時間水に浸けたり、加熱をしすぎると成分が壊れてしまいます。サラダやマリネ・カルパッチョにしたり、ジュースやスープでいただくと良いでしょう。
ビタミンKを多く含む食品
- 抹茶
- カットワカメ
- 海苔
- パセリ
- 納豆
- しそ
脂溶性ビタミンですから、油で調理すると吸収されやすくなります。
「銅(Cu)」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
皆さんは鉄や亜鉛が体に必要だということはよく御存じでしょう。サプリメントでもお馴染みのミネラルですから、その役割についても詳しいかもしれません。ですが銅(Cu)についてはご存知でしたか?
銅は体内に80~150mgほど存在していると言います。主に各臓器に分布して、酵素を構成する成分として利用されています。つまり代謝酵素や消化酵素が活性化するのに必要なミネラルということです。
また銅は酸素を全身に届けるのに必要な鉄分の吸収を促進しますし、ヘモグロビン生成にも働いています。
銅は間接的ではありますが、この成長や代謝をサポートしているのです。厚労省が推奨する銅の摂取量は、
- 10代男性で0.7~0.8mg
- 女性では0.6~0.7mg
このように微量なためにあまり意識されてはいませんが、それでも慢性的な不足状態ですと貧血・骨折や骨格の変形が生じます。また成長不良のリスクもあって、必要量を摂らせてあげたいものです。
家庭料理をちゃんと食べている子供は不足の心配がほとんどありませんが、インスタント・レトルト・冷凍食品やスナック菓子、清涼飲料水、ファーストフードやコンビニ食をいつも食べている子供は要注意です。
銅が多く含まれる食品
- レバー
- ココア
- チョコレート
- 牡蠣
- 蟹
- エビ
- ゴマ
- 大豆
成長期の子供におすすめの料理としては、エビフライやカニコロッケ、ケチャップ味のレバー炒めなどがあります。また毎日ココアを一杯飲むだけでもかなり効果があります。
「マンガン」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
マンガンは骨格形成を整える働きがあります。強くて丈夫で運動能力を向上させる骨格を作るには欠かせないミネラルです。また骨からカルシウムなどが溶け出して骨密度が低下しても、働きで再石灰化をして丈夫な骨をキープさせる働きもあります。
必要摂取量としてはごく微量ですが、微量ということは欠損するのも容易いということで、親御さんが意識的に摂取管理してあげた方が良いでしょう。適切な摂取を心がける事でスラリとした長身に育っていくことが期待できます。
脚も手も長くて、しかも真っ直ぐな美しい体を造るには欠かせない栄養分です。マンガンの推奨摂取量は
- 6~10歳で2.0~3.0mg/日
- 15~17歳の男子が4.5mg/日・女子は3.5mg/日
ただし上限量が男女ともに11mg/日とされていて、過剰摂取には気を付けてください。
マンガンが多く含まれている食品は、全粒穀類やくるみなどのナッツ類です。今どきは玄米食全粒粉の小麦粉を使って料理する家庭が少ないですから、摂取不足のリスクが高くなっていると言えます。
まつの実 | 100gあたり9.78mg |
くるみ | 100gあたり3.44mg |
しょうが | 100gあたり4.73mg |
焼きのり | 100gあたり3.72mg |
モロヘイヤ | 100gあたり1.32mg |
ナッツ類は含有量が高いので、一回に食べる量を制限させる方が良いでしょう。また焼き海苔やショウガはよく食卓にあがる食品です。こちらを利用してメニューを組み立てるとメリットがあります。
子供におすすめのマンガン料理ですが、まずおやつとしてクルミなどが入っているミックスナッツを食べさせてください。食事の時は焼き海苔を2~3枚、炒めもの料理には必ずショウガを使うのも良い方法です。
ショウガはアミノ酸や亜鉛・鉄分も摂取できるので、お子さんの成長サポート食として有効です。
「葉酸」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
葉酸は水溶性ビタミンで、ビタミンB群のひとつです。名前の通りに植物の葉っぱに多く含有されているビタミンで、赤血球の生成に関わっていて「造血のビタミン」とも言われている補酵素です。
葉酸は胎児の先天異常・神経管閉鎖障害を回避するために妊娠時の母体に必須な栄養素としても有名です。もちろん幼児以降の成長期の体にも欠かせません。
葉酸の1日の推奨摂取量は10歳未満で50~120μg/日、10歳以上では150~210μg/日です。葉酸を多く含む食品は
- 菜の花
- 枝豆
- ホウレン草
- からし菜
- レバー類
葉酸は緑黄色野菜や肉や魚、卵黄や牛豆類に多く含まれています。例えば牛レバーには100g中に500μgも含有されていますから、一回に30gも食べれば十分に足ります。またホウレンソウは生の状態で100g中210μgもあります。
葉酸は水溶性ビタミンですから、料理方法には注意が必要です。ポイントは水に長時間浸けておくと水中に流れ出してしまうことです。ですからスープやジュース・スムージーにして飲むと良いでしょう。
ただし加熱することで成分が分解してしまう特徴もありますから、スープにする際は加熱時間を短めにしてください。あるいはサラダやカルパッチョ・マリネで食べる事も有効です。生食をすることで効率よく摂取することができます。
「カリウム」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
カリウムは体内の浸透圧を維持する働きがあります。具体的には血圧の安定化や筋肉の働きを潤滑化するなどです。またナトリウム・塩の排泄を促進して、血圧を下げる事でも知られています。
現代の子供たちの食習慣ではインスタントやレトルト食品、それにジャンクフードやファーストフードでリン酸塩の摂り過ぎが懸念されていますが、カリウムを十分に摂取することで減塩効果が得られます。
普段からカリウムをしっかり摂取しておけば、夏バテ対策にもなるでしょう。
成長期の子供のカリウム摂取量は、幼児期では1100 mg/日程度、小学生低学年で1300~1800mg/日で、高学年では1800~2000mg/日、中学生では2500mg前後となっています。
カリウムを多く含む食品は以下の通りです。
昆布 | 100g中に5300mg |
わかめ(素干し) | 5200mg |
ひじき(乾) | 4400mg |
ベーキングパウダ | 3900mg |
パセリ | 100g中に1000mg |
よもぎ | 890mg |
*その他ザーサイや里芋やアユ(天然/焼)、納豆などに含有量が多く見られます。
カリウムを効率よく摂るのにおすすめのメニューは、昆布やワカメを使った味噌汁やなべものです。
具材はお子さんの好きなものにしてあげて、10g以上の昆布・ワカメを食べるように奨めてください。またベーキングパウダを使ってケーキやクッキーなどを作ってあげるのも良いでしょう。
「リン」子供の成長との関係性!多く含む食品&料理も
カルシウムやマグネシウムはリン酸の形で骨を形成しています。他にもリンは体中の重要な部分で利用されていて、人体にとっては不可欠なミネラルです。しかし現代の食習慣では、リンの過剰摂取が大変に大きな問題とされています。
それは加工食品の多くにリン酸塩が使用されているからです。インスタント・レトルト・冷凍食品はもちろん、スナック菓子やファーストフードにコンビニ食と、子供が大好きな食品に大量のリン酸塩が添加されています。
リンはカルシウムやマグネシウムを尿と一緒に排出させてしまう為、過剰摂取は非常に危険です。できるだけ加工食品を控えるのが得策です。
リンを多く含む食品は先ほどの加工食品の他にも、肉や魚や卵、乳製品、豆類なと゛があります。つまりタンパク質に多く含有されているということです。
栄養を摂る上で注意すべきこと
成長に必要な栄養素について詳しくチェックしてきましたが、最後に栄養の摂取で注意しておくべきポイントも説明しておきましょう。
よくビタミンは大量に摂取しても問題ないと言われています。確かに水溶性ビタミンであるビタミンCなどは尿と一緒に排泄されるので問題がありません。しかしミネラルやタンパク質などはどうでしょうか?
過剰摂取をしても健康被害や副作用はないのでしょうか?また反対に、効率よく摂取する方法は何でしょうか?栄養素の種類も豊富で、しかも多く含まれている食品もまちまちです。
それらを効率よくメニューにして食べさせることが可能なのでしょうか?それとも他に良い方法がありますか?ここまで読んでいただいた方々には、きっとこういった疑問・質問があることでしょう。その点について簡潔にお答えしておきます。
過剰摂取に注意する
これまで厚生省などの出している栄養素の推奨摂取量を紹介してきました。ですが、その適量を大きく超える過剰摂取は決して行わない方が良いでしょう。
例えばタンパク質の食べ過ぎは結果として肥満やメタボになったり、高血圧症・動脈硬化・心臓病などのリスクもあります。またミネラルも同様で、亜鉛中毒を始めとする健康被害が見られます。
目安としては、厚生省などが出している推奨摂取量の2倍以上は摂らない事です。もちろん、一週間まとめて一気に摂取などはもっての外です。毎日適量を摂取するのが最も子供の成長に効果があると思ってください。
確かに毎日のメニューを考えて、栄養バランスの計算もしながら料理を作るのはたいへんな事です。でも、それがお子さんの成長を促進すると思えば、モチベーションも上がるのではありませんか?
成長期のための食事と栄養!バランスよく栄養摂取するのがベスト
『毎日の食事で適量の栄養素をしっかりと摂取していくのがベスト』だということは皆さんもお分かりのことと思います。ただし、一つ一つの栄養素の量を計算してメニューを作ることはできません。いえ、むしろそういった計算をするのは無意味です。
何故ならば、亜鉛を多く含む牡蠣にはアミノ酸もマグネシウムもカルシウムもそれなりに含有されています。ですから亜鉛の量だけを計上して、カルシウムはチーズの含有量を計上するといった事にはならないのです。
また、そんな事をしていては子供の成長を育む料理など作れなくなってしまうでしょう。幸い過剰摂取になる量は適量をずっと超えているので、栄養素が被っている事は無視して結構です。
例えばアジフライや牡蠣フライの揚げ物料理をメニューに入れたとしましょう。アジからはカルシウム・マグネシウム・リンを、牡蠣からは亜鉛や鉄分が十分摂れる分量で盛り付けます。
もちろんタンパク質はどちらからも摂れますし、ビタミン群も問題ないでしょう。これで一食とする事ができます。普段の家庭のメニューで不足しがちだと思われる栄養素にだけ注目しても良いでしょう。
そんな感じで家庭料理を作っていけば、かなり不足分を補う事ができるかもしれません。スナックや清涼飲料水、ファーストフードやコンビニ食はなるべく食べさせないようにすることが大事です。
そうすれば家の食事をしっかりと食べるようになって、栄養の偏りも解消されるでしょう。
子供用サプリを利用すれば手軽に栄養補給が可能!
さて、家庭料理を毎日充実させることが難しいと感じているご家庭も多いことでしょう。あるいは、せっかく作っても子供がちゃんと食べてくれないと悩んでいるご家庭も決して少なくないはずです。
子供が自力で食習慣を改善するのは非常に大変で、特にスナックやジュースは自分では止め難く、親後さんたちが指導をしても簡単には改善できないのが現状です。
そこで、特に必要とされている成長因子の栄養素は、取り敢えず成長サプリで補給しておくのが賢明です。最近は子供用の成長サプリが大人気で、毎日飲んでいる子供が増えています。
それで結果的に身長が高くなったり、健康面でプラスになったりしている場面があちこちで見られています。ただし成長サプリのブランドも非常にたくさん出ていて、これから始める方には迷ってしまうかもしれません。
成長サプリを選ぶ際は、安全性の高いメーカーを見つけてください。
- 使っている食材が天然もので品質が良い事
- 危険な添加物を含んでいない事
- 製造管理がしっかりしている工場で作られている事
などポイントはいくつかあります。
成長サプリは5年や10年は継続するサプリですので、安心・安全を一番に選んでください。
まとめ
子どもがスクスクと成長して、大人になっても健康で丈夫な体で生活してもらいたい!世の親御さんたちは皆さん、そのように心から願っているものです。ですが、現実問題としては、多くのお子さんが栄養不足で生育不良になっています。
ここで挙げた栄養素が慢性的に不足していて身長が伸びなかったり、筋肉量が少なかったり、あるいは身体機能の成長が不十分で不健康な生活をしていたりと、辛い思いをしてしまう事もあります。
まずは食習慣から見直して、成長過程で必要な栄養素をしっかりと摂取できる体制を整えるのはいかかでしょうか?栄養面だけであれば、成長サプリを毎日飲む事で重要な栄養素は過不足なく摂取させる事ができます。
粉末ジュースを毎日飲むだけの簡単な栄養補給ですので、理屈がちゃんと説明できれば、どのお子さんも進んで飲むようになってくれるはずです。
それで実際に背が高くなったり、スポーツで活躍したりすれば喜びも大きいでしょう。もしお子さんが面倒臭がっているのであれば、家族みんなで飲む習慣をつけると良いでしょう。モチベーションが保たれて、成長期が終わるまで継続できるようになります。